俳句ポスト365結果発表

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第239回 2020年3月5日週の兼題

春暖

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今週のお便り&俳句道場

■今週の俳句道場~初級者向け解説コーナー
さあ、今週も皆さんからいただいた投句をもとに、俳句のイロハを解説していきます。毎週読んでいるうちに俳句の作り方がわかってくる講座でございますよ。

◆俳句の表記~五七五の間は空けない
校庭に 恋の花咲く 春暖か ゴールデン文子
春暖に 自分に誓う 曲がり角 みつこ
春暖の アルバムめくる ワンルーム わた
春暖や 自転車起こし 裾濡らす 栗太
春暖に 俳句にトライ 明日こそ 弦おと
春暖に 猫と夢見る 按摩椅子 向井利佳
春暖や 罫線外に ミミズ文字 広額
春暖や 散りゆく色に 戻る街 山の雫
ハイネック 愛しむ首筋 春暖の 秀たぁ
春暖の 巻き返せるか 日本丸 小林番茶
春暖を 望みて香る 沈丁花 青山秀翠
自転車で 母の背を追う 春温し 中村 真紀
○俳句は五七五の間を空けず一行に縦書きするのが正しい表記です。ネット俳壇の横書きは、泣く泣く許容しております。強い芸術的主張がある場合、敢えて分かち書きしたり、多行書きしたりもしますが、初心の時期は基本を守っていきましょう。
 この関門をクリアしないと、木曜日「並選」以上には進めません。俳句の修行の第一歩は、正しい表記から~♪次のご投句待ってますよ。

◆季重なりブラザーズ
蕗香る 吾にふんわりと 春暖や 豊人
春暖を迎へし神の島おぼろ 木人
春暖や花の輝き芽吹く木々 KKK
春暖や河津桜に励まされ ウリウリ
春暖や厚着で散歩冬模様 しおかぜ
春暖が目立たぬ冬の頼りなさ つる凛々
春暖や蛇もびっくり庭掃除 ふくうめ
暖春や根明け広がるブナ林 山野はな
春暖や滑り納の春スキー まりのすけ
春暖の船を漕ぐねこ鼻ちょうちょう 岡田信幸
○季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ!とは言いませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。まずは、一句一季語からコツコツ練習です。

◆兼題の考え方
人類は、コロナに負けない、愛している 藤枝の、ノブさん
在校生 送り出すことば 言えぬまま 杉本
春恋しい 実を備え待つ 咲き乱れ 椿
おぼろ月 さわら、さんしょう ハイボール 珠緒
春くらい 呵々満足と 笑うへそ天 おばけ天道
春の風 群れず触らず手を洗え お~たん
春の日の 新型コロナ 悩ましい ハラ ヨシミチ
時を巻く腕の時計に春きたる 木通
おぼろづき仰げば花や野は黄色 無及
眺むるものなく残英流るる 明日葉生日
土汚れのファーストシューズ山笑う 望月
観梅に行ってみようと痩せた母 浜松薩摩子
松葉生え藤代峠でツツジ待つ 担々太郎
コロナ満つ洗濯物に日温し とんとん
マスクゼロ顔面蒼白春の闇 ももみ
黄蝶々コロナは知らず戯れて 京女
春風よ病魔飛ばして花を呼べ 一聰
春の日に老猫の命を思う じゅんぺい
氷雪ふりかかり血かよわぬ様の鉄を持つ手 ナックル次郎
菜の花土手ロード下は大河川敷 ようりょう
散歩道梢に鳥の巣見つけたり 恵月
手を振りて車椅子から春の顔 幸
茶柱の立つ縁側に風光る 佐藤 晃洋
紅梅や枝突き上げし蛸踊り 佐藤薫風
重き荷をしばし降ろさん春日和 咲耶とこ野@木ノ芽
春空や百葉箱のごとき白 治
台風禍ケトルではなく鍋で沸かす湯 山本たく
桃咲くや役員選挙修羅の相 やっせん坊
幾枚の絵馬の揺れるや春の昼 鵯
春うらら夕餉の菜に菜花摘み 吹子
ほじょなしの じてんしゃのれたよ はるのかぜ ひなた
●プレバトの楽しいな俳句を見て、五歳の娘が作りました。初めて補助なしの自転車に乗ることができ、その時に春の風を感じた時のことを詠んだそうです。/ひなた
○ひなた、ありがとう! 「プレバト」の楽しいな俳句を参考にしてくれたのね。その調子でこれからも投句してね♪
 とはいえ、本サイトでは毎週「兼題」と呼ばれるお題を出しています。季語が出題された場合はその季語(あるいは、その季語の傍題)を必ず詠み込む、というのがたった一つのルール。今募集中の兼題は、5月13日24時締切の「梅雨寒」です。
 この季語ならば、「かなしいな俳句」にぴったりかも! ご投句お待ちしてます♪

