俳句ポスト365結果発表

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第221回 2019年5月30日週の兼題

空蝉

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今週のお便り&俳句道場

■今週の俳句道場~初級者向け解説コーナー
さあ、今週も皆さんからいただいた投句をもとに、俳句のイロハを解説していきます。毎週読んでいるうちに俳句の作り方がわかってくる講座でございますよ。

◆俳句の表記~五七五の間は空けない
おかえりと 神がささやく 熟田津の湯 umasika
空蝉が 男気野獣の 妻になり ガオちゃん
空蝉の 背筋伸ばしつ 羽ばたかん  にしみなみし
つかまえた アミからそっと 空蝉か ひら
吾子の背に 空蝉そっと 帰り道 まほ
空蝉や みかんの木と 過ぎし日々 みかん
虫嫌う 吾子 空蝉を 集めけり ゆこげん
空蝉の 空に放てし 熱量よ リモコン
我が友と 空蝉の主 今は遠く 歌恋@青森東
空蝉の ように過ごした あの月日 橋
日に透かす 空蝉の艶 背の切れ目 史月
空蝉の 雨に流れし 悲しきや 時化田 白金
空蝉や もいちど君に逢えたなら 治(はる)
空蝉を あすの我が 返り見る 春日
空蝉も 聖なる地へと 導くよ 初心者
空蝉が 動いた様に 風が吹く 小林 番茶
君逝きて残りし身は空蝉なり 松山女
空蝉の 少なき庭よ 温暖化 相模の仙人
耳を突く 欅に空蝉 子を愁う 宅部のヤッホー
空蝉の 産みの苦しみ 今は空 谷 恵
空蝉や 雨の中で 滴って 中村 真紀
空蝉は はかなき命 我もまた 渡邉 テッサイ
「空蝉」の 兼題を見て 懐かしむ 煌宙
空蝉も 虫取子らの 宝物 朋雅
空蝉の 光に想う 暑き音 芳海
部長去る 残る空蝉 虎の巻 利利
○俳句は五七五の間を空けず一行に縦書きするのが正しい表記です。ネット俳壇の横書きは、泣く泣く許容しております。強い芸術的主張がある場合、敢えて分かち書きしたり、多行書きしたりもしますが、初心の時期は基本を守っていきましょう。
 この関門をクリアしないと、木曜日「並選」以上には進めません。俳句の修行の第一歩は、正しい表記から~♪次のご投句待ってますよ。

◆季重なりブラザーズ
空蝉を朝顔につけて遊ぶ妹 からすまぁ
家路へと なにを想うて君は行く 皐月の風に 問うてもしれず さば
空蝉や明日から始まる夏の雨 弓弦葉
空蝉の姿かなしき猛暑かな 娯李音
空蝉や乱舞の宴紫陽花に 爽渓之岩魚
初秋風 空蝉転がす 新学期 智光 ちこう
○季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ!とは言いませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。まずは、一句一季語からコツコツ練習です。

◆兼題の考え方
鉄の味誰が付けたか山桃と 舎人
薔薇園に ジューンブライド 風の吹く 廃空
○本サイトでは毎週「兼題」と呼ばれるお題を出していますが、季語が出題された場合はその季語(あるいは、その季語の傍題)を必ず詠み込む、というのがたった一つのルールです。

背を割りていのちの叫び蝉しぐれ 壽
蝉の子や歩く地面は日に焼かれ 畝
〇「蝉しぐれ」は独立した別の季語。「蝉の子」も、「空蝉」とは別物と考えるべきです。

鳴く声を 抜け殻ひとり 聴き終えて こたこ
〇「抜け殻」という言葉はありますが、何が「鳴く」のか曖昧。これも「空蝉」の句とは言い難いですね。

空蝉のように脱ぎたい!吾の殻 勉邪明
〇ほかにもこのタイプの句はあったのですが、「空蝉のように」という比喩になっているので、季語としての力は弱まります。
 今募集中の兼題は、7月24日24時締切の「秋薔薇」です。ご投句お待ちしてます♪

