本選句欄では、添削した形で句を掲載する場合があります。
添削は作り替えの提案として句会等でも議論されます。示唆された添削案が自分の表現したいことに合致すれば、作者の判断においてその案を自作として採用してかまいません。
添削は作り替えの提案として句会等でも議論されます。示唆された添削案が自分の表現したいことに合致すれば、作者の判断においてその案を自作として採用してかまいません。
- 寒鮃をかなしいほどに薄く削ぐ
- きゅうもん@木ノ芽
- 俎に鮃の遺すおとがひよ
- きゅうもん@木ノ芽
- 影を埋め身を埋め鮃しづかなり
- 一阿蘇鷲二
- 鮃醜し瓦斯の火に煙草を当つる
- 一阿蘇鷲二
- 伏してみあぐものみな美しき鮃かな
- 亀田荒太
- 月見あげ鮃は海の厚さ知る
- 亀田荒太
- 海底へ鮃が落とす月は青
- 蟻馬次朗
- 百年の砂を蹴散らし鮃浮く
- 蟻馬次朗
- 寂しさにどんどん薄くなる鮃
- 花伝
- 釣られては更に歪みて鮃の目
- 花伝
- 一月を空の厚さの鮃ゆく
- 綱長井ハツオ
- 触診の如く鮃を捌きをり
- 綱長井ハツオ
- 反されて腹恥づかしき鮃かな
- トポル
- 複雑な生い立ちらしき平目の目
- トポル
- 月の夜の襞のひとつとして鮃
- 倉木はじめ
- 龍の尾より剥がれて来たる鮃かな
- 倉木はじめ
- しよりりしよりり鮃五枚のお弔ひ
- あまぶー
- 口中の甘き鮃に酒をやる
- あまぶー
- 美しく鮃を捌く女かな
- にゃん
- 胸の澱見透かすやうな鮃の目
- にゃん
- 寒鮃海の重力無重力
- ほろろ。
- 平目の目玉抉り取つて星空
- ほろろ。
- 鮃買ふペダルの何と軽きこと
- よしおくん
- 寒鮃もう長崎は遠過ぎて
- よしおくん
- 鮃伏す明石の橋の影に伏す
- さとけん
- 俺に釣られて不機嫌さうな鮃
- さとけん
- 極上の鮃を腹にさびしかり
- つぎがい
- ひらめよ空を飛びたいか星の名を言え
- つぎがい
- 海神の踝あたり狩る鮃
- めいおう星
- 月明を狩場となせる鮃かな
- めいおう星
- 潜水艦の影落としたる寒鮃
- 雨霧彦@木ノ芽
- A面とB面のある鮃かな
- 雨霧彦@木ノ芽
- 遠い木が呼びかけている鮃漁
- 酒井おかわり
- 煙草の焦げ跡 無精髭 鮃
- 酒井おかわり
- 磁場かつて逆転せしや鮃の目
- 神山刻
- ただでさへ薄き鮃を五枚とや
- 神山刻
- 猫逝きて四十九日や鮃喰う
- 星埜黴円
- 寒鮃ひとりで訪ふ古きバー
- 星埜黴円
- 娘嫁ぐ鍋に言祝ぐ鮃かな
- 西尾婆翔
- 鮃棲む暗き真砂の下に骨
- 西尾婆翔
- 魚清の裸電球寒鮃
- 雪うさぎ
- 鮃うとうと人間だった頃の夢
- 雪うさぎ
- 真鮃に微かな浮力月動く
- 登りびと
- 金色に鮃犇めく陽のあらは
- 登りびと
- 魂ごと返して洗ふ鮃かな
- 桃猫雪子
- 星空の綺麗な方を知る鮃
- 桃猫雪子
- あまやかな鮃のあぶら女は五十から
- 猫愛すクリーム
- 喰う寝る喰う寝る鮃の腹白し
- 猫愛すクリーム
- 雄の鋸歯いささむらたけめく鮃
- 比々き@いささむらたけ:少しばかりの竹が群れているようす。「わが屋戸のいささ群竹吹く風の音のかそけきこの夕?(ゆふへ)?かも」(万葉集)
- 往生際よくて平目の以後しづか
- 比々き
- 寒鮃捌くあはひの水の音
- 平林檸檬
- 寒鮃しづかに今を濡れてをり
- 平林檸檬
- 碧空の津軽の富士や鮃食ふ
- いさな歌鈴
- 八重波の底はしづかや寒鮃
- いさな歌鈴
- 暴れける傷の鮃の今しづか
- かのたま
- ゆふぐれは青い鮃はかからない
- かのたま
- 火星より深海遠し鮃の目
- かもん丸茶
- 沖鮃そんなに海は重いのか
- かもん丸茶
- 論文は厚しひらめの薄造り
- かをり
- 鮃一枚あたりさはりの無き会話
- かをり
- 釣り上げて風のこゑ聴く鮃かな
- ぎんやんま
- 朝市の光に匂ふ鮃かな
- ぎんやんま
- とぎたての包丁鮃透きとおる
- くさ
- 鮃裏返れば地球裏返る
- くさ
- 酒の友はひらめ上司はべらんめえ
- ぐでたまご
- 昨日の嘘はもうばれてそう鮃の目
- ぐでたまご
- 平らかに御代暮れゆけり寒鮃
- くりでん
- 寒鮃並びて河岸のこゑゆたか
- くりでん
- 鮃ぺらぺら俎板よりも大きくて
- こま
- 鮃突く腕の硬さで吾を抱く
- こま
- 凪の夜や鮃は零るる星を待ち
- さるぼぼ@チーム天地夢遥
- 結納を終へて鮃の白さかな
- さるぼぼ@チーム天地夢遥
- 海光や疑似餌きれいにひらめ釣る
- じゃすみん
- 月光の届かぬひらめ恋を泣く
- じゃすみん
- こう見えて昔は天使いま鮃
- すりいぴい
- 竜宮の匂ひのほのか鮃焼く
- すりいぴい
- 鮃買う親爺元板前と見た
- だいふく
- 比目魚食う比丘尼の舌の生臭き
- だいふく
- 鮃歯に甲冑類てふ星砕く
- ときこ
- 釣り損ねし鮃の裏のやうに月
- ときこ
- 鮃よくこれで生きをる薄さかな
- ヒカリゴケ
- ライオンに我に鮃にある犬歯
- ヒカリゴケ
- 水痛し五枚となりし鮃かな
- ひな子桃青
- 行き先は背鰭に任す鮃かな
- ひな子桃青
- 健やかなるも病めるも閑かなり鮃
- ひねもす
- 青空の下に出でたり鮃の目
- ひねもす
- 日暮れ路ややさしき重み子と鮃
- ほの 真白
- 雨だれと夕闇の落つ寒鮃
- ほの 真白
- 飴色の市場の灯り鮃臥す
- マーフィー
- 死亡説飛び交う漢寒鮃
- マーフィー
- 説法も経も短し寒鮃
- ももたもも
- 柳刃に祖父の名のあり寒鮃
- ももたもも
- ヒラメアラフュメドポワソン呪文めく
- ゆすらご
- 床下の酒選る夫の鮃かな
- ゆすらご
- 友達の居ない人生鮃食ぶ
- ラーラ
- 薬湯の後の夕餉や寒鮃
- ラーラ
- 被爆の海よ砂よ鮃黒々
- 育由
- 海に黒波鮃泳いでいるか
- 育由
- 魚拓一枚墨残りしは鮃の目
- 羽光
- 鮃定食午後に痛めたふくらはぎ
- 羽光
- 側線に刃先の沈む鮃かな
- 勘太郎
- 今度こそ鮃と思ふ当りかな
- 勘太郎
- 皿の上の鮃海の底の鮃
- 閑茶
- 暗い底のひらめ帰りたいか
- 閑茶
- 寒鮃静かに戻る砂煙
- 久蔵久蔵
- 初鮃故郷の酒あわせけり
- 久蔵久蔵
- 右の眼に月の記憶の鮃かな
- 玉庭マサアキ
- マントルに耳傾けし鮃かな
- 玉庭マサアキ
- 眠る祖母のふくらみに似て寒鮃
- 玉木たまね
- 鮃まねる砂は鮃をまねて舞ふ
- 玉木たまね
- 砂あらば砂の形に鮃かな
- 君島笑夢
- 朝市に買ひし鮃の鍋を打つ
- 君島笑夢
- 鮃思ふ死んだら星になることを
- 桂奈
- ひらめひらめこゑの届かぬ海の底
- 桂奈
- 目が合うて買わねばならぬ鮃かな
- 渓湖
- 鮃のうろこわづかに生きてゐるぬめり
- 古田秀
- 身じろがぬ鮃あんまり血が出ない
- 古田秀
- 沈む星ばかり見ている比目魚かな
- 古都ぎんう
- 三尺の鮃水面に月を喰う
- 古都ぎんう
- 能登人は鮃を実にうまく食ふ
- 枯丸
- 数式を解き切った手で鮃切る
- 枯丸
- 海底の静けさに澄む鮃の目
- 江戸人
- 耳を削ぐ風や鮃が竿しぼる
- 江戸人
- 板前の手にすきとほる鮃かな
- 紅さやか
- 寒鮃五枚おろしの真珠色
- 紅さやか
- 砂底がめくれ鮃が獲物呑む
- 佐東亜阿介@チーム天地夢遥
- あの天へ飛ぶと決めたる鮃の目
- 佐東亜阿介@チーム天地夢遥
- 寂しさに砂を出でたる鮃かな
- 砂山恵子
- ささやかな嘘や鋭き鮃の歯
- 砂山恵子
- 夫婦岩結ぶしめ縄寒鮃
- 彩楓(さいふう)
- 釣り上げし鮃の引きを語る語る
- 彩楓(さいふう)
- 釣られたる鮃の口のべらんめえ
- 三重丸
- 鮃より競艇新聞を剥がす
- 三重丸
- 落日を喰い朝日吐き出すひらめなり
- 山香ばし
- 流木は風ひらめは波の形かな
- 山香ばし
- なんとなく鮃となつて夜の底
- 次郎の飼い主
- おそろしき白ひらめまた裏返す
- 次郎の飼い主
- 星々に擬して鮃の沈みけり
- 斜楽
- 寒鮃の白き身に舌洗はるる
- 斜楽
- あかぎれに歯のあるごとき鮃かな
- 渋茶雷魚
- 右を言ふために鮃を示されて
- 渋茶雷魚
- 家・会社・学校・鮃・大津波
- 純音
- 鮃臥す誰かが核を押す日まで
- 純音
- 百尋の水の重みを受け鮃
- 小市
- 山頂だった海底に寝る鮃
- 小市
- 巻き上ぐる砂の一閃鮃の歯
- 小泉ミネルヴァ岩魚
- 星空の剥片として鮃寝ぬ
- 小泉ミネルヴァ岩魚
- 政治家のやうな貌して寒鮃
- 小田寺登女
- 昏き夜を見上げて暗き平目かな
- 小田寺登女
- とほざかる月に鮃の色濁り
- 城内幸江
- 波の色鮃の色となりにけり
- 城内幸江
- 鮃まあ氷枕のごと冷えて
- 西川由野