◆季語深耕
●兼題の春暖の読みを「しゅんだん」として詠みましたが、先に送らせていただいた2句は、「はるあたたか」として詠みました。これは間違いでしょうか。/香栄
●春暖とそのまま使うのはとてもハードルが高いので暖かしとか暖かやにしてしまいました。/丹下京子
●兼題のコメントに暖かだけでも春の季語だとありましたが、こういう場合、暖かで句作しても構わないのでしょうか?/痴陶人
○「春暖」は「しゅんだん」と読みます。「暖か」の傍題です。では、なぜ敢えて「春暖」を兼題として出題したのか。先輩ハイボニストたちからのコメントをご紹介しましょう。

●「春」と付いてはいるが、単に「暖か」と言った場合でも春の季語となる、と解説がありました。調べてみると「春暖」は「暖か」の傍題になっているようでした。そしてなんと、「暖か」は2015年4月に俳句ポストの兼題になっているではありませんか! 私がまだ俳句の門を叩く前の事です。ちなみに、兼題「暖か」のときに「春暖」を使っている句は2例しか見つけられませんでした。「暖か」の方が作句しやすい印象でしたが、ここは「春暖」でいこうと腹をくくりました。似て非なる季語も難しいが、メインと傍題を使い分けるのも難問。自縄自縛。
 イメージしたのは、漢字表記、そこからくる堅さ、「春暖の候」という古風な表現、「春」という文字が見えること、「シュンダン」という響き。そして名詞であること。「暖か」と違って活用できないこと。「春暖」の下に切字の「や」を持ってくるか、「の」「を」などの助詞を持ってくるか。難問でした。ちなみに、季節は秋になりますが、「冷やか」と「秋冷」も似た関係になるのかなとちらっと思いました。/高橋寅次
●春暖、「春」と「暖か」の重複にどう必然性を出すか、とても難しい兼題です。「夏暑」「冬寒」みたいな言い方はほとんどされないので、「春暖」だけ特別感がありますが、何か由来があるのでしょうか。/古田秀
●「春暖」は「あたたか」の傍題。この俳句ポストですでに兼題になっている。とすると、「春暖」ならではの句を作る必要があるのですね、、、私には「漢字」であること、撥音を含むことで弾んだ感じを受ける、「名詞」としての使い勝手が微妙に異なる、と違いを感じた程度。私の力では「春暖」の作品もほとんど探せませんでした。実際どうなのでしょう?この回も楽しみです!/黒子
○そうなのです。今回の試みは、「似て非なる季語」にトライすることで、傍題が存在する意味を考えようという出題でした。先輩ハイポニストたちは、その出題意図を酌み取り、考察してくれてます。

●春暖という言葉をどんな場面で使うのか、改めて考えると、それは手紙の時候の挨拶なんですよね。ほんとうに気温が暖かいかどうかは実は関係なく、事務的に取ってつけられるような言葉がほとんどかもしれません。けれども、送り手と読み手の間柄とか、その後に記されたイベントで、ホンワカ暖かかったり、春なのにちょっと寒かったり、感じる温度が変わるのかもしれないな、と思いました。/えりいも
●「春暖」という漢語は、専ら手紙に用いられる語で、挨拶語としての独特な性質を持っている言葉です。季語になったのは、ごく最近ではないでしょうか。「暖か」は和語ですがこれも比較的新しい季語のようです。というのは新しい句は別として、「暖か」の設例がほとんど季重なりとなっているからです。/ 帰り花汐風うけて暖かき/里人 / 梅一輪一輪ほどの暖かさ/嵐雪 / 芹洗ふ流のなかが暖かし/汀女 / 暖かや仏飯につく蝿一つ/飯田蛇笏 / 雪晴の日の柔かく暖かく/星野立子 / 「春暖」と「暖か」とは意味合いはおなじでも成り立ちがちがうのですからおのずとニュアンスが異なっています。「春暖」が書き言葉ふうなら、「暖か」が、ハナシことばふうです。俳句はことばの雰囲気を大切にする文学ですから、この取り扱いも格別なところがあると思いますが今のところわかりません。講評を楽しみにしています。 /ウロ
○たしかに、「春暖の候」なんて書き出しの手紙例文をみますね。これも「春暖」という季語の一つの特性。

