本選句欄では、添削した形で句を掲載する場合があります。
添削は作り替えの提案として句会等でも議論されます。示唆された添削案が自分の表現したいことに合致すれば、作者の判断においてその案を自作として採用してかまいません。
添削は作り替えの提案として句会等でも議論されます。示唆された添削案が自分の表現したいことに合致すれば、作者の判断においてその案を自作として採用してかまいません。
- けふの菊父の名字は父で絶ゆ
- あまぶー
- 重陽や何度も天気ほめる母
- あまぶー
- シテたんと踏む足拍子今日の菊
- トポル@みすゞ
- 菊の日の一升枡に陽の揺るる
- トポル@みすゞ
- 重陽の盃の金月の銀
- にゃん
- 重陽の補聴器ぴいと鳴り元気
- にゃん
- 重陽や生きがい課ってどこですか
- 一斤染乃
- 重陽や眉毛のびゆく理由呵呵
- 一斤染乃
- 盃に幽けき影や今日の菊
- 蟻馬次朗
- それにしても松の青さよ菊の日よ
- 堀口房水
- 重陽や客間に崩れ黒酢の香
- 堀口房水
- 重陽や母のかほりに振り向きぬ
- M・李子
- 葉のひかりまあるくなりて そう重陽
- M・李子
- 重陽の空はからっぽ白紙箋
- あきのひなた
- 無農薬うたふ食堂けふの菊
- あきのひなた
- 重陽や愚者めでたしの絵巻物
- いしはまらんる
- 重陽のよろしき水を掬ふ家
- いしはまらんる
- 重陽や律儀にざるを抜ける水
- さとけん
- 重陽の盥に広き美空かな
- さとけん
- 重陽の錆美しきショベルカー
- あいだほ
- 笑うこと憚るなかれ菊の酒
- あいだほ
- 老いの口へ重陽の匙差し出せり
- いさな歌鈴
- 厨賑やかに重陽迎え入れ
- いさな歌鈴
- 重陽の膳や日本は豊かなり
- いしい美髯
- 重陽の雨ならしとど濡れるも良し
- いしい美髯
- 重陽や系図は男の名を綴る
- うしうし
- 重陽の椀へ型抜く大根花
- うしうし
- 空砲の音ゆたか重陽の空
- ぎんやんま
- 重陽のたこ焼き匂ふ社かな
- ぎんやんま
- 重陽の香を光らせて拭く体
- ぐ
- 朝刊の香や重陽の陽に当たる
- ぐ
- ちぎり絵のやうに菊の日暮れ初むる
- くりでん
- 重陽や騎射の蹄の高からん
- くりでん
- 重陽のけつねうどんの甘辛し
- けーい○@関西では「きつねうどん」の事を「けつねうどん」と呼ぶ店も多いです。
- 重陽の伸びるチーズを手繰りけり
- けーい○
- 重陽の桐箱の紐こむらさき
- こはまじゆんこ
- 重陽や某一族の屋敷とや
- こはまじゆんこ
- 重陽や老酒の甕回し拭く
- さるぼぼ@チーム天地夢遥
- 重陽や和紙の封解く杉の箸
- さるぼぼ@チーム天地夢遥
- 重陽や碁盤のごとき父の文
- じゃすみん
- 菊の日の千人風呂の硫黄の香
- じゃすみん
- 重陽の象や体重計にのる
- すりいぴい
- 重陽の粉薬ぬくき舌の上
- すりいぴい
- 重陽のシャンパンの泡いつまでも
- テツコ@第二まる安
- 重陽の声やわらかき人攫い
- テツコ@第二まる安
- 重陽や美ら海の亀触れて来い
- としなり
- 菊の酒清し一閑張り渋し
- としなり
- 重陽や夜半を疼くは親知らず
- のつり
- まづ母に父が注ぎたる菊の酒
- のつり
- 重陽の屋上車椅子集う
- はまのはの
- 重陽やまだ百年しか生きてない
- はまのはの
- 重陽の清拭に背の薫りけり
- ふるてい
- 重陽の海原怖きほど晴れて
- ふるてい
- 長き尾羽拾うて重陽の散歩
- ぽおや
- 重陽や象牙細工の形見分け
- ぽおや
- 手相占ひ重陽の陽はゆたかなり
- ほろろ。
- 重陽の雲こんじきにくだけけり
- ほろろ。
- 重陽や人の臓器は翡翠色
- まこちふる
- 重陽に巫女の勾玉瓊に揺れる
- まこちふる
- さみしいと思へばさみし菊のひと日
- ましろなぎさ
- かろがろと持つ重陽の鉄アレイ
- ましろなぎさ
- 重陽の地面はひりひりして正午
- むらさき(7さい)
- だれもいないいすにも重陽のひかり
- むらさき(7さい)
- しをらしき酒の一片今日の菊
- モッツァレラえのくし
- 重陽へ浮かぶまつたいらに国家
- モッツァレラえのくし
- 幹事てふ勅令くだる今日の菊
- ももたもも
- 重陽や亀に機嫌を伺ひぬ
- ももたもも
- 菊酒や花びら掬ふ檜箸
- もりお
- 重陽や厄に貰ひし孔雀石
- もりお
- 玉音の真昼の余韻菊の酒
- よしおくん
- 重陽の陽はまろく妻のひかがみ
- よしおくん
- 重陽の朝市に買ふ酒饅頭
- ラーラ
