俳句ポスト365結果発表

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第199回 2018年6月28日週の兼題

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今週のお便り&俳句道場

■今週の俳句道場~初級者向け解説コーナー
さあ、今週も皆さんからいただいた投句をもとに、俳句のイロハを解説していきます。毎週読んでいるうちに俳句の作り方がわかってくる講座でございますよ。

◆俳句の正しい表記とは
踊り終え 手元に残る 君の汗 あら さなえ
高三だ 最後に踊る よさこいよ イサポン
益荒男らは 河内音頭や 金剛山 いつ女
過疎化する 母校の月や 盆踊り グレースミチコ
山踊る 散る生む 輪廻の如くかな さじなげひろ
櫓組む 常世も現世も踊る さとち
彼方より 見守る目には 子の踊 サニやん
流されど 波に踊るる 赤みどり じろうちゃん
手弱女の 踊る指先 美しく すいすいみずすまし
踊る輪を 遠くで眺め 一人泣く それぞれのしあわせ
にわか雨 下駄をぬらして 盆踊り ちひろ
うつし世は 天国なりと 踊りけり ビッグマム
月明かり 午前零時の 盆踊り めしめし
盆踊り 鬼籍の妻と 里帰り 一碁一会
手を引かれ 去る盆踊りの 賑わいよ 季田
囃子追い 波打ち踊る 跳人かな 此花
われ五十路 踊りし母を見ておらず 佐和 檀 
旅支度 草の匂ひと 踊唄 彩然
施餓鬼会や 先祖が揃て 踊りの輪 小林 番茶
欠けた月 誰かの為に 舞い踊る 松本健
踊るひと 帯と鼻緒と 十三夜 晴丞。
カタカタと 踊の波や 天守閣 相模の仙人
病む身なれ 胸うち騒ぐ 盆踊り 大坪 美智子
盆踊り 我が音頭 子が太鼓 白晃
血の一揆 見事にしずめし 宵踊り 美智子
郡上の夜 猫も杓子も いざ踊らん 美魔女
はぐれたの 亡き父か子か 盆踊 踊
踊り笹 飛ぶはお子と 祭りかな 緑
○俳句は五七五の間を空けず一行に縦書きするのが正しい表記です。ネット俳壇の横書きは、泣く泣く許容しております。強い芸術的主張がある場合、敢えて分かち書きしたり、多行書きしたりもしますが、初心の時期は基本を守っていきましょう。
 この関門をクリアしないと、木曜日「並選」以上には進めません。俳句の修行の第一歩は、正しい表記から~♪次のご投句待ってますよ。

◆季重なりブラザーズ
豆つくり 踊り汗して 夏来たり 抱水
踊の日のわたし生まれる夏の世界 さな(6才)
汗かきが仏と踊る盆の夜 つつ井つつ夫
里帰り孫と踊りし墓参り つわきの嫁
踊る雪駄甚平月と酔い涼み のもとみな
練り香水踊り浴衣や八百屋の娘 みのる
秩父音頭やアロハで飛び入りシャンシャンシャ 位子
お祭りは踊っても良し見ても良し 音澤 煙管
初孫に浴衣着せ盆踊り 京子
月明かり下駄に素足の盆踊り 空翠
盆踊り浴衣の前に天花粉 向日葵太郎
街中を汗流し過ぎ盆踊 山湖ひかり
踊り背にかき氷食らう曾孫らよ 渋谷渋也
踊りよりあの娘の浴衣に気が入りて 春果
かき氷手に零れをり盆踊 浅村春昌
ゴロゴロと汗か雨かの踊りどめ 善
踊りの輪赤い浴衣の指す隣 暢道
浴衣着の踊り子涼し太鼓の音 土屋 木洩れ日
浴衣出し指折り数える踊の日 藤すみ
ゆかた着て皆と仲よく踊るかな 母里
汗隠し手弱女ぶり踊りも五年 未知
よさこいで鳴子踊や土佐の秋 野中泰風
気がつけば踊る阿呆の濡れ浴衣 里之照日日
飛び入りのサンバは裸盆踊 老人日記
○季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ!とは言いませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。まずは、一句一季語からコツコツ練習です。