◆季語深耕
●体験と映画見を見ての感想と想像で詠むしかない兼題季語でした。/句詩呼
●空蝉は様々な切り取り方ができて、どのように詠むか悩みました。どこを切り取っても類想に思えてしまうのは、わたしの修行が足りないのでしょうね。たよりなさや見た目の不気味さ、変身などのネガティブイメージに引っ張られ過ぎないよう、オールラウンドで挑戦したつもりです。よろしくお願いします。/古瀬まさあき
●空蝉…ちょっともの悲しい感じがします。/古都 鈴
●空蝉、中味を失って何物にも拘泥しない軽さを感じます。/好文木
●空蝉に明るい夏の風景を詠むのか、虚しさや時間の経過などを託すのか。振り幅の大きい季語だと思いました。/碧西里
●セミの抜け殻のことを「うつせみ」…情緒に溺れそうな危ない季語ですね。/うに子
●空蝉という響きに哀愁を感じます。/でらっくま
●蝉の抜け殻を「空蝉」と呼ぶ日本語の美しさが好きです。/海老名吟
●空蝉と蝉の殻では随分と印象が変わりますね。同じものですのに。しかし/大雅
〇「空蝉」という響きの美しさもこの季語の魅力ですね。「蝉の殻」は一気に現実的な言葉になりますね。

●「うつせみ」は、この世に生きる人間という意味の「現(うつ)し人(おみ)」が「うつしみ」を経て変化したのもで、その儚さから蝉の抜け殻を指す語に転用されたそうですね。蝉の抜け殻の映像と季節感に加え、この「儚さ」も季語を通して表現できないかと考えています。/京野さち
●「うつせみ」の本当の意味は、①今現在生きている人間。②転じて、現世。世間。のことだそうです。ところが、漢字を付けるときに、「空蝉」「虚蝉」と表記したところから「蝉のぬけがら」の意が生じ、和歌で〈うつせみの〉で枕詞として、「むなしい」「はかない」という原義から離れた意味が定着したというわけです。/ よしあしは別として、「現し身(うつしみ)」よりも「空蝉」のほうがしゃれっ気があっておもしろいですね。/ 現に生きている。現実だ。うつつである。ということを「現(うつ)し」【形容詞シク】といい、それから、現人(うつしおみ)現事(うつしごと)などたくさんの熟語が生じ、世俗の、現世の、夢ではない現実(うつつ)の、という使われ方をしています。 だからほんとうは、盛んに鳴いているセミのほうがウツセミで、抜け殻のほうはムナシゼミというべきなのでしょうね。/ 今回はじめて知ったことばかりですが、勉強になりました。 /ウロ
〇語源って面白い♪