- 重陽や吾は大伯母となりにけり
- ラーラ
- 重九なり火を頒つ煙吐く我ら
- りんたろう
- 重陽や魂はマントルで灼かれた
- りんたろう
- 重陽の雲飽くるまで見て眠る
- ローストビーフ
- 重陽や遺書より辞表多く書き
- ローストビーフ
- 重陽の盥の水の重さかな
- 或人
- 土手に花を摘んで重陽の生家
- 或人
- 重陽の地下鉄に陽の匂う髪
- 遠音
- 重陽の日に干す遺髪吹かれをり
- 遠音
- 重陽に使う夕陽を下調べ
- 遠野かなみ
- 辻占に不慣れな宮司菊の酒
- 遠野かなみ
- 重陽の湯舟ざぷんと溢れさす
- 花南天anne
- 老犬の毛を梳く菊の日の静か
- 花南天anne
- 首里城のあか重陽の空のあを
- 輝 龍明
- 重陽や重陽の字の掛かる床
- 輝 龍明
- 今朝の菊洗う雨音聞きにけり
- 久蔵久蔵
- 夕風やようよう丸き菊の酒
- 久蔵久蔵
- 包装紙を突き抜ける茎けふの菊
- 玉木たまね
- 掃き落とす軽トラの花弁けふの菊
- 玉木たまね
- 誕生日の新聞読みぬ菊の酒
- 桑島 幹
- 重陽や血圧計の埃ふき
- 桑島 幹
- 一升石てふ石の名残りや菊の酒
- 君島笑夢
- 菊の日や昨日仕掛し網揚ぐる
- 君島笑夢
- 重陽の朝日とどまる冠水瓶
- 月の道馨子
- みな山を向く重陽の車椅子
- 月の道馨子
- 菊の酒光を満たす江戸切子
- 月見柑
- 重陽や朱塗りの膳はつくも神
- 月見柑
- ふるさとや重陽のこのひのき箸
- 古瀬まさあき
- 重陽や亀はこくんと水を呑む
- 古瀬まさあき
- 重陽の酒と詩口にすれば消ゆ
- 古田秀
- 詩をしたためて重陽を匂ふ墨
- 古田秀
- 重陽や家族写真の三十人
- 彩楓(さいふう)
- 重陽や神馬は遠くより崇む
- 彩楓(さいふう)
- 重九の首がめでたくまはりけり
- 斎藤秀雄
- 水占の雨にやぶれて今日の菊
- 斎藤秀雄
- 重陽の鏡はわれを猛らしむ
- 三重丸
- 重陽かと言ふ重陽よと応ふ
- 三重丸
- 今日の菊遺影撮影日和なり
- 七瀬ゆきこ
- 重陽の誰のものでもない乳房
- 七瀬ゆきこ
- 九国の真ん中に阿蘇菊の酒
- 純音
- 相席の聞けば姉妹や今日の菊
- 純音
- 重陽の餡は最中におさまって
- 小泉ミネルヴァ岩魚
- 重陽の仲居の根付にも一輪
- 小泉ミネルヴァ岩魚
- 重陽や犬の瞼の潤うて
- 城内幸江
- 重陽や墨は半紙を直走る
- 城内幸江
- 重陽の海は港にをさまらず
- 神山刻
- 春巻きにぱつぱつの海老菊の酒
- 神山刻
- 重陽や天冠つけし葬の列
- 星埜黴円
- 重陽の古き焼場のにおうかな
- 星埜黴円
- 重陽や金糸銀糸の袋帯
- 清波
- 重陽や億年の泥澄み切れり
- 清波
- 重陽のことに明るきたぬき丼
- 西川由野
- 月しずく溢さず重陽の杯へ
- 西川由野
- 棺を打つ重陽の空ふかく深く
- 村上優貴
- 君が代のしむ重陽のしむやうに
- 村上優貴
- 重陽の酒にウォッカを足しにけり
- 多喰身・デラックス
- 菊酒や家のやうなる墓の前
- 多喰身・デラックス
- 家系図は巻子本(かんすぼん)なり菊の宴
- 大雅
- 菊の日や金繕ひの金しづか
- 大雅
- 重陽や小町も髪を憂ひけむ
- 短夜の月
- 重陽や父は得体の知れぬひと
- 短夜の月
- 盃に海と舟あり菊の酒
- 中岡秀次
- 九九と鳴く鳩の字は佳き重九かな
- 中岡秀次
- 重陽やぷちり手のひら降圧剤
- 渡野しえん太
- 重陽や人があっさり死ぬ童話
- 渡野しえん太
- 一家みな膳に向く重陽は晴れ
- 登りびと
- 産土の匂へる海よ菊の酒
- 登りびと
- 重陽や母の遺品の杖倒ぶ
- 内藤羊皐
- 重陽に猫の片目の濁りをる
- 内藤羊皐
- 重陽や泡盛は理科室のにほひ
- 南風の記憶
- 重陽やマリア観音は冷たし
- 南風の記憶
- 重陽や鳥とわけあふ湖の風
- 板柿せっか
- 重陽の細ききざはしゆづりあふ
- 板柿せっか
- 菊の酒舐めて猫又の饒舌
- 蜂里ななつ
- 風に干す嫁入り写真今日の菊
- 蜂里ななつ
- 重ねれば青し重陽の白皿
- 抹茶金魚
- 重陽のピアノを閉ぢる手のしづか
- 抹茶金魚
- 菊の日の数取器かちかち楽し
- 未補
- 重陽やてのひらにてのひら包む
- 未補
- 重陽や亀はゆつくり生きている
- 野々りんどう
- 重陽や可愛いだけの猫と住む
- 野々りんどう
- 象嵌しまう菊の日のおはりばこ
- 有瀬こうこ
- 舌先のザラメほどけて今日の菊
- 有瀬こうこ
- 重陽や折り紙の花膨らませ