◆兼題の考え方
夏草に水嵩知るや水禍痕 蒼水
七月や寿司桶捧ぐ母の碑へ 白桜
夏の風 この蒸す部屋も 心地よく こわいか
時期が来た 夏に跳び出せ 愛する仔 ひより
浴衣着せ見送る病床、母笑う、 淺凛
好きです。邪魔される、蝉時雨 俳号ってなんですか?( ̄▽ ̄;)
○本サイトでは毎週「兼題」と呼ばれるお題を出していますが、季語が出題された場合はその季語(あるいは、その季語の傍題)を必ず詠み込む、というのがたった一つのルールです。
今募集中の兼題は、8月22日24時締切の「無月」です。ご投句お待ちしてます♪

母娘して河内音頭で汗みずく 咲耶とこ野
○これは「汗」の句と読むべきだろうなあ。

姫奴 恥じらうやうに 野球拳 だでかんわ
○「野球拳」を季語とするのは無理があるよなあ。

披露宴全員参加の阿波踊り ねこじゃらし
○「披露宴」の余興に季節感はあるのか?悩ましい。

夏の虫 踊り火に入る 丸提灯 ため息
踊るごと塀駈け上る蔦青し いさよ
エアコンに 紙の金魚は 踊るなり 廃空
仮名踊るお師匠様の艶姿 太架子
●師匠様の「直し」を入れるときの、手先、袖元、口元、振り返る裾捌まで、すべて調和してと拝見、ないより、おきれいです。/太架子
○「踊る」が比喩として使われているので、季語とはいえません。

フラメンコ踊り違えど真同じ 愛棄丸
●真髄は同じであるということを 感じました。涙が出ました。/愛棄丸
○言いたいことは分かるが、季語としての「踊」を読み取ることは難しい。詳しくは、次項「季語深耕」を参照して下さい。

◆季語深耕
●踊りをワルツと捉えてもいいのでしょうか?/あら さなえ
●西洋の盆踊り? ワルツを題材にしました。 季語がないので川柳ですかね/善
●フラメンコやフラダンスなどを思って「踊」とする場合も季節は秋を差すのでしょうか。/銀牡丹
●他の踊り(例えば、日本舞踊やバレエ)を詠む時にも、「踊」を使ってもいいのでしょうか?その際は、それがわかる言葉と別の季語を入れれば、盆踊り以外のものとして通用するのでしょうか/みかりん
●俳句では踊=盆踊りとのことですが、ダンスとかバレエとかヒッブホップとかの情景を俳句にしたいとき“踊る”という言葉は使えないのですか?今のところ必要に迫られてはいませんが。/古都鈴(ことり)
●『踊』は盆踊り との事ですが それ以外の場面(舞台とか)で『踊り子』などと詠うのは いけないのでしょうか? もし許されるとしたら 別の季語を入れても季重なり とはなりませんか? /定吉
●踊 は盆踊りだから、先祖を敬うような流れにつなげて行くのが正か?現代のエンターテイメントにも合わせ、日常のさまざな動きをダンス、踊っていると捉えて切り取るのもありなのか?/のもとみ
○「踊」は、フラメンコでもなくフラダンスでもなく、バレエや日本舞踊でもありません。そのような場面を詠もうとして「踊る」という動詞を使うのはOKですが、その場合は「踊る」は季語ではない普通の動詞になります。「踊り子」の場合も同じです。

●踊という漠然とした季語に秋を感じるかどうか、苦戦しました。 最近は年がら年中、街では踊りのフェスティバルです。/竹春エリザベス
●「凡人はすぐに舞いたがる、ふるさとに行きたがる」とおっしゃっていたので、ふるさとで舞わないように気をつけていたら、兼題がまさかの「踊」。もうEXILEでもなんでもいいかと思っていた頃、本当にEXILEが盆踊りの振付をしたと聞き、むしろ追いつめられました。悪いこと考えたら神様見てますね。/ふくろう悠々
●最近は踊唄として、AKB48を流す自治体もあるそうです。アイドルの歌で先祖を供養するなんてナンセンスだと思いましたが、現代社会に適合するためにはやむを得ないのでしょうか。/今井毎日
●盆踊りと言えば「ドドンガドン」のリズムが正調だと思いますが、昨今は「サンバ」が主流になり、団塊世代にはきつくなりました。老若男女全ての人が参加できる昔ながらの盆踊りは、無理ですかね**+/里甫
●こんにちわ! 西日本豪雨で被害に遭われた松山市の皆様お見舞い申し上げます 今回の席題(踊)ですがいろいろな踊りをイメージしたのですが難しく 盆踊の句に落ち着きました/水夢
●「踊」が盆踊を表すと承知しているとはいえ、やはり句では「盆踊」と言いたくなってしまいます。ちょうど5音ということもありますし。。。天地のみなさまがどう表現されるのかを見てみたいです。/akiko
○季語「踊」とは、盆に招かれてくる先祖の霊を慰め、送るために集まって歌い踊る供養の行事。季語の本意として、そこは外しにくいですね。