●「空蝉」には、似た別季語がたくさんありますね。「蝉」(晩夏)、「蝉生る」(初夏)、「落蝉」「蝉の穴」などなど。「蝉生る」の解説(講談社 カラー図説日本大歳時記 夏)には「~地中から出て殻を脱ぎ、成虫が羽化する。羽化したては羽もまっ白で縮れているがやがて固有の色をあらわす。その過程が蝉生るである」(野澤節子)とあります。なお「蝉の穴」は上記歳時記に傍題としての記載はないですが「蝉生る」の例句中に詠んだ句が含まれています。ネット歳時記など一部では「蝉の穴」を「蝉生る」の傍題として記載するものがあります。ネット歳時記の方がだんぜん例句が多かったです。近時、ここ20年くらいの新しい季語なのかなあ・・。幼虫が孵化のために地上へ出たあとの穴を指すようです。時期的には「蝉生る」「空蝉」の頃と考えていいかと思われます。/////
「落蝉」は上記歳時記に記載なし。ネット歳時記には例句があり。これも最近の季語なのか・・?「新歳時記 夏」河出文庫には「落蝉」「蝉の穴」記載なし。「落蝉」は成虫の蝉が鳴き切って死ぬ間際に落ちている蝉を指すと思います。実際、死んでゐると思って触ったら「ジジイジ」と暴れまわる・のたうつ蝉を何度も見ましたが、あれが「落蝉」なんですね。/////
大阪生まれ・在住の私に「空蝉」の鮮烈な記憶はありませんが、子供時代にもちろん見たり拾ったことはあります。今の団地は緑が多くあり、鳥やら蝶やら蜂やらが多いです。俳句を始めてから毎夏には拾いました。部屋に置いて観察した後、しばらくたって見てみると小さい虫らしきものが集っていました・・。栄養分はあるのか? あと、割と見かけより重かったです。眼の部分だけはやや黒味がかっていたような。写真を撮っておけばよかった。 /すりいぴい
●空蝉(晩夏、動物、傍題:蝉の殻、蝉の蛻(もぬけ)、蝉のぬけがら)。「蝉は成虫としての地上の生活は数日か一週間だが、幼虫は土中に数年から十数年いて蛹(*すりいぴい注)となり、蛹が地を出て木に上り、背より割れてその皮をぬぐ。その脱殻を空蝉と言い、~略~ 古来空しいこと、はかないことのたとえに言っている。~略~ もともと「うつせみ」は蝉とは関係のない言葉で、音を借りただけなのである。大野晋氏説によれば、「うつしおみ」から「うつそみ」となり、「うつせみ」に転じた。この世の人の姿をして、目に見える存在ということで、目に見えない神に対する、この世の人の意で用いられ、また枕詞となって「世」「人」「命」にかかる。~略~ 仏教の無常観の滲透とともに、この語のニュアンスとして付け加わって来た。『能因歌枕』に、「うつせみとは、むなしきものにたとふ。蝉のぬけたるかへりがらとも」とある。~略~ 多くの「空蝉」の句には、現世の空しさの思いを蝉のぬけ殻に託して諷詠する傾向があるようにみえる。また、実際、そういう性質の句の方がおもしろいものが多い、情感がつきまとう季語といっていい」(「カラー図説日本大歳時記 夏」愛用版、講談社、1989年、大岡信)。例句の多い季語。なお、歳時記では、文字化けする方の漢字ですが、本サイトの表記に従い「蝉」の字で投句します。教えていただいたいつき組の某さん、ありがとうございます。//////
また平井照敏さんの「新歳時記 夏」(河出文庫)もおおむね同様の記述。「本意」として、「生きものの生きる営みのあわれさ、はかなさを感じとって言ったのである」とする。例句の中の平井先生による、これぞ「空蝉」句は、空蝉のいづれも力抜かずゐる 阿部みどり女 でした。組長には、空蝉となるべく脚を定めけり 空蝉や夕景といふ白きもの 夏井いつき  がありますね。/////
(*注)蝉は不完全変態(卵→ 幼虫(若虫)→ 成虫)なので、厳密には「蛹」ではないかな、と。完全変態(私のことではない)は、卵→ 幼虫→ 蛹 →成虫となる(蝶、蜂、蠅、甲虫など)。不完全変態には、蝉、蟷螂、蜻蛉、飛蝗などがあります。/すりいぴい
〇細かな文字化け情報まで共有できるとは、すごい!(笑)

◆季語雑学部
●季語雑学部  漫画ドラえもんに登場するガキ大将のジャイアン。原作の中でジャイアンがシチューを作る話がありますが、その隠し味(追加食材)として、セミの抜け殻を入れる記述があります。具材はひき肉、たくあん、塩辛、ジャム、煮干、大福、その他いろいろというレシピで、最後に味噌で味を調えるとありますが、およそ料理とは言えぬ代物。以前にテレビのバラエティー番組でこの料理を再現し、料理研究家の土井善晴氏が試食したところ、「食材のバランスが最悪。暗闇のような味」と酷評されたそうです。別の芸人さんが試食したところ、意外と食べられるとの感想もあったそうです。たぶん、これにはセミの抜け殻は入ってはいないとは思いますが、元々漢方では蝉の抜け殻は蝉退(せんたい)と呼ばれる生薬として知られ、風邪などの発熱や悪寒、皮膚のかゆみや炎症に効くといわれているもの。けっして食べられないものではないようです。/山香ばし
〇ははは!ジャイアン、すごいな! 以下の雑学情報も面白い!