- 鮃不敵空を睨めつつ石の色
- 西川由野
- 鮃の目私の脳の捻れたる
- 青海也緒
- 鮃の目猫のふぐりのごとくなり
- 青海也緒
- 海流のしんしんたるを聴く鮃
- 多々良海月
- 成り行きで出世しました鮃食ふ
- 多々良海月
- りゅうこつ座かすかに見えて寒鮃
- 中岡秀次
- 鮃買ふ顔立ちの佳き鮃買ふ
- 中岡秀次
- 散骨終へ鮃の身肉透きとほる
- 中山月波
- ふす鮃当面砂のこころもち
- 中山月波
- 鮃の尾揚げてサクリと砂の音
- 田中耕泉
- 眼の旨味確と魚拓に大鮃
- 田中耕泉
- 悠久は海にあり静かに鮃
- 冬のおこじょ
- 縁側は虹の咲く色寒鮃
- 冬のおこじょ
- 鮃食べ冷たい海の夢を見る
- 藤色葉菜
- ひらめのぼる星落つるのを見たくって
- 藤色葉菜
- 千年の齟齬を浴びたる鮃かな
- 内藤羊皐
- 白き尾を穢し鮃を食ふ子かな
- 内藤羊皐
- 捲き上がる砂礫星めく鮃浮く
- 播磨陽子
- 昔日の木の葉の化石鮃らし
- 播磨陽子
- 愛人の捌く鮃の匂ひかな
- 福蔵
- 鮃待つ磨きぬかれしカウンター
- 福蔵
- 鮃まじまじ知人の面のそこにある
- 蜂里ななつ
- ほしぞらを浚ふばかりや寒鮃
- 蜂里ななつ
- 真青なる空を割る陽や鮃臥す
- 北野きのこ
- 鮃ほろほろステージ4の腑へ
- 北野きのこ
- 寒鮃逃げゆくひれは星を撒く
- 未補
- 鮃拡げる憂うつをうなぞこに
- 未補
- ひとをやくにほひ鮃の裏ましろ
- 牟礼あおい
- 踏んづけた闇に鮃の顔しづむ
- 牟礼あおい
- 鮃は海底に水泡は天に
- 綿井びょう
- せかいのひみつ抱えて砂に依る鮃
- 綿井びょう
- 十八年生きた鮃もをるさうな
- 野ばら
- 生簀へとづるんと放られ鮃かな
- 野ばら
- 鮃煮るラジオドラマはまた来週
- 油揚げ多喰身
- 原発の町へ鮃は揚がりけり
- 油揚げ多喰身
- 衿元の合わせのゆるく鮃食う
- 有瀬こうこ
- 柳刃の透けたる伊予の寒鮃
- 有瀬こうこ
- ひらめひらめ月光に触れまたふとる
- 緑の手
- 海のあをすうて鮃は透明に
- 緑の手
- 愁いつつ鮃の寄り目覗きけり
- 朶美子(えみこ)
- 釣られつつ鮃はじめて穹をみる
- 朶美子(えみこ)
- 深き夜の厨に鮃裏返す
- 蓼科川奈
- 沖睨む源治のまなこ鮃漁
- 蓼科川奈
- 聖骸布逸失のちの鮃とか
- ウェンズデー正人
- ロンドンに鮃焼き上ぐストの朝
- ウェンズデー正人
- 夜を箱と思ふ鮃を描きはじめ
- Y雨日
- ぴらぴらのぬるぬるてらてら鮃かな
- むらさき(6さい)
- 鮃を見続ける人間が歪む
- 京野さち
- 沈みたる兵器の色や寒鮃
- 金子加行
- ひらめひらめ地球が平だった頃
- 立志
- 見習いの指に傷ある鮃かな
- 洒落神戸
- 打ち込みし手鉤一閃大鮃
- 珈琲斎
- 金曜の夜の凝れる鮃かな
- ちゃうりん
- 動かざり鮃の目には夜空色
- あまぐり
- 鮃けふも海の終わりを見上げをり
- 24516
- 塩竃の海天鵞絨の鮃かな
- 28ひろきち
- 水底の手紙の如き寒鮃
- 301句会 幹人
- 海の蒼鮃はまなこ閉じて聴く
- 99カリン
- しめやかに鮃煮る日のああ無情
- AQ
- 海水の粘るが如く鮃かな
- HGDT
- 包丁を寝かせつ開く鮃かな
- Kかれん
- 濁りゆく謝罪の語尾や寒鮃
- TAKO焼子
- 鉄を打つやうに鮃を解体す
- あいだほ
- 鮃ひらひらぬまぬまみな底に
- あいみのり
- エンゼルス帽の売りしは鮃かな
- あい女
- ヒラメってデカくて目つき悪いんや
- アガニョーク
- 竜皮巻に螺鈿の如く寒鮃
- アダー女
- 星空へ泡ひとつぶを吐く鮃
- あつちやん
- 海水の重さに抗う鮃なり
- あまぐり
- 地震鎮まり鮃の海となってゐし
- いしい美髯
- 朝市や鮃売り込む津軽弁
- いつか
- 物言はぬ思想犯なる鮃の目
- いつき組福岡リスナー班/由美子
- 集まれば鮃談義や夜の味
- いまいやすのり
- 鮃煮る喪中に付きの便り来て
- いもがらぼくと
- 鮃お前は真っ直ぐに進めていたか
- うどまじゅ
- 鮃の目地球も地軸傾けり
- えむさい
- 本流の重さ暗さに鮃臥す
- おやっさん
- 大皿に鮃花咲く古希の膳
- かざばな
- 接待の舌よく回る鮃かな
- かまど
- 紫のしずく透けたる鮃かな
- キッカワテツヤ
- 致死量の鮃ぞんぞん捌きけり
- ぐ
- 潜水艦の影のよぎるや大鮃
- ぐずみ
- セシウムの降る海底に居る鮃
- くめ仙人
- その鰭へ潮騒孕み寒鮃
- クラウド坂の上
- 大皿の四隅の空けて鮃かな
- くれまてぃす恵子
- 鮃眠る潜伏キリシタンの海
- けーい○
- 釣り上げし鮃を反す空側へ
- こじ
- 佳きことのあるや鮃のカルパッチョ
- ことまと
- 一人夜や鮃は海を連れてくる
- コナラ
- 競る声にはねて鮃の裏表
- こはまじゆんこ
- 波に去られてとり残されたら鮃
- ざうこ
- 海の底鮃はじっと耐えている
- さくやこのはな
- 深海にケーブル跨ぐ鮃かな
- ささき良月
- 写楽の大首絵めける鮃かな
- さとうりつこ
- ばほばほと砂泥叩きて鮃かな
- さとう菓子
- 鮃には錫の盃吟醸酒
- さぶり
- 鮃は光りが欲しくて上向いた
- さゆみ
- 夜明け前鮃静かに地球抱く
- しおうらゆうこ
- 鮃の眼プラスチックの砂の降る
- しかもり
- 柳刃を寝かす角度や寒鮃
- しゃれこうべの妻
- 寒鮃海の重さを計りおる
- シュリ
- 鮃には藻塩さらりと宵の口
- じゅりあん山本
- 鮃ひらめマグマに抱かれ星を見る
- しょうき
- 寒鮃供えて獅子吼あとの黙
- ず☆我夢@木ノ芽
- 思わぬ地酒とまさかの鮃届きけり
- すいぎょくさんご@木ノ芽
- 悲しげなすし屋に飼はれたる鮃
- すえよし
- ボサノバを聴いて眠れる鮃かな
- すみれ色の涙
- 鮃釣る尻ポケットに開高健
- せり坊
- 山里を廻る軽四寒鮃
- たむらせつこ
- おい鮃憲法談義でもするか
- ちびつぶぶどう
- 天を恋ふたびに鮃の背に星
- でこはち
- 正直に生きて鮃になりました
- テツコ@第二まる安
- 釣り上げて樺太近き鮃かな
- テノールこさる
- 好物は鮃ネクタイまがつてる
- でらっくま
- 鯛鮃はべらせて死のうらやかに
- とおと
- ひらひらとひらめほしくづまきながら
- どかてい
- 鰓際へ切つ尖うねりける鮃
- としなり
- 月欠けて引寄せられる鮃の目
- としまる
- 寒鮃波打ち際に夢を見た
- なおこ
- 天睨む光静かに鮃かな
- なないろ
- 飄と生くすべて鮃になる日まで
- なみはやらんる
- 寒鮃気持ちの合わぬ夫婦かな
- のぶ子
- ふるさとの星はふるふるかんひらめ
- のら
- 寒鮃目の合わぬやう合わぬやう
- はなまる
- 鮃つてひらめ顔なのに精悍
- はまのはの
- 平手打ちされし日もあり平目食う
- はるや
- 砂上の鮃から船底の赤し
- ひでやん
- 工場のけぶる夜景や根の鮃
- ひなた
- 砂底の昏さや甘き鮃食む
- ふじこ
- 太陽は青海底のヒラメすやすや
- ふたあい
- 寒鮃眠気覚ましの古き歌
- ふっこ
- うまそうな海の染みたる鮃かな
- ふみゑ
- 寒鮃かかげる手より暮れにけり
- ふるてい
- 喰ろたのに鮃一緒に喰ろたのに
- ペトロア
- 鮃にも夜にも表裏があり
- ヘリンボーン富樽
- 鮃食う君の薄っぺらな嘘
- ほしの有紀
- キリシタン転びし島に食う鮃
- ぼたんのむら
- 晩酌や鮃刺し身で酔わずでか
- ぼたんぴ
- 黒釉にひらく鮃のうすづくり
- ほろよい
- 北半球だけにいさうな左の鮃
- ぽんたちん
- どれほどの鮃埋めて鹿島灘
- ぽんのじょう
- シルル紀の魚は平ら鮃釣る
- マオ
- 日蝕のリングの揺れて鮃かな
- まこち
- 鮃の目映す醜き我の顔
- まさこ
- 砂の隙間にわずかな空を見る鮃
- まさよっち
- 寒鮃貌拉がれて売られけり
- まるちゃん2323
- 寒鮃ゆうぐれ色に煮上がりぬ
- まるひるま
- 煮凝りの中の鮃の目が左
- みそまめ
- 鮃の骨美し嫁の泣きぼくろ
- みちる
- 海深く鮃は背の星揺らす
- みやこわすれ
- 鮃とは水圧に負け二万年
- むじーじ
- 海底の眼差し遠く鮃かな
- むべ
- 鮃の目夜空に星のひとつあり
- もりお
- 明晩へ半分残る鮃かな
- ヤヒロ
- 干し鮃風と光を集めおり
- やぶつばき
- ひらめのめそのかおなにがこわいんや
- ゆいのすけ4さい
- 磯笛の啼く浜小屋の鮃かな
- よぶこどり
- 天心に月のあがりし寒鮃
- らくさい
- 寒鮃一切れ夫をほころばす
- らごん
- 舌上の沈黙甘し寒鮃
- ラッキーの母
- 柳刃の一息ひかり立つ鮃
- る・こんと
