本選句欄では、添削した形で句を掲載する場合があります。
添削は作り替えの提案として句会等でも議論されます。示唆された添削案が自分の表現したいことに合致すれば、作者の判断においてその案を自作として採用してかまいません。
添削は作り替えの提案として句会等でも議論されます。示唆された添削案が自分の表現したいことに合致すれば、作者の判断においてその案を自作として採用してかまいません。
- 五月雨や動かぬ雲と動く風
- dolce(ドルチェ)
- 五月雨や雲は気体でないらしき
- 羽白雨
- 洗牌のごとき音して五月雨
- 百田玲@洗牌(シーパイ)
- さみだるる川の濁りや沈下橋
- 富真乃
- 五月雨や芥が超える沈下橋
- あいむ李景
- 五月雨に水平面が粟たちぬ
- くんちゃんのともだち
- 五月雨の油膜を撥ねる川面かな
- 内藤羊皐
- 五月雨や天井川の滾る音
- 燈穂
- 底暗き五月雨の用水路かな
- ささのはのささ
- 五月雨やゆるりと来る田の神講
- 28ひろきち
- 五月雨に田の神踊るごと水面
- be
- 代々の墓は田の隅五月雨るる
- 江戸人
- 五月雨の洗い流して耕運機
- 三毳
- 五月雨や田水見廻る鍬一つ
- 樹朋
- 五月雨や鋤鍬鎌に兆す錆び
- いつき組リスナー班 たぁさん
- 五月雨に鍬の柄二丁直しけり
- 大谷如水
- 五月雨に車輪のネジは錆びついて
- 村上海斗
- 五月雨や錆ぶるものみな無音なり
- うさじい
- 五月雨の内地におわす水の神
- 車窓
- 五月雨や麦と稲とを植うる國
- 山崎ぐずみ
- 五月雨や水にけぶれる河の家
- 笑松
- 五月雨やどの大河にも寓話あり
- 夜市
- 暁闇の影やはらかやさみだるる
- 衒叟
- 土の香のつとゆらぎたつ五月雨
- 明女
- 山のため息白し今日も五月雨
- 八作
- 五月雨の体に浴ぶる樹の匂ひ
- 宗本智之
- 遡行図の沢線は濃し五月雨
- 蘭丸
- 五月雨に叩かれ黒を増す沼地
- とりとり
- 五月雨や山から誰の口笛か
- 吉や
- 五月雨や雑木へ続くタイヤ痕
- 紗蘭
- 潰れたる民家の屋根やさみだるる
- 髙橋冬扇
- 五月雨や庭に煉瓦の匂ひたる
- かたつむり
- 五月雨の街は積み木を崩すやう
- 柳匠
- 鎌倉の堂々として五月雨るる
- さるぼぼ
- 夢殿の扉閉ざされ五月雨
- さん子
- 五月雨るる六角堂の朱の昏き
- 残月
- 五月雨や仏殿に鳩仮住まい
- お気楽草紙
- 五月雨や寺の縁起の長講話
- 時雨
- 五月雨や祠の護符の朱き印
- ほろよい
- 五月雨や八つ墓村に甘き闇
- 越佐ふみを
- 安曇野の湧水叩く五月雨
- 花舟
- 訛音めく五月雨殊に甲州は
- 土井探花
- 五月雨や官営富岡製糸場
- 夜市
- 五月雨や湖国重たうなりにけり
- 三重丸
- 五月雨の翡翠色なる秋吉台
- 千波
- 五月雨や四万十の神荒ぶれり
- 堀アンナ
- 五月雨や烟る瀧沢不動峡
- 兀兀
- 五月雨や朝霧橋の朱のさやか
- 鵯
- 弘法の橋杭岩や五月雨るる
- 竹庵
- 五月雨の大仏むつとしてござる
- 椋本望生
- 五月雨に法衣拭いて本願寺
- 茶
- 午後零時渋谷うら路地五月雨るる
- 万屋あたる
- 五月雨るるメトロのくぐる聖橋
- 川島 欣也
- 五月雨を抜けて蘇州の小さき駅
- 善句大郎
- 五月雨や正門閉ざすロシア館
- 東山
- 五月雨や鳩ひるがへる原爆館
- 河童
- 折鶴や原爆館はさみだるる
- 寸人
- 洋館の煉瓦けむるや五月雨
- 大石真大
- 五月雨に凝りて暗き内廊下
- よあけの晩
- 五月雨やわずかに凹む石畳
- 西山哲彦
- 五月雨や太陽の塔やや猫背
- 西田克憲
- 五月雨の海底めける朝の街
- 佐東亜阿介@チーム天地夢遥
- 五月雨は溢れアスファルトは鯨
- 三重丸
- 湯の花を打つ五月雨の宿場町
- まどん
- 五月雨にごった返すや中華街
- 久我恒子
- 五月雨に饅頭けむる中華街
- 津軽まつ
- 五月雨やヨガ教室の曇り窓
- むらたふみ
- 五月雨や解剖室の明り窓
- スズキチ
- 五月雨や水屋に昼の灯が点る
- 沙羅
- 五月雨や碧き瓦斯灯火の入らず
- 山西琴和浦
- 五月雨や鉄粉の舞ふ町工場
- 春川一彦
- 五月雨に暮るる銃砲火薬店
- すな恵
- 五月雨や橋のたもとの写真店
- 小野更紗
- 五月雨を避けて巣鴨の定食屋
- らつこマミー
- 五月雨るる職場帰りの立ち飲み屋
- 津軽ちゃう
- 五月雨や羽二重団子の二百年
- 越智空子
- 五月雨や昭和の書庫のねずみいろ
- 糖尿猫@ 35°42'27.05N
- をととしの五月雨降らす映画館
- 比々き
- 五月雨を避けてぐだぐだ美術館
- 蛾触
- 図書館のペーパーノイズ皐月雨
- 十志夫
- 五月雨や耕せぬ日々本読む日々
- 柳児
- 五月雨や晴耕雨雨雨読に死ス
- 矢嶋博士
- 五月雨や「広辞苑」でも繙くか
- 28あずきち
- 五月雨や湊かなえは晴れた日に
- あまいアン
- みだれ髪論じ部室はさみだるる
- あるきしちはる
- 五月雨に降り込められて犯科帳