●春・暖どちらの文字も優しい字面。シュンダンの弾む響きも大事にしたいです。/うに子
●「春暖」の「暖か」にはない濁音の持つ重厚さ、力強さをどう活かそうか考えました。 硬いもの・厳かなものと組みあわせるか、あえて軽やかなものと取り合わせて対比を出すか、試行錯誤も楽しかったです。さて、結果はどう出ますか。/霞山旅
●「春暖」の兼題すごい作りやすくて110句以上作ってしまいました。ただこの作りやすさは何かの罠ではないかとも考えております。「春暖」は「暖か」の傍題であり「暖か」に置き換えて成立する句は良くないのではないか・・少なくとも「春暖や~」という句は「暖かや~」で置き換えられる句は98%ダメなんじゃないかと思います。語順を変えて暖かで置き換えられる句もダメでしょうね。あと「春」の一字が含まれている事、「春暖の候」という手紙等で使う時候の挨拶文で使われる言葉である事なども考えないといけないかもしれません。個人的には日歩に感じる感覚が「暖か」、暖かい春の空間のようなイメージが「春暖」ではないかと思いました。/けーい〇
●こんな使い方ええんかいと思いつつ、下五で二音の名詞+春暖(◯◯春暖)的な使い方が面白く、調子に乗りそうになりました。薄暑の街薄暑、湖薄暑のようなコンビネーションを突如思い出して、なんか妙にありかなと思ったのですが、やっぱりだめかな?/月の道馨子
●「春暖」は「春暖を」「春暖へ」などとすると春のあたたかい空間を5音で表せるように思います。/黒子
○具体的な構成についても、参考になりますね。「季語道場」を先に読んでから句作したかった!という声は毎回届きますが、まずはそれを自分で工夫してみることが、「学び」というものです。
 さて、火曜日定番となっております、すりいぴい君のレポートも読んでみましょう。