- 峡の家軽トラで来る鮃買ふ
- るるの父
- ひらめだと判断つきてより厚遇
- ローストビーフ
- 平目切る動画見ながら切る平目
- 亜音洲
- 一枚の鮃重たく舞い揚がる
- 哀顏騎士
- 次の世は月になりたき鮃かな
- 葦たかし
- 空昏く海なほ昏く寒鮃
- 或人
- 人と猿は九割同じ鮃食ぶ
- 安溶二
- 鹿島灘ひらめ日和の朝明けて
- 杏と優
- 天然とことわりのつく鮃かな
- 伊藤欣次
- 柳刃を滑らすじよりと鮃の背
- 伊奈川富真乃
- 砂泥めくヒラメ月面めく砂泥
- 伊予吟会 宵嵐
- 鮃の歯針外す指に夜の風
- 為一暢道
- ふるさとの砂模様なる鮃の背
- 郁李
- 一枚で鮃足りるか思案中
- 一咲ふゆか
- 煮凝の鮃の目の不機嫌
- 一人静
- 隠し持つ犬歯もよかれ寒鮃
- 一走人
- 床下に眠る瓶漬け鮃食う
- 茨城之ポキヨシ
- ひらめ眇に今生のみづをぬぐ
- 遠音
- 六割の鮃が空を見てゐたり
- 塩豆
- 海底の名残冷たく鮃の背
- 温湿布
- 地に象の足あと海に鮃かな
- 佳月
- 鮃なるものを初めて触る夜
- 加賀もずく
- 揺るごとに砂へ埋もりゆく鮃
- 可笑式
- 恨みでもありそうな目の鮃買い
- 茄子美
- 海重く鮃は顔を上げられず
- 雅な童
- 鮃切るをとこの爪の耀ひて
- 雅喜
- 鮃食う父や我が家は空の底
- 海月漂
- 色褪せし江夏の色紙鮃喰う
- 灰色狼
- 月さえも知らぬ鮃の塒かな
- 灰田《蜻蛉切》兵庫
- 夜の底真白きままの鮃かな
- 街麦
- 海底の下に地震の巣寒鮃
- 樫の木
- 盛りつけし鮃に七彩走りけり
- 梶 鴻風
- 砂底に丈をひろげるひらめかな
- 叶
- 鮃の目漁師の妻の密通す
- 瓦すずめ
- 波に裏ありて鮃の腹に影
- 柑斗梨舞礼
- 助手席に相棒然と鮃をり
- 甘党
- 鮃煮る優柔不断を断罪す
- 甘平
- 切り裂かるあす待つ鮃よるの底
- 軌一
- 酒場の喧騒うつろなる鮃の眼
- 輝 龍明
- その姿怒れる神は鮃とし
- 輝棒
- 寄席跳ねて銀座卯波に鮃かな
- 鬼怒
- 寒鮃割く包丁に風宿る
- 吉良水里
- 美しや鮃歪みの極まれり
- 宮武桜子
- しづかさや鮃凝れる夜の底
- 虚実子
- 水底の鮃或いは世捨て人
- 空蝉
- 煮鮃の皮薄薄と薄薄と
- 蛍川
- 父ちゃんの捕る鮃母ちゃんと揚ぐ
- 月の砂漠★★
- 鮃ゆくααと影揺らし
- 月の道馨子
- 鮃捌く朱の滲みたる投書欄
- 月見柑
- 寒ひらめ地球が平らだったとは
- 犬星星人
- 鮃食う地球が丸いというデマ
- 広瀬 康
- 釣り人と鮃の息のたゆたひぬ
- 光本弥観
- 長崎や生簀の鮃目が淋し
- 公毅
- 釣りあげし鮃夕陽を背負ひけり
- 香壺
- 釣り上げし鮃に見得を切りにけり
- 高橋寅次
- 骨抜きに撫でる鮃や美し甘し
- 高野由多
- むかしむかしひらめのうみがありました
- 国代鶏侍
- 早口の釜山訛りや鮃食ふ
- 根本葉音
- 魔法の火比良魚未明の森を這ふ
- 斎藤秀雄
- 淡白な鮃存外強面
- 斎乃雪
- 魚屋の平目ばたつく昼下がり
- 三重野とりとり
- 煮付け食ふ鮃と知りて褒むるなり
- 山樫 梢
- きぃぃんと空気糸はる 鮃煮る
- 山西琴和浦
- 銀色の水脈を見上げて寒鮃
- 山内彩月
- 幾尋の水圧を支える鮃
- 山野ゆうり
- 阿羅斯加と伊勢の間に鮃ゐる
- 山陽兵@阿羅斯加=アラスカ
- 目論見はいつか空飛ぶこと鮃
- 珊瑚
- 月の白伏せて鮃は眠くなる
- 司啓
- くどくどと言はぬのがよし寒びらめ
- 志保川有
- 大皿にひらめ花咲く白寿かな
- 紙威
- 半世紀嘘ついてます鮃の目
- 紫檀豆蔵
- 寒鮃新地の昼は間延びして
- 時雨
- 四人目の王は理想家平目喰う
- 七瀬ゆきこ
- 美女の手に津軽の鮃美男なる
- 篠田ピンク
- 期せずして煮凝鮃迎え酒
- 柴原明人
- 箸を持つ方じゃない方平目買う
- 紗千子
- 如何にして恋の鮃の見つめ合ふ
- 朱契
- どくどくと醤油さす考寒鮃
- 珠桜女あすか
- 巻き上がる砂にはためく鮃かな
- 寿山
- 序破急に竿を締め込む寒鮃
- 樹朋
- 極上の酒の匂ひや鮃炊く
- 宗本智之
- 煮崩れて妻は静かに鮃と言い
- 塾志
- 大津波は鮃を釣つて起こるもの
- 春響
- 煮凝りは私のものよ鮃煮る
- 春猫
- 融け続く永久凍土干鮃
- 順三
- ひらめひらめ何時になったら泳ぐのか
- 小鞠
- 神さまは案外適当ねえ鮃
- 小川めぐる
- 鮃煮て浮かれる夫よ鍋洗え
- 小倉あんこ
- 鮃締める娘は春を売つてゐる
- 小倉じゅんまき
- 鮃あり南海トラフ静かなり
- 小梅
- 否応もなく周りに同化する鮃
- 小木さん
- 鼻腔へと無香立ち上がるや鮃
- 松山
- 出刃睨み鮃は腹をぬたり打つ
- 松田てぃ
- 包丁の先は鮃の背の辺り
- 松尾寒蝉
- 平籠に敷き詰めてある鮃かな
- 笑松
- 大鮃でら照らさるる知多の朝
- 寝たきりオヤジ@「でら」は名古屋弁で物凄い=どぇりゃあ=
- 寒鮃回復したる箸遣い
- 真繍
- 初恋の褪せし色かな鮃煮る
- 真中北辰
- 寒ひらめ夜明けの海は縹色
- 水夢
- 地球釣るがごとくに鮃釣る
- 晴海南風@木ノ芽
- 煮凝りの真ん中に鮃の目
- 清波
- どちらかと言へば鮃は浪漫主義
- 西泉アモ
- 子規顔の友逝き五年鮃食う
- 青柘榴
- ヒラメで謂えば目と目のあいだは光年
- 青萄
- 俎板の凹みに添へる鮃かな
- 青柿
- 夕暮の紺の薄曇鮃煮る
- 石井茶爺
- 風疹が流行っています鮃煮る
- 石川 聡
- 鮃には鮃にしか見えぬ景色あり
- 赤馬福助
- 刃を入れてなんと真白き寒鮃
- 倉形さらさ
- センター試験終えて鮃釣る
- 相沢はつみ
- 海神の旗となりたる鮃かな
- 蒼鳩
- ヴィーナスは貝から祖母は鮃から
- 村上海斗
- 煩悩の鮃大悟の鮃かな
- 村上優貴
- 暮るる陽もバター色なり鮃汁
- 多事
- 鮃喰う白薄紅の花びらを
- 泰然
- 鮃なる身に太陽を映したる
- 台所のキフジン
- 紛争の海跨ぎたる鮃かな
- 大井河薪
- 風刺画の口野暮ったき鮃かな
- 大雅
- 鮃まだ恋を知らずに砂に臥す
- 大谷如水
- 〆傷が開く鮃の左頬
- 大塚迷路
- 海流の重さにしなる寒鮃
- 谷口詠美
- 大鮃少し縮んで蒸し上がり
- 谷川の蛍子
- 男気とレゲエで捌く鮃かな
- 池と堀
- 捌く刃にへばりつきたる寒鮃
- 池田香
- 鮃伏す南海トラフの軋む先
- 池之端モルト
- マントルの脈診るごとく鮃臥す
- 竹さ
- 砂色や地球にへばり付く鮃
- 竹庵
- 寒鮃空半分で生きており
- 宙のふう
- むらさきをはじきて甘し大鮃
- 朝ぼらけ
- 星空を映した鮃ゆるりゆるり
- 朝桜咲花
- 鮃食ぶ夢の残渣を摘むごとく
- 直樹里
- 寒鮃を謀るルアー夕まずめ
- 直木葉子@夕まずめ=日没頃の好漁の潮時
- 筋肉の撥ねる龍の尾寒鮃
- 津軽わさお
- 金曜の平目とんでもなく旨い
- 椎の木くるみ
- あざやかに食われし平目の骨頭
- 定吉
- 金のルアー静かに沈む鮃釣り
- 天満の葉子
- 隠れたる鮃が動く砂が沸く
- 澱凡
- 風の日は脂ののった鮃くる
- 田村美穂
- 海の底鮃ひらひら機雷の上
- 田名あみ子
- 虹あらば虹色纏ふなる鮃
- 土井デボン探花
- 異形なる釣り師に怯む平目かな
- 冬戸梅雨
- ばふばふと釣り上りたり大鮃
- 東山
- 底辺とは思っておらぬ鮃かな
- 東洋らいらん
- ずる休みの旅ひらめの砂潜り
- 桃八
- 煮凝りの漫ろに憎し寒鮃
- 桃福
- 男運なくて鮃を品定め
- 藤井祐喜
- こう見えて鮃も夢を見るのだよ
- 瞳
- 深爪の指に鮃の捌かれり
- 奈緒女
- 鮃臥すフォッサマグナの深度かな
- 凪野たいら
- 創世記ここに始まる鮃かな
- 楢山玄冬
- 釣り上げし鮃誰かに似てをるな
- 南雲風花
- 月面の砂の色なる鮃かな
- 楠えり子
- 鮃開く見たいのは裏側だつた
- 尼島里志
- いい平目でしよとおやじの目が笑ひ
- 日出時計
- 黄昏を踏んで独りの鮃かな
- 日々
- 鮃だと言われるままに信じけり
- 背馬
- 辛口を切子におとし寒びらめ
- 白樺みかん
- 目を白うして食はれるを待つ鮃
- 薄荷光
- 陽に干せば肝あかく透く寒鮃
- 麦吉
- 尾を持たれ生け簀の鮃瞬きす
- 八作
- 壇ノ浦より釣り上げしなる鮃かな
- 八幡風花
- 天井の高き式場鮃にバター
- 板柿せっか
- 人間に翼の名残り鮃に歯
- 飯田うと
- 折尺を広げて測る大鮃
- 比呂子
- 粘膜の腫瘍のごときひらめの目
- 枇杷子
- 海底の一片俎上にあり鮃
- 美津子
- 鮃食ぶ海はいつでも昏き穴
- 柊 月子
- 夜の底引き?がさんや鮃釣り