- 軌一
- 五月雨の調べや杜甫の重低音
- 笙
- 宗達の白象図見る五月雨
- 翔
- 五月雨や齢を押してニーチェ読む
- 公毅
- ツァラトゥストラまだ五月雨は上がらぬぞ
- しましまの青鬼
- 五月雨に少し膨れる漢字辞書
- 小川めぐる@チーム天地夢遙
- さみだれや碁盤ふくらむ夕間暮れ
- 香壺
- 五月雨を聴いて明日の棋譜調べ
- いごぼうら
- 五月雨に庫内整理の一日かな
- あさり
- 五月雨や雫のロンド母の傘
- 池野 彗渉
- 母の手を引く五月雨の石畳
- かれん
- 五月雨や窓に余命を知らぬ母
- 妙
- ぜんざい好きの叔父の命日さみだるる
- 笑酔
- 五月雨の音を乱して兄帰る
- こま
- 五月雨の三日続きや祖母の居間
- ララ点子
- 臥す妻の傍に小机さみだるる
- 渕野陽鳥
- 五月雨や湯船に浮かぶ山の神
- 芋徹三
- さみだるる駅の北口妻待てり
- 我楽句多
- 地下よりの出口入口さみだるる
- 彩楓(さいふう)
- 北口に降り五月雨の街に入る
- 雪うさぎ
- 留守守る身に五月雨の音強く
- 花伝
- 老いと言うブラックホール五月雨
- 華女
- 五月雨の中を真黒き柩車くる
- 一心堂
- 五月雨れて葬列中ほど乱れけり
- きらら7
- 鉄の橋渡る喪服や五月雨
- 杉本とらを
- さみだるる村に棺の還り来ぬ
- 長緒 連
- 五月雨やビルの谷間の首塚碑
- 辻が花
- 五月雨に浜膨らみぬ漁師小屋
- 柴原明人
- 艦名に五月雨の名や傘を閉づ
- 木好
- さみだるる軍港すべて鼠色
- 関野無一
- 大玻璃を透けいて海と五月雨と
- 柝の音
- 五月雨やフェリーの黒き口揺るる
- 樫の木
- 岩壁に係留ロープさみだるる
- 正丸
- 五月雨の白き巨船にたばしれり
- 峰泉しょうこ
- 停泊の白き巨船や五月雨
- 峰泉しょうこ
- 遊覧船湖岸によせて五月雨
- 靫草子
- 五月雨の鉄橋かつて木橋なり
- 石井せんすい
- 五月雨や鉄路に撒かるる砂の帯
- 草嶋 薫
- 五月雨や鉄路四本分の空
- 魚ノ目オサム
- 五月雨や遮断機降りたまま五分
- 出楽久眞
- 五月雨を斜めに離陸機の灯り
- 松田てぃ
- さみだれのただ降るばかりエアポート
- 片道切符
- 耳鳴りの出発ロビー五月雨
- 富山の露玉
- 追う背には届かぬ声のさみだるゝ
- 祐
- 負ケル負ケルドーム球場五月雨ルル
- 丸茶
- 五月雨に素振り千回えぐる土
- 石川焦点
- 五月雨やサッカー場の旗の渦
- 津葦
- マンホールの蓋に終日さみだるゝ
- 金太郎
- 五月雨や垂れてをりたる組合旗
- 小市
- 五月雨ににじむご不在連絡票
- 石川焦点
- 網棚の濡れし夕刊五月雨
- ぎんやんま
- 乗り換へても乗り換へても五月雨
- 木目
- 湯沸しの笛に驚く五月雨
- 春生
- アールグレイ冷めゆく午後の五月雨
- 晴読
- 五月雨やスープにしずむ銀の匙
- 芳青
- 五月雨や湯気の漏れ出すまんぢゅう屋
- 寸人
- 五月雨を走れマルゲリータのL
- 三重丸
- 異教徒の五月雨に擂る黒胡椒
- 海田
- 五月雨や硝子に歪む窓の空
- 留野ばあば
- アンティークドール窓辺へさみだるる
- 松尾千波矢
- 五月雨や今日を見つめて芙美子像
- ぐべの実
- 五月雨やモネの思ひは眠ること
- 依里
- しずけさや五月雨受くるマリア像
- 時雨
- 五月雨や河は手足を得て龍に
- でこはち
- 五月雨を飲んで暫く鳴かぬ龍
- どかてい
- 五月雨に河童の皿の溢れたり
- ひでやん
- さみだるるこんな日に会ふ河童の子
- ことまと
- 紫の柩王子に五月雨を
- 江口小春@追悼番組を見てからプリンスすげ~と思ったので。
- 振りはらひ少年五月雨のなかへ
- 西原みどり
- 五月雨や私はピアノピアニッシモ
- 未貫
- 五月雨や隣に煙草吸ふ女
- 田中耕泉
- 五月雨に立つや男の五時の影
- 台所のキフジン
- 五月雨や三日火焚きの登り窯
- 登美子
- 焼損の鯱に緑青五月雨るる
- 板柿せっか
- 五月雨や黒ずんでをる肥後守
- 百草千樹
- 五月雨をぶちまけて青色慕情
- 那須新香
- 五月雨のATMが嗤ひだす
- あつちやん
- ポスターの笑まふさみしさ五月雨るる
- 念仏の桂介
- 玉眼めくみどりごの目やさみだるる
- 直躬
- 弥陀の眼のあをき底へとさみだるる
- 緑の手
- 五月雨や銀のおりがみ山折に
- 睦月くらげ
- 折り紙の魚二十尾や五月雨
- あるきしちはる
- さみだれやつみきのくるまこわれたよ
- けいご5才
- 五月雨やブリキのアトム部屋に飛ぶ
- 聞岳
- ブリキバケツ五月雨のへんてこな音
- しましまの青鬼
- 五月雨に浮かぶ船めく小ホール
- 理子
- 部屋干しの城に籠れり五月雨
- 紙魚
- さみだれの回転木馬まどろみぬ
- 佐藤直哉
- 五月雨や音楽室にひとりきり
- 桃八
- 五月雨るるフラスコBは加熱中
- 白豆
- 五月雨や豪快に噛むシュレッダー
- とりとり
- 事務室の窓五月雨と決算書
- 佐東亜阿介@チーム天地夢遥