●春暖(暖か(三春、時候)の傍題(「カラー図説日本大歳時記 春」講談社、1982年)。さて、今回は(講談社版によれば)「暖か」の傍題季語ですね・・。2015年に本サイトでは「暖か」が兼題になっておりました。他の歳時記ではどうなっているか。「いちばんわかりやすい俳句歳時記 春夏」(主婦の友社、2017年、辻桃子=阿部元気)では、「暖か」(傍題:春暖・温し)とあり、やはり傍題扱い。「俳句歳時記 春第四版増補」(角川書店、2011年)でも、「暖か」(傍題:春暖・ぬくし)となっている。「俳句小歳時記」(大泉書店、96年、水原秋櫻子)では「暖か」(傍題:あたたかし、春暖)とやはり傍題扱い。以前「暖か」を兼題としていることや、これら歳時記からすれば、組長、今回は「暖か」ではなく「春暖」で詠め、ということでしょうね。
 ★ひとまず「暖か」の記述は・・三春、時候、傍題:(春暖・あたたけし・ぬくし)、となっており、「暑くもなく冷え冷えともしない、春の快い温度である。式の温度の感覚を季語に言い分けると、春は「暖か」、夏は「暑し」、秋は「冷やか」、冬は「寒し」となる。ただ一つ例外として、「涼し」は秋ではなく、夏の季語となっている。それは客観的な認識ではなく、最も涼しさを欲する季節の季語としたのである。暖かさについて言えば、それを最も欲する季節は冬だが、冬の暖かさは小春とか小六月とか言い、近ころはもっと端的に「冬暖か」などと言って、本来の春の暖かさと区別する。このような分類は気まぐれで、非科学的のようだが、むしろここに日本人の季節感覚のこまやかさを見るべきだろう。ぬくとしと言うのは俗語である(上記歳時記、山本健吉)。難しいな・・。
 ★「重い外套を脱ぎ捨てると、心までかろやかになる。「あたたか」とは、気温の暖かさのほかに、そうした心の弾みを下敷きにした、心理的に満たされた思い、また人間味をもいう。そういう面に焦点を当てて詠まれた佳句も少なくない」(上記、大泉書店)。ぽかぽかと気持ちのよい春の温度(上記、主婦と生活社)。「彼岸のころからそろそろ暖かくなる。心地よく温暖な春の陽気をいう」(上記、角川)。/すりいぴい
●みなさんも書かれるでしょうが、「暖かい」と「温かい」の違いは辞書などを乱暴に要約すると、「暖かい」は空気の温度を指し、「温かい」は物体や生物に触れた時の温度、あるいは人情や表情など心理的なものに使う。これを適切とすれば、心理的なあたたかさには「暖か」は使わない、ということになる。しかし春の気候、温度、風などにあたたかさを感じることはすでに心理的なものと言えないこともない。ある一定の「あったかいなあ」という心理反応とも。「暖か」を詠んだ句にも心理的な感情を詠みこんだ句があり、さて、迷う。★ ただ、「暖か」ではなく、傍題「春暖」で、ということをどう考えたらよいのかが難しい。「あたたか」「暖か」のもつ語感・字面と、「しゅんだん」「春暖」がもつ語感・字面の違いは大きい。「春暖」というとさらに心理・感情的とは離れるような気がしないでもない。気温や陽気を詠むとしても、「暖か」は「春暖」と比べて少し心理的な柔らかさがある。あらたまった感じと言うのか。漢語的と言うのか。古来、文献に登場した時期についてはよくわからない。近しい(が異なる)春の季語に「麗か」(以前、兼題になった「うらうら」とかも)がある。「麗か」はかなり心理的な季語と思う。★ 「空」の字を詠みこむと「春の空」の句に、「水」の字を詠みこむと「春の水」の句に実質なってしまうのではないかという懸念も少し。例えば「春暖や~~の水」とか?なお、「暖かな〇〇(名詞)の」、例えば「暖かな犬~の」とは詠みにくいのに対し、「春暖の犬~の」とは出来そうな気もします。これは屁理屈ですが・・。/すりいぴい
○「暖か」は活用語ですが、「春暖」は活用しない名詞。これは大きな性質の違いですね。
 そして、ベトナムから参加の碧西里嬢の季語六角成分図の分析も、役に立ちますよ。

●「春暖」季語六角成分図より。 (視覚)春の光景、日差しや山、川、野、花や草、鳥や動物の目ざめ、などどんどん広がります。(嗅覚)草、土、水のゆるむ匂い、生き物の匂い。(聴覚)そよ風、せせらぎ、鳥のさえずり。(触覚)暖かさにゆるむ身体や肌。(味覚)わずかな空気の甘さ。(連想力)以下参照。
 ★突出しているのは連想力。そもそも時候の季語はあまり実際の感覚を伴いません。春暖は触覚の実感はありますが、視覚、聴覚、嗅覚などは連想力の産物で、つまり具体的な感覚を足す必要があるようです。一方でかなり広範にモノを取り合わせられる季語で、いかに独創的な視点をもつか、どこに焦点を絞るかが難しいです。また、季語としては気候的な暖かさのことで、心理的なあたたかさを重ねる際には注意する必要があります。
 ★2015年4月2日の兼題として「暖か」が既出であり、これは春暖という季語を突き詰めろという組長からの指令と受け止めました。「暖か」と「春暖」を比べると、形容(動)詞の語幹⇔名詞、発音がおおらか(あ行の音)⇔やや硬く鋭い(濁音や'ン'の音)、和語っぽい⇔漢語っぽい、などの違いがあります。後者の「春」の一文字の効果も気になるところ。しかし、これをどう句作に活かすべきか…「春暖の~」の形が使いやすい気がしていますが、どうだろう…。/碧西里
○的確な分析だと思いますよ。さて、今週の木曜日・金曜日、これは大変な選句になりそうだぞ。