●●「踊」といえば「盆踊り」。盆踊りの歴史は、他に詳しいものがあるので、それに譲るとして、いま町内会など地域社会の結びつきを強める行事になっています。 六本木ヒルズや渋谷でも盆踊りは開催されています。東京の盆踊りは芸能人の出演もあり派手なものもあるようです。 また盆踊りにつきもの音頭も歌謡曲からアニメソングまで作られ続けています。 一方で、ある地方で盆踊りの音楽が騒音だとクレームがはいりラジオで音楽を流し踊り手はイヤホンで聞いて踊る無音の盆踊りを開催したということがニュースになりました。 ●盆踊りと言っても田舎、都市、郊外ではあり方が様々なので、景色の組み立て方が難しいと感じました。/中岡秀次
●静かなもの賑やかなもの、盆の踊りと一口に言っても色々ありますね。何かを招き寄せるような所作に、いつも玄妙なものを感じます。/なにわのらんる
●「「踊」といえば「祭」」とおもいこんでいました。俳句ではそうではないのですね。勉強になりました。 「踊」は、盆踊りのことで、仏教が基盤、もちろん、秋の季語。一方、「祭」は、夏の季語で神社が主体。従って傍題も多く、祭囃子・祭提灯・宵宮・山車・神輿…本来は賀茂祭を指し旧四月の酉の日に行われるとのこと。句作の途中で混線していました。図らずも、カミとホトケの習合におもいを巡らせることになる兼題でした。 /ウロ
●「踊」の傍題の多さにびっくりしました。自然の神様を大切にしながらも、楽しむことが大好きな日本人ならではでしょう!/村上 無有
●参加する「人」・参加しない(できない)「人」、いずれにしろ「人」を中心のテーマに据えたほうが生きる季語と感じました。盆踊りを開催している街・村を題材とした句もいくつか作ってみましたが、人を前景にした句のほうが、季語の力を引き出せる気がしました。/る・こんと
●詩人の清水哲男さんが綴っておられたサイト『増殖する俳句歳時記』を時々閲覧しているのですが、「季語が踊の句」の項を見つけました。その中で面白かったのが、「踊りの句はたくさんあるが、すぐに気がつくのは、踊りの輪に入らずに詠んだ句がほとんどだということ。男の句になると、昔から特に目立つ。俳人はよほどシャイなのだろうか。」(サイトより引用)という指摘。シャイな例句も挙がっています(笑)。「参加意識」というキーワードもあり、踊り手として詠むかどうかもひとつのポイントかと思いました。/本上聖子
●組長、正人さん、スタッフの皆様、お世話になります。いつも有難うございます。兼題/踊、調べてみると、死者の霊を慰め、送り返すための踊りですから、大都会から小さな集落、地区に至るまで様々な盆踊があるんですね。YouTubeで色々な踊りを見ることが出来ました。 追伸/大気が不安定だった日に虹を見ましたが、西日本豪雨被害で亡くなられた方や被害に遭われた方のことを想いました。お悔やみとお見舞いを申し上げます。 /chiro
●「踊」……元々は「盆に帰ってきた先祖の霊を慰めるための踊り」であったはずなのだが、今では祭りとセットで夏~秋の代表的な催し物(娯楽の一つ)になっている。本来の「霊を慰める」という目的で踊っている人はもちろん、本来の目的を知っている人も少なくなっているであろう。さすがに、歳時記から「踊」の項目そのものが消える事は無いだろうけど……ある種の「絶滅危急季語」の一つかも知れない(*o*) / ……さて、この「踊」の考え方だが……本来の「霊魂・儀式・神秘性」という筋から攻めるのも良いが、変に重々しい(厳かな)印象が無いのも事実。かと言って、あまりにもネタや雰囲気がカジュアルになり過ぎると、「盆踊り」より「夏祭り」の方が似合う句に。季語そのものが示す物はシンプルで分かりやすいし使いやすいけど、俳句として上手く合わせるのはなかなか難しいのかも(-_-;)/灰田《蜻蛉切》兵庫
●盆踊りの起源や歴史的な流れについては諸説あるようですが、英語では「Bon Dance」「Bon Festival dance」或いはそのまま「Bon Odori」などと表記し、海外でも在住の方々など中心に本格的に櫓を組んだりして踊られているとか。踊りというものは元来”捧げるもの"で、祈りや願い、感謝、思いや物語りの体現であったりすると思うのですが、盆踊りはやはりご先祖の霊などを送り迎えする意味合いが強いもの。ご先祖との明るい記憶や思い出・反面にある寂しさが背景にあるため、お囃子の調子なども一寸聞いたところ明るい調子お囃子であったとしても、途中で変調するお囃子などもあったりする様にどこか理屈では表せない懐かしさや憂いを感じるものが多いのではないでしょうか。子供の頃などは特に盆踊りはワクワクする夏祭りという感覚しかありませんでしたが、今感じるのはその土地ならではの迎え方・表し方やその風土の色合い含んでいる特別なものだということ。観光との兼合いや伝承の継続など課題もあるでしょうけれど、俳句の場でも「踊」の俳句が沢山詠まれ広まることで、盆踊りが受け継がれていく力になると良いなと思います。/蜂里ななつ
●地区には「初盆の家は盆の三日間踊り続けなくてはならない」というしきたりがあります。時代がかってるとドン引きしましたが、俳句を知り「死者を慰めるため」という季語の本意に添っていたことがわかりました。/うに子
○私の故郷愛媛県愛南町家串の盆踊は、まさに死者の霊を慰めるというしめやかなものです。今でこそ風習が簡略化されてきましたが、私が子どもの頃は、新盆の家の家族(主に女性)は白装束で三日間踊っておりました。
 以下、詳しいレポートも紹介しておきます。