●蝉の殻が漢方に使われることもあるとのこと、初めて知りました。/乙子女
●日本産セミは36種います。そこに最近は帰化昆虫である竹に依存するセミまで現れました。 また蝉の抜け殻は環境調査に使われたりします。殺傷することなく収集できるので、良い材料となっています。/鳥越暁
●空蝉のことを調べた。源氏の空蝉は混沌とした世界故によくわからない…さだまさしの空蝉を聴いたり…。いや、兼題は蝉の抜け殻だ。 驚いたことなどを記す。抜け殻が漢方薬になっているそうだ。スジアカクマゼミの抜け殻にはキチン質が含まれていて、風邪などの発熱や悪寒、じんましんなどの皮膚のかゆみ、咽喉炎や結膜炎などの炎症に効くという。ついでに調べた蝉のことでも驚いた。雌の蝉は発音器が無く鳴かない!雄が雌を呼び寄せるために鳴くそうだ。蝉のオシッコはただの水。樹液を吸って生活しているので排水される水分に有害物質はない!この世は驚きに満ちている。知らないでボーっと生きてきた。それだけのことだ。 /天晴鈍ぞ孤

●蝉の幼虫が地中にいる年数は素数が多い。最小公倍数を大きくして、地上に出てきたときに天敵とかち合わせる確率が低くなるようにするためとの説がある。北米には「アメリカ17年ゼミ」という17年間も地中にいる種もある。私がアメリカにいた1990年がこの17年ゼミの大発生の年に当たり、道路がセミの死骸でいっぱいになったりして大変でした。/虚実子
〇想像しただけで、凄すぎる! 漢方薬店の人たちは大喜びするのか?!(笑)

◆俳句文法研究部
●夏井先生、正人様、スタッフの皆様、いつも本サイトを楽しませていただき感謝しています。今回俳句道場のコーナーを読んで、ネットに掲載されている「柏落葉厭ふべきものに顔ひぬ 」という俳人草間時彦の句が「柏落葉厭ふべきものに順ひぬ」の誤植だと知り、私も溜飲が下がりました。投稿者様の俳句にかける情熱に拍手!/ハチ太郎
●いつき先生、正人先生、スタッフの皆さまいつもありがとうございます。「蟇」の人選もお便りの掲載もありがとうございました。 毎回火曜日の「季語深耕」「季語雑学部」「俳句文法研究部」などに寄せて下さっている皆さま、大変な労力でいらっしゃると思い深謝しつつ勉強させて頂いていますが、今回の「柏落葉」の草間時彦の句の「顔ひぬ」が「順ひぬ」だったとは、特に驚きました。提言された方も調べて下さった皆さまもすごいです。お疲れさまでした。感謝です。時彦の句を「ふ~ん…何て読むのかな?」と思いつつ素通りしてしまった私は猛省です…/明惟久里
●俳句文法研究部 「顔ひぬ」問題ついに解決ですね。しかも、まさかの誤植!!やはり最後は原典に当たらねばならないのですね。ついついそういう丁寧さを忘れてしまうことを反省しました。 「花芭蕉句会」の星埜黴円さん、葉音さん、山香ばしさん、小市さん、やはり三人寄れば文殊の知恵という感じですね。素晴らしいです。 ちなみに「順ふ(まつろふ)」には「服従する」という意味があります。古代日本で朝廷に従わない人たちを「まつろはぬ民」と言いました。 今となっては「顔ひぬ」は正しくはないのですが、「顔ひぬ」が「まつろひぬ」と読み習わされていたのだとしたら、あえて「顔ふ」で「まつろふ」と読ませて「顔をそちらのほうに向けて従う意思を表す」あるいは「顔向けする」というような意味の当て字という解釈もできなくはないから、そのような解釈をされて、広まってしまっていたのかもしれないなと思いました。/ひでやん
●兼題「柏落葉」の火曜日で小市さんから、〈柏落葉厭ふべきものに顔ひぬ / 草間時彦〉の「顔ひぬ」ってなんだろう? という問題提起があり、今回、星埜黴円さんから「顔ひぬ」は誤りで正しくは「順ひぬ」である由の研究報告がありました。山香ばしさん、葉音さん、星埜黴円さん、小市さんたちの探索の経過記事には推理小説のようなスリルがあり、結果のどんでん返しには、あっ、と驚きました。これはたいへん素晴らしいことで、心から敬服いたします。/ 「順ひぬ」という言葉から、孔子の論語「耳順」をおもいだしました。「六十にして耳(みみ)順(したが)う」です。白楽天の詩に「耳順吟」があります。50~60歳が人生の佳境だという内容ですが、「柏落葉」は、時彦が54歳のときの句だそうですから、「順ひぬ」は、もっとも 自然な、時彦らしい発想に思われます。因みに「順ひぬ」の読みは、「シタガイヌ」となるのではないかと思います。パソコンの文字変換でも「シタガウ」で「順う」が候補に出ています。/ それにしても、「花芭蕉句会」は、本格的なものすごい俳句研究をしているのですね。すばらしいことですね。脱帽です。今回は楽しい記事をありがとうございました。 /ウロ
〇俳句研究文法部の底力!というべきか。皆さん、ほんとうにありがとう。知的興奮を覚えました。