- 死亡事故現場の花や五月雨るる
- 那須新香
- あの写真の中の五月雨は斜め
- 富士山
- 便箋に残るへこみやさみだるる
- はまゆう
- 五月雨の影すべりたる撞球台
- 牟礼あおい
- 記念日の頁の栞五月雨
- 弥生
- 五月雨や版画を黒い線ばかり
- 葉月のりりん
- 五月雨が一味の舟を待っていた
- 羽沖
- 五月雨の重さを揺れてゐる秤
- 鈴木牛後
- 動き出しさうな亀石さみだるる
- 立川六珈
- 五月雨や嗽薬に銅の味
- 岩魚
- 五月雨や今日も朝から片頭痛
- あすなろ
- 五月雨や残り少なき頭痛薬
- うしうし
- 聞いているふり五月雨の微積分
- タルトタタン譚
- 五月雨の色吸い上げるガラスペン
- てびき
- ていねいに墨する午後やさみだるる
- ちゃうりん
- 五月雨や詩稿の筆を執りて止め
- 山樫梢
- 文字化けの潤む五月雨籠かな
- 堀口房水
- 五月雨や壁に無数の鍵吊るし
- 矢野リンド
- 五月雨の窓を見ており包丁研ぐ
- 亀田荒太
- タクシーを降りて五月雨交番前
- 鈴木麗門
- 五月雨や君待つワイパーのラルゴ
- 由野
- 五月雨ぽつりラルゴモデラートヴィヴァーチェ
- 林あおい
- 五月雨や聞き返しやるオルゴール
- 蓮華寺
- 三味の音のご機嫌悪し五月雨
- 勿忘草
- 芳一の琵琶の音鈍し五月雨
- 谷口詠美
- 五月雨や黒鍵三つ程のうた
- けら
- 五月雨が消すミスタッチのピアノ音
- コアラ
- 五月雨やリズム音痴のハーモニカ
- えび天
- 五月雨やオルガンの音ぞ曇りける
- 宵嵐
- 五月雨やヴィオロンの音のくぐもりぬ
- 蒼鳩
- シロホンを奏づるごとく五月雨るる
- えらいぞ、はるかちゃん!
- ひとり逝く姉のショパンやさみだれて
- 谷口詠美
- 五月雨や練習曲はボブディラン
- 山香ばし
- 五月雨やバンドネオンの湿る音
- トレ媚庵
- 五月雨やB面の歌流れをり
- 夢見亭笑楽
- レコードの針に「革命」さみだるる
- 比々き@ショスタコーヴィチ:交響曲 第5番「革命」
- グレゴリオ聖歌のごとき五月雨るる
- 巫女
- ポーランド生まれの五月雨だらうか
- ノクターン@昔「雨音はショパンの調べ」と言う歌がありました。
- 五月雨の森はショパンでなくラベル
- クラウド坂上
- 五月雨や海に還りしドビュッシー
- しかもり
- 船室のラヂオの熱や五月雨るる
- トポル
- 周波数合わぬラヂオや五月雨るる
- 香舟
- 五月雨に霞むは水位観測所
- 流
- 訓練のサイレン五月雨は無色
- ぐわ
- 五月雨や避難水位は五メートル
- ひろ史
- 五月雨や川辺に掛かるコンドーム
- 比呂 無
- 五月雨の一直線や獣道
- 三輪えつし
- 五月雨やペットショップの獣臭
- かをり
- 主なき象舎や蒼く五月雨るる
- たんじぇりん金子
- 老い象の斑の背中五月雨るる
- しげる
- 五月雨やヒポポタマスはすまし顔
- 小鞠
- 五月雨のゴリラの檻の中の布
- ナタコ
- 五月雨や馬場に黒毛の尻の湯気
- 津軽わさお
- 五月雨や岬の馬の肌青し
- 田中憂馬
- 馬五万頭いきり立つ五月雨
- 林甲太郎
- 黒き馬ぶるりと啼けり五月雨に
- 大西主計
- ゆぶゆぶと五月雨の道牛のゆく
- 誉茂子
- 脱走の羊五月雨重さうに
- このはる紗耶
- 五月雨の止むこと知らず犬の葬
- 湯川美香月
- もの憂げな犬の睫毛や五月雨るる
- かざばな
- 五月雨踏みつけ灰色となる犬
- 竜田一歩
- さつき雨腹まで濡れて犬帰る
- 亀田荒太
- 猫の眼底五月雨の降りしきる
- 糖尿猫
- 五月雨や白猫すこし灰めきて
- 田中ブラン
- 五月雨にノラ猫の名をチヨマとする
- 沢田朱里
- 六日来ぬボス猫いづこ五月雨
- 望月ゆう
- 五月雨やオカメインコと遊ぶ妻
- 江里口泰然
- 五月雨にインコはインコの匂いして
- ギボウシ
- 五月雨や屍あらはに背黄青鸚哥
- 凡鑽
- にじ色の蝶の墜落五月雨るる
- めいおう星
- 濡羽振る一瞬の瑠璃さつき雨
- 多事
- さみだるる小屋に甲羅の欠けし亀
- あるきしちはる
- 五月雨の花蜘蛛なほも翡翠色
- 青萄
- 五月雨や鈍な鯰に深き川
- 登美子
- 五月雨やアクアリウムの魚育つ
- さきの咲野
- 五月雨やその仔はうちでは飼えないの
- 都ぽむ
- 五月雨を土竜のやうに聴いてゐる
- 大西主計
- 五月雨やわたくしにある半減期
- 岩魚
- 五月雨や頬杖に一縷の野心
- かま猫
- 五月雨に黒シヤツは何埋めたのか
- 葦信夫
- 鈍痛は胛あたりさみだるる
- 直木 葉子@胛(かいがね)=貝殻骨
- 五月雨へ振り向くに首回りけり
- Y音絵
- 五月雨や耳の不調の始まる日
- 一走人
- ぐづぐづと耳の鳴りけり五月雨
- 七草
- 痛痒きピアスの穴や五月雨
- みなと
- さみだれによこしまな耳洗ひけり
- とおと
- 五月雨や句碑を洗えや野の果ての
- 安里屋
- 縄文の遺跡青々五月雨
- 井上じろ
- 五月雨やアンモナイトは眠らない
- sakura a.