- 富山の露玉
- 鮃煮る匂い素足で踏む板間
- 風舎哲坊
- 月光に海底剥がれ鮃となる
- 風来松
- 鮃掛かる風に綻び海揺蕩う
- 服部 勝枝
- 競り終えて鮃木箱の檜葉の香へ
- 福良ちどり
- 目をそらす鮃へ出刃をぐぐと刺し
- 文月さな女
- 息吹けば膨らみさうな鮃かな
- 文女
- 寒鮃たぎる海より抜き上げぬ
- 文彦
- 軍手噛むこれは鮃に違いない
- 豊田すばる
- 縄文の淀みを滋味となす鮃
- 北
- 皮引けば灯るがごとし寒鮃
- 堀口房水
- 切り捌く出刃を曇らす大鮃
- 凡々人
- 乳癌や砂に隠るる寒鮃
- 凡鑽
- 踏まれ鮃と化すそんな夢を見る
- 無銘氏
- 日輪や鮃の憂う泥の星
- 霧子
- ひーらめひらめうしろのしようめんだあーれ
- 椋本望生
- 鮃盛る皿は瑠璃色卓螺鈿
- 茂る
- ぱふぱふと紛れて砂の鮃かな
- 木村ひむか
- 星空を半身に映す鮃かな
- 野地垂木
- 悲しみを展開図にし鮃食ふ
- 野々ゆか
- 虹彩に潮の潤みて鮃かな
- 野々りんどう
- 白神の水呑み鮃白身なる
- 野々原ラピ
- 星空を釣れりと思う鮃かな
- 野良古
- 鮃食う白き歯応え飲み込めり
- 唯我独善
- 殴る様に船揺らす波寒鮃
- 優純bow
- 十一匹の鮃二十二の瞳
- 洋壬
- 遠くより誰が咳聞こゆ鮃食ふ
- 葉子 A
- 砂沈む鮃はモナリザの微笑
- 雷紋
- 裏返る鮃かならず返される
- 利平
- 鮃割き指輪のあとのかゆきこと
- 李子
- 眼帯のとれた夕日や寒鮃
- 流川ゆきはな
- いざ下ろさん文化包丁もて鮃
- 留野ばあば
- 星を見やうと鮃の白き腹うねる
- 竜胆
- 神怒り踏まれし魚の名は鮃
- 龍田山門
- 鮃煮付け出向と云ふ凪にゐて
- 隣安
- 星屑にまみれ鮃は眠りをり
- 露砂
- 吾は鮃一番星を掴みたし
- 闍夢
- 噴煙のまた上がりたる鮃干す
- 老人日記
- どんな日も終へれば佳き日鮃食ふ
- 戌の箸置
- 時の鐘鮃は本音吐きにけり
- 渕野陽鳥
- 鮃だと言うなら鮃なのだろう
- 游真
- 鮃の夜テムズに浮かぶレストラン
- 芍薬
- 荒海や千年底に待つ鮃
- 茫々
- ぐんにぐんにと鮃をどれるあぎとかな
- 蓼蟲
- とどのつまり表も裏も鮃なり
- be
- タンカーの影を見上ぐる鮃かな
- あみま
- 鮃臥す海の平らか十一日
- たんじぇりん金子
- 小上がりに鮃を食べて長居せず
- ゆみづき
- 鮃喰ふ銀座老舗の夕まぐれ
- 江戸川青風
- 砂かぶる鮃の腹の白さかな
- 花南天anne
- 鮃見ていた真砂のような星の空
- 茄子紺
- ふた昔前の仏蘭西平目食ぶ
- 江口小春
- 水槽の砂に馴染みし鮃かな
- 白丘山人(893人)
- 裏返し淋しき白や夜の鮃
- 与志魚
- 恐竜を知りにけりとや鮃の子
- おがたま
- おなかからひらめはてんてんだすのかな
- がんばるたくみ5才
- バッテンに味沁みこんでヒラメ反る
- ギコ
- 学校が鮃になったら歌おうよ
- ちま(4さい)
- 鮃伏す團十郎のにらみかな
- ときめき人
- 鮃煮るちょっと辛いと夫ぽつり
- ふくろう悠々
- 鮃縁側の筋肉痛らしき
- モッツァレラえのくし
- アリババは鮃に乗って海をゆく
- 宮坂変哲
- 花びらの刺身と鮃なりにけり
- 金治宜子
- 鮃の白で何故か泪の溢れけり
- 桑島 幹
- 鮃煮やとろり浸み込む正油味
- 小川都雪
- 鮃むれ福島の海へどんと来い
- 笑子
- 鮃煮る去年は未だ夫もいて
- 青泉
- 日の光どんどん潜る鮃かな
- 池田和正
- お勧めは鮃と墨書美味そうな
- 藤郷源一朗
- 大ひらめ五枚におろしさて何を
- 橄欖子
- 垂直の街に疲れし鮃鍋
- 門前町光乃
- 鮃の横もう止まろうとする時計たち
- 祺埜 箕來
- 寒鮃漁夫はウンチク止まらない
- 花紋
- 鮃ザラザラギャングエイジと言はば言へ
- 久我恒子
- 子に髪を染めさせてをり寒鮃
- 蘭丸結動
- いつ転化磁石の針と鮃の目
- 14橘 貞山
- 眼光の鋭き親父鮃釣る
- 28あずきち
- 平目の目幼き良寛岩見つむ
- ⑦パパ
- 網のなか漁師に見得切る大ひらめ
- aya
- ご先祖に咎なかりしも鮃かな
- GARU
- 俎板に平目の音がぺたんぺたん
- GONZA
- 鮃ひらめ空を飛べるにちがいない
- k.julia
- 上ばかり眺め退屈寒鮃
- KAZUピー
- 店先に並ぶ鮃に目があひて
- kkk
- 平面の方程式や寒鮃
- Mコスモ
- 養殖の鮃や喝采大魚なり
- PON
- 鮃の歯は針指先血に滲む
- sakura a.
- 船乗りと鮃ふらりと陸に立つ
- sol
- 無定見われに似ている鮃かな
- syuusyuu
- 憂きことのひとつ鮃に一人酒
- yoko
- 江の島の小ぶりな鮃ひとり膳
- yoshie
- 身を隠し隠れ上手か鮃かな
- アーナンダ
- 鮃の誰にも見せぬ裏の顔
- あー無精
- ひらめのごとき我連勤後の星
- あおい
- 鮃見てつまみ決まれりリゾート地
- アオキシゲル
- 血抜きして鮃白身を極めたり
- あけび庵
- 左目は視界良好鮃かな
- あけび二号
- 日和見のかれかと思ふ大ひらめ
- あざみ
- 初めてのヒラメの煮付け味うすし
- あさもわ
- 半干しのひらめ骨まで透けてをり
- あさり
- 胃切除の夫の御膳に鮃載せ
- あすなろ
- 煮こごりの鮃こちらを睨みをり
- あつむら恵女
- 神秘なり姿変わりし鮃の子
- アマリリスと夢
- 水底から睨んで餌待つ鮃の日
- あら さなえ!
- お天道様の記憶持つらし大平目
- あらあらた
- 横顔も素敵と言われ鮃かな
- アリマノミコ
- 白き星体に散らし鮃かな
- あるきしちはる
- 藪にらみ鮃は砂に仰臥して
- あわの花水木
- そろそろと時価の鮃のお会計
- アントワネット@ノエル
- やり終えて仲間と酒と寒鮃
- いくらちゃん
- 荒縄に鮃吊り下げ海人の行く
- いごぼうら
- 笊のへり叩いて鮃起きてみよ
- いしだもよ
- 磯風の啼く浜小屋の鮃かな
- いなほせどり
- ひたすらに上見て生きる鮃かな
- うさぎまんじゅう
- 鮃持ちスマホの中の君笑う
- うずまきタルト
- 肉厚の肩いからせて鮃跳ぶ
- うづら
- 透きとおる身をもてあます平目かな
- うに子
- 砂のなか瞼の欲しき平目たり
- ウロ
- 水揚げの鮃は千鳥格子なる
- エイシェン
- 平成も昭和も生きし鮃かな
- えらぶゆり
- 縁側でざぶとん鮃釣り談義
- オイラー
- 翻る鮃の腹の白さかな
- おおやぶちょ
- 海の底何を隠している鮃
- オキザリス
- ダリの絵と見紛うやうな鮃の目
- おくにち木実
- ひれ伏して鮃づくしのおもてなし
- おけら
- 冷え切った鮃無言の食卓や
- おたま
- 牙剥くや鮃の喰らふその瞬間
- おんちゃん。
- 敷石の濡れたるごとき鮃かな
- お気楽草紙
- 化石から攻めに転ずる大ひらめ
- カオス
- 早朝の網にズシリと鮃なり
- かずポン
- 轟音のごと喰らいつく鮃かな
- かつたろー。
- ひらめ煮る母好みしと繰り返し
- かつら子
- 海底の色をまとひて鮃かな
- かぬまっこ
- 鮃食ふ目で分かち合う夫婦なり
- きさらぎ
- 釣上げし跳ねる鮃や白き腹
- きっちゃん
- 海底探知器のごとき鮃かな
- きなこもち
- 大海原天然鮃の腹白し
- きのと
- ヒラメにはヒラメの世界左寄り
- キヨ
- 店先で 死んだふりする寒鮃
- キョンちゃん
- へらへらと座布団鮃一夜干し
- きんえんくん
- 横に居てとおく在る夫鮃の目
- くう
- 八十路坂越えていや立つ平目かな
- くさぐき
- 路地行かばヒラメの煮付け卑怯なり
- くすぐり人
- 寒鮃汁たつぷりを所望せり
- くによ
- 伝説の青空見上ぐ平目かな
- くま鶉
- びちと跳ねし方を買ひけり大鮃
- くらげを
- しくじりを忘れ鮃の鱗そぐ
- クレイジーソルト
- ケアマネの鮃の小骨こはがりし
- ぐれむりん
- 給料日買物かごの鮃かな
- クロまま
- 鮃食う焼くか刺身か煮付けかな
- コケでか
- お目当ての鮃釣れずにスーパーへ
- コタロー
- 海荒れて鮃の上がる出雲崎
- こてつ川
- この話鮃食して後にせむ
- こはぎ
- 鮃等は斜め三十五度に見る
- こぶこ
- 砂はらい日輪浴びる大鮃
- こふじ
- うすづくり鮃か鰈舌に問い
- こまち婆
- 検索履歴消し味わう鮃かな
- さえまま
- ひらひらと抵抗避けて鮃のよう
- さかまろ@第二まる安
- 水底にひそむヒラメの都かな
- さくみ
- 左巻きのつむじの血すじ鮃かな
- さだとみゆみこ
- 宴会を掛け持ち歩く平目かな
- さとうくにお
- 腑に落ちず鮃寄せた眼何を見る