●「蟇」回での草間時彦「柏落葉」問題の解決談、とても読み応えがありました。調べて下さった方々、ありがとうございます。
 さて、そのくだりの中で「サ行変格活用の動詞は『す』『おはす』だけではないのか!?」という戸惑いの声をお見かけしました。これはある意味正しいとも言えるのですが、厳密には「す」の仲間である「○○す」という動詞の多くもサ行変格活用なのです。「害(がい)す,学(がく)す,具(ぐ)す,与(くみ)す,座(ざ)す,死(し)す,辞(じ)す,治(ぢ)す,称(しょう)す,帯(たい)す,拝(はい)す,秘(ひ)す,物(もの)す,労(らう)す」など。また、「怨(ゑん)ず,吟(ぎん)ず,献(けん)ず,現(げん)ず,乗(じょう)ず,損(そん)ず,存(ぞん)ず,調(てう)ず,動(どう)ず,念(ねん)ず,封(ふう)ず,封(ほう)ず,亡(ばう)ず,免(めん)ず,領(りゃう)ず,論(ろん)ず」など、「す」が「ず」に変化した“ザ行変格活用”の動詞もたくさんあります。 もちろん「○○す」の全てが変格活用なわけではありません。「鎖(さ)す,成(な)す,外(はづ)す,絆(ほだ)す,回(まは)す,見做(みな)す,召(め)す,申(まう)す,催(もよほ)す,渡(わた)す」などは四段活用、「似(に)す,乗(の)す,馳(は)す,交(ま)ず,任(まか)す,痩(や)す」などは下二段活用です。 紛らわしいものもあります。 たとえば「帰(き)す」は変格活用ですが、「着(き)す」は下二段活用です。「生(む)す」は四段活用ですが、「噎(む)す」は下二段活用です。また、「伏(ふ)す」「見(み)す」「寄(よ)す」などは、漢字表記は同じでも意味によって四段活用だったり下二段活用だったりします。「伏(ふ)す」については漢字違いの「補(ふ)す」という動詞もあり、こちらは変格活用です。 動詞の活用は一応見分け方もあるのですが、こうも複雑だと辞書に頼るのが一番ですね。副次的に思わぬ意味を発見することもあります。一家に一冊、古語辞典!/いかちゃん
〇電子辞書も便利なんだけど、紙の辞書のよろしさは、寄り道することで、どうでもいい雑学が増えること♪

◆こんなお便り、質問届いてます!
●類想を避けるために、それを調べるためにはどうすればいいですか?/初心者
○俳句のような短詩系文学において、類想は宿命というものです。例えば、今回の兼題「空蝉」でも以下のような、そっくりさんは色々でてくるのです。

