俳句ポスト365結果発表

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第211回 2018年12月13日週の兼題

うらうら

  • よしあきくん一期一会の一句
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天

うらうらと巣よりあふるるかやねずみ
あまぶー
「かやねずみ」調べてみました。【頭胴長54~79mm、尾長 47~91mm、体重 7~14gの日本では一番小さなネズミである】との解説。写真をみると絵本に出てくるようなネズミなので吃驚しました。さらにイネ科の葉を利用して作るという10㎝ほどの球形の巣ってのが、これまた可愛い。なるほど、この「巣」で眠り、出産や育児をするのだと思うと、「巣よりあふるる」という措辞が脳内で明確な映像を描き始めました。勿論、上五を「うららかや」としても成立しますが、「うらうら」は副詞ですから動詞「あふるる」を修飾。オノマトペのような効果を発揮しつつ、小さな「かやねずみ」の様子が臨場感をもって描かれています。「巣」のみを漢字にした表記も優しくて楽しげです。

地

うらうらぽかろんぽかろん羊追う
蟻馬次朗
「うららかや」ではなく、敢えて「うらうら」なのかという必然性を考える時、オノマトペ的な使い方もあるのではないか、と考える。そんな発想の句は他にもありましたが、この句は抜きん出ております。季語「うらうら」は副詞ながら、まるでオノマトペのような力を発揮。さらに「ぽかろんぽかろん」は季語を表現したオノマトペでありつつ、「羊」を追う人物の動作や心の表現にもなり得ている。これも「天」に推したい佳句でした。同時投句「うらうらとブラウン管のやうな空」の比喩が懐かしい空を思わせます。
日うらうら空は支柱がなくていい
神山刻
こちらは「日うらうら」。太陽のイメージが入ります。「空は支柱がなくていい」という措辞が気持ちよいことはいうまでもありませんが、「日うらうら」の音とリズムがこの日の「空」を明るく満たします。いかにも春の気分たっぷりの一句です。
にわとりに顔を覗かれ日うらうら
洋壬
居眠りしていたのか、考え事をしていたのか。「にわとりに顔を覗かれ」るという状況そのものがいかにも麗らか。「日うらうら」は太陽の気分が入ってくるので、「にわとり」の白がより明るく感じられます。同時投句「散歩して漂流もして日うらうら」も面白い。
うらうらと金魚交はる前の水
渋茶雷魚
「うらうらと~交はる」のですね。金魚の交尾そのものではなく、「金魚交はる前の水」も「うらうらと(存在している)」とも読めて、そのあたりの二重構造が巧いと思います。「金魚」は夏の季語ですが、「うらうら」がちゃんと主役となっていますね。
うらうらとあぶく頭上のマンタへと
一阿蘇鷲二
海の底にも「うらうら」があったか!と脱帽。「うらうらと(あがっていく)あぶく」という意味になりますね。海底から見上げると頭上を「マンタ」が悠々と泳いでいくのです。「頭上のマンタへと」のぼっていく我が酸素ボンベの泡もまた、「うらうらと」輝いています。
うらうらと永眠しますよう木魚
司啓
大往生のお葬式か、はたまた何かの魂を鎮めているのか。「うらうらと永眠しまうよう」という願い(?)が、人を食っているようでもあり。最後に出てくる「木魚」の音がいかにも麗らかな春の音であります。
うらうらはちょっとホコリの味がした
シュリ
この使い方はちょっとずるいけど、「うらうら」という副詞そのものには「ちょっとホコリの味」がしてるみたい、という発想が楽しくて採ってしまいました(笑)。あたたかい「ホコリ」以外にどんな味がするのか、想像してみるとさらに楽しいかも。
うらうらとおうちこっくりさんのくる
けーい○
「うらうらと~くる」のですね。私は「こっくりさん」なんてものに興味のない子だったので「うらうら」が似合ってるのかどうか分からなくてちょっと迷ったのですが、妖しいんだけどどこか明るさもある感じが、結構いいのかもしれない。平仮名ばかりの表記もなんだか明るい。女の子たちの恋の占いかもしれません。
うらうらとマカロンもって復讐へ
未補
「うらうらと~もって」ですね。「マカロン」の感触もなんだか「うらうら」してますが、最後の一語「復讐へ」のどんでん返しが愉快。「マカロン」で「復讐」できる相手って誰だろう、どんな「復讐」なんだろうと愉快な想像が広がっていきます。

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