- 人類は弥勒を待たずさみだるる
- 青萄
- きまぐれにずらす国境さみだるる
- 大塚めろ
- 五月雨や大正ガラス越しの庭
- つつ井つつ
- さみだれを傘で三分待たせます
- 多重にいと
- 還暦の五月雨雲は病魔のせ
- 野良
- さみだれや解凍パンに岳と渓
- 248ゆきち
- 五月雨のバス停独り手に赤本
- 93kgのプッコラ
- 五月雨や刺し餌を垂らし笹濁り
- chiro
- さみだれてあめつちとけてしまいけり
- GONZA
- 五月雨の少年走ることもせず
- julia
- 五月雨の杜漆黒の幹太し
- kokoro
- 鎌倉は五月雨似合う切り通し
- m.ソラ
- 五月雨や今日は行けぬとメールあり
- M.文女
- 五月雨の流れ激しや岸洗う
- M多孫(タマゴ)
- 五月雨にうたれて心ちぢみだれ
- PE天使
- 五月雨や濡れて鼠の走る朝
- piron
- 警策のやさしく響く五月雨
- TAKO焼子
- 五月雨に打たれ動じぬ石仏
- TOSHI
- たらればを言ふ男あり五月雨
- アカツカ
- さみだれがせうせうとまたがうがうと
- あきおかば
- 偲ばれて五月雨やまず寺の坂
- あけび庵
- 五月雨や日常をのせ方舟は之く
- あぶはち
- さみだるる髪の乱れをそのままに
- アリマノミコ
- 五月雨を聴いているリビングの朝
- いけのまりも
- 五月雨や流せぬことの多きこと
- いしまさ
- 手のまめも柔らこうなる五月雨
- いちじく
- 行きどまる路地また路地も五月雨
- いち瑠
- 五月雨や心洗わる難儀もの
- いまが旬
- 五月雨や選挙ポスター泣き笑い
- いもがらぼくと
- 五月雨にかき消されゆく怖ひ夢
- いもとやへえ
- 五月雨てくわじつ遍く歯を濡らし
- ウェンズデー正人
- 五月雨やいたちごっこの道普請
- うに子
- 五月雨や濡れ縁乾き初めたるに
- エイシェン
- 五月雨や刻む調べの挿入歌
- えみあみこ
- 五月雨に国を二分の離脱組
- オイラー
- イシガメの甲羅を洗う五月雨か
- おはぎ
- 五月雨やいわをながして道つくり
- およしこ
- 五月雨の止み間に覗く泥の川
- かしょう
- 駅前のチャリ五月雨に錆びように
- かつたろー。
- さみだれや濡れ縁黒く太りたり
- かなた
- 五月雨や忘れし傘のある電車
- かぬまっこ
- 五月雨や老農見上ぐ軒先に
- がまさん
- 粘り着く夜風を纏う五月雨
- カモコム
- 五月雨や改札へ向くスニーカー
- カロナン
- 五月雨の乾く間も無き宵の声
- カンナちゃん
- さみだれや穂々へ気ままな神が尿(しと)
- きおき
- 五月雨を見ずの二日で棟を上げ
- きさつかさ
- 沖までも続く濁流五月雨
- きのと
- 五月雨や人足途絶ゆアーケード
- きょうこ
- 迎合の世論の末にさみだれつ
- くさぐき
- 飽きもせず五月雨ワルツ猫ひとり
- くま鶉
- 五月雨や眠れぬ夜の子守歌
- クリスマスローズ
- 五月雨や夜半の雨だれクレシェンド
- くろべぇ
- 五月雨やごみに片方スニーカー
- けいけい
- さみだるるささやきごとのとめどなく
- ココダン
- 眠られぬ被災の町にさみだるる
- ごぼうの花
- 土臭き公園や五月雨あがる
- こまめ
- 教室に大人はひとり五月雨
- さかな
- 雲の波大地潤す五月雨
- さきたま静香
- 五月雨や列島いやす傘の花
- さとうくにお
- にこっとね五月雨をのむおじきそう
- さな(4才)
- 五月雨や家居一人の詰将棋
- さぶり
- 傘の花咲く五月雨の登校路
- しげ爺
- 五月雨の音吸われ行く苔の上
- シツ女
- 足音の無き石段の五月雨るる
- ジュリアン
- 猫と二人夜の五月雨音高く
- じゅりあん・山本
- 五月雨や止みて眩く咲く日傘
- しをらか
- 五月雨やニホンイシガメ減り続く
- すえよし
- 五月雨や長靴うれしぴちゃぴちゃと
- すかりん
- 五月雨に選挙公報濡れそぼり
- スタルカ
- 五月雨に坂道駆けてとき変わり
- せいじ
- 五月雨あいつはまたもドタキャンか
- せいち
- 五月雨にカラス鳴く森黒々と
- せり花
- 五月雨や亡き叔父の夢をみし
- セルリアンブルー
- 五月雨や夕刻の駅前に車列
- ぜんちゃん
- さみだれやおうむ返しをくり返す
- タカコ
- 五月雨や通学の傘踊るよう
- たかちゃん
- きょうりゅうのおもちゃであそぶさつきあめ
- たくみ3才
- 五月雨や読経も湿る阿弥陀堂
- タケ
- 死に場所を探す猫あり五月雨るる
- たけうちひよこ
- 五月雨に午前零時のハイヒール
- たま
- 五月雨の洗髪一日しか保たず
- たろ
- 五月雨や差出人の滲む文字
- たんと
- 五月雨の音を聞きつつ本を読む