  空蝉や命の終わりか始まりか  城山のぱく
  空蝉や生の終わりか始まりか  杉浦夏甫

  空蝉のまだ土の香の残りをり  花南天anne
  空蝉のまだ土の香を残しけり  都乃あざみ
  空蝉に土の匂ひの残りをり   青柿
  空蝉に土の匂いの残りけり   靫草子

  キャサリンと名付けられたり蝉の殻 彼方ひらく
  空蝉の名はキャサリンといふらしい 冬戸梅雨

  空蝉や箪笥の奥の母子手帳  モッツァレラえのくし
  空蝉や母の箪笥の母子手帳  遊子

○それを避けるために調べ尽くす、というのはどだい無理な話です。どんだけの無駄な時間を使うか、ということになります。俳句を続けていると、「この季語に関しては、きっとこういう発想がいっぱい出てくるだろうな」と予測がつくようになります。それを土台として、新しい発想や発見を探す。それが俳句との取り組み方です。

●蝉の抜け殻が空蝉と言うことを初めて知りました。/山部オーリー(やまぶおーりー)
●あまりに難しいので空蝉ではなく子季語の蝉の殻を使いましたが力不足ですね。残念ながら空蝉では湧いてきませんでした。/寝たきりオヤジ
●たくさん麗句がある季語でした。/風間昭彦
●空蝉の現物は最近見ていないですね。インターネットで頭にたくさん乗っけている人は見ますが。/為一暢道
●空蝉は、「現人」(うつしおみ)の転とも言われます。 その中になにも入っていない姿は、明らかに世の色即是空を表しているように取れます。/一音乃 遥
ます。 /英ちゃん
●蝉の幼虫のことを「うごうご」というのは関西だけだと思っていました。しかし自分だけでした。/塩谷人秀
●比較的とっつきやすい兼題でしたが、かえって作るのは難しかったです。/横縞堂
●空蝉、中川翔子さん曰く臭いそうです。/日午
●夏井先生 正人様 スタッフの皆様いつも有難うございます   今回の兼題(空蝉)!昆虫の嫌いな子供が唯一触れるのがこの空蝉です   公園で見つけブローチの用に胸に付けて得意顔でした/水夢
●空蝉は好きな句がたくさんある季語で、引きずられないようにするのが大変でした。/創太
●「空蝉」、文字も言葉の響きもとてもきれいですね。 言葉の響きを引き立てるような美しい句を作ってみたいのですが難しいです。 おばあちゃんちの近所にあった松林に囲まれた小さなお社で、 抜け殻集めをしたり松ヤニで水あめを作ったりして遊んだ記憶がよみがえりました。/香羊
●投稿日現在ではまだ蝉の声を聞くことはありません。蝉の声といえばよくミーンミーンと表現されますが、これが小さい頃は不思議でして、長崎ではほとんどミーンミーンと聞こえないのです。これはミンミンゼミよりも圧倒的にクマゼミが多いからだと後に知る事になったのですが、東京でミーンミーンという蝉の声を聞いたときには嬉しかったです。/高梅 仁
●参考になるかと思い、蝉の羽化の動画をネットでみました。本物も見たことはありますか、改めてじっくり観察すると、生命の神秘を感じました。/海野しりとり
●空蝉のあの色、あの形、幼い頃は、なんの意味もなく手にしたい欲求にかられたものです。 でも、とある街路樹の、どの葉の裏にも、びっしりと空蝉があったのは、怖かった思い出です。あそこしか羽化できなかったのかなぁ。/でらっくま
●想いを表すのが難しいです。色々思いはあるのですが、17音で整理がつきません。夏井先生ご指導宜しくお願いいたします。/てるてる
●空蝉はよく見かけたので作りやすかったです。身近なものは作りやすいなと感じました/カヅラ梅
●ちょっとエイリアンぽい。/こま
●変な所にもある。/こま
●よくあの中に入っていたものだ。/こま
●偶然羽化しているのを見て感動し、携帯のカメラに撮りました。/しゅんらん
●夏井いつき様は、ちなみに今回の季題の空蝉は好きですか?又、季語となっている動植物で、実際に好きなものは、ありますか?/コタロー
●空蝉は唐揚げみたいでおいしそう。/なつぽよ
●夏井先生は子どものころ、せみのからをあつめていましたか。未だにせみのぬけがらをとっていますか。/ゆうが
○うちの息子はいっぱい取ってきてました。私も観察するのが好きだったので、やりたい放題やらせてました。(笑)