●今回の兼題は「踊」です。兼題の説明にもあるとおり季語としての「踊」は盆踊りを指します。では、辞書に載っている「踊」はどんなものでしょうか?私が普段使っている国語辞典から抜粋して引用しますと 一つ目は「音楽に合わせて踊ること。ダンス。舞踊。舞踏。」とあります。二つ目は「日本の芸能では跳 躍の動作を主として、まわりの楽器や音楽に促されて動くのではなく踊り手自身で拍子を作って踊ること を言う。」と書かれています。また、漢和辞典には「ヨウす」という読みの意味として「古くから中国で の葬儀において悲しみを表すために足踏みしておどりあがるようすをすること」と書かれています。直接 の言及はありませんが、国語辞典の二つ目の意味にある跳躍の動作と漢和辞典に書かれた「ヨウす」には 関連性があると思われます。また、平安前期の空也上人が始めたといわれる踊念仏は鎌倉前期に活躍した 一遍上人に引き継がれそれが現在の盆踊りのつながっていると言われています。以上から「踊」という季 語は亡くなった人を送り出すことと、活気に満ちた夏を送り出すことの二つの意味を含んだ季語ではない かと考えています。/いもがらぼくと
●「日本を知る事典」(大島武彦他編、社会思想社、1971年。目次・写真をのぞき1005頁のA4大著)を繰ると、「盆踊」は「民俗芸能」に分類されている。「民俗芸能」はさらに神楽系統、田楽系統、風流(ふりゅう)系統、祝福芸能系統、外来系統に分類され、「盆踊」は「風流系統」に入れられている。「風流系統」はさらに「念仏踊」「盆踊」「羯鼓獅子舞」(かつこししまい)「太鼓踊」「小歌踊」「仮装風流」に分けて説明されている。
(盆)「踊」といえばやはり当然、「盆」とは切り離せないものです。盆は、太陰暦の7月15日を中心とした期間に行われた。日本では明治6年(1873年)1月1日のグレゴリオ暦(新暦)採用以降、ところによりさまざま。旧暦7月15日(旧盆)、新暦7月15日、新暦8月15日(月遅れの盆。おおむね全国的)。「盆踊」は15日の盆の翌日、16日の晩に、寺社の境内に老若男女が集まって踊るもの。これは地獄での受苦を免れた亡者たちが、喜んで踊る状態を模したといわれる。 Wiki等によれば、盆踊は夏祭りのクライマックスであり、社交娯楽中心の「盆踊」は寺社の境内とは限らなくなっており、宗教性を帯びない行事として執り行われることも多い。駅前広場などの人が多く集まれる広場に櫓を組み、露店などを招いて、地域の親睦などを主たる目的として行われる。これら記述から(夏)「祭」とももちろん密接な関係にあることがうかがえました。 また、旧暦7月15日は十五夜、翌16日は十六夜、すなわち、どちらかの日に月は望(望月=満月)になる。したがって、晴れていれば16日の晩は月明かりで明るく、夜どおし踊ることができた、という記述から、月と関係が深いこともうかがえました。 「盆」(行事)が付く季語はとても多いです。また「祭」も行事の季語ですが「三夏」の季語となっています(「祭」といえば一般にいう「夏祭」を指す。平安時代には賀茂祭を指したとか)。
 季重なりしそうな季語は、「夏休」「帰省」「汗」「裸」「跣足」「花火」「夜店」「団扇」「蚊」「氷水」「ビール」「浴衣」「夕立」「涼し」「暑し」(いずれも夏)などなど。「盆」「祭」ではなく、「踊」の気分・成分を探ります。/すりいぴい
●踊(生活、初秋)。傍題:盆踊、阿波踊、踊子、踊の輪、踊唄、踊太鼓、踊浴衣、踊笠、音頭取など多数。 俳諧では踊といえば盆踊を指す。通常、盆の十三日から十六日へかけて、寺の境内や町村の広場などに大勢の老若男女が集まって踊る、もともと念仏踊に小町踊や伊勢踊の要素の加わったもの。盆に招かれてくる精霊を慰め、これを送る踊と考えられている。踊の振りはもっとも簡単で、行進の振りにわずかにしなをつけたに過ぎない。踊が季語として取り上げられたのは俳諧時代になってから(「カラー図説日本大歳時記 秋」(講談社)、山本健吉氏の解説を要約)。似た別季語に「風の盆」がある。
 山本健吉氏は次のように書いています。「舞と踊とは、今でこそごっちゃに考えているが、もとは対立的なものである。旋回運動が舞で、跳躍運動が踊である。どちらも信仰行事に起源を持っている。「跳躍」は地面を踏みしずめ、踏みならすことだ。邪悪な地霊を退散せしめるためである。盆に来る精霊を御馳走で歓待し、そのあとで踊の中へ捲き込んで送って行くのも、そういう意味を持っていよう」(それに対し、舞は年に一回訪れてくる神へのもてなしである)。(東京の空地で盆踊をやるようになったのは)「たしか東京音頭などというのが出来たころで、満州事変が始まって以後だったように思う。あのころから東京人が馬鹿騒ぎをするようになった。農村と違って、まったく娯楽本意のものだ。その反対に、本当の氏神祭の方は、だんだんに寂れてきたように思う」(「ことばの歳時記」文春文庫176p.~177p.)。 東京人が・・というのはどこか辛辣に響きますが(私見ではなく引用です)、現代のほとんどの「盆踊」においては、健吉のいう「氏神祭」としての性格や態様は形式的なものであり、あるいは後ろに後退しているのかも知れません。本来の「踊」を詠んだ句はおそらくおおむね1920~30年代まで?なのかなあ。しかし現在といえども単純に娯楽のための行事ともいいきれない気がします。都会の盆踊は別にして、やはり伝統(の型や衣装、節、合いの手等)を前面に出した「踊」も地方には残っていると思われます。例えば、静岡県指定無形民俗文化財「平野の盆踊」。動画を観ましたが娯楽というより儀式のようで、現代といえども必ずしも浮かれ騒ぎの、社交娯楽としての「踊」ばかりではないのかな、なんて思いました。/すりいぴい