- ちかふじ
- 五月雨やカラオケボックス濡れ通し
- ちせい(元石川順一)
- 五月雨を仰向き睨む仔犬なり
- ちびつぶぶどう
- 五月雨やお堂に響く軋み音
- チョコレートおじさん
- 早明浦や五月雨受ける甕は大
- チリあやめ
- 五月雨の降り立つ街やがらんどう
- ツカビッチ
- 五月雨や木曽路の旅の山煙る
- つかりん
- 五月雨に寄り添うふたり傘一本
- つつ井つつ夫
- 猛ダッシュ五月雨裂いて十五歳
- つむぎ
- 五月雨の闇へ電車の入りゆけり
- てつ
- 五月雨やそれでも傘を失くす人
- てまり
- 五月雨や槌目打ち込みたる銀器
- でらっくま
- がらくた市の碗鈍き音五月雨
- てん点
- 五月雨やけぶる鞍馬の木の根道
- とうくろう
- 悲しみの野に咲く祈り五月雨ぞ
- ときめき人
- 五月雨や輪郭線の溶けてゆく
- どっこいしょ
- 追うごとく兄の書読みて五月雨
- どんぐり鯉太郎
- 五月雨に響く放送尋ね人
- なおろーず
- じんわりと五月雨の夜机上にて
- ながやまゆきこ
- 五月雨を重ねて青き米どころ
- なづな缶
- 干す傘をパラパラ濡らす五月雨
- なないろ
- 五月雨をよけて唄える千鳥足
- なにやら節
- 傘立に五月雨傘のたたまれず
- なべよし
- 五月雨の川面を覆う草の波
- なみは
- 五月雨や東急ハンズうろうろす
- にゃん吉
- 駅前の赤提灯もさみだるる
- ねぎ坊主
- 五月雨は街の雑踏消しにけり
- ねもじ
- 路地裏の猫に冷たき五月雨
- のひろ
- 五月雨を集めて足りぬ給水湖
- 呑水
- 其々の意見譲らぬ五月雨
- バーバラ
- 五月雨に足早に去る警備員
- パオ
- 五月雨を集めひと息水不足
- はぐれ爺
- 五月雨に無くさぬ傘は十年目
- はずきめいこ
- 五月雨や雲の乳房を吸う畑
- ぱそ夢
- 五月雨や妻の葬儀に泣き女
- パッキンマン
- 五月雨や寝起きに作る霊具膳
- はらたけこ
- 五月雨や芭蕉現る鴫立庵
- ひよとり
- 五月雨や父逝きたりし朝の如
- ひよはるばば
- 五月雨に長屋の窓は開いてをり
- ひるね好き
- 五月雨やカッパ乾かすの日課
- ひろくん8さいのママ
- さみだれや水たまりでびっしょびっしょ
- ひろしげ8さい
- 五月雨やマイナンバーは十二桁
- ひろ志
- 山間の廃墟腐らす五月雨や
- ふあり光
- 五月雨やラジオ音量大にして
- ふうせんかずら
- 五月雨の合間にバスへ忘れ傘
- ぶぅちゃん
- 五月雨の屋根打つ音も子守唄
- ふじたか1
- 五月雨や仏彫られて三百年
- ふじもり よしと
- 五月雨の杉の涙や山のバス
- ふっこ
- 不揃いな泥団子たち五月雨
- ブッコマミ
- 五月雨やモノクロと化す比良の山
- ふわり子
- 高下駄の音殺してやさみだるる
- ペコちゃん
- 五月雨や空を見上げる通院日
- へでの妻
- 花街の五月雨おどる石畳
- ぺのぺの
- さみだるる母の愚痴降るアイロンに
- ヘリンボーン富樽
- 五月雨に始まる話the end
- ぼたんのむら
- 人は皆忙しさうな五月雨るる
- ポメロ親父
- ペダル踏み五月雨と往くラブレター
- まー
- 五月雨や無量光院跡に池
- マーペー
- 五月雨やパン屋は「木曜休みです」
- まき葵
- 五月雨をよけぬママらのマイペース
- まち眞知子
- 枯れる生花の涙と五月雨と
- まつりそ
- 五月雨をきて運休のアナウンス
- マピコ
- 進学の三者面談五月雨るる
- まゆ熊
- 五月雨にたたき起こされ朝を待つ
- みー太
- 五月雨や看板犬の大あくび
- みえ
- 五月雨や珈琲の香りいつもより
- みかん
- 五月雨や軒下わたり歩く猫
- みさきまる
- 五月雨が飛行機よりも早く着く
- みずたまきいろ
- 五月雨の音で目覚めし月曜日
- ミセス水玉
- 五月雨のインクのにじむ葉書かな ○
- みつき
- 五月雨に昔ばなしが咲いている
- みやこまる
- ラインにも五月雨ありて濁りたる
- みゆめい
- 五月雨に三笠の鉄塊海夢見
- みよしい
- 五月雨は灰色多し水彩画
- みんとちゃん
- 五月雨の夜更けボサノゥバ聞く女
- み藻砂
- 五月雨るる机にポイと外野券
- むじーじ
- 五月雨や斑の腓の早足よ
- むすびめ
- 五月雨に原付留めて息を吐く
- もえぎあい
- 五月雨や熊本城の黒々と
- ももたもも
- 五月雨や猫と並んで軒の下
- やすまっきー
- 五月雨や読み上げ算の名調子
- ヤッチー
- 五月雨やフォルテで弾く赤い傘
- ヤマボー
- 五月雨が「雨に濡れても」歌ってる
- ゆぃ
- 五月雨につられて流す曲がある
- ゆみづき
- 五月雨や堰放流に逆巻けり
