俳句ポスト365結果発表

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第96回 2014年12月18日週の兼題

寒蜆

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今週のお便り&俳句道場

■今週の俳句道場~初級者向け解説コーナー
さあ、今週も皆さんからいただいた投句をもとに、俳句のイロハを解説していきます。毎週読んでいるうちに俳句の作り方がわかってくる講座でございますよ。

◆俳句の正しい表記とは
初日の出 深淵なまま つきぬける  ひろよん
子規も漱石も 舌を打たらむ 寒蜆  甲斐人
飲みすぎて、後悔後で、寒蜆  夢酒
○俳句は五七五の間を空けず一行に縦書きするのが正しい表記です。ネット俳壇の横書きは、泣く泣く許容しております。強い芸術的主張がある場合、敢えて分かち書きしたり、多行書きしたりもしますが、初心の時期は基本を守っていきましょう。この関門をクリアしないと、木曜日「並選」以上には進めません。俳句の修行の第一歩は、正しい表記から~♪次のご投句待ってますよ。

◆季重なりブラザーズ
寒蜆むらさきのつゆ雪の窓  たあこいず
風邪に寝て熱きみそ汁寒蜆  杜若
寒蜆木枯らし吹いて寒い朝  とん子 
蓋を閉じ寒さを凌ぐ寒蜆  暇親爺
○季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ!とは言いませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。まずは、一句一季語からコツコツ練習です。

◆季語深耕
蜆の字硯に見えた寒蜆  杜の緑子@すずり、かと思いました。
寒蜆硯ですかと良く聞かれ  比呂 無
○「寒硯」は品質がいい?……ってか(笑)。

寒蜆スーパーでは活シジミ  おーかゆかり
●活シジミ=寒蜆と聞いたのですが本当でしょうか…。寒蜆という言葉をスーパーで見かけたことありません(´`;)/おーかゆかり
●寒蜆をインターネットで詳細に調べていたところ、「蜆は一年中、淡水で採取できる身近かな小貝である。寒蜆はとくに薬効があるとされ、食されてきた。雪中、舟を出して蜆を穫る湖の風景は趣があり、よく句に詠まれてきた。」との解説がありました。「雪中、舟を出して蜆を穫る」とはなんと寒々しい...きっとシジミも寒かったろう.../ジンベイ貮拾陸
○おーかゆかりの質問の答えが、ジンベイ貮拾陸のコメントに入ってる?

かんしじみふつかよいにもきくんだよ  みきんこ
お酒飲みお助けするよ寒蜆  ばんしょう
●冬はお酒がとてもおいしい。飲み過ぎると二日酔いや肝臓を悪くする人が多い。でも肝臓の機能を修復する蜆がある。たんぱく質、カルシウム、ビタミン、クリコウゲン等の栄養が多く含まれていて薬効の高い食材であり嬉しい。/ばんしょう
○二日酔いの朝は、なんでもいいから汁物を吸いたいと思う@実体験~のですが、特に「蜆汁」は身体が喜ぶなあ@これまた実体験♪

●「寒」の付くことで冬の季語になるものは多いですが、その意味合いは様々。冴えた美しさの増すもの、寒夜、寒茜、寒声。寒さに耐える意地らしさや哀れさを誘う、寒菊、寒雀。寒さに滋養を蓄え豊かになるもの、寒鯉、寒鰤、寒卵、寒蜆...。寒という一文字にも様々なニュアンスのあるのが季語の豊かさですね。また、浅蜊は春の季語だけですが、蜆は春、土用蜆で夏、寒蜆の冬と多く詠まれたところに俳人たちの嗜好を探ることもできる気がします。そもそもは、貝類の漁は春になって盛んになり、冬場は漁獲が貴重だったために珍重されたようです。凍るような水にかごを掻く人のつらさも含めての有り難みが寒蜆の滋養と言えるのではないでしょうか。/可不可
○うわー、可不可くん、相変わらずの微に入り細に入りの解説、有り難や!「寒」の一字の意味も丁寧に解説してくれて、ありがとう!これぞ季語深耕であります♪