●「空蝉」といと、プレバトでの中田喜子さんの句「空蝉の転がるベンチ海の駅」が思い出されます。蝉取りの好きな子供だったので蝉の抜け殻との接点はけっこうあり、詠むことは詠めましたが、中田さんの句のレベルに近付くことは難しかったように感じています。/高橋寅次
●毎日、先生がご覧になっていそうなお便りで恐縮ですが、 内面的には人生を変えて下さったくらいのたくさんのものをいただいている喜びと御礼をお伝えしたくて 書かせていただきます。 プレバトを見始めたのは、2,3年前だと思います。 夏井先生の解説を聞いて初めて、俳句が生きている感じを覚えました。 それまでは、文語文法や文化・歴史的背景の知識を使って訳し、こういう句だろうと意味を考えるだけのもので、 国語・古典の授業での先生の解説を聞いても、理解が深まるわけでもありませんでした。 「~かな」詠嘆と言われても、その思いははるかに遠く、静的なもので、どこか無機質な文字でした。 俳句ってどうやって詠んでいるのだろう?とずっと思っていました。 私にはこういった素質がゼロだから、全くわからないけれど、才能のある人たちは、 何かを感じたり、経験したりしたことをその場ですぐに十七音に表現して口に出せる人がいるんだろうと思っていたくらいです。 東国原英夫さんの「野良犬の吠える沼尻花筏」 Fujiwara藤本さんの「マンモスの滅んだ理由ソーダ水」 これらの句は、私にとってとても斬新で、印象的で、すごいなあと思ったので、瞬間的に覚えてしまいました。 こんな感覚は、これまでになかったです。俳句のおもしろさだけでなく、日本語の豊かさ、文化、心、物事を見る目、 言葉で正確に描写する方法など、たくさんのことを教えてくださってありがとうございます。 私は、これまで生きていたのだろうかとさえ思ってしまいます。 先生は、どのように今の先生を築いてこられたのでしょうか? 地道な活動を続けてこられた結果ではあると思いますが、 自分を高めつつという点において、どういった感じなのでしょうか? 俳句一筋のようで、そうでもなさそうで...。 私には、テレビで見た、鉛筆を簪にして髪をまとめて仕事に取り掛かる先生の姿も格好良い先輩(先を生きるお手本の存在として)の姿です。 毎週楽しみにしています。/貴至
○ありがとうございます。『プレバト!!』のスタッフ&出演者みんなが「俳句の種まき」に協力してくれてます。

●はじめて空蝉をみてずっとセミの殻を見ていますが、何か悲しい思いをしています。 源氏物語に空蝉がありましたね。あの女性大好きです。/砂山恵子
●空蝉、源氏物語のヒロインのイメージが強くて難しいです。/とのじ
●「空蝉」の季語は、地中に眠る年月と地上の命の長さとの対比や、源氏物語にあるエピソードなどもあって、非常に叙情性が強く、特に取り合わせで作句する場合、その叙情性をどのようにバランスさせるかということに苦心しました。/る・こんと
●「空蝉」詠める自信がありませんでした。 わたしの中では雪月花に匹敵するほどのせつなさと美しさと情緒をもつ季語です。 空蝉と言えばどうしても「源氏物語」ですが、 類想をさけるために手を出しませんでした。/猫愛すクリーム
●空蝉というと、源氏物語の登場人物のイメージが強いです。彼女は光源氏に心惹かれながらも身の程をわきまえて自制し、簡単に身体を許さない、とても好きなヒロインの一人です。/片岡ひまり
●空蝉と言われると、源氏物語が真っ先に浮かんできて、女性の空蝉の姿を抜け殻である空蝉に重ねて見るので、何か女性的なイメージが私にはあります。/森沢奏
●空蝉といへば、不倫。不倫の醍醐味は、ゆれる刹那さ。…でしょうか。(だって、不倫したことない。)一句目は、山河の大きさと、空蝉のちいささを、対比させ、二句目は、地域性を出して、対象を絞りました。 空蝉のかはごろもにも年ふりてたなぞこにぞと月も零るる 秋波子/中原秋波子
●空蝉は、大きく分けて4つの意味があるとは、思いませんでした。 兼題のとおり、セミの抜け殻だけだと思いました。 空蝉が、源氏物語に出てくる、光源氏が惹かれる、伊予の介の後妻の名前だと知り、 作成しましたが、いずれの機会に、投稿したいと思います。   /初心者
●空蝉は、源氏物語ではじめて知った言葉です。 本来、幼虫が成虫になった証であり、希望の証なのかもしれないと思いつつ、何故か抜け殻という言葉に引きずられて、寂しい感じの句ばかり浮かびます。 成長して着られなくなった子供服みたいな句が出来れは良かったですが、子供がいないので実感が沸きません 空蝉という季語はどう扱うべきでしょうか?/芽衣
○源氏物語へ発想を広げた句、ものすごく沢山ありました。(苦笑)