- 由づる(旧いつき組福岡リスナー班/由美子
- 菊の日に国士無双で上がりけり
- 由空
- 重陽や手配写真は若きまま
- 龍田山門
- 俺たちはカップで呷る菊の酒
- 龍田山門
- 重陽や手毬麩ひとりふたつずつ
- 露砂
- 重陽や表彰状の美しき角
- 露砂
- 血は汚れとや重陽の奥座敷
- ウェンズデー正人
- 重陽のミスタードーナツの飲茶
- ウェンズデー正人
- 菊の酒庵主は狸てふ噂
- 雪うさぎ
- 箸置に箸置く菊の節句かな
- 綱長井ハツオ
- 重陽のほつれし糸も明るしよ
- ひねもす
- 重陽や恋路ヶ浜の海の白
- 28ひろきち
- 菊の日やイカロスの羽浮かぶ盃
- 301句会・幹人
- 親だれもいなくなりたる菊の酒
- ⑦パパ
- 重陽の家族写真に五十人
- 93kgのプッコラ
- 重陽の雨ぞやさしき坂の上
- AQ
- 幾重にも巻く重九の卵焼
- Kかれん
- うつとりと瀞たゆたへば菊の酒
- Lu
- 重陽や厚き耳たぶしづかなり
- Mコスモ
- 菊の日や浜に真白き石を撰る
- RUSTY
- 酌む酒のほのかに甘き重陽や
- syuusyuu
- 重陽や水銀を飲む始皇帝
- アーモンドの目
- 百歳の双子くしゃみす菊の酒
- あいみのり
- 重陽や峰くつきりと生駒山
- あい女
- 重陽の朝飯地鶏の黄身のせて
- あさり
- 重陽のきらめく雨を来る手紙
- あつちやん
- 重陽の時はゆっくり鳩時計
- あつむら恵女
- 文句百万陀羅聞き流し菊の酒
- あまぐり
- 重陽や焔のやうなほと眺む
- あまの太郎
- 重陽や屋上からの独り言
- あみま
- 重九や猪口の底なる三重の紋
- いかちゃん
- たましひの縁のつるりとけふの菊
- いざわ
- 重陽の風たをやかに落暉かな
- いまいやすのり
- 神牛の背の滑らかに重陽や
- うづら
- 重陽の風にふくらむ万国旗
- うに子@隣国とのきな臭いニュースが不安です
- 重陽や南部の蓋に湯玉鳴く
- ウロ
- 味噌蔵の香に重陽の湿りあり
- えむさい
- 重陽や黄河の流れ淀みなく
- えらぶゆり
- 重陽に清しく小紋着たりけり
- おうれん
- 重陽や好みのぐい呑み割れずあり
- おがたま
- 菊の酒遺影選びを妻となす
- おたまじゃくし
- いにしへの菊の節句のをんなたち
- おんちゃん。
- 延命は否に〇して菊の酒
- かざばな
- 菊の日のまた揃ひたる猪鹿蝶
- かのたま
- 重陽の鶴となりゆく箸袋
- かまど
- 菊の日の趺坐の下腿やE病棟
- かもん丸茶
- 今生や鼻より抜くる菊の酒
- キッカワテツヤ
- 重陽の空行く雲のみずみずし
- きのと
- 重陽の午睡に覚めて畳跡
- ギボウシ金森
- 重陽の螺鈿のにぶき光かな
- くさ
- 重陽や山神さまの地声艶
- くすん
- 大陸に祖父の墓あり今日の菊
- ぐでたまご
- 重陽の夕一万に五歩足りず
- くれまてぃす恵子
- 籍入れし重九の朝てんき雨
- ぐれむりん
- 重陽の陽浴びて猫と充電中
- こうや こう
- 重陽のデイサービスに恋の歌
- こじ
- 重陽の星の音聴く夫のそば
- ことまと
- 重陽つて何をするのと目が笑ふ
- こま
- 重陽の夕陽踵で蹴り上ぐる
- ざうこ
- 重陽や昼寝の亀の影厚し
- さくみ
- 重陽へ琉金の尾を揺らめかす
- さくらゆりこ
- 重陽や酒で飲み込む八味地黄丸
- ささき良月@八味地黄丸:腰痛、坐骨神経痛に効果のある漢方薬、食前に日本酒で飲むと飲みやすく効果あり 。男性高齢者向きの漢方薬です。
- 重陽や子より大事に洗う犬
- さゆみ
- 重陽の生まれにしては陰険な
- ししまる
- 重陽や門から暮れる鶴ヶ城
- シニアモモ
- 重陽やポイントデーに買う獺祭
- しみみ
- 重陽の風や黄金を少し刷き
- しゃれこうべの妻
- 重陽やつがいの鳩に覗かれる
- ず☆我夢@木ノ芽
- 重陽の空闘球の球高く
- たま蛙
- 重陽やお重の中の人魚肉
- たま走哉
- 重陽や伽藍堂から海眺め
- たむらせつこ
- 窓拭けり重陽の山撫づるかに
- たんじぇりん金子
- 重陽は恩師の作柄聞く宴
- ちばくん
- 重陽の雲にさわれる観覧車
- ちま(5さい)
- 重陽のくちびる濡らしおる闇夜
- ちゃうりん
- 重陽や洗いたての敷布嗅ぐ
- ちょろたこいん
- 重陽やたしかに老ゆる肌の艶
- ツーちゃんの恋人
- 重陽に横たふ犬のふぐりかな
- ツカビッチ
- ワイパーのはらへる重陽の雷雨
- つぎがい
- 海原に続く神戸や今日の菊
- でぷちゃん