- よしえ
- 五月雨る屋根打つ音のメトローム
- よしむらやまちゃん
- 五月雨犬が応える救急音
- よひら
- 五月雨におろせぬままのハイヒール
- よりみち
- 五月雨の上下読み終へふりやまず
- ららやにほ
- 五月雨に一人走った渡月橋
- ランランおやじ
- 五月雨や窓辺の猫に話し掛け
- りつにつかや
- 五月雨や記憶の中の雨の日々
- リナリア☆
- 五月雨や竹林けむるラルゲット
- リバティーさん
- 五月雨や乱れもせずに掃くワイパー
- るびちゅ
- さみだれやあめのやみまにさいている
- れい子
- 五月雨や江の島沖へ追ひ遣らる
- れっどべりー
- バスを待つ傘カラフルに五月雨
- れんげ畑
- 五月雨を指で追うよな闘病記
- わんこのいびき
- 五月雨を眺める犬の大あくび
- 阿婆
- とやかくも急ぐ用なり五月雨
- 阿武 玲
- 五月雨や赤子のように文を持ち
- 位子
- みちのくの伊達の大木戸五月雨れる
- 易々渓@松尾芭蕉の奥の細道の紀行文にある「伊達の大木戸」が私の町にあります
- 五月雨や魚潜める池の底
- 郁李
- 五月雨や月命日の傘を呼ぶ
- 一宮寅五郎
- シャッターがまた下されて五月雨るる
- 一幸
- 五月雨や明るい色の傘を買ふ
- 一心
- ゆつくりと推敲もして五月雨
- 一世
- 五月雨や小川の貌の川らしく
- 一生のふさく
- 五月雨やデジカメレンズぎこちなく
- 一茶お
- 五月雨や反射テープの光る背
- 一斗
- 番傘に屋号ふた文字五月雨るる
- 一瑠
- 安宿とブラック企業と五月雨と
- 稲穂
- 五月雨古書肆に寄りて友と遇う
- 迂叟
- 五月雨の合間にもらう陽の香
- 卯辰
- 二人きり五月雨るる駅赤い花
- 詠魅
- 五月雨の窓辺の猫とまどろみぬ
- 詠野孔球
- 五月雨を吸ひて眠れる畠一枚
- 遠音
- 軒瓦御僧の誦とさみだるる
- 遠藤 正寿
- 五月雨やみて皮脱ぐ者を待つか
- 黄金のあひる
- 五月雨やどうどう巡りの憂き想い
- 黄昏草
- 気がつけば五月雨の歌カンタータ
- 岡二
- 停車場の屋根より漏れてさみだるる
- 下総うらら
- 五月雨や降っては止んで日が過ぎて
- 加藤賢二左右衛門
- 宙に浮くしまなみ海道五月雨るる
- 加和 志真
- 五月雨をよき雨なりと父が言い
- 暇親爺
- 五月雨や子のくりかえす数え歌
- 花
- 五月雨や御堂は香の四角なり
- 花屋
- 五月雨に猫も軒下借りに来る
- 花猫
- 五月雨やため息ひとつ窓を拭く
- 海苔壱個
- 五月雨を屋根に一晩夜行バス
- 海風山本
- 五月雨を「けふはおやすみ」張り紙す
- 灰色狼
- 五月雨や魚群れたる和の菓子屋
- 絵奈
- 捨てられし給食パンに五月雨るる
- 叶
- 観音の瞼がぴくり五月雨
- 瓦すずめ
- 五月雨の眠れぬ夜は五・七・五
- 寒露
- 五月雨に付き合っている一日かな
- 甘泉
- 五月雨や時計の音と雨の音
- 間野ぷうちゃ
- さみだるる夜は老猫と留守居かな
- 閑茶@21歳と17歳の猫と妻とわたし。
- 五月雨をためてダム湖は潤へり
- 喜多輝女
- 五月雨や傘は赤色無人駅
- 奇行師
- 五月雨やコンビニ頼る雑居ビル
- 岐阜屋根の草
- 後日知る恩師の訃報五月雨
- 紀和やよい
- 五月雨や黒部の壁に吸い込まれ
- 輝棒
- 五月雨や三連単の穴狙い
- 輝棒
- ごうと来て五月雨の夜の読書かな
- 輝凛
- 五月雨やキャンセル続く予定表
- 鬼怒
- 煎餅の湿気るも好む五月雨よ
- 菊池洋勝
- 五月雨を水無しダムが歓喜する
- 久仁重
- 撮り鉄や五月雨のなか道の駅
- 宮写楽
- 五月雨にチャリこぐ子はふり向かず
- 京あられ
- 五月雨が婆の膝痛連れてくる
- 玉花
- 五月雨の泥洗われる縞馬よ
- 玉虫虫
- 五月雨ぞのら猫何処川の街
- 金亀 子
- ナンクロをいま六冊め五月雨
- 吟 梵
- 五月雨や何もせぬ日と猫を抱き
- 銀命堂
- 五月雨や何を打つのかと窓開ける
- 句ゼミ生 風あざみ
- 五月雨や空見上げて手に滴
- 句詩呼
- 五月雨の一滴ハミング転調す
- 空振り聖天
- 五月雨を帰ってこない言い訳に
- 恵女
- 石突に伝ふ五月雨靴黒し
- 桂
- 五月雨やカレーライスも食べ飽きて
- 桂奈
- 五月雨や雨天中止の譲渡会
- 蛍子
- 五月雨や鍵を忘れて引き返す
- 穴瀬メダカ
- トタン屋をショパンの調べ五月雨るる
- 月沈舟人
- 五月雨の音におののく肥後の国
- 玄次郎
- 失恋の涙を隠す五月雨(さつきあめ)
- 玄歩
- 五月雨やさみどり畔を産婆ゆく
- 戸村孝子
- さみだるる遮断機の先傘笑う
- 虎狛
- 五月雨やまたも電車を見送りぬ
- 孝雄