- さばいばあ
- 缶コーヒーヒラメ釣った手温めて
- サラダ油とブドウ糖
- 夜更けて子持ち鮃の煮つけにて
- シーちゃん
- 魚屋の砥石凹みて鮃かな
- しー子
- 鮃釣り捌きのつぎは皿選び
- しおかぜ
- 辛口の酒に鮃の骨しゃぶる
- しげる
- 煮てもよし干してなほ良し鮃かな
- しげ爺
- 九十九里遠くターレーの鮃かな
- シニアモモ
- 青空は水面のきらめき知る鮃
- しみみ
- 「イルカみたい」生簀のヒラメひと泳ぎ
- しゅうちゃん@5さい(31)
- 大鮃素知らぬ振りで砂煙
- しゅんらん
- エンガワに滑らす包丁寒鮃
- じょいふるとしちゃん
- ひらめごと海の平らになる夜明け
- しろ
- 鮃好き刺身縁側骨煎餅
- しんしん
- 泰平であれかしと食む鮃かな
- しんび
- まな板の鮃抗う二度三度
- すずめ
- 煮凝りを透かし目を上ぐ鮃なり
- スタルカ
- 磁器めく目玉トロ箱の寒鮃
- すみっこ忘牛
- 鮃切る左手軽く添えるだけ
- スローライフ
- 手土産に鮃バタバタ海人の客
- せり花
- 底に寝て牙を光らす鮃かな
- せんえい
- お祝ひは鮃握らせ始まりぬ
- そめいゆ
- 鮃食む祖父の晩酌しつらえる
- たいき
- 大鮃捌く父燥ぐ子ら子ら
- たけうち晴美
- 流し目のヒラメに出会う魚の棚
- たけし
- 世界を下から目線の鮃かな
- だけわらび
- 再就職した夜鮃の煮付け食う
- たけ爺
- 表裏比べながめし鮃かな
- タック
- 鮃一尾の口実よ朝市よ
- たま
- エルニーニョ知ってか鮃は左向く
- たま蛙
- お造りが鮃に替わりて飲む今宵
- ダリア
- 新妻の真白き指と鮃かな
- だるま
- 縁側の鮨に病み付き鮃かな
- たんと
- 船上の撓る竿先寒鮃
- たん造
- 酒一合と鮃のさしみで憩う夜
- ちづるこ
- 鮃の目撒き餌か針か見て思案
- ちゃんごりん
- 生臭き鮃あの日のブライトン
- ちょろたこいん
- 曇天の怠けきつたる鮃かな
- ツカビッチ
- 大皿の鮃の刺身透ける青
- つつ井つつ
- この引きは跳ねて暴れる鮃かな
- つつ井つつ夫
- 箸先の鮃も揺れるケーナの音
- つわきの嫁
- 鍋底の鮃の思い出海の底
- ティーダ
- 絶え間なき進化の果ての鮃かな
- てまり
- 鮃とて夜空を仰ぐ海の底
- テン@第二まる安
- 頭持てひらひら鮃生きてるよ
- ときこの母よしこ
- 鮃食ぶ終の平成惜しみけり
- とし子
- ギターならチョーキングかな鮃引く
- とのじ
- 富士はるか裾野を目指すひらめかな
- ドラタンリュウジ
- 舌鮃レモンを添えてペンザンス
- とりまる
- 世の中を斜交いに見る鮃なり
- ドレッシング
- 海進の菩薩の跡の鮃かな
- どろん
- 捌かれて裏おもてなき鮃なり
- とんぼ
- 目を寄せて役者気取りか寒鮃
- なかがわ聖一
- 鮃の子海の底から星を見る
- なかの花梨
- 外面の良きをんな児や寒鮃
- なご
- 持ち上げし鮃と夫の映像や
- なごやいろり
- 柳刃に白き身開く鮃かな
- ナタデココ
- 鮃蒸し命をつなぐ小さき匙
- なつめモコ
- 鮮魚売り場に大鮃ゐて二度見する
- なみは
- 時が過ぎ鮃の舞いも味のうち
- にゃんみー
- 寒鮃船待つ妻の焚べる薪
- ぬけまいり
- 祝い酒鮃となりて昇進す
- ぬらりひょん
- はしこさを砂に沈めて臥す鮃
- ねぎみそ
- 異星より太古舞い降りし鮃かな
- ねむり猫
- 天麩羅のド真ん中なる鮃かな
- ノエル@松原羽衣
- 朝市に海の底あり大鮃
- のつり
- 鮃食う祖母も娘も左利き
- のぼ子
- おいヒラメ昆布〆、美味くしてやるよ
- のもとみな
- 左の彼女見惚れつつ鮃かな
- のりた
- 上ばかり見て生きたいよ寒鮃
- バーバラ
- 海底の砂の感触競る鮃
- パオ
- 魚拓にす左鮃の寄り目かな
- はずきめいこ
- 眼避けあおのけ返す鮃の背
- はすみん
- 紙縒りて鮃の魚拓星づくり
- パッキンマン
- 見ぬ陸に憧れ鮃砂をかむ
- はなだんな
- 泡を吹く煮汁に沈む寒鮃
- ははろ
- どう映るそこから見る海鮃の目
- ハマさん
- 風荒ぶ夜に煮付ける平目かな
- はむ
- 煮凝りの旨き朝餉や寒鮃
- はら美華子
- 暗闇に紛れ込みたり寒鮃
- ハルノ花柊
- 白波の鮃の刺身おもてなし
- ばんしょう
- 金婚に妻と頂く鮃かな
- ひなたトンボ
- 海猫の食い飽きたりや鮃かな
- ひねこ@母の代理投句です@渡野しえん太
- レジまでに戻し戻され鮃かな
- ひよはるばば
- 字面から姿の浮かぶ鮃かな
- ひろ
- 両の目で水面仰ぎし鮃かな
- ひろきう
- 夕食におすまし顔の鮃かな
- ひろくん11さいのママ
- 深海にかくれんぼするひらめかな
- ひろしげ11さい
- 水底でギョロリと餌を見る鮃
- ひろのじょう
- 疑似餌にもすぐに食いつく鮃かな
- ひろろ
- 媚びはせぬ上目遣ひの鮃かな
- ひろ史
- 水桶の砂に紛るゝ鮃かな
- ひろ志
- 一筋の光にギョロリ鮃の目
- ふうせんかずら
- 懐かしき寿司屋のひらめの字のぬめり
- ふくろう
- トロ箱へこぼれそうなる鮃の目
- ふさこ
- 百センチ一尾の鮃鮮魚店
- ふみ
- 寒鮃に出刃刺すときの夫の貌
- ふりる@木の芽
- 看護実習生鮃の身をほぐす
- ふわり子
- 黒雲や横臥鮃にもの申す
- ペコちゃん
- 日の丸や左旗めく鮃刺し
- ほしみのる
- 台所皿と干される鮃かな
- まこち@ひでやんの息子
- 東京のとある番地の寒鮃
- まどん
- 竜宮の秘密ひらめが握っている
- マユミ
- 夕食の鮃を突き無口なる
- まりい@木ノ芽
- 環境負荷を考慮しつつも鮃
- みえ
- 寒鮃ぺとり触れたる女の手
- みかりん
- 自らの立場貫き鮃食ふ
- みくにく
- プロポーズ鮃を綺麗に食べたから
- みさき
- シャレオツな我が家は鮃はムニエルで
- みずほ
- うま味増す鮃ねっとり昆布締め
- ミセス水玉
- 硬骨の鮃一貫左より
- みつこ
- 円盤めいて鮃の前進かな
- みなつ
- 平然と鮃に刃当ててゐる
- みなと
- 人間の揶揄へ噛みつく鮃かな
- みやかわけい子
- 塩を振り踊る鮃は半刻や
- みよしい
- 水槽の鮃変幻忘れけり
- み藻砂
- 光る海鮃は太り釣り竿へ
- むすびめ
- 鮃には地球半ぶん死角かな
- むったん
- 鮃の身ほろりはらりと外れけり
- むにむにちゃん
- 漱石と賢治を読んで鮃喰ふ
- むらたふみ
- 鮃釣る漁協の旗の褪せし青
- めぐみの樹
- ヒラメの皮右から剥いでなめすする
- めしめし
- 合格をパーシャルで待つ鮃かな
- めりっさ
- 寒鮃煮汁の闇の水中花
- もせきのこ
- 魯山人の絵付けの皿や寒鮃
- もりたきみ
- 今日は鮃のフィッシュ・アンド・チップス
- ヤッチー
- ピカソ描く女のやうな鮃かな
- やまぶき
- 棟梁の風情の鮃釣りにけり
- ヤマボー
- 憧れて天を見上げる鮃かな
- やよえ
- 風避けるために平たくなる鮃
- ゆ
- 鮃刺しこれぞ日本と酒含む
- ゆぃ
- 後ろからつかまえてやるひらめかな
- ゆうが
- 奢られて身の引き締まる鮃かな
- ユク
- おい鮃上目遣いを誰にする
- ゆづき裕月
- 鼻唄や調子に乗ってゐる比目魚
- よあけの晩
- グツグツと鮃や鍋で出番待つ
- ようざん
- 海底に砂にまぎれり鮃かな
- よつ葉
- 船ゆらり鮃釣れたかおどる胸
- よひら
- カウンター席の鮃を噛みしめる
- よりたか
- 古伊万里に跳ねる鮃の薄作り
- よりみち
- 砂叩き身を隠したる鮃かな
- ラング蘭
- 寒鮃煮凝りぷるぷる活断層
- りぃらっくま
- 鮃釣天気急変帰途失せぬ
- りう女
- 走る雲荒れる白浪聞く鮃
- リバティーさん
- レースのカーテン買い換え鮃焼く
- りんごのほっぺ
- 海底のスペードの形鮃の跡
- りんたろう
- かたへのみ砂の当たりを知る鮃
- るびちゅ
- 寒鮃夫婦無口な夜なりき
- れい
- めがすてきひらめのえんがわたくましい
- れい子
- 病む夫にふっくらと鮃煮たりけり
- れっどべりー
- 砂かぶり隠れて眠る鮃かな
- れんげ畑
- 光さす水槽ゆらめくヒラメかな
- ローズ
- 嬉しそう上をみつめる鮃かな
- ロクヨン
- 旅は今鮃のソテー七つ星
- わかこ
- 献杯す釣りし鮃の行く末に
- わたさん
- 泣くほどにまなざし怖き鮃かな
- わらべ詩
- 旬きたり鮃づくしで恩返し
- わわ
- 熱燗に左右を問うて鮃かな
- 阿波豊
- 腹白を隠して眠る鮃かな
- 阿万女
- 鮃食ふ恋女房のひざまくら
- 愛みかん
- 海底の何を喰らいて鮃をり
- 安芸ゆきこ
- 海凪ぐや男が捌く寒鮃
- 安田 信洲
