俳句ポスト365結果発表

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第2回 2013年1月31日週の兼題

春めく

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今週のお便り&俳句道場

★今週の俳句道場〜初心者向け解説コーナー

 さあ、今週も皆さんからいただいた投句をもとに、俳句のイロハを解説していきます。毎週読んでいるうちに俳句の作り方がわかってくる講座でございますよ。

●俳句の表記とは?

春めきの 風を感じて 気がめいる    茜

雨上がり 春めくつぼみ 時を待つ   しおかぜ

春めいて パソコン打つ 指しなやかに あやめ

 学校の掲示物等でもこのような表記をよく見かけますが、五七五の間は空けず一行で縦書きにするのが正しい表記です。表現上の手法として、多行書きの俳句もありはしますが、非常に特殊なケースだと思って下さい。またネット俳壇の横書きは泣く泣く許容しているのが現状です。

●今週の「季重なり」ブラザーズ〜♪

 一句に複数の季語が入るのは、感動の焦点がブレるという理由で嫌われます。季重なりの句を成功させるのは上級者コースのウルトラ技。初心の段階では、一句一季語から練習していくのが無難です。

春めくを知る蟻一匹潰され        金銀パール

春めいて我先にゆく蟻蟻と        しゅんかん

 「春めく」に対して「蟻」が夏の季語になります。ただ「春の蟻」という季語もありますので、この場合でしたら「春の蟻」の句として作り直すとよいですね。

畑出て春めく時に耕して         お月さん

春めきて ミニ耕運機や 出番待ち    うぶ

 「耕(たがえし・たがやし)」が春の季語になります。【田植えのために田を耕すこと】を意味する季語です。この季語の傍題(主たる季語に添えられている季語)には「春耕」「耕人」「耕牛」「耕馬」などもありますが、今は耕耘機ですよね。「耕耘機」を季語として採録している歳時記、あるのかなあ? 今、手元にある私の電子辞書の歳時記には載ってないですね(笑)。

 さあ、今週の季重なりブラザーズ。どれが季語なのかを知るところから、俳句の勉強は始まります。歳時記を片手に調べてみて下さいね。

春めいて 鴨たち羽ばたく  重信川   秋桜

春めいて きになる綿毛 白木蓮     世四

春めいてくしゃみ三つで行ってきます   曲狸

雪解けの川の流れに春兆し        たーりん

春めくや洗い立ての白シャツ一枚     純

昼寝から目覚めし夕日春めいて      らっこマミー

●類想類句とは?

新しき口紅の君春めきぬ          睡花

口紅の色を話題の春めく日         台所のキフジン

春めきて薄き紅色探すなり         佐莉

 「春は、やっぱり薄い色の口紅だと思います(*^_^*) /佐莉」というコメントも添えられていましたが、テレビのCM等でも「春の新色」なんて謳い文句、よく目にしますね。

 「春めく→口紅」と連想しそのまま俳句にしてみると、他の人も似たようなのを作っていること、よくあります。これを俳句では「類想類句」と呼びます。「類想」は似た発想、「類句」は文字面まで似ている句を意味します。

 掲出句は三句とも軽やかに仕上がっている作品ですが、類想を払拭できるオリジナリティーがあと一欠片欲しいところ。俳句はたった十七音の短い詩型ですから、「類想類句」との闘いです。が、逆にいうとたった十七音しかないので、ほんの五音分のオリジナリティーを工夫すればいい!とも言えます。

●涙の入力ミス

春るしし使者のあだ名はホルンです  すな恵

 たぶん上五は「春めくや」「春兆す」なのだろうと推測はつくのですが、入力ミスでありましょうねえ。「使者のあだ名はホルンです」というフレーズに惹かれているのですが、上五勿体ないなあ。他にも、入力ミスに違いないと思われる句を送ってこられた方々いらっしゃいました。せっかくの作品ですので〜(祈)。

●添削という名の杖〜♪

「春めくや芽先鋭角空をつく/バーバラ@チューリップの芽がでて 感じた春です。空に向かって大きな呼吸をしている様子を表現したかったです。」←「芽吹く」「木の芽」などの季語もあるので、「芽先」という言葉がちょっと気になりますねえ。中七のリズムも少し寸詰まりな感じかなあ。

 作者が描きたかったのは、「チューリップの芽」だそうですから、ここは兼題の季語「春めく」を潔く諦め、「チューリップ」の句として蘇らせてやると、こんな具合かな。「チューリップの芽は鋭角に空をつく」 上五がささやかな字余りになりますが、後半の措辞はまさに「チューリップ」らしい勢いのある描写ですね。

春めきし音やすみなき水に酔う       花屋

文法的な問題点が一つ。「春めきし」の「し」は、過去の助動詞「き」の連体形です。掲出句は、過去においてこうであったという意ではなく、今、目の前のことを詠んでいると考えられますので、「て」という助詞を使い「春めきて音やすみなき水に酔う」とすれば、問題は一気に解消します。春水のたゆたう気分が表現された佳い句ですね~♪

夏井先生

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