- 重陽やまる三つ目の求人誌
- でらっくま
- ちょうようのぼくだって五さい
- とうい(5さい)
- 重陽や娘時代の帯広ぐ
- どかてい
- 重陽の海への道は違つてよい
- ときこ
- 重陽の真青の空をたまいけり
- ときこの母よしこ
- 重陽の鳥の声遺影の無音
- としまる
- 重陽や竜の死骸のうつくしく
- とのじ
- うしろには進めぬ 重陽の日祝ふ
- ともぞー
- 重陽や天領地より佐渡のぞむ
- とんぼ
- 重陽や髪に差したる茱莢の枝
- なかの花梨
- 重陽に一汁一菜刻ゆるり
- ナタデココ
- 重陽の山の祠に射す陽かな
- なめろう
- 重陽の晴れてロケット日和なり
- ぬらりひょん
- 重陽やどこか香りのする言葉
- ねぎみそ
- 重陽や何もない日に嘘ひとつ
- ねむり猫
- 重陽や地底湖の碧は空の蒼
- ねもじ
- 重陽や毒薬配る日の来るか
- のら
- 重陽の日や日の丸は棚の上
- はずきめいこ
- 折れ脚の座卓拭き上げ三九日
- はなあかり
- 重陽やつきあひでゆく書道展
- はむ
- 重陽の入り日おだやか明日も晴
- はら美華子
- 重陽の母アンモニアの匂ひして
- ばんじょうし
- 子の髪の紫がかり今日の菊
- ヒカリゴケ
- 落ち合うて上越に酌む菊の酒
- ひだ岩魚
- 重陽や五色を秘して日の光
- ひでやん
- 重陽やじいじ握力ハンパない
- ひろしげ12さい
- 能面の胡粉塗り終え菊の酒
- ふうせんかずら
- 重陽や夫婦茶碗が欠けている
- ふくろう悠々
- 菊の日を端坐してみる籬かな
- ふじこ
- 廃校の楠を輪になれ菊の宴
- ふっこ
- 重陽や箱根細工に貝の音
- ふわり子
- 重陽の座布団薄き公民館
- ぼたんのむら
- 重九の床の間の剣抜くかしらん
- ポチ
- 白き帆に重陽の風引き受けり
- ほのぼぉの
- 和タオルの摩擦やさしきけふの菊
- ほろよい
- 重陽の炎飯盒を包み込む
- マオ
- 重陽に外す二本の排液管(ドレーン)かな
- まどん
- 重陽や丘からの海荒々しい
- まぬう
- 重陽や指でつまめば月固く
- まほろ
- 重陽やビリケンさんを撫でてみる
- まりい@木ノ芽
- 菊の日や団十郎の大目玉
- まるちゃん2323
- 重陽や被せ綿色の問診票
- まんぷく
- 重陽や湯呑に注ぐ月明り
- みえ
- 重陽や竜頭鷁首のすべらかに
- みかりん
- 重陽や戦火に遭ひし柱時計
- みくにく
- 重陽や我を忘るる祖母眠る
- みこ
- 重陽のミサイル飛んで来る明日
- ミセウ愛
- 清少納言菊の露飲む小暗がり
- みなと
- 白髪染め止めて重陽の蒼天
- みやこわすれ
- 重陽や褥の帯は菊結び
- むじーじ
- 重陽や市民講座の記事に付箋
- むらぴ
- 重陽に水の形を整えり
- やぶつばき
- 重陽やはらいっぱいの深呼吸
- ゆうが
- 重陽のしっぽはぴんとたっとった
- ゆうら(3さい)
- 重陽やキヨスクに買ふ山の水
- らくさい
- 重陽の大仏前に酒を汲む
- ラリロリラリラ
- ちょうようやクッキーのかかとからたべる
- りすだいすき(3才)
- 重陽や父母の墓前に大木あり
- りんごのほっぺ
- 菊の日や電気ブランの灯の仄か
- る・こんと@電気ブランは浅草「神谷バー」発祥のリキュール
- 重陽や運動場に空一つ
- るみ
- 重陽や囲碁教室のパイプ椅子
- ワンダフルもずく
- 重陽やしらが見出す臍の下
- 亜音洲
- 重陽や銅鍋の餡ぷしゅと跳ね
- 阿波豊
- 菊の日の電話亡き子を騙るかな
- 葵 新吾
- 重陽や陰陽魚のまわるまわる
- 伊佐ササ
- 重陽の二文字を菊に酒と読む
- 伊藤欣次
- 重陽や漆へ金箔沈みたり
- 伊奈川富真乃
- 重陽の進水待ちしバルク船
- 伊予吟会 宵嵐
- 重陽や胎に小さき人の影
- 井久
- 噛み合わぬ勾玉を重陽に捨つ
- 一音乃 遥
- 重陽の空よ魂軽からん
- 一純。
- 重陽や父は案外聞き上手
- 一人静
- 重陽や鍬深々と起工式
- 雨霧彦@木ノ芽
- 菊の日やうねうね進む木綿針
- 卯年のふみ
- 重陽や里の地酒のぶち旨し
- 永想
- 重陽に妻の病の緩むこと
- 塩の司厨長
- 重陽や次々と雲放つ山
- 塩谷人秀
- 重陽に黒留袖の重さかな
- 奥野 悦穂
- 鯖缶に夜はしんしん菊の酒
- 横ちゃん
- 重陽やいつまでも無垢つちふまず
- 温湿布
- 重陽の奥歯しっかり磨かねば
- 佳月
- 重陽の雨さらさらと闇に浸む
- 加賀もずく
- 菊の日や小銭つまった洋酒瓶
- 加能あさふろ