◆季語雑学部
●シジミ漁の漁獲高は、ずっと島根県が1位の座にあったようですが、近年は青森県が抜いたようです。それよりも驚くべきことは、全国6位に東京都がランクインしていることです。実は東京は多摩川、荒川、江戸川と多数の河川の河口域(シジミが生息できる汽水域)があるため、シジミの生息域が広くあるようです。これらはいわゆる江戸前と呼ばれる食材でもあり、江戸前シジミ、江戸前羽田シジミなどと呼ばれているそうです。場所としては羽田空港近辺やディズニーランド北西部の荒川、京葉線鉄橋から総武線の鉄橋近辺までが大きな漁場だそうで、しかも漁期が11月から3月なので、まさに寒蜆ですね。平成23年のデータでは、356tの漁獲高があったそうです。/山香ばし
○へえ~東京都6位とは吃驚!「江戸前」という言葉の活きの良さを改めて感じます。

豊漁に鋤簾のしなる寒蜆  老人日記
●「鋤簾」とは、竿の先に網籠がついた蜆を採る道具です。小さな貝は、網目から零れるようになっています。/老人日記
●美味しい蜆として有名な、宍道湖の蜆漁業について調べてみますと、資源を護るために獲って良い日や、獲って良い時間と量や、蜆の大きさetc…と、厳しいルールが有るようです。そして、蜆獲りに欠かせない道具の鋤簾(じょれん)の重さは、平均20kgもあるようで、それを使っての作業は、力と技が要求されるようです。美味しい寒蜆が私どもの口に入るまでには、沢山の方の誇りある匠の技が必要で、これからも感謝しながら食したいものと思います。/嘉子
○「小さな貝は、網目から零れる」「獲って良い日や、獲って良い時間と量や、蜆の大きさ」 このような取り決めを作ること&守ることが肝要なんですねえ。サンゴを根こそぎ採るなんて行為は、論外だよな!

寒蜆笊笥の水は清らなり  ペコちゃん
●笊笥(そうけ、しょうけ)は竹で編んだザルの一種ですが、神功皇后が福岡県の宇美町で応神天皇を出産した際にこの籠に入れて峠を越えたという伝説があります。/ペコちゃん
○へえ~これも始めて知った! イエスキリストの飼い葉桶みたいな話だね。そしてお次は、田中ブラン君、地元情報三連発!

泥深く潜めり瀬田の寒蜆  田中ブラン
●寒蜆と言えば、瀬田しじみ(滋賀県大津市)!ご当地食材が兼題なので、今週は地元(瀬田)オシでいきます(笑)近年は、水揚量激減でなかなか地元でも口に入らない瀬田しじみ。その伝統漁法は、「タマ」と呼ばれる網の付いた竹の長竿(6M超)で、びわ湖の底の泥をかく「しじみ掻き」が、地元ではよく知られています。/田中ブラン

上洛を急がば瀬田へ寒蜆  田中ブラン
●またまた地元ネタ。「急がば回れ~」の語源となったのが、瀬田の唐橋。戦国時代、京都/天下を目指した武将たちは、比良颪による水難多発の湖上を避け、(陸路)瀬田の唐橋に向かった。/田中ブラン

逢引は瀬田の唐橋寒蜆  田中ブラン
●また地元ネタ。吉川英治の小説『宮本武蔵』に登場する「唐橋上の恋」。武蔵とお通が逢瀬を楽しんだのが、橋の真中辺りにある中之島の茶屋。現在は、老舗料亭があります。/田中ブラン
○滋賀県瀬田に住んでるのか、田中ブラン君。1月末に長浜の盆梅展にて句会ライブします。会えたら嬉しいなあ!