- 五月雨や富士山頂は静岡県
- 幸久
- 五月雨や古刹に残る千社札
- 江戸川青風
- 五月雨や山稜青く尾根青く
- 皇帝ペンギン
- 五月雨や尻取り遊びもう飽きた
- 紅あずま
- 五月雨や並べ散らかす旅雑誌
- 紅の子
- 五月雨や池に花丸五重丸
- 紅清
- 手を繋ぐしっとりとして五月雨
- 高田知野
- 五月雨や孫はまだかと下駄を履く
- 高爺
- 五月雨夫婦別れの噂聞く
- 黒兎
- 五月雨やふと魚の目が現わるる
- 今治・しゅんかん
- 五月雨るる世間話に傘の華
- 今日はアッシー
- さみだれや石畳ゆく青い竹
- 斎藤秀雄
- 五月雨や逃げて並んで番鳥
- 菜々の花
- 五月雨やネット社会の裏表
- 坂本大吉♪
- 五月雨やありもので作る夫婦の膳
- 堺の攝子
- 五月雨に降り込められて懐メロを
- 咲也
- 芭蕉あり蕪村ありとて五月雨るる
- 桜桃葉
- 虎御前(ごぜ)の読経掻き消しさみだるる
- 桜姫5
- 五月雨にべとつく髪の朝の苛々
- 桜木レイ
- 五月雨に音符のみだれ神経痛
- 笹百合
- 五月雨の傘鳴る音の小気味よさ
- 山室康樹
- グランドに五月雨しきり予選前
- 山田ノムオー
- 五月雨やへんてこ虫の蠢きて
- 山風禅
- 五月雨や崖を背にする家五軒
- 山本 力
- 五月雨に今日またくすむ筑波山
- 山本嘉子
- 五月雨やアクアリウムの中の村
- 酸模
- 五月雨やウォーホルを閉づ五分前
- 司啓
- 五月雨や遺児の母停つ交差点
- 四宮ぱふふ
- 五月雨や水琴窟に不協和音
- 四丁目
- 五月雨や鯉の撹乱ハイジャンプ
- 四葉
- きらきらと五月雨集め棚田かな
- 市川七三子
- 五月雨のリズム引き裂く軍用機
- 支々奮迅
- 五月雨の良く鳴ることよ黙読す
- 紫
- 五月雨や洗濯物で遊ぶ猫
- 紫四季兵衛
- 五月雨が洗い流した街の色
- 時波
- 五月雨や君のメールはまだ来ない
- 七色美月
- 傘叩く五月雨の音ランドセル
- 篠田ピンク
- 五月雨を眺めつイマジン口ずさむ
- 柴崎ぶんご
- 五月雨や歩き始めた孫の傘
- 紗々
- 五月雨や傘それぞれを帰る路
- 尺骨
- 五月雨や銀水盤の石畳
- 若松
- 五月雨や人と出逢い異郷住む
- 珠桜女あすか
- 道順は月に従う五月雨
- 酒井おかわり
- 泣かされて帰り小窓の五月雨
- 酒好
- 現場行く采配つかぬ皐月雨
- 秋光
- 五月雨やわけへだてなく田を満たし
- 秋好子
- さみだれの降る音耳に満ちにけり
- 秋桜
- 五月雨て町静かなりワイパー音
- 秋乃智春
- むらさきの五月雨けぶる坂の街
- 重翁
- 五月雨とショパンの調べ聴き比べ
- 出席番号43番
- 商いは売り買い利なし五月雨るる
- 俊明
- 五月雨の打つガラス屋根歪む空
- 春と夏子
- 五月雨の合間を縫って子らの声
- 春菜
- 五月雨や冷えた鉄路を単行す
- 春日
- 平仮名のさみだれならば濡れて良し
- 春爺
- 五月雨やワイパー刻むモデラート
- 春野いちご
- 五月雨の音にかさなりショパンかな
- 潤
- 五月雨に気ままに歩き思考の日
- 勝子
- 五月雨や仕掛け時計に憩ふひと
- 小青(こしょう)
- 五月雨の病める身体に降り込めり
- 小千住
- 五月雨恨む泥ひとつない愛車
- 小倉じゅんまき
- 五月雨や右の靴下見つからぬ
- 小田寺登女
- さみだるる芭蕉の迹や雲巌寺
- 小梅
- 五月雨の珈琲たいむ閑かなり
- 少納言小豆
- 五月雨や雨の匂いを深呼吸
- 松岡
- 五月雨やいつもの注意ランドセル
- 松岡 哲彦
- 五月雨や腕も鞄も靴下も
- 松山
- 五月雨やマリンバとデュオ純喫茶
- 松仁
- 悪戯なショパン五月雨急かせをり
- 松尾寒蝉
- 五月雨や窓の手前に花瓶置く
- 笑々
- 五月雨や自転車のベル錆びついて
- 城内 幸江
- 五月雨の中一筋に行く烏
- 心晴々
- 五月雨や街の蛇の目に眼を瞠る
- 新米
- 五月雨やお手柔らかにと手を合わす
- 森岡セノ
- 弟の小さき墓に五月雨るる
- 深草あやめ@あれから40年
- 五月雨や聞き返せない言葉あり
- 真珠
- 五月雨の河口の空港降り立ちぬ
- 真繍
- 五月雨や道路に滲む青信号
- 真青な色紙
- 五月雨や都会も少し風化して
- 神谷たくみ
- さみだれを四角く切り取るガラス窓
- 神無
- 五月雨や東京タワー灯の淡さ
- 人見直樹
- 狭き路地五月雨傘は傾けて
- 水井えり
- 並木路の五月雨色に滲みけり
- 水無月生
- 五月雨やコピー機の紙すぐつまる
- 睡花
- 五月雨の貸切りとなる滑り台
- 粋田化石
- 黒板の五月雨の雨晴れとする
- 酔いどれ防人
- 五月雨を受けてべそかく井戸茶碗
- 澄海