◆季語雑学部
●白居易(772~846)の『偶題鄧公』という七言律詩の一節に、「不妨春暖更経過」と出てきます(『白居易文集』より)。『和漢朗詠集』(1013)にある都良香の漢詩「春暖」です、「気霽風梳新柳髪 氷消波洗旧苔鬚」。「うらうら」のほうが「麗か」より歴史が古かったように、「春暖」は「暖か」より歴史が古いかもと思いましたが、そうでもなさようです。『句題和歌』(大江千里集)(897)に「あたたけき春の山べに花のみぞところもわかず咲きわたりける」がありました。万葉集(7世紀後半~8世紀後半)には「春暖」は出てこず、「暖か」も「真綿が暖かそう」という意味でしか出てきませんでした。ちなみに万葉集では、春という意味で「暖」の文字を使っていました。もちろん「春」の字も出てくるのですが、原文が「寒過 暖来良思 朝烏指 滓鹿能山尓 霞軽引」という歌は、「冬過ぎて春来るらし朝日さす春日の山に霞たなびく」という意味だそうです。/つぎがい
●季語雑学部 地方競馬のレース名には様々な季語を冠したものが見られるようです。春だけでも多数あり、例えば大井競馬では朧月賞、春光賞、余寒賞、春林賞、そして春暖賞も見つけました。
 他でも川崎競馬では忘れ雪賞、萌え野賞、春雷賞、春一番賞、啓蟄特別があり、浦和競馬では梅見月特別、春の月特別、麗月特別、春告草特別があり、船橋競馬では猫柳特別、春告鳥特別、そして笠松競馬では雪割草賞、スズナ特別、春雪特別、草萌賞などが見られました。/山香ばし
○競馬の世界、粋な命名が多いなあ! そういう目で見たこともなかったので、ちょっと吃驚。「春暖賞」もあるんだ!

◆俳句文法研究部
●文語の文法と言っても、記録が残る飛鳥・奈良時代から明治時代まであるわけで、その間、使われなくなったり新たに使われだしたりした表現は数多あります。また、万葉集には東国の方言もあります。なので、いつも俳句文法研究部でご紹介している文法は、辞書に載っているもの、つまりある程度各時代を通じて使っていた文法上のルールだと思っています。例えば鎌倉時代以降は変化したならそのようにご紹介しているつもりです。時代が現代に近づくほど、現代口語に近い表現になっていきます。私個人的には、どの時代の文語文法を使って俳句を作るべきなどという議論は意味がないと思っています。江戸時代以降の表現を使えば江戸時代調になり、万葉の頃にしかない言い方をすれば万葉調になり、現代に居ながら時代を超えた表現が可能だからです。 ただし、各時代の文法にも基礎的なルールはありますので、そこは押さえた上での話ですが。/ひでやん
●只今、締切り30分前。長文を書いている暇がないので、一言だけ。 「俳句αあるふぁ」2020年春号に、「俳句と文法」という特集が載っていました。参考になると思いますのでご紹介だけしておきます。/ひでやん
○「どの時代の文語文法を使って俳句を作るべきなどという議論は意味がない」というひでやんの考え方に賛同します。

◆こんなお便り、質問届いてます!
春暖やシュトゥットガルト女子の会 板柿せっか
●「シュトゥットガルト女子の会」勝手に使ってすいません。でも、この「シュトゥットガルト」というドイツ語の響きといつも水曜日に何行にもわたって掲載される「シュトゥットガルト俳句女子の会」の塊りこそが「春暖」ではないか、と感じてしまったんです。/板柿せっか
○素敵なご挨拶句♪ 「春暖」を比喩することで、季語の本質を探っていくのも一つのトレーニングです。

●ぽかぽか。/こま
●花の咲く日向。/こま
●季節感だったのでかきやすかったです。感じたことなどそのまま書いたりしました。/かなこ
●あたたかよりもはっきりしてるイメージです。/ひろきち
●春暖難しかったです。暖かとどう折り合いをつけてよいかばかり、考えてしまいました。/夏銀
●俳句を始めたばかりで「春暖」の使い方がいまいち分かっていません。 「このような心情の時に使う」という明確なルールはあるのでしょうか?/くるみデニッシュ
●人の温かさでも炬燵でも寒さの中に感じる暖かさでもなく。暖かいのです!なぜならば!春なので!という感じでしょうか。春を暖かさで表現せよということでしょうか。句は出来るもののこれだ!というところは掴めないままでした。/こーらるむーん
●春暖が体感としてどういうことなのかよく掴めず、悩みました。毎年「春だなあ」などと話すのに、それを具体的なエピソードや感動として思い浮かべることができませんでした。某番組の「ボーッと生きてんじゃねえよ!」とは、このことだなと思いました。/ふくろう悠々
○チコちゃんにも俳句作ってもらいたいよな~(笑)。