- 重陽やひとり登りてひとり酌む
- 可笑式
- 重陽や凶と出る日もあるだらう
- 夏柿
- 重陽や烏骨鶏の卵ご飯
- 夏湖
- 今日の菊やよ幸くませフタナノカ
- 花屋
- 重陽や村にひとりの生き字引
- 花伝
- 菊の宴むかし話をちょっとだけ
- 花紋
- 重陽や水の声聴く菊地蔵
- 雅喜
- 重陽や点滴落つる音しずか
- 海月漂
- 重陽や喪服に合わせたるリボン
- 灰色狼
- 重陽の母の湯呑みに入歯かな
- 樫の木
- 菊酒を干して真白きのどびかな
- 叶
- 重陽やふっくら厚い卵焼き
- 甘平
- 重陽や雨の匂ひを艶として
- 閑茶
- 重陽の如何にも楽し名古屋弁
- 岩のじ
- 重陽の空に浮かべる硬い雲
- 棋埜 箕來
- 重陽やネジ戻りきるオルゴール
- 気まぐれ稔久
- 菊の日のおろして重き背の荷かな
- 亀田荒太
- 重陽の光線正す床框
- 菊子
- 重陽の湯飲みへ煎じ薬かな
- 菊池洋勝
- 重陽や空へ触れ合ふ瓶の音
- 久我恒子
- 重陽や天水桶に沈む月
- 宮坂変哲
- 菊の酒夜風のなんと心地よき
- 弓女
- 重陽の朝の光にモーツァルト
- 虚実子
- 重陽やお手玉のひだ縫い縮め
- 玉響雷子
- 重陽や明日もだれかのお葬式
- 玉庭マサアキ
- 重陽や祖父よりもらふ金平糖
- 琴女
- 婦人部はワインで決まり菊の宴
- 吟梵
- 重陽の空に龍笛昇りけり
- 空遊雲
- 重陽や塗箸洗う音高く
- 熊縫まゆベア
- 重陽や百科事典のある書斎
- 桂奈
- 重陽や長命家系にひとり自死
- 渓湖
- 重陽や淋しき風の吹き渡る
- 渓翠@青東高
- 重陽や同じ屋にゐる四余十年
- 月の砂漠★★
- 耳の毛の伸びて真白し菊の酒
- 古都ぎんう
- 結い髪のまろみ軽やか菊の酒
- 湖雪
- 母の書のお軸の届く菊の酒
- 湖雪
- 重陽や爪を見ながら爪を切る
- 五月闇
- 菊の日や神木既にこと切れて
- 口岩健一
- 重陽や造り酒屋に試し酒
- 好文木
- 重陽や箸を滑らす絹豆腐
- 江戸川青風
- 重陽や屏風の龍の爪五本
- 江口小春@中国の龍の指は五本 日本は三本だそうです。
- 重陽や火口湖も歳をとるとは
- 江藤薫
- 余命九年酒に黄菊の宴かな
- 香壺
- 重陽や村に伝わる人魚の手
- 高橋無垢
- 重陽の陽射しめでたし山にいる
- 高田 仁和加
- 拓本に墨鮮やぐや菊の宴
- 克巳@いつき組
- 重陽の朝は引力時間外
- 黒子
- 重陽や坂を上れば遠き船
- 今野夏珠子
- 重陽の風しみじみと外湯かな
- 佐咲 妙星
- 重陽やぐるりと廻す大太鼓
- 砂山恵子
- 重陽や標高三メートルの山
- 斎乃雪
- 重陽やベンチに開く海苔弁当
- 三重野とりとり
- 重陽の他人行儀な日の光
- 三水低@第二まる安
- 重陽の陽射しを背負う墨衣
- 三木庭
- 重陽のかろき一片にて溢る
- 山田喜則
- 重陽の母の化粧を手伝ひぬ
- 山内彩月
- 菊の日や村長唸る祝い節
- 山本 力
- さち婆の米寿や菊の節句なり
- 山本嘉子
- 重陽や妣の遺品に吾の手紙
- 山名凌霄
- 重陽や祖母と我とは富士額
- 珊瑚
- 菊酒やふぐり浮かせる風呂独り
- 司啓
- 重陽や少し振り足す万歩計
- 四丁目
- 婿といふ大盗人や菊の酒
- 志保川有
- 重陽も乾布摩擦に始まれり
- 紫
- 今日の菊名前で呼んでくださいな
- 紫檀豆蔵
- 重陽の酒酌み交わす他人かな
- 紫陽花 涼音
- 重陽の湖面に映ゆる黄金富士
- 慈温
- 菊の日の陽と隣り合うピアノチェア
- 次郎の飼い主
- 重陽や犬のわがままきく散歩
- 若葉猫
- 根上がりの松青々と菊の酒
- 朱夏A
- 重陽のテーブルへ散る粉薬
- 愁愁
- 膨れたる猪口の蛇の目や菊の宴
- 春野いちご
- 重陽や大覚寺の廻廊を風
- 春蘭素心
- 重陽の風揺らす旗だったもの
- 潤目の鰯
- 菊の日や母の胃瘻を決めました
- 小鞠
- 重陽や慣れし匂ひの煎じ薬
- 小橋春鳥
- 重陽や千年を知る御神木
- 小倉あんこ
- 重陽や暖灯もれて開く襖
- 小鳥ひすい
- 重陽や喜寿と傘寿のほゝゑめり
- 小殿原あきえ
- 重陽や真白き母の割烹着
- 小梅
- 重陽や藁もて作るマンモス象
- 小野更紗
- 重陽や延命治療拒否を記す
- 昇華
- 銅鑼鳴りて重陽に船出でにけり
- 笑松
- 棺桶に税はかかるか菊の酒
- 上市まさ
- 菊の宴おぼろ昆布に湯をさして
- 上倉すず女
- 重陽や父は貴族と誹らるる
- 上峰子
- 重陽やそろそろ夫を許そうか
- 新開ちえ