U字溝幾程登るか寒蜆  雪虫
●シジミを調べると、外来種のタイワンシジミというシジミがいると知りました。このシジミは比較的汚い水路とか、U字溝にいたりして、時々氾濫したりするらしいのです。綺麗な所にいる様なシジミのイメージに反するこのタイワンシジミに、かなりショックを受けた自分でした。/雪虫
○えっ?!その「タイワンシジミ」情報に、今ワタクシは、かなりのショックを受けました。

恐竜の足に欠片が寒蜆  まどん
●蜆の化石があり、さかのぼること1億万年以上とネットで知りました。/まどん
○へえ~、ゴキブリと同じぐらいの歴史を持つってこと?

寒さうに舌を出したる寒蜆  ひでやん
●貝のあのでろ~んと出ている部分は、学術的には「あし」と呼ばれます。だから「足を出したる」にすると正確にはなりますが、それでは何か当たり前で面白くない気がして、こんな句になりました。それ以前に、「寒さうに」が季重なりブラザース行きかもなあ。/ひでやん
○今回、季重なりの句が他にも散見してましたが、少なくともこの句はギリギリセーフと言ってよい擬人化です。「寒さうにアシを出したる寒蜆」はたしかに、笑えるよな。

寒蜆じりとマグマへ二寸ほど  三重丸
●水温の低い冬季は、殻長の三倍ほどの深さに潜って越冬するらしい。/三重丸
○健気な、生きる力ですなあ。

透明度の上がりたる水寒蜆  北大路南天
●蜆は浄化能力が高く、プランクトンで濁った水に蜆をいれると短時間で透明になります。冬の海も水温が低くなることからプランクトンの活動低下により透明度あがります。/北大路南天
○ええー!それは、彼らがプランクトンを食っちゃうの?それとも、全く違う作用なの?

●組長!「牡丹鍋」の週に「鶏肉を『かしわ』というのはなぜか」とおっしゃっていたので、もうちっと詳しく調べてみました。「かしわ」というのは羽の色が茶褐色の鶏のことで、その肉のことも「かしわ」といっていたのが、鶏肉全体の呼び名となったそうです。それで、植物の柏との関係ですが、全くないわけではなくて、茶褐色の色が、柏の葉の紅葉の色に似ているところからきているそうです。/ひでやん
○情報ありがとう。名前の付き方って面白いよねえ。

◆添削という名の杖~♪
木霊来て銀山栄えし寒蜆  北まぐれ
○「来て~栄えし」という叙述の時間軸をどう読めばよいのか、読み手を迷わせる句です。今、「木霊」が聞こえていて、かつて「栄え」ていた「銀山」であるよ、という意味で作られたとすれば、以下のような形がギリギリかなあ。
   【添削例】 銀山の栄えし木霊寒蜆

◆こんなお便り、質問届いてます!
●寒蜆もそうですが、過去の兼題の鵙、鰡、万年青、秋燕など、普段の生活で書くことのない漢字が多いですよね。そんな漢字が覚えられるのも、俳句ポストのひとつの魅力ではないでしょうか。ここ一週間も、寒蜆と書き続けているような気がします。/山香ばし
○先だっての某句会の兼題が「蝦蛄葉仙人掌」でした。もういやになるほどこの字を書いたので、一生忘れないと思います(笑)。俳句のおかげで、辛うじて「漢字」が書ける能力を維持している?

●「牡丹鍋」では、初の火曜日添削をありがとうございました!!組長に初添削していただき、嬉しい~!四段活用連体形を間違えました。文法は調べながら作句しているつもりですが、難しいです。この歳になり辞典の山に囲まれるとは思いませんでした。楽しいです(^^) /望月ゆう
○辞典も辞書も歳時記も友だちです♪

●愚作、愚作、~達磨、万歳、~完全に nock out 寒蜆に適合し、蜆に不整合な残り五七の俳句、全くの素人泣かせばかりか、選者の「殿」泣かせでもあるまいかと、案じ候。「天」「地」いかなるものか、興味深々。/風来坊
○ハイ、こりゃ、大変な選だなあと思っております。金曜日までに、どんな句を発見することができるか、頑張ります!