●過去に「暖か」という兼題がありましたが、ニュアンスの違いを考えながら、脳は春になっていきます。/でらっくま
●平井照敏編新歳時記では季題[暖か]の傍題として[春暖]が載っている。どんな違いなのか?悩ましさだけで時間が過ぎていく。/天晴鈍ぞ孤
●気候に関わらない温かさは季語にならない…という解釈をどう捉えるか難しいでトマトね。例句を見ると…余計に混乱!? /トマト使いめりるりら
●夏井先生 正人さま スタッフの皆様いつも有難うございます  今回の兼題 (春暖) (暖かし)(温かし)との違いなかなか難しかったです  これからも勉強させて頂たいと思っています  水夢/水夢
●今回も映像の無い季語なのかもしれないなぁとお思いました。/浅河祥子
●春暖はネットの季語にはなくて手掛かりが少なく苦労しました。どうにか複数の投句をさせていただきますが季語の確からしさを理解していなくて大丈夫かなと思います。/ねずみ男
●春暖…手持ちの歳時記にはなくネット検索しても例句が出てこないとゆー難題!(毎度難題なんですが)見つけたのが手紙に使われる「春暖の候」という言葉。これは3月末~4月にかけて使われるらしい。「暖か」との違いは出さなければならないだろう。うーん/古都 鈴
●組長!今回の季語は難問です(涙)。春暖、春ぬくし、あたたかし、ぬくとし……どれを使っていいのか、あかんのか。季語のニュアンスの違いに頭を悩ませました。過去の兼題に「暖か」があるだけに。解説を拝読して勉強させてもらいます!/井久
●春暖は助詞?的な奴が難しい気がしますね。/山の雫
●ド初心者の質問ですが、ご教示いただければ幸甚です。 春暖という季語は、その時点を切り取る季語というより、毎年繰り返し繰り返し訪れる春の訪れを見てとって、悠久の時の流れにつなげて考えしまうのですが、そんな解釈はズレてますか。/殿さまペンギン
●以前に「暖か」と兼題が出ているのを発見しました。今回の春暖との違いが気になります。/冬木ささめ
●今回の兼題「春暖」はネット検索しても季語としてはあるが、例句が見当たらず、已む無くギャ句は「暖か」にした。ついでに、ネット検索では5年前の兼題「暖か」があったが、ここには傍題として「春暖」を用いた句は見当たらなかった。以外に難しい兼題である。/東京極遊山人
●今回は四文字の兼題なので助詞を変えて試してみました。/尼島里志
●春暖って、凄く範囲が広いなぁという印象です。 このような「イメージが広げやすい」季語ほど、気をつけなければいけないことなどあれば教えて頂けると嬉しいです。/日々樹 愛(ひびき めご)
●今回、わざわざ「春暖」。「暖か」ではなく。これをどうとっていいのか。。。 悩んだ結果、「春暖」一本に絞ることにした。が、例句も少なく、季語の把握がいつも以上に難しく、把握なんてところまでは、全くたどり着けませんでした… /飯村祐知子
●前述の通り。 春の季語の中での「春暖」の特徴を考えてみました。/風間昭彦
●春暖を暖かとしていいのか分からなかったです。歳時記を見て暖かにしましたがいいのでしょうか。俳句は初めてなので。/睦月
●春暖・暖か・ぬくしでは、大きく受ける印象が違う気がします。個人的には、ぬくしという素朴な響きが好きです。/矢橋
●今回の兼題の「春暖」は本当に難しかったです。 「春」と「暖か」と季重なりが重なった兼題に、 どう俳句のタネを見つけたらいいのか、すごく悩みました。 一人でいろいろ考えすぎたら分からなくなってしまったので、みなさんの「春暖」の句をじっくり鑑賞させていただいて、勉強したいなと思いました。/倉形サラ
●「春暖」の「しゅん」「だん」という響き、そして2文字にも5文字にもカウントできそうなつかみどころの無さ。まずは上五に「春暖や」で持ってくることは決めてしまって、組み立てました。/裏山小虫
●なるべく兼題で出たままの言葉(傍題ではなく)をつかって詠もうと思っているのですが、春暖は「春暖や」「春暖の」くらいしか措き方が浮かばず、なかなか手強いです。「春暖か」にすると「暖か」だけでよくない? と思ってしまうし。分類が時候というのもどう考えていいやら。/離松
●毎回難しい兼題に挑戦、勉強させて頂いてます。「蕨餅」は、季語の現場を求めて、遠くまでも出かけたものの、実景を描く事はついに出来ませんでした。道は遠いですが、日々、鍛錬ですね。「春暖」と言う季語、調べても例句もみつからず、17音の中で、どう扱って良いか悩みます。ポイントは、「暖か」と言う季語の、敢えて「春」がついた小季語「春暖」との違いですよね。「春」と言う大きい存在に、自分はあまりにもちっぽけで、大きい景も詠めません。いっそ、ちっぼけな「春」を呟くしか、ないかなと思う、この頃です。/令ちゃん@埼玉
●「春暖」という季語は調べてもなかなか記載がありませんでした。ふと思い、「暖か」で引いたら、これが本命?でした。雨、背中、寝息、果てはハエまで、俳人たちはいろいろなものに暖かさを宿してきたようです。そのちょっとした素材に気づき、俳句に表現できるところが俳人と呼べる所以なのでしょう。/榊裕江子
●身近な言葉なのに、抽象的で難しい季語だと思います。いろんな名詞にくっつけて、使ったほうが 情景が浮かぶでしょうか? 温しと暖かしの違いはなんでしょうか 使いわけの注意点はありますでしょうか /四国三郎
○前出の「季語深耕」、そして以下のお便りを参考にして下さい。