- 重九の上皇つとにお優しく
- 森 青萄
- 重陽や苦楽共にすつもりなし
- 森一平
- 枯れ岳に染み込ませたる菊の酒
- 真
- 重陽や龍の鱗の旅土産
- 真繍
- 亡母の恋叔母から聞く重陽の夜
- 神山やすこ
- 重陽や戦を経たる手のやはし
- 仁和田 永
- 重陽や会う度無精髭の父
- 水城
- 重陽の雲動きだす岬かな
- 水夢
- 重陽や人体模型の眼窩朽つ
- 酔いどれ防人
- 重陽や銘柄米ののぼり揺る
- 杉尾芭蕉
- 重陽や納屋の死角のピース缶
- 雀虫
- 重陽や添削のとめはね紅し
- 世良日守@木ノ芽
- 重陽の朝の雨戸の軋みかな
- 是空
- 重陽の夕陽を喰らひ山は黒
- 西藤智
- 重陽や水引のごと祖父の眉
- 西尾婆翔
- 禿頭を褒め合ひ撫でし菊の酒
- 誠馬
- 重陽や祖母の「三人産め」は好き
- 青海也緒
- 重陽や美濃紙を漉く如き予後
- 石川 聡
- 重陽や八十一本目の白髪
- 赤い彗星の捨楽
- 菊の日やうちのじじばば肉が好き
- 赤橋渡
- 重陽やお座敷の隅の福助
- 赤馬福助
- 重陽や刀自の帛紗は茜色
- 千葉睦女
- 重陽に染めるなら黄を良しとする
- 千仗千紘
- 重陽の宴や初めて見し従妹
- 善多丸
- 重陽や諏訪の大社の猫を撫で
- 双月(そうげつ)
- 大亀がゐる重陽のひだまりに
- 倉木はじめ
- 重陽に気づく農協カレンダー
- 相模の仙人
- 重陽や硯海の墨平らかに
- 蒼奏
- 重陽や万年筆はまだ使ふ
- 蒼鳩 薫
- 錫盃に酒の冷えあり今日の菊
- 多事
- 重陽や息たつぷりと吹き硝子
- 多々良海月
- 重陽の子の産まるるやうたふごと
- 太子
- 重陽の静かなる朝七分粥
- 駄口竹流
- 重陽の大和三山遠からず
- 大谷如水
- 重陽の空も私もまだ白い
- 鷹星
- 重陽やをのことをのこの睦み合ひ
- 拓呂
- 円を描く文具古びぬ菊の酒
- 谷川の蛍子
- 重陽の横笛髪に金の鈴
- 池田郁英
- 重陽や始皇帝は星を読む
- 池之端モルト
- 重陽のたちそうで立たぬ茶柱
- 竹 夢月
- 重陽や点滴の針やはらかに
- 竹の子
- 重陽や母の小紋に袖通す
- 竹村マイ
- 別姓のままの暮しや菊の酒
- 中根由起子
- 重陽や空の機嫌と母趾球と
- 中山月波
- 重陽や母は結構いける口
- 中村 邑
- 菊の日の日だまりに干す産着かな
- 中野こと子
- 妖怪の友持つ祖父や菊の酒
- 蝶番
- 重陽になんの集団なんだらう
- 直樹里
- 菊の酒百年分は花二片
- 直雪
- 重陽や舌にまろばす富士の水
- 直木葉子
- 重陽や百名山を靴で蹴る
- 津葦
- 重陽の酒断たば龍潜むのみ
- 津軽わさお
- 重陽やサプリはなんか嘘臭い
- 椎の木くるみ
- 重陽や母の形見の鮫小紋
- 辻が花
- 重陽や君は日課の毛繕い
- 泥酔亭曜々
- 重陽や龍に戴く犀の角
- 泥塗れのポスト
- 重陽や銭湯好きの九十九髪
- 田中耕泉
- 亡き人を軽く語るな今日の菊
- 田辺 ふみ
- 重陽やあの父を今許そうか
- 田名あみ子
- 重陽や経年の艶ほこりの香
- 都貴子
- 重陽のみづのまろやかに魚の鼻
- 土井デボン探花
- 重陽や進化していく紙おむつ
- 冬のおこじょ
- 木登りの木は重陽の風に有り
- 島崎伊介
- 重陽や人気力士の揃踏み
- 東山
- 重陽や薄紙に透く加賀の菓子
- 東尋坊
- 重陽や慣れぬ手巻きの腕時計
- 東西線イフリート
- 重陽の座敷の箏の湿りかな
- 桃泉
- 重陽や大きな頭褒められる
- 桃猫雪子
- 重陽や白寿の父の反抗期
- 桃福
- 昨日よりつめたき今日の菊の酒
- 桃葉琴乃
- 重陽や良いということ全部やる
- 藤原訓子
- 菊酒に落暉浮かべば細れ波
- 透史
- 重陽のカーラジオからストーンズ
- 楢山孝明
- 重陽や財布の中の住所札
- 日出時計
- 重陽やいづこの富士も美しく
- 忍冬
- 重陽や墓石に滲む風の跡
- 梅雨
- 重陽や配達の音が過ぎていく
- 函峰明治
- 重陽やひかりに解く真田紐
- 飯村祐知子
- 菊酒の流るる六腑長からん
- 彼方ひらく
- 歩行者を抜かす重九の車椅子
- 比々き
- 冠水の屋根に登りし菊の日よ
- 比良山
- 重陽やチラシも使う千羽鶴
- 尾上真理
- 重陽やカメラ胃を這うえずくえずく
- 美年
- 陰膳のやうなお供物今日の菊
- 柊 月子
- 御仏の若干匂う今日の菊
- 百合乃
- 重陽の決算をする露店かな
- 百草千樹Z
- 重陽や風変わること言い合うて
- 不知火