- 真白なる鮃に着せる昆布かな
- 伊藤はな
- 尖閣の潜水艦や寒鮃
- 伊藤善隆
- 姫そろう還暦旅は鮃かな
- 伊豆子
- 来世には寝返りしたし鮃かな
- 伊予吟会 玉嵐
- 咀嚼てふ闘い見得切る寒鮃
- 伊予吟会 心嵐
- 水族館わたしに向かってくる鮃
- 位子
- 荒磯波聞くや鮃の砂浅く
- 位相朗
- 十五時間旅し鮃の名旅館
- 井田みち
- 藪睨みわが道一途鮃かな
- 一の介
- 鮃ほぐし赤子の舌にそっとのせ
- 一海
- 海枯れて鮃目にすることもなく
- 一橋 ほけ
- 睨みたる鮃の裏の白さかな
- 一斤染乃
- 夕暮れや足並み軽く焼き鮃
- 一碁一会
- 鮃釣りヒエラルキーなどくそくらえ
- 一心
- 腹黒を笑ふ左目寒鮃
- 一生のふさく
- 皿のごと枚とかぞへて平目買ふ
- 一茶お
- ソナー降る海底に張り付くヒラメ
- 一刀斎嘉平
- この美味きひらめ子規にもくわせたし
- 羽 真美佐
- 鮃喰う今日のニュースと酒を呑む
- 羽衣使
- 源平の騒ぎを語りつぐ鮃
- 羽沖
- 妻が煮て夫の味付け鮃粗
- 羽藤武彦
- 煮鮃の骨骨骨骨大人味
- 雨夜猫
- 店先の視線集めし鮃の歯
- 卯年のふみ
- 鮃飛ぶ気になれば空だつて
- 瓜中不眠
- 世に飽きて砂に潜める平目かな
- 栄魚
- 鮃煮て右の方から攻めまくる
- 永想
- 卓囲み母のムニエル舌鮃
- 詠野孔球
- 寒鮃淡白な味刺身食ふ
- 円
- ドヤ顔の腕の震えや寒鮃
- 遠きいち
- 臥せし夜のてんじやう眺むる鮃かな
- 塩の司厨長
- 左鮃に右鰈目で見分け
- 佳子
- 寒鮃腹の白きの潔さ
- 夏柿
- 次はカレイに生まれたいという鮃かな
- 暇親爺
- よく似てる上向く鮃と排球と
- 歌新
- 断捨離に研ぎし方丈寒鮃
- 花屋
- 海底にピカソめきたる鮃かな
- 花河童
- ほの淡き鮃味わう旅の膳
- 花咲明日香
- 寒鮃何とも愛嬌のある奴よ
- 華
- 釣り人と朝陽に跳ねり寒鮃
- 蛾触
- 妻が煮た鮃連れ来し田舎道
- 雅雅丸
- 煙立ち動きに気づきて鮃かな
- 雅由
- 水槽の砂に隠れてこそ鮃
- 海風山本
- ちんまりと我家サイズの鮃喰う
- 海野しりとり
- 無音なりひらめはりつく海の底
- 海老名吟
- 鮃寝る夜の深海ダイビング
- 芥川光正
- 古伊万里に鮃の刺身ととのへり
- 垣内孝雄
- まあ食えと鮃の後に内示出る
- 笠原 理香
- 鮃にも踊りの流派あるらしい
- 葛谷猫日和
- 弾力を舌で確かめ鮃かな
- 幹弘
- 吐き出した砂は辛きか大鮃
- 甘泉
- 和包丁を砥ぎし俎板鮃寝る
- 岸 れん
- ヒラメ買ふアルバイト店員の目利き
- 岩のじ
- 玻璃越しに覗く鮃の動かざる
- 岩魚
- ひらめひらめ右側を見たくはないか
- 花節湖
- ひらめひらめ海の底から何見てる
- 喜多輝女
- 惨死さる鮃供養の昆布締め
- 幾恋良石
- 寒鮃上目遣いで美食せり
- 気のまま風
- 性別とヒラメの向きにある自由
- 紀貴之
- 寒鮃上目使いで何狙う
- 輝峰亭
- カウンターの視界へ入る鮃かな
- 菊池洋勝
- カルパッチョいつもと違ふ鮃かな
- 吉や
- 鮃煮て煮詰める泡の色にかな
- 桔梗
- 鮃煮の甘きかおりに舌騒ぐ
- 桔梗松山
- 鮃探し専門店のカレーにまねて
- 丘 るみこ
- 今昔に鮃ひたすら上を向く
- 久仁重
- 漁師宿膳の上には鮃盛り
- 宮写楽
- 鮃の仔踏まれてもなほ鮃の仔
- 宮島ひでき
- この鮃頼りは関の出刃包丁
- 宮﨑紅清
- 孫帰り鮃振る舞う爺ありて
- 京あられ
- へばりつき鮃生き抜く処世術
- 京のみやび
- 仰向けに寝てもみたかろ鮃かな
- 京丸
- 深海の鮃鰈は目に力
- 京子
- 左利きそのまま育ち鮃食ふ
- 琴女
- 無音貝になりたいと潜る鮃
- 筋トレ俳人withかすみ草
- ひらめには裏の顔などなかりけり
- 金太郎
- 釣天狗魚拓のひらめ右を向き
- 吟 梵
- 縁側をこりこり遣りて燗鮃
- 銀蜻亭
- 鮃釣り船の生簀に跳ねる音
- 句詩呼
- ウインクを左目でする鮃煮る
- 空
- 買い物籠の一番上に鮃乗せ
- 空 春翔
- 酒蒸しの鮃ふっくら艶まして
- 熊縫まゆ
- 大鮃夕餉のパパは釣り博士
- 栗田もとえ
- キュッキュッと長靴鳴るや鮃漁
- 群馬の凡人
- 帝王切開傷痕痒し寒鮃
- 啓泉
- ああ独立エストニアの鮃
- 圭右
- 寒びらめ料理上手に生きの良さ
- 恵美子
- 食卓でさばく鮃の大きさよ
- 恵風
- 偏屈な鮃たまには右を向き
- 蛍子
- 玉肌か天女の羽衣かヒラメ刺
- 結
- 福島沖黙して堪ふる鮃をり
- 月のうさぎ
- 見上げれど鮃ごときに情かけぬ
- 月影ミウ
- 深酒を悔いて干からぶ鮃かな
- 月々
- 故郷の浜の色持つ鮃かな
- 月城花風
- 普通酒をあえて頼んで待つ鮃
- 犬井山羊
- 噛みしめてなお噛みしめて鮃かな
- 犬散歩人
- 今宵宴銘酒と共に鮃あり
- 研山
- 初鮃歓声あげてワンカップ
- 元喜@木ノ芽
- 寒鮃ふりつもる多摩川の砂
- 古瀬まさあき
- 反抗期黙々と食ふ鮃食ふ
- 古都鈴(ことり)
- もの言はぬ店主鮃を昆布で締め
- 湖雪
- ひかえしは鮃の舞と玉手箱
- 五月野敬子
- 圧縮を繰り返されし鮃かな
- 鯉太郎
- 鮮魚棚一瞥くれる鮃かな
- 工藤浩之
- 夫の留守鮃煮る夜の一人酒
- 幸
- ねっとりと鮃生簀に寝そべりし
- 広瀬ナズナ
- 早い夜鮃の煮付け食べたくて
- 江久保亜月
- 星を恋ひ雲に焦がるる鮃かな
- 江津子
- 淡泊を昆布締めにして食ふ鮃
- 江里口泰然
- トロ箱にはみ出す鰭や寒鮃
- 香舟
- 濃き太き魚拓鮃の逃げ出さん
- 香羊
- 上品な鮃に憧れ母知恵
- 高橋 鰈舟
- 鮃食う民生委員はサングラス
- 高橋無垢
- ひらめ波は咲けども闇は解けず
- 高村優雨花
- 鮃煮た汁かけて喰う昼の飯
- 高田 仁和加
- 残されし骨美しき鮃かな
- 高島すかんぽ
- 大陸棚千年を待ち伏す鮃
- 克巳
- 江戸前の鮃の表白光り
- 今井佳香
- これでいいのだ鮃は鮃俺も俺
- 根子屋彦六
- 舞い舞いて店に横たう鮃かな
- 紺野タキ
- 待つことは生きることです鮃です
- 佐々木温美@ハートランド
- どこ見てる真っ直ぐ見てる大鮃
- 佐々木信天翁
- 幕間無き舞台を生きよ鮃達
- 佐山夕子
- 空の青見えるか鮃船の艫(とも)
- 佐藤
- 寒鮃ぶ厚き光さばきけり
- 佐藤直哉
- 鮃のお腹どうしてそんなに真っ白か
- 座敷わらしなつき(7才)
- 水槽に雌伏の鮃夜は明けむ
- 細谷細清
- 砂に待つ両目滾らす寒鮃
- 榊裕江子
- 君を待つ鮃さばいて君を待つ
- 咲耶とこ野@木ノ芽
- 姿煮の鮃の目には空の青
- 桜桃の里
- 鍋島の色絵を透かすひらめかな
- 桜姫5
- 金曜日鮃のフライに千きりキャベツ
- 桜木れい子
- 五十にて鮃の旬今おぼえたり
- 笹弓
- 鮃食ふ一咫半はまだ五寸
- 札六
- 細波や息潜めたる鮃の背
- 雑草おばさん
- お見合いの沈黙睨むヒラメの目
- 皿檸檬
- 寒鮃ぬるり腸壁這い進む
- 三羽異治
- 生け簀よりピチピチ鮃活け作り
- 三寺ひろみ
- 座布団のごとき鮃を友が釣り
- 三水低@第二まる安
- 皺刻む鮃さばく手誇らしく
- 三大夜景
- 源泉の砂地に鮃うごめきぬ
- 三島ちとせ
- 電球の低く灯りて鮃膳
- 三輪佳子
- 辛い事半分知らぬ鮃かな
- 三毳
- 一瞬に砂と同化の鮃かな
- 山口とねりこ
- 海底の砂に戯れ鮃かな
- 山口雀昭
- 大鮃横目でにらむ活造り
- 山口富子@MH俳句道場
- 睨む目の二つ並んで鮃かな
- 山裾 都
- 海男鮃あがれば吉となす
- 山茶花静
- 寒鮃遠慮しつつも縁側を
- 山田ノムオー
- 歓談や鮃づくしの七回忌
- 山本 力
- じつと待ち変える体色寒鮃
- 山本嘉子
- 潔く裁かれて居り寒鮃
- 山本夏石
- 鮃盛る器選びし喜寿の膳
- 山野はな
- 海荒るる鮃ひらひら砂潜る
- 山椒法師
- 煮こごりの海に潜れる鮃かな
- 史詠
- 平目には何色に見える空の色
- 史月
- 寒鮃赤絵の底に竜宮城
- 四丁目
- 故郷の鮃と会いし京の宿
- 四方駄馬@木ノ芽
- 海底を飛んで影追う鮃かな
- 始の子
- だみ声のオヤジ見上げるヒラメの眼
- 紙魚
- お造りの鮃灯しをまぶしめり
- 紫
- 寒鮃皿の景色に見せる腕
- 紫雲英
- 裏表左右それぞれ皆平目
- 紫鋼
- 砂底に寄り目忘れた鮃かな
- 紫香
- ずる休み潜りて迷う鮃かな
- 紫蘭
- 主夫業に平目煮付けと釣れぬまま
- 詩楽麿
- 透き通る鮃や刺身の美しき
- 試行錯誤
- 久方の平目で飲るや左利き
- 寺尾当卯
- 四代目の声に惚れ買ふひらめ五尾
- 慈?