●「春暖」の固さが難しくて傍題に逃げようとしましたが、2015年に「暖か」がこの俳句ポストで兼題に出ているのを見つけてしまいました。暖かくて柔らかい春ではなく、これは「春暖」にがっぷり四つで取り組めという意思を感じて、3.11震災を詠みました。/小虫
●「『暖か』でも季語になる」とわざわざ書いてありましたので、ちゃんと「暖か」との違いを出して「春暖」で詠んでくださいね、というメッセージと受け取りました。とても難しく感じました。 「暖か」は長閑さ(これも春の季語ですね。)のイメージが、「春暖」はワクワク感のイメージが若干強いのかなぁと感じています。/天水郷
●「春暖」、難しい兼題でした。すでに傍題である「暖か」が既出だったので、よみわけるにはどうしたらいいのか、悩みました。春暖という、シャープな音を生かした句が今回のポイント、だと思って、作句に取り組みました。/南方日午
●春の暖かさが普通の暖かさとどう違うのか、漢詩とかにヒントがないか検索してみました。不経冬寒不知春暖というのが出てきて、冬の寒さを経ずして春の暖かさを知らず、とのこと。誰の詩かは分からなかったのですが、確かに冬の寒さの後だからこそ、春の待ちわびた暖かさへの嬉しさや心のウキウキが生まれるんだなあ、と思います。/干しのいも子
●春の暖かさは、やはり気持ちのよい、少し期待や希望が混じるような気候なので、ほのかに日々の営みにウキウキした気分が生まれるような瞬間を探しました。/間仁田彩
●春暖だと季語を他の部分で使わずに表現するのが難しいと思いましたが、春のものでなくて春を感じることを探すのがおもしろくなってきました。「小さい春みーつけた♪」と歌いながら探しています。/紀友梨
●「春暖」という季語が、自分を取り巻く暖かい空気の塊に思えた。3月になり、肌寒さという刺激が少なくなった空気がそこに塊であるように感じられ、その中を突き抜けて進んでいくイメージの俳句ばかり作ってしまった。/志田波琴
●「春暖」という熟語の言葉の固さのようなものがあり、それが春の暖かさとは違ったイメージに感じて、使い方が難しかったです。/胡麻栞
●「暖か」ではなく傍題の「春暖」ということで、その差は何かと考えて、視覚的イメージの相対的な強さなのかと考えました。「暖か」ではなく「春暖」ということで、春がだんだんとひろがってゆく様子を視覚的にも想起させる兼題と理解しましたが、果たして。 /る・こんと
●「春暖」と「暖か」の違いがやっぱり難しいです。語感も硬い感じがします。/沢拓庵
●例えば「あたたか」という表記と比べると、「春暖」というのは明らかに硬いですね。季語の気分としては柔らかいものと取り合わせたくなりますが、「春暖」である理由のある句を詠みたいです。/多喰身・デラックス
●「暖か」の傍題に「春暖」とありました。 「暖か」と「春暖」では、やはり微妙な違いがあるのでしょうか? 私は、「暖か」よりも「春暖」の方が春の字があるので、嬉しい楽しい気持ちが大きい気がしました。/打楽器
●「あたたか」ではなく「春暖」という兼題であることに、なぜだろうとずっと考えていました。 三月になりましたが今日は関東でも雪が降りとても寒いです。でもそんな安定しない気候の中に、暖かい日があれば 「あっ、今日はあったかい」「あっ、いよいよ春が来た」と喜んで「春暖」と詠むのかもしれないと思いました。 /竹内みんて
●以前の兼題「暖か」において、季語を心理的に使うことに対する是非の問題が挙がっていました。「暖か」の傍題でもある今回の「春暖」が「気候に関わらない暖かさは季語とならない」と説明されているのは、この点を明確に限定していると受け止めました。同時にあえて「春」を表記するこの季語を使う事の意義も考えました。季語に対するフレーズに、誰の目にも明らかな「春の景」を置くのであれば、季語は「暖か」で十分でしょう。であれば、取り合わせるフレーズは逆に「春」に限定されないものが良いのではないか?365日に共通する景や物に、季節が変化したことで生じた「暖かさ」を実感する、その発見を詠むべきなのかも、と、そんな事を考えました。(毎度あれこれ考察するのは好きだけど、それをなかなか句に落とし込めない頭デッカチ…(^^;) 今回もよろしくお願い致します!/靫草子
○嬉しいなあ。自分の頭でひとまず考えてみようとするハイポニストが増えてきてます。「おうちde俳句」を余儀なくされる状況こそ、新しい「学び」を楽しむチャンスですね♪