- 重陽や余生てふ身に日を貰ふ
- 富樫 幹
- 菊の日や海はつながってひとつ
- 富山の露玉
- 重陽のてんてん手鞠手が滑る
- 風間昭彦
- 重陽や父の手ずれの謡本
- 風紋
- 重陽や雨なら雨をほめてをり
- 福蔵
- 青だけの絵具と重陽の空と
- 福良ちどり
- 重陽や山頂の城雲の白
- 文月さな女
- 重陽の陽射し清かに母の床
- 聞岳
- 玉さんは奥行きはつた菊の酒
- 平本魚水
- 菊の日や砥石をすべる花鋏
- 萌
- 重陽や風と書かれし名乗紙
- 北村 崇雄@名乗紙・・・なのりがみ。組香で 回答を出すときに、書筆する紙のこと。
- 重陽や尚も艶めく姪の髪
- 北野きのこ
- 百グラムほど軽き重陽の月
- 睦月くらげ
- 重陽やもなかの皮はへばりつく
- 末尾波世遠
- 重陽や支那の土産の長命酒
- 万斛
- 重陽や旦の天より水は来ぬ
- 牟礼あおい@旦(あさ)
- 自愛とは今日の菊みる時間かな
- 椋本望生
- 重陽や富士まもりゐる茜雲
- 明惟久里
- 重陽に真珠のごとき乳歯かな
- 明明
- 六畳になお人たれば今日の菊
- 綿井びょう
- 重陽の夫の腓を擦る夜
- 茂る
- 重陽や左右非対称の折鶴
- 木江
- 菊の日や陽のこまやかに野に人に
- 木森
- 重陽や名家の門の軒に草
- 木村ひむか
- 菊の日の高座扇子は盃に
- 木塚夏実
- 墨客の枕固しや菊供養
- 木塚夏水
- 重陽や馴染みの馬の素直なる
- 門前町光乃
- 重陽や風車の列に遅速あり
- 也和
- 杉の香の箸を揃へて菊の酒
- 野ばら
- 菊の酒けふの鼓動を聴きながら
- 野々ゆか
- 重陽や鴨居の父母の顔揃う
- 柚和
- 重陽の風伴うてにじり口
- 遊飛
- 重陽を説くひと寡夫として永き
- 与志魚
- 重陽や母の紬に風通す
- 葉るみ
- 重陽やチラシの裏の老母の句
- 遥明
- 重陽のひだまりで唱歌うたふ母
- 陽気姫
- 重陽の琉球グラス泡蒼し
- 羅馬 巴里
- 菊の酒琥珀に濁りゆく記憶
- 雷紋
- 重陽や文無しとして死を語る
- 蘭丸結動
- 重陽とても新聞の訃報欄
- 利平
- 菊の酒筆跡猛き達磨かな
- 竜胆
- 重陽やしづかなる闇せおふ山
- 緑の手
- 窓伝ふ重陽に夫恋ふる雨
- 林 和寿
- 重陽やばかな花占いつづく
- 六日菖蒲
- 菊の酒今日見納めの母の家
- 六々庵
- 重陽や鏡の奥の置き手紙
- 和光
- 重陽や日差し緩くてインコしゃべるしゃべる
- 凛
- 重陽や屋上へ雲澄める朝
- 凰來賀
- 棟上げの重陽の日となりにけり
- 朶美子(えみこ)
- 重陽に傾げる除隊記念盃
- 洒落神戸
- 重陽やもう一度だけ飼う子犬
- 筬葉
- 連れ合ひとう言葉良きかな菊の酒
- 聰子
- 重陽や蒔絵をほどく日の光り
- 茉莉花
- 重陽を過ぎたる海の青さかな
- 茫々
- 重陽や寝言は母音のひびき
- 蓼科川奈
- 重陽やカレンダーに余命の〇つける
- 蘂六
- 重陽のその日の雲は光るらむ
- 蜥蜴の尻尾
- 重陽のピンポンマムと緩きジャズ
- れい
- 重陽や恩賜の煙草ふるびゆく
- 杏と優
- 重陽のレターセットは浅葱色
- 佐々木のはら
- 重陽のめすペンギンはとき色
- 座敷わらしなつき (8才)
- 重陽や開かずの金庫から古銭
- 大槻税悦
- 重陽や母へ汲みたる沢の水
- 池田香
- 重陽の手水にうつる龍の影
- 豊田すばる
- 重陽を遊ばんと買ふ菊少し
- 留野ばあば
- 花びらに軽く窪みし菊の酒
- 青柿
- 爺さまは香りだけきく菊の酒
- (聴松改め)離松
- 重陽や祖父のはにかむ市長賞
- 摂津の嫗
- 菊の日に自慢の鉢を配りけり
- 千の葉
- 重陽やチラシで折りし殿と姫
- 千恵
- 重陽やハズキルーペで書を読みし
- 網代
- 喜寿迎え親子で交す菊の酒
- 倉の人
- 重陽や電車図鑑に雨は無し
- 28あずきち
- 重陽やいずれも美味き地酒なり
- 99カリン
- 重陽や病みていのちの大事知る
- aya
- 重陽やいいことなんてこれっぽち
- be
- 重陽に走れば疾走る程に爽
- Benじい
- 重陽の昼寝や母も文鳥も
- chiro
- 重陽の今宵もひとり手酌酒
- Dr.でぶ
- 重陽や猫夜会する参丁目
- GARU
- 重陽や花弁の浮かぶ中国茶
- GONZA
- 友禅の袖にこぼすや菊の酒
- KAZUピー
- 重陽の園児に挑む老力士
- KKK
- 重陽や日々新しと義兄(あに)九〇
- PON
- 菊の酒白き大輪月になる
- sakura a.