- 威勢よしいさばの鮃覚悟よし
- 治もがり笛
- 寒鮃煮こごりすくうハシの先
- 耳飾り
- 鮃ごと上司取り込むネオン街
- 七生姫
- 大時化や鮃の寝息しづかなり
- 実多しゅうか
- 舌鮃鮃より美味知ってくれ
- 舎人
- 鮃には沸騰手前酒の燗
- 紗々
- 鮃にも空を飛びたい時がある
- 若草
- しんしんと降り積む朝に鮃食べ
- 若澤杏子
- 匍匐する鮃や海の迷彩兵
- 守安 雄介
- 寒鮃星屑食べるエイリアン
- 朱夏A
- 星降る沖鮃静かに潜水す
- 朱河
- 切なさを分かってもらえぬ寒鮃
- 秋月なおと
- 腹揺すり砂に隠れし鮃かな
- 秋月流音@木ノ芽
- 思い出す子供も鮃の味知りて
- 秋桜
- 鮃にも鮃の意地の有りにけり
- 秋津州はじめ
- 還暦の男五人の平目かな
- 舟御前@ノエル
- 鮃食ふ残りし骨の美しく
- 重翁
- 鮃なり上目遣いの人生だ
- 春果
- 斜に構え鮃見つめる濁世かな
- 春川一彦
- 釣り堀に外人喜喜と大鮃
- 春日
- 左側オトコマエです鮃です
- 春爺
- 朝まづめ河口に陣取る鮃釣り
- 春野いちご
- 海底へ届く青天ひらめ揺れ
- 春蘭素心
- お得意は鮃の煮付けだった姑
- 順女
- 寒鮃エンガワ頼む無礼講
- 勝山
- 皺の手の鮃にのびる売り場かな
- 小橋春鳥
- 一夜干し風に鮃が泳ぎ居り
- 小熊伸子
- 来る友を受けて鮃の一夜干し
- 小熊利雄
- 友と飲む鮃の刺身縁側で
- 小原 旅風
- 房総の鮃や育つ子の背丈
- 小山晃
- 翻る真白き腹の鮃かな
- 小春
- 熱燗で鮃をしゃぶり句談会
- 小塚 蒼野
- 鮃煮て古希祝う妻神妙な夫
- 小野みっちゃん
- ちょっとずつ鮃の刺身一人食い
- 小林結城
- 縞模様透ける海底に鮃
- 松浦麗久
- 砂地からふわりと泳ぎ出す鮃
- 松永裕歩
- 鮃食ふ部屋にピカソの女たち
- 松山めゐ
- 造船所跡には鮃の囲いあり
- 松山女
- 寒鮃復興めざす被災地に
- 松茶 巴@プレバト木ノ芽
- 飼い犬の憐みの目や鮃の目
- 松野英昌
- 寒鮃さばく庖丁父譲り
- 湘輝
- 夕餉待つ織部の皿の鮃かな
- 照波
- ほろ酔いの夫と一献平目かな
- 章@ノエル
- 昇進も左遷も見ぬふり鮃かな
- 笑々
- ヒラメ久し一切れ残す老夫かな
- 常陸人
- 夜の光が海の底鮃照らし
- 植木照美
- 暗闇に眼をこらす鮃かな
- 慎吾
- プレートに尾の挟まれし鮃かな
- 新しいツバメ
- 腹ましろ善人顔の鮃かな
- 新田 淑
- 唯一は鮃をきれいに食べること
- 新藤柑子
- 大鮃忍者のごとく砂に消え
- 新米笛
- ぶしつけに値段問われし鮃かな
- 森の水車
- もの言はぬ鮃になつてみたきかな
- 森一平
- 磯の香と鮃を持って帰る父
- 森田まなみ
- ひとり居の小さき鮃買う夕べ
- 深山 紫
- 磯場にて砂踏み鮃舞い踊る
- 深川リンの父
- 鮃捌くフジタの裸婦のごとき白
- 深草あやめ
- 水族館ヒラメの群れとにらめっこ
- 真
- 煮魚の鮃の白き身ホロホロと
- 真紀子
- 扇に盛る鮃に透ける伊万里焼き
- 真宮マミ
- イタリアに菱形と呼ぶヒラメあり
- 真紅ゆうこ@イタリア語で鮃はロンボといい、「菱形」と同語です。
- 空白み眠れぬ朝の鮃かな
- 真林
- 小紋着て赴くこよひ寒鮃
- 神山やすこ
- ぺたぺたと海底に鮃貼る園児
- 芯棒
- 鮃臥す小さくなりし母の背や
- 壬生紋鬼
- 荒海や鮃のごとく眠りけり
- 逗留舎なお
- 戯れに反す鮃の白きかな
- 粋田化石
- 鮃ごと上を目指して婆も生き
- 翠穂
- 竿しなるのたう岬や寒鮃
- 酔いどれ防人
- 寒鮃五枚下しの挑戦ぞ
- 杉浦夏甫
- 観るだけの魚になりし鮃かな
- 杉尾芭蕉
- 鮃より鰈が好きと言はれても
- 杉本とらを
- 三畳紀氷河期を経て鮃臥す
- 雀虫
- 古伊万里の海に鮃の二三切れ
- 澄海
- 漁船より照らす音波に立つ鮃
- 世良日守
- 鮃とて腹白ければ天然ぞ
- 瀬々葱坊主
- 競りの値に尾を打つ河岸の鮃かな
- 是空
- 活け造りこの酒ありてこのヒラメ
- 星海
- 水族館鮃悠々白い腹
- 星降松
- 靴下の裏返し鮃に見られ
- 晴好 雨独
- 船上で我は鮃と空睨む
- 晴日和
- 芝浜で鮃を競ったころもある
- 正宮崎
- 穏やかな潮の砂地や鮃座し
- 正木児童
- 昆布と昆布指に糸引く寒鮃
- 清ら
- 病院食飽きて鮃の煮つけかな
- 清一
- 三人で飲む大連の寒鮃
- 清水仁
- 床の間の生花横目に寒鮃
- 清葉
- 地曳網雑魚に混じりし鮃獲る
- 聖右
- 海底の光の波に揺る鮃
- 西山哲彦
- 賑わいて店主さばける鮃かな
- 西川あきや
- 退職日皿をはみ出す鮃の尾
- 西村楊子
- 黙考す頼みし鮃似合う酒
- 西田武
- 擬餌鉤を横睨みする鮃かな
- 誠馬
- 海底から宙はゆらゆら鮃いて
- 青い月
- ふつふつと煮汁や鮃投入す
- 青伽
- こりこりと鮃味わう夕餉かな
- 青玄
- 水飛沫光る鮃や竿の先
- 青木豊実
- 古伊万里の透ける鮃の刺身かな
- 青嵐
- 鮃にも旨味ますかな酔うほどに
- 静香
- 独り居やひらめの半身残し置く
- 斉藤ふみえ
- 砂と紛ふ鮃の突如動き出す
- 石井せんすい
- 太陽光パネルの屋根や鮃食う
- 石原守人
- パンクしたラグビーボールのごと鮃
- 石川焦点
- 捌き待つ生簀鮃の重なりて
- 石田将仁
- 竜宮に一百年生きる鮃舞う
- 石野上路無
- クックパットに皮ひき習ふ舌平目
- 雪子
- 砂底に伏して鮃は時を待つ
- 千の葉
- 「乾杯!」の声に鮃の尾が跳ねる
- 千恵
- 大鮃飲み屋の壁に五年経つ
- 千葉睦女
- 砂の浮く背中一突き大鮃
- 千里一歩
- 二日目の昆布締めで燗寒鰤
- 占新戸
- 舌鮃のムニエル還暦祝い
- 川口 みち
- カメラマン頭上のヒラメ追いかけて
- 川西勝久
- 陽暗らむ柳刃研いで待つ鮃
- 浅河祥子
- 飴色に透けし青森寒鮃
- 船岡遊子
- 皿模様浮かして見える鮃かな
- 前川悠々
- 岩礁の欠片鮃となりて跳ぶ
- 善多丸
- 死してなおにらむ鮃の腹を割く
- 祖乞
- 推敲しまた推敲す鮃かな
- 創湎
- 大空の戦闘機ごと鮃かな
- 倉の人
- 偏りし世界の果ての鮃哉
- 想予
- 君も平目見下ろしてゐた水族館
- 草青
- 大鮃万年床の眼鏡哉
- 草翡
- 顔だけど仁王と鮃似てるかな
- 荘介
- 神饌を下げて一献鮃かな
- 蒼
- トロ箱に狭しとばかり鮃寝て
- 蒼香
- ぬらぬらの鮃むんずとつかまれし
- 蒼奏
- 小津安の映画や手酌鮃かな
- 霜月
- 鮃たち海の底にも幸ありて
- 尊 雅心
- 星まとふ比良魚は空に憧れて
- 村上 無有
- 鮃煮る三畳一間彼の背よ
- 村上瑠璃甫
- マスカラを塗る人見るヒラメかな
- 多可木@ノエル
- 酒蒸しと刺身と煮付け鮃食む
- 多聞仙
- 鮃出す女将の指のやわらかさ
- 太一
- ひらひらと鮃になって無重力
- 太子
- 盛り場の時の窪みの鮃かな
- 鯛 風
- 出刃一本ひらめさしみとなる音よ
- 大蚊里伊織
- 若冲がどう描く海中鮃かな
- 大三郎
- 昆布締めの鮃べっ甲色となり
- 大槻税悦
- 天命は夕雲にあり鮃かな
- 大富孝子
- キスリング婦人のまなこ平目煮る
- 沢田朱里
- 似合ひたり場末酒場に寒鮃
- 只暎
- 結局は煮つけとなりし大鮃
- 達哉
- 深海の鮃ひらひら波を生む
- 谷山みつこ
- 後ろ身を見る術あらん鮃かな
- 谷田藪辛子
- 本心は隠しムニエルの鮃にナイフ
- 短夜の月
- 半額のヒラメは明日の昼ごはん
- 知音
- 羨望すヒラメ寿司の透明感
- 知澪
- 鮃臥す暮れゆく砂丘の静かなる
- 池田郁英
- 海底は星空のやう鮃飛ぶ
- 竹の子
- 競り勝ちて3.5キロの鮃かな
- 竹春エリザベス@鮃は本当は1月キロぐらいが美味しいとか。
- 波に泡竿もゆっくり待つ鮃
- 竹福
- 軽トラで今日も売りくる寒鮃
- 竹林
- トロ箱の二尺の鮃セリの声
- 茶
- 今生は浦底ばかり寒鮃
- 中井笙石
- 鮃よりカレイが好きと空仰ぐ
- 中山白蘭
- 特選を貰ふ競書や寒鮃
- 中西柚子
- めずらしいメニューひらめや入院中
- 中川裕顕
- 潮の香にたゆたふ糸や鮃釣り
- 中村遥季
- 向き合えばふんぞりかえるヒラメかな
- 中田氏
- 深い海潜ってみたい鮃かな
- 中野久子
- 鮃なり見あぐる水面下の空
- 仲七
- 弾力や鮃刺身の海ぢから
- 衷子
- 上向きか左向きか鮃なのか
- 潮ベルト
- 寒鮃強面魚(うお)は皆旨し
- 長谷川 ひろし
- ひしひしと鰭の巨大な鮃釣る
- 長田写々
- 舌鮃叩く卓袱台大家族
- 津葦
- 裏返しされて鮃の食うや泡
- 津軽ちゃう
- 岩木嶺背に竿立て釣るや寒鮃
- 津軽まつ
- 泥色の鮃刺身は桃兆し
- 辻が花
- 番屋からバッハの調べヒラメ漁
- 釣天狗
- 競り人や鮃の相場含み顔
- 鶴田梅勝
- 此の季節鮃の刺身天ぷらよ
- 定規
- 振り向きは時計回りの鮃かな
- 泥酔亭曜々
- 鮃の子下見ぬままの親を見よ
- 哲也
- ボクサーのパンチの如き鮃跳び
- 天晴鈍ぞ孤
- 川底や鮃飛びつく疑似餌の間
- 天津飯
- 黒色の奇妙に進化せし鮃
- 天野 河
- しとやかに見えて鮃のするどき歯
- 田中ようちゃん
- 箸つまむ鮃に告ぐや武勇伝
- 田中勲
- 天然と言われてみれば寒鮃