●俳句初心者です。季語の難しさにいつも悩むのですが、たとえば秋に「いちごの柄のカップ」といったものを取り入れる場合、いちごは季語になりますか?よろしくお願いいたします。/砂楽梨
○絵に描いたものは、季語としての力が弱くなります。ただ、全体のバランスとして、例えば秋の季語との取り合わせの工夫によっては、成功する場合も、ないとはいえません。難しいけど。

●こちらでは今月は吟行句会があります。私は句会でもっと生々しい句が詠みたいですが、生と死、アウトロー俳句みたいなのが本当は詠みたいですが、高浜虚子からなるホトトギス結社では中々受け入れにくいです。例えば北大路翼さんみたいな句が受け入れられるにはどうしたらいいですか?/生野薫
○「ホトトギス」だから受け入れてくれない、と考えるのはカンタンですが、作品に本当の力があれば、どんな考え方の結社であろうと、その作品に心打たれる人はいるはずです。まずは、その格闘を真剣にやってみるべきだと思います。以下は、あくまでも夏井の個人的経験値ですが、作者ご本人は凄い句だと思ってるけど技術的に問題があるケースも多いです。

 

●新しい投句・投稿システムについてのお願い
 投句・投稿フォームが新しくなっています。投句数の増加に伴って、仕分け作業に多くの時間を要します。以下の事項を守って投句投稿して下さると、組長の負担が大きく減ります。ご協力よろしくお願いします。

①俳句の欄には俳句のみ記入して下さい。一つの欄に一句を厳守。

②「俳句に対するコメント」の欄は記入する必要はありません。(特に気になることがあれば記入していただいても結構です。)

③「ギャ句」「聞き倣し季語」は俳句欄に記入して下さい。ギャ句の原句は「俳句に対するコメント」の欄に必ず記入して下さい。

④「兼題季語についての質問・考察・情報(火曜日「俳句道場」)」は、火曜日「俳句道場」への投稿です。

⑤「『俳句ポスト365』への感想・質問・要望・俳号の変更・各地の吟行情報など」「組長&ハイポニストたちへのお便り・近況報告など」はそれぞれ水曜日への投稿です。内容に合った欄に書き込んで下さい。

夏井先生

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