◆季語雑学部
●盆踊りを輪になって踊る際、基本的には反時計回りで踊るのですが、これはあの世から霊を迎えるから太陽の動きとは逆となる回り方で迎えるなど諸説あるようですが、実際のところは「人間左回りの法則」というものがあって、人間は反時計回りで動く方がしっくりくるのだとか。しかし、人間は生を受ける際は右回りになるそうです。精子と卵子が受精すると、その瞬間から受精卵が右回りに回転しながら、卵管の中を一週間かけて子宮に向かって進んで行くのだそうです。これを「生命のダンス」と呼ぶそうで、人間は生れ来る前から踊りを身につけているのですね。/山香ばし
○へえ~そういう観点で、踊りの渦を考えることはありませんでした。すごいな、人間って。以下、季語雑学部情報のご紹介♪

●俗に日本三大盆踊りといえば、秋田県の西馬音内の盆踊り、岐阜県の郡上踊り、徳島県の阿波踊りだそうです。そして郡上踊りではお盆周辺の数日間は「徹夜踊り」と称して、昔ながらに朝方まで行われてるそうです/24516
●盆踊りについては諸説あるが、悪霊を鎮め豊穣を祈る民間習俗が、平安時代、空也上人によって始められた踊念仏が、民間習俗と習合して念仏踊りとなり、盂蘭盆会の行事と結びつき、精霊を迎える、死者(特に新仏)を供養するための行事として定着していったようである。輪になって踊る型式より行列踊りが古い形式で、若者が踊り子となり太鼓や鉦も打ち鳴らし、老人が念仏歌を担当したようである。江戸時代には男女の出会いの場となり、過激的な面が取り締まりの対象となり衰退しますが、大正時代に再び娯楽として奨励され、全国で独自の盆踊りが踊られるようになります。徳島県の阿波踊り、秋田県の西馬音内(にしもない)盆踊り、岐阜県の群上八幡盆踊りが三大盆踊りと言われている。/重翁

●「盆踊りは未婚の男女の出会いの場にとどまらず、既婚者らの一時的な肉体関係をもつきっかけの場をも提供していた」(ウィキペディアより) ちょっとビックリ致しました。/紅の子

●兼題季語についての質問、考察、情報…どちらにも属さないとは思いますが…。その昔、貧しい暮らしにケリをつけ、新天地を求めて沖縄から南米やハワイなどに移住していった多くの沖縄県民。 多くの苦労もあったようです。 でも今、四年に一度、《世界ウチナーンチュ大会》という催しがあり、様々な国から(多くは南米)ウチナーンチュ(沖縄人)の二世三世までが沖縄に帰ってきます。 その時、彼らが沖縄のお盆の踊りである《エイサー》を披露したのです。しっかりと伝統に則った踊です。《盆踊り》の意味と共に、移民初代から代々受け継がれてきたそうです。もう日本語は話せなくても、《踊》というかたちで彼らは誇り、アイデンティティを守り通してきたわけです。とても感動しました。個人的な話題で恐縮です。/楠えり子
○「踊」という季語の本質が、南米やハワイで生き残っているとは!

◆俳句文法研究部