- 田付一苗
- 寒鮃出刃に絡まる身と脂
- 田辺 ふみ
- 海底の砂に目のあり臥し平目
- 田邉真舟
- 目出たいと同席ゆるさるヒラメをり
- 杜志
- 戦下では機影に怯える鮃なり
- 渡り鳥 初音
- 光芒や鮃四十釣り一生
- 渡辺みゆき
- 後輩に物申されて鮃食う
- 渡野しえん太
- ヒラメの縁側酒豪の夫のおつなあて
- 都花
- あいつはなぁ腹が真っ黒ひらめ食う
- 都乃あざみ
- 安いよ安いよの鮃よ美味いよ
- 土井小文
- 店頭の鮃目の位置確かめる
- 土屋 木漏れ日
- 裏の顔も見せざるを得ぬ鮃かな
- 土屋虹魚
- 鮃食む青磁の皿に薄造り
- 桃泉
- どちらでも構わぬ顔で鮃をり
- 桃葉琴乃
- 右斜め四十五度を見る鮃
- 燈穂
- ひらめ釣る笑顔もつれた船の上
- 藤すみ
- ひらめだろわかる人にはわかるはず
- 藤鷹圓哉
- 鮃消極的と見せ頭脳犯
- 藤田康子
- ひらめにはひらめの事情仕舞い風呂
- 豆闌
- 鮃切り身ムニエル等と気取る妻
- 陶然
- 包丁をただ待つ白き背の鮃
- 瞳子
- 成田屋のにらみのごとき鮃の目
- 徳
- 保護色は要らぬ妻ゐて鮃食む
- 徳永 北道
- 浜風にさらされうまみます鮃
- 徳英
- 凍てついた星屑映す鮃の背
- 徳本あつ
- 床に在る妻に今宵は平目煮る
- 独醒書屋主人
- 海の底捕食の瞬間舞う鮃
- 栃木のあーたん
- 永遠に左鮃で変われない
- 豚ごりら
- 鮃釣り船べり腰掛く程に凪
- 南風
- 一刹那砂の蓑裂き跳ぶ鮃
- 南風の記憶
- 仰臥位で砂風呂にゐる鮃かな
- 南風紫蘭
- 食すれば見極め易きひらめかな
- 南風紫蘭@木ノ芽
- この引きは心踊るや鮃かな
- 二上松風
- 縁側を知らぬ娘と鮃喰う
- 肉野州民菜
- 寒鮃自我半分の五十路かな
- 日記
- 生けるぞと砂をかぶりし鮃かな
- 日菜
- 暗黒の星を見ている鮃の目
- 日田路
- 熱燗で鮃の刺身至福の夜
- 日本酒
- 人帰り半腰上げて鮃釣り
- 入口弘徳
- 天空の間生け簀で追うや鮃かな
- 如月士朗
- 眼が合へば右向け右の鮃かな
- 忍冬
- 鮃を注文するさもさり気なく
- 猫ふぐ
- ひらめひらめ竜宮城はこの先や
- 猫楽
- 帰れない故郷のあり寒鮃
- 猫渓
- 鮃棲む海峡照らす青き街
- 猫御前
- 戦いの無き世あらむや鮃の目
- 猫舌扁平足
- ルア―の歯型のあとや笑む鮃
- 乃良
- 知人より今日の釣果の鮃かな
- 馬場馬子
- 数じゃない座布団1枚ヒラメ釣り
- 馬門宗太
- 大海の香り抱き込む鮃なり
- 俳ビギ名
- 瞬きで隠れた鮃見つけたり
- 梅雨
- 指差しで魚拓のひらめ競い合ふ
- 梅笠(代理 じゃすみん)
- 埋め立ての土積もりきし鮃かな
- 柏井青史
- 我夫の阿波釣法や大鮃
- 白井百合子
- 砂の色恋しかろうぞ寒鮃
- 白居易子
- 何と言おうが此は鮃のえんがわ
- 白傘
- 鮃の眼海水温の監視役
- 白山
- 塩か醤油か鮃に決めてもらおうか
- 白瀬いりこ
- ピカソの知るやしらずや鮃の貌
- 白鳥国男
- だるまさんがころんだ鮃ひらひらり
- 函
- 鮃にもガラス越しのさよなら言ふ
- 畑 詩音
- 朝まだきこの潮流の鮃かな
- 半熟赤茄子
- 星空を背負ひ海底ゆく鮃
- 飯村祐知子
- 鮃煮る顔を鮃に睨まれり
- 比良山
- 芋焼酎ヒラメを充てにポピュリズム
- 比呂
- 泥中の目のふいに跳ぶ鮃かな
- 尾上真理
- 神様がこう定めたる鮃の目
- 美月
- 鮃の身パールと競う妖艶さ
- 美翠
- 美味しいよ鮃の刺身大好きよ
- 美泉
- 紅白のつまに薄ももいろ鮃
- 美年
- 大皿に白き花咲く鮃かな
- 美遊
- 寒鮃表はおもて裏は裏
- 柊風
- ふんわりと箸の入りたる鮃かな
- 姫山りんご
- 俎板に左目強き鮃かな
- 百合乃
- 産砂を這ひずつてゐる鮃かな
- 百草千樹
- 酒肴まづはえんがわ鮃かな
- 富樫 幹
- 鮃には鮃の流儀うみの底
- 布杏多
- 魚市場ひらめ左目確かめに
- 武田 つなこ
- まな板の中也の詩のヒラメかな
- 武本 松明
- 鮃待つ期待背負わせて夫送る
- 風らん
- 顔押さへぬるり鮃の鱗削ぐ
- 風花
- 三度目の降格辞令鮃煮る
- 風華
- 獲物待ち砂底潜む鮃かな
- 風間昭彦
- 縁側で鮃えんがわ食う漢
- 風峰
- その顔で何を睨むや舌鮃
- 風摩亜
- 昆布締めのレシピ添へたる鮃かな
- 風紋
- 水底の星背負い待つ鮃かな
- 風由花
- 腹側を見せて鮃は売られけり
- 風来
- 柳刃の蒼き光や鮃割く
- 聞岳
- 朝寒し鮃の煮こごりぷるぷるん
- 平松智華
- ペタペタと泳ぎて鮃愛想良し
- 平松洋子
- 白き腹隠し鮃はそつぽ向く
- 碧女
- ひらめあり俳句のタネを探す昼
- 勉邪明
- 庶民には姿を隠す鮃かな
- 弁女
- くらいつき痛さ感じる鮃かな
- 母里 龍之介
- なぜ言わぬ鮃やつれて眠りおり
- 峰岡名負人
- やうやうに鮃の煮つけ母の味
- 峰泉しょうこ
- 明日の空きにして呑む夜の鮃かな
- 朋夏
- 味染むやX解けたる鮃◯
- 朋知@【文字化け懸念】味染むやバツ解けたる鮃マル 魚を煮る時に入れる切り込みをバツとしましたが、文字化けの懸念があり、エックスの全角大文字を使用しました。×印のバツです。
- 「泣く女」めく俎板の鮃かな
- 蜂喰擬
- せり市場鮃の口は折紙ぞ
- 鵬
- 縁側は俺の筋肉寒鮃
- 望月ゆう
- 目を逸らす高目の値なる平目かな
- 北葛城 達生
- 右翼でも左翼でもなく鮃かな
- 北村 崇雄
- 鮃捌けばビーズのごとき鱗散る
- 本上聖子
- 鮃砂となる羽衣のごと泳ぎ来て
- 妹のりこ
- 俎板で往生してる鮃かな
- 抹香鯨
- 祝い膳鮃の昆布締め子ら集う
- 末摘花
- 人はみな何かの途中鮃買ふ
- 末尾波世遠
- 鮃にもまみえず水面静視せり
- 未知
- カウンター鮃の煮付け分けあって
- 未々
- 平目のムニエル食す亭主の平目顔
- 岬りこ
- 鮃釣り皿空に待つお夕飯
- 妙光@木の芽
- 砥部焼と煮付けの鮃夜の雨
- 眠る烏龍茶
- 鮃の巣ぬき足さし足しのび足
- 夢見亭笑楽
- 祖母の声みびきてっくいみな鮃
- 夢芝居よしみ
- 沈船へ鮃の一尾二尾三尾
- 夢堂
- ヒラメ顔見上げる先の深き空
- 明明
- ヒラメ喰う父の談義の懐かしく
- 免疫力アップUP
- ぽろぽろと喉に刺さりし鮃かな
- 網野れいこ
- 鮃跳ね時価と知りつつ馳走なり
- 木花
- 脳ねじる鮃よ性根曲がらぬか
- 木橋
- 何万年かけた鮃の片側目
- 木人
- 食卓に鮃の煮付け加へたり
- 紋舞蘭
- 棚曇り鮃揚げ売るピカデリー
- 也和
- フレンチの反せぬヒラメ慈母敗子
- 野純
- 鮃食い口腔内は海の幸
- 野中泰風
- 友が言う右が鮃と双子見て
- 矢的@第二まる安
- 北へ行く海にトンネル寒鮃
- 柳児
- 鮃見て値札見てまた鮃見る
- 薮久美子
- 寒鮃まずは一献水入らず
- 薮内椿
- 煮凝になりし鮃の目は白し
- 悠遊子ーY
- 五つ身は閻魔の沙汰か鮃の眼
- 有無谷六次元
- 胸板の厚い鮃に憧れる
- 柚季
- 飼育槽の砂と見紛ふ平目の子
- 由坊
- 絶品と言ふ縁側の鮃かな
- 遊泉
- 鮃かな故郷越中昆布じめに
- 余熱
- 鮃かと表を見たり裏見たり
- 与六
- 不満げな子の唇や寒鮃
- 洋々
- 迷いなく一引く刃先鮃かな
- 葉るみ
- 向きを変へ鮃さらりと擬態する
- 葉月けゐ
- 私事により鮃は砂の床に臥す
- 葉室緑子
- 半世紀前のLP聴きし夜の鮃
- 遥明
- 切り身売場ジグソーパズルは大鮃
- 陽気姫
- 竿頭の寿限無寿限無に乗る鮃
- 欲句歩
- 温ご飯鮃煮こごりさつと溶け
- 落葉 勝山
- ダイバーの股抜け捕食する鮃
- 藍時 湘
- 煮凝りの鮃久しく喰はざりし
- 藍植生
- 柳刃の鈍い光や鮃引く
- 里甫
- 星と砂天地擬態する鮃
- 立石神流
- SLの汽笛一声ひらめ寿司
- 立歩
- 下調べなしで鮃を捌けても
- 流川透明
- 保護色の消えし鮃は寡婦に似て
- 琉璃
- 鳴り響く負けじと掴む鮃かな
- 竜子.@ノエル
- 定年や平目頼みしカウンター
- 林 和寿
- 三光年経てば鮃も空を飛ぶ
- 鈴木麗門
- 人の世の縁の薄さや寒鮃
- 蓮華寺
- 訝しむ片目で我を見る鮃
- 路風
- 大海は夢のまた夢鮃伏す
- 六々庵
- 鮃飛ぶステルス爆撃機西へ
- 和光
- 夜の底寿司の奥の鮃かな
- 和彦
- 太っ腹競ふ市場の寒鮃
- 國本秀山
- 白磁皿煮汁の透けて鮃かな
- 巫女
- ひたぶるに上目遣いの鮃かな
- 淺野紫桜
- 鮃の目ほじくり返す素面なり
- 籠居子
- 海底を五体投地の鮃かな
- 聰子
- 赤貧を見透かすような鮃の目
- 脩平
- 白血球値戻りて寒の鮃買ふ
- 菫魚
- おかしやか鮃を魚拓やぶにらみ
- 萬代草舟
- 鮃にも心はあるか甘辛く煮る
- 蘂六
- 好物の鮃や遺影はほほえみて
- 藪椿@木ノ芽
- 時価とある鮃に眼を飛ばされて
- 邯鄲
- 鮃喰うイタリア人の垂れ目やう
- 鋏と定規
- 九谷焼鮃の尾っぽのはみ出して
- 霖之助
- 進化は功利真理さみしき鮃かな
- 靫草子
- 笠戸島魚拓となりし大ヒラメ
- 鵯
- おふくろの味は濃いめの鮃かな
- 髙橋冬扇
- 干物鰈くにゃくにゃ焦る七輪の上
- 俳菜裕子
- 内臓に逆転ありて鮃かな
- 比保倉亭酢