●仕事の空いた時間潰しに「俳句でも捻って?♪」と言う事で4月から始めました。 ところで1万近い?句の選句は毎回大変な作業だと思いますが、どのようにされているのでしょうか? 選者は何人ですか?人並はかなりの数ですが、 手分けして一人で決めるのか、二重、三重の目で見て決めるのか? 多忙な組長は全ての句に目を通せないと思いますがどの範囲迄でしょうか? 今回は修正も含めて多数投稿してしまいました。(多くは瞬殺となり余り迷惑はかけないものと慰めていますがーー)/南城馬天
○いつもお答えしていることですが、選句は『俳句ポスト365』だけではありません。一度句会ライブに来て、舞台上で選句していく私を見に来て下さい。多少、謎が解けるのではないかと思います。

●リフレインとは言葉の無駄遣いではないかのう?/脩斎@105さい
○そう思う人は使わなければよいと思います。人それぞれの考え方です。私は、韻文である俳句にとってリフレインは、巧く使えば強い味方になると考える立場をとっています。

●初歩の質問で恐縮ですが失礼します。 私はよく(呼び掛けの意も少しだけ込めて)詠嘆の「よ」を使って句を作ってしまうのですが、やはり俳句ですから切れ字の「や」を使った方が良いのでしょうか。また、「や」で詠んでみて違和感を抱いてもそのままにしておくべきなのでしょうか。 後学のために是非ご教授いただきたいです。/枕木
○ケースバイケースです。こうやるべきという決まりはありません。

●夫を「つま」と読むなど、俳句独特の表現や言葉がまとまって載っている本はありますか。/ふくろう悠々
○そのような本にこれといって心当たりはありません。一度に覚えなくても、経験しながら一つ一つ覚えていけばよいのではないでしょうか。

●新しい投句・投稿システムについてのお願い
 投句・投稿フォームが新しくなっています。投句数の増加に伴って、仕分け作業に多くの時間を要します。以下の事項を守って投句投稿して下さると、組長の負担が大きく減ります。ご協力よろしくお願いします。

①俳句の欄には俳句のみ記入して下さい。一つの欄に一句を厳守。

②「俳句に対するコメント」の欄は記入する必要はありません。(特に気になることがあれば記入していただいても結構です。)

③「ギャ句」「聞き倣し季語」は俳句欄に記入して下さい。ギャ句の原句は「俳句に対するコメント」の欄に必ず記入して下さい。

④「兼題季語についての質問・考察・情報(火曜日「俳句道場」)」は、火曜日「俳句道場」への投稿です。

⑤「『俳句ポスト365』への感想・質問・要望・俳号の変更・各地の吟行情報など」「組長&ハイポニストたちへのお便り・近況報告など」はそれぞれ水曜日への投稿です。内容に合った欄に書き込んで下さい。

夏井先生

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