●俳句文法研究部 今回の兼題「踊」(をどり)は、自動詞ラ行四段活用の「をどる」の連用形が名詞化したものです。古語辞典では「動詞「をどる」の連用形から」という説明がありましたので、名詞「をどり」が動詞化したのではなく、「をどる」という動詞が先にあって、その連用形が名詞化したと解されているようです。 ちなみに、動詞「をどる」は、漢字で書くと「踊る」と「躍る」があり、だいたい見て察しがつくかと思いますが、「踊る」は舞踊をすること、「躍る」は跳躍する、飛び跳ねることです。名詞化して「をどり」になるのは舞踊のほうの「踊り(踊)」です。 現代では「舞踊」といわれて一緒くたになってますが、「踊」と「舞」は区別があって、大雑把に言って「踊」は跳躍の動き、「舞」は旋回の動きだそうです。また西日本は「舞」、東日本は「踊」といわれることが多いとかいう分析もあるようです。/ひでやん
○そうか「舞踊」って言葉は、そういうことだったのか~なるほど。

●兼題「赤潮」結果発表(2018-07-03)に、しんしんさんから「赤潮のような嫌われるものにも感嘆の「や」をつけてもよいのでしょうか」というご質問がありました。/  先生のご回答がありましたが、この機会に調べたこと(国語学者大野晋著書など)を含めて少し私見を述べたいと思います / 切れ字の代表格「や」「かな」「けり」について、俳句入門書にはたしかに「詠嘆の意を持つことが多い」(『俳句用語の基礎知識』村上古郷・山下一海編(角川書店)p.62)など)と書かれています /「や」は、もともとニンゲン共通の「掛け声」から出たもので、文学としては、万葉集で歌の一句としての音節数が不足の時に一句の拍数を整えるために使われたのがはじまりでした。その後、「や」は、「か」とともに疑問詞としての用法が現れ、文末に盛んに使われました。特に「や」は、「わからないから尋ねる」という「疑問詞」の通常のありかたではなく、「わかっていることを訊く」(念を押す)というところが「か」と異なる、面白い使い方でした。辞書にある例では、「雨に降りきや」との問いは、ひとつの見込み・予断があって、それを提示して相手の反応をみるという屈折した問いかけが「や」だったのです。この心が「強意」(詠嘆ではなく)という形で、俳句の切れ字「や」の本旨として残っていると思います / 時代がくだると「や」の用法は、感動詞や係助詞のみならず並立助詞やさまざまな使い方として国語に普通に現れます。俳句では国語の普通の使い方と同時に普通の使い方とは異なる、殆ど特化された用法(すなわち、見込み・予断を持っている問題の予告。主題の提示という用法)が、簡便に、かつ、頻繁に流通しています / 繰り返しになりますが、俳句での特徴的な用法である「係り結び」では「詠嘆」の意味はまったく無く「強意」の意しかありません。しかし、一方、「詠嘆」は「強調」のとなりにあることを考えれば、対象によっては詠嘆に見えることもあるのだろうと思います。/ 兼題「赤潮」への出句には、しんしんさんと同じように「詠嘆すること」に違和感を持った出句者は、「赤潮や」という表現を避けた。そんな方が今回少なくなかったように感じました。/ 大層勉強になりました。芭蕉の「古池や」にしても「詠嘆」ではなく「強調」とするほうが、すとんと胸に落ちやすいのではないか、と改めて感じた次第です。 /ウロ
○ウロさんありがとう。「や」の歴史、勉強になります。