●今年は一月からこちらのハイポにお世話になり、季語に対する考え方が変わりました。勿論良い方向へです。今まであまりにも季語を軽視してきていました。投句初回から教えて下さったのが、あの「節分」の週でした。「節分」と「節分会」全く性質の違う季語であるにも関わらず、「節分」の兼題に投句してしまっていました。しかしながら、それにもかかわらず、あの時は何もわからぬまま、「天」という、恐れ多い選をいきなり頂いてしまい、どう喜んでいいのかさえわからぬ私ではありました。今年一年、本当にありがとうございました。組長はじめスタッフの皆様、どうぞお体には十分お気をつけなさって、良い新年を迎えられますよう、お祈りしています。特に、組長は益々お忙しくなっていらっしゃるでしょうから、ご健康には十分すぎるほどご留意いただいて、私たち俳句愛好家の先頭に立って、様々なメディアを通してお元気なお姿をお見せいただけますよう、重ねてお祈りするとともに、宜しくお願い申し上げます。/江戸人
○江戸人さんとの出会いの一句、鮮烈に覚えていますよ。
   節分や護符張り換へて山晴るる     江戸人
毎週の季語深耕で、様々な季語についてじっくりと考えさせてもらえることが、ワタクシにとっても大きな意義となっています。ハイポ、ありがとう!

●プレバトで組長と出会い、俳句を作ってみようと思い立ってから四ヶ月。言葉との取っ組み合いの仕方がほんの少しずつ見えてきたような気がします。そして、「季語」が持つ広くて深い世界にどれだけイメージを広げることができるかがどれほど大切なのかも少しずつ分かってきつつあります。と言うことで、今週もずーっと「寒蜆」について考え続けてみました。そして、何となく見えてきたイメージは、冷たく厳しい時期であるからこそ、その厳しさにじっと耐えて砂にもぐって力を蓄えている姿です。くさらず、へこまず、あきらめず、しかし、前を向く姿勢だけは失わないでじっと力を蓄えているイメージが浮かび上がってきます。そして、次週の兼題が「冬芽」なのを見て、なんだか物語的な連続性を感じとってしまいました。さて、問題はそう言うイメージをどれくらい頑張って形象化できるかです。ただし、どうしてもそう言う寒蜆に自分を仮託して句にするという、主観的なものしか詠めないあたりに力のなさを痛感しています。/河内天青
○「季語深耕」の可不可さんのお便りもそうですが、河内天青さんも季語について深く深く考察してくれてて、ほんとに勉強になります。今週の金曜日に向けて、真剣に慎重に選句していきます!

●組長様、いつもご指導ありがとうございます。スタッフ及びハイポニストの皆様、お世話になります。今回の兼題「寒蜆」は、非常に難しかったです。全く「蜆」と「寒蜆」との違いが詠めないうえ、イメージも全く湧かず…。以前、「プレバト!!」で賀来賢人さんが、露天風呂の俳句を詠むに当たり「(頭の中で)露天風呂に100回入った!」と仰っていたのを思い出し、100回以上寒蜆や寒蜆を扱う者になろうとしてみましたが…難しさは変わらず、肩を落とし悩んでいました。と…そんな時、献血センターからお電話があり、日本赤十字社第9回赤十字・いのちと献血俳句コンテストに入選した旨の連絡を受けました。かつて輸血により命を救われた私は、ショッピングモールで手にした募集チラシに引き寄せられ、句作りを初めて3ヶ月にしての応募でした。応募総数35万句を超えていた中から選ばれたとことが未だに信じられませんが、「よっしゃ~どんな兼題にも諦めずしがみついて頑張るぞ!」と、俳句を休まず続ける決心は確固たるものとなりました。私の駄句に組長様が頭を抱える様子を想像してしまいますが…寒蜆も諦めず投句しましたので、どうぞよろしくお願いします。/高尾はるか
○えらいぞ、はるかちゃん! せっかくハイポで毎週勉強しているのですから、どんどん色んな場へ投句して下さい。それもまた勉強。ついでに賞品やら賞金やらもらえたら、さらに嬉しい♪(笑)。今年も、楽しみつつ勉強していきましょうね。

夏井先生

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