- 五月雨につられて泣いた旅の夜
- 瀬波秋鮭
- 五月雨や床のモップの進まざり
- 晴好 雨独
- 五月雨に走り出したる傘の群れ
- 正則(いつき組リスナー班)
- 友逝きて五月の雨は文濡らす
- 正木児童
- 五月雨やココアの湯気の伸びゐたり
- 清清檸檬
- 五月雨や5年2組に戻る顔
- 聖蛙
- 五月雨や大口開けて池の鯉
- 西尾桃太郎
- 五月雨や遮断機越しに迫る恋
- 誠至
- さみだるる壊れし樋の水あふる
- 誠馬
- 五月雨に濡るる停車場待つ二人
- 石手川紅樹
- 五月雨に背中押されて叫ぶ「好き」
- 赤い彗星の捨楽
- 吊り橋の赤き傘へと五月雨るる
- 赤月結子
- 五月雨やジュリー流るる喫茶店
- 赤馬福助
- 五月雨を湛えし靴と供花きいろ
- 摂津浪人
- 沈黙の二人只五月雨の中
- 雪花
- 五月雨を集め都心のアスファルト
- 千寿関屋
- 五月雨や「あめふり」歌う祖母と孫
- 千晴
- アンニュイな気持ちを煽る五月雨よ
- 千徳
- 五月雨やカレーの旨い喫茶店
- 千里一歩
- 衛星の観し列島の五月雨るる
- 善多丸
- 五月雨や呟く如き雫落つ
- 想予
- 五月雨に猫やお前も待ち惚け
- 痩せ蛙
- 五月雨や遅れ気味なる回覧板
- 相模の仙人
- 五月雨るるミスドでねばる七時間
- 蒼衣
- 五月雨や「ごめん」と笑う雨男
- 太一
- 五月雨や嬉しき長靴みずたまり
- 泰通
- 燐寸擦れずまた閉ざされて皐月雨(さつきあめ)
- 大阪楽嵐
- 「改正」のことばまろやか五月雨
- 大塚めろ
- 何事も大味の地や五月雨恋ふ
- 大島涼波
- 五月雨を手のひらに受け一宿り
- 沢庵和尚
- 五月雨に湿りし喪中葉書かな
- 達哉
- 五月雨や籠りてネットショッピング
- 谷川の蛍子
- 五月雨は泥水となり今日の朝
- 狸慢住@警報発令の日に限って出張…悔しい!
- 五月雨や街鮮やかに暮れなずむ
- 池田八重子
- 五月雨のあがりて仰ぐ金亀城
- 竹の子
- 五月雨に撥ね来る君のヒール赤し
- 竹春エリザベス
- 五月雨を集めて下り(くだり)ゆく吉野川
- 竹内一茶
- 墨絵なり終日けぶる五月雨
- 中島京子
- 五月雨や泥道蹴上げ走る馬
- 衷子
- 五月雨や三河湖ダムに満ち溢れ
- 張虎
- 五月雨や雑巾臭きスマホの手
- 長田写々
- 五月雨や靴底の皮膚ふやけをり
- 長田写々
- 五月雨やたまごひとつのゆふげなり
- 庭野かはづ
- 五月雨や田畑あんどの暦繰り
- 澱凡
- 唄うごと唐笠ごしの五月雨や
- 田宮一歩
- 五月雨やせめて明るきニュースでも
- 田中ようちゃん
- 五月雨に空も会議も続きおり
- 渡邉康之
- 五月雨にびしょ濡れの人清々し
- 都乃あざみ
- ドファラドファラと五月雨の調べあり
- 土井小文
- 五月雨や糸引くように地に落ちる
- 土屋木漏れ日
- 五月雨や左千夫の里の渡し舟
- 東海 鉄
- 五月雨や煉瓦水吸ふ遊歩道
- 東尋坊
- 五月雨に濡れし体や昼の風呂
- 桃泉
- 整骨院歓迎されぬ五月雨よ
- 藤野あき
- 五月雨や凹凸多き登呂遺跡
- 豆腐太郎
- Don't worry 五月雨に明日をつぶやく
- 豆闌
- 五月雨や鞄押し込むアレやコレ
- 踏野正東風
- 五月雨や玉ねぎ微塵五時の鐘
- 那緒
- 家は留守干されし傘にさみだるる
- 凪 ひと葉
- 五月雨や海中に溝ありしこと
- 二個ミチオ
- 五月雨や高き土塀の収容所
- 日の暮れてダム湖を渡る五月雨
- 五月雨を雀ぶるると弾きけり
- 日出時計
- 温暖化どっと降りこむ五月雨
- 日本酒
- 五月雨の零し置きたる潦
- 忍冬
- 晩学の二ハオ進まず五月雨
- 馬場 馬子
- 五月雨や何を悟ろう明月院
- 馬凛
- 五月雨や茶室に籠もり囲碁を打ち
- 博泉
- 五月雨が青に溶けゆく予讃線
- 白兎
- 五月雨の激し校門前車列
- 八十八(はちじゅうはち)
- 五月雨の城緑青吹く煙管筒
- 八幡風花
- 五月雨や出不精になる七十翁
- 八木 高穂
- 五月雨や避難指示でる午前二時
- 八木風味
- 五月雨や増す水嵩に鯉跳ねる
- 磐空(ばんくう)
- 五月雨やウォークシューズキュッキュ泣く
- 比良山
- 五月雨や小川をずんと押し広げ
- 琵琶姫
- 五月雨や傘ささず行く中学生
- 美恵
- 田の仕事ほっと一息五月雨や
- 美泉
- 五月雨や雨音悲し今日も家
- 彦山
- 五月雨滲むネオンの浮かぶ堀
- 浜ちよ
- 五月雨のトタンの地図をあてにして
- 埠頭
- 五月雨や西空にらむゴルフ会
- 富樫 幹
- 五月雨や歪む傘骨背に廻し
- 冨山 泰
- 五月雨に愚痴一つなき野良の猫
- 武蔵人
- 五月雨や手術の覚悟しつつをり
- 舞子