●赤潮の兼題の時に、「豊饒の海を剥ぎ取る赤き潮」の添削例として、「赤潮や豊饒の海剥ぎ取りて」があげられていました。 切れ字「や」の使い方について、質問させてください。 添削例では、「赤潮」が「豊饒の海を剥ぎ取る」主語になっていると思われますが、このように、中7以降の動作の主語に「や」をつけることは可能なのでしょうか? 上5と中7以後の意味がつながっていて、「切れ」ていないのではと思われます。 /虚実子
○「白藤や揺りやみしかばうすみどり 芝不器男」と基本的には同じ用法になります。

◆こんなお便り、質問届いてます!
●私が小学校の運動会でも踊った江州音頭。 歌い手と踊り手の掛け声が現代のライブのような臨場感がとても好きです。 櫓が組まれることが一つ減り二つ減りとても残念なこの頃です。 芸能も形を変えてつつも継承されます。 江州音頭も当時は最前線のパフォーマンスだったこのでしょう。 全ての芸能は服の流行と同じで少しずつ変化しながらも繰り返されてるのかもしれません。 今回のお題を通して、今一度故郷の伝統を紐解いてみたいと感じました。/方寸
●盆踊りというと、中学生には、堂々と夜遊びできる絶好の機会でしたね。 ♪大人の階段登る~って感じですかね。/一呆堂
○大人の階段を滑り落ちる・・ヤツも時々おりますな(苦笑)

●処変われば5.民族の踊り 仏教以前にやはり先祖崇拝の風習があり、それは古代の記憶みたいなものを辿る世界共通のシャーマニズムではないでしょうか。その「盆踊」という行事が現在でも全国で色々な形で継承されて催され素晴らしい伝統です。
 これに相当するのはドイツには見当たりません。謝肉祭、オクトーバーフェスト等の収穫祭でも、踊るのは舞台でのプロ若しくは練習を重ねたアマチュア同好会によるものです。誰でもが参加でき振付が簡単に踊れるのが基本的な「盆踊」ですよね。ナント民主的。この機にあらためて(兼題を頂いたお蔭で)日本の伝統、風習にまたしても感動しております。 /ぐれむりん
○そうか、ドイツにはないのですか。「盆踊」って、改めて感動ですね。

●盆踊りという解釈でも良かったのか疑問があります。/季凛
●踊りイコール盆踊りで秋の季語。しかし盆踊りは学生時代の夏休みの風物詩で夏の思い出しかない。体験以外に広がらない相変わらず貧困な発想です。/いつの間にアラカン
●踊りに色々あるんですね 歴史的行事 昔の子供時代を思い出したりして考えました。/句詩呼
●えひめけんでもぼんおどりはやるのですか?/結雅
○結雅くんに、うちの故郷の盆踊を見せてやりたいなあ~しみじみ。

●今回の踊は、私にとって身近ではありませんでした。考えるほど、スケールが大きくなりました。/渡来不二人
●「踊り」。半生近く自分に縁のなかったこの兼題からどんな言葉が飛び出すやら。逆に楽しみな二週間です。俳句の勉強も並行して頑張ります!/尼島 里志
●踊が秋の季語とは初めて知ると同時に、盆踊りなんてやった記憶がないことに気づきました。ただ、私が4歳くらいの頃までは、蒸し暑い夜、地元の小さなお寺まで続く一本道が寄贈の提灯で埋まる日があったことを思い出し「あぁ、あれは盆踊りの灯だったのかもしれないな」と勝手に納得しました。 かなり苦戦しそうな季語でしたが、田舎の空気感をうまく現代的に落とし込んで詠めていればいいなと思います。/街麦
○その体験が季節感となっていくのですねえ。