- 重陽へ遠音さしたる小鼓かな
- sol
- 菊の酒銀河年齢小僧なる
- Vn 花のん
- 重陽を駆ける就活生へ雨
- wolf626
- 盃三つ今年二人の菊の酒
- yoko
- 重陽に父に捧げるコップ酒
- アーナンダ
- 重陽や静かな日常連れ戻し
- あおか
- 菊の日にテイクアウトの菊の酒
- アオキシゲル
- 重陽の日本人墓地花ひとつ
- アガニョーク
- 母逝かむ重ねたきや菊の酒
- あきおかば
- 重陽や百歳の噛む氷砂糖
- あけみ
- 重陽やおちょこに母のおちょぼ口
- あざみ
- 重陽や鎌倉彫りの長寿箸
- あさ奏
- 重陽や遺した銘酒供えたり
- あすなろ
- 重陽に花びらひとつ猫の水
- アマリリスと夢
- 菊の酒日韓問題苦い味
- あみだじじい
- 重陽にカリエスの友送りけり
- あめふらし
- 絵はがきを重陽の日に食むポスト
- あやの
- 重陽や友と口切る吟醸酒
- あわの花水木
- 重陽に一輪手折る指の節
- いかすみ
- 菊の日や母の口癖おかげさま
- いくらちゃん
- 重陽に海鳴りの笙猫の鳴く
- いく葉
- 重陽や後期高齢者てふ通知
- いごぼうら
- 重陽の脱穀機もうひと踏ん張り
- イサポン
- 重陽や母はますます頑固なり
- いたまきし
- 重陽を知つて仏に酒を出し
- イチロー
- 重陽の門扉に干すや傘ふたつ
- いつか
- 重陽や菊の節句と知らざりき
- いつの間にアラカン
- お呪いの酒となりたる菊の宴
- いなだはまち
- 菊酒飲む老体わかくなりにけり
- いわきり かつじ
- 重陽の夕餉はやさし微熱の吾に
- うどんこつよし
- 重陽や弱くて強い九十四
- うま子
- 重陽や加賀の「菊姫」贈りたり
- うらら恵子@菊姫は加賀の銘酒です
- 重陽の白髭は坂すべるかに
- エイシェン
- 重陽や豊かなるえのくしの酒
- えのくしひかめく隊 へやま
- 重陽に黄色一輪墓参り
- オイラー
- 重陽や八十一の免許証
- オキザリス
- 重陽の節句産まれや子だくさん
- おくにち木実
- 重陽や赤剥きされし豚二頭
- オリヒロ
- 隣座のいとこの黒子三九日
- ガオガオ
- 重陽や猫あくびして事も無し
- カオス
- 重陽や花びら浮かべ回し飲み
- かげろう
- 重陽や一人の叔父に酒贈る
- かこ
- 重陽や一人暮らしの母涙
- かずポン
- 重陽の日に選ばれし祖父の菊
- かたちゃん
- 重陽や座敷ぬくめる祖母の声
- カタツムリ
- 重陽の日の出につくるマグボトル
- かたな
- 重陽の風緩やかに西へ西へ
- かつたろー。
- 白き髪互いをわらいて菊の酒
- かつら子
- 重陽や惣菜と飲む火落ち酒
- カヅラ梅@「火落ち」は酒が腐造、つまり腐った状態を指すようです。
- 重陽や先代さんの長談義
- かぬまっこ
- 重陽や背筋のびたる母米寿
- からすちゃん
- 平安の雅伝える菊の酒
- かわしま きんや
- 重陽や透明感増す雨後の街
- キイロイトリ
- 日めくりに重陽とありちらし鮨
- ギコ
- 重陽に随喜の涙の嫁ぐ娘
- きさらぎ
- 綿被せ重九むかえる夜に酒
- きっちゃん
- 祖母の炊く飯はやはらか菊の酒
- きなこもち
- 菊の酒白内障の治りけり
- きのした 小町
- 重陽の朝外つ国の人集ふ
- キャサリンまさこ(まさこ改め)
- 卒寿過ぎ二人で祝う菊の酒
- キヨ
- 重陽やいくさを生きし父思う
- キョンちゃん
- 重陽や病気自慢の同窓会
- きりきり
- 重陽や車内の紅のくすみ初む
- くま鶉
- 重陽や墓石にある説明書
- クラウド坂の上
- 重陽の茶柱を寿(ほ)ぐ令和かな
- ぐりえぶらん
- 重陽の夜犯人を推理し合うか
- くれあしおん
- 菊の酒とくりとくりと注ぐ徳利
- くろべぇ
- 重陽に押印第二の人生を
- クロまま
- 重陽や文庫をめくる指かすれ
- ケスウヨ1101
- 重陽や墨華やかに御朱印帳
- けら
- 明静の丸み不言色の重陽
- こうまみえ
- 細き音のもの悲しけれ重陽の蚊
- こじ丸
- 重陽の祖父九十のテニスかな
- コタロー
- 重陽や軍国の母春鬻ぐ
- こてつ川
- 重陽や山路の滴風と分け
- コナラ
- 菊酒や緑色無き筑前煮
- こぶこ
- 重陽は重ね杯の訳ならず
- こんじゃのよしこ
- 重陽の赤米匂ふ祝い膳
- さくやこのはな
- 重陽をSiriと二人で談議かな
- さこ
- 重陽の宴赤子の這い出でし
- さとう
- 重陽と菊一本の茶席かな
- さとうくにお
- 重陽や墓の供物のみづみづし
- さとう菓子
- 重陽や塩大福のよく売れて
- さぶり
- 重陽や空細長く木曽の谷
- しー子
- 重陽や右手の磨く老眼鏡
- しかもり
- 潮どまりやっとありつく菊の酒
- しげる
- 重陽の宴せん切りは細く細く
- しずく@俳句ポスト初投句
- 重陽の黄色き浸し淡き味
- ジミーあゆみ
- 重陽に寝そべり夜空星無限
- シモーナ
- 出世神に登る菊の日愛宕山
- しもさん
- 重陽を知った満州牛追う子
- じゃらんじゃらん
- 古希祝う重陽の膳肉を添え
- しゅうふう
- 重陽や日暮れが丸く君包む
- シュリ
- 重陽の香りたどりて露地の奥
- じゅりあん山本
- 重陽や香港路地の爺と婆
- じょいふるとしちゃん
- 仏壇に不安ぶつける重陽日
- シロクマ太郎
- 