●盆踊りの輪を見ていると、平和を感じます。踊りの輪の中では誰もが平等です。最近では地域の行事に参加することがなくなり、踊りを見ることも減りましたが、この平和な風景がいつまでも続いていってくれることを願っています。/野倉夕緋
●私が住んでいる地区では檀家になっているお寺で夏祭り(和霊祭)があるのですが、いつの頃から盆踊りの櫓がなくなり、踊りそのものも行われなくなってしまいました。様々な理由があるのかとは思いますが、亡くなられた方々の霊を弔い先祖を敬う気持ちだけは、無くしたくないですね。/塩の司厨長
●私が子どもだった30年ほど前、祭りの日を前におばあさんばかりの婦人会の皆さんに炭鉱節等を習いました。当時、すでにおばあさんたちの方が数が多かったです。今では盆踊はなくなってしまい、私自身、踊方を忘れてしまいました。今回はおぼろげな子どもの頃の記憶を元に句作しています。/青楓也緒
○守りたい季語の一つですね「盆踊」は。

●踊りを踊子にしても季語として成り立ちますか。/銀牡丹
●踊女(をどりめ)という響きが良くて、季語にしようと思いましたが、調べてみても子季語にも無くてやめました。踊女は季語になるのでしょうか?/くさ

●「河内音頭」は盆踊りの曲だが、季語(傍題)となり得るか。/いつ女
●東京音頭も?/こま
●自身の思いから敢えて「阿波踊」とした句を詠んでみましたが、今回のように文字題でなく兼題季語として「踊」が出されたときは、「踊」そのままか「盆踊」に関連する季語でないといけないでしょうか。/京野さち
●全国に各地の「○○踊り」があると思いますが、これはやはり固有名詞になってしまい、季語とはならないのでしょうか?/匠己
○その固有名詞だけで季節を感じ取ってもらえるか。そこが季語になり得るかどうかの分かれ目でしょう。

●「盆踊」と「盆踊り」の違いは何ですか?/貴芭蕉
●兼題が「踊」ですが、「踊」と「踊り」をどう区別して使い分けたら良いのか、教えて下さい。/青伽
●季語「踊」は動詞で句に入れても良いのですか?/ナタデココ
●あー、今日気付きました。今までの句の「踊」に「り」の送り仮名を付けてしまっている…。兼題をよく見ていたつもりが…。でもまだ日はあります。気を取り直して作句頑張ります。はい!/尼島 里志
○季語では、送り仮名を省略することが多いですね。「夕焼け」ではなく「夕焼」のように。視覚的な美しさかなと思います。

●郡上踊りの「春駒」を詠もうとしたら、それ自体が春の季語であることに気づきました。今回はそれが踊りであることを示しているので季語としての意味は薄まると思うのですが、季重なりにならないよう使うのを避けたほうがいいでしょうか?/伊介
●踊が季語だと初めて知りました。ただの動詞としての「踊る」も注意しないといけないのかしら?極端な話、夏の季語+動詞のつもりの「踊る」とかだと、季重なりに思われたり、とかありますか?/泥酔亭曜々
○これらはケースバイケースです。句の出来によって判断は分かれます。

●浴衣は夏の季語ですが、盆踊りのユニフォームとも思います。踊とは時季が異なりますが、併用できますか?/ははろ
○「踊浴衣」ならば「踊」の傍題です。

 

●新しい投句・投稿システムについてのお願い
 投句・投稿フォームが新しくなっています。投句数の増加に伴って、仕分け作業に多くの時間を要します。以下の事項を守って投句投稿して下さると、組長の負担が大きく減ります。ご協力よろしくお願いします。

①俳句の欄には俳句のみ記入して下さい。一つの欄に一句を厳守。

②「俳句に対するコメント」の欄は記入する必要はありません。(特に気になることがあれば記入していただいても結構です。)

③「ギャ句」「聞き倣し季語」は俳句欄に記入して下さい。ギャ句の原句は「俳句に対するコメント」の欄に必ず記入して下さい。

④「兼題季語についての質問・考察・情報(火曜日「俳句道場」)」は、火曜日「俳句道場」への投稿です。

⑤「『俳句ポスト365』への感想・質問・要望・俳号の変更・各地の吟行情報など」「組長&ハイポニストたちへのお便り・近況報告など」はそれぞれ水曜日への投稿です。内容に合った欄に書き込んで下さい。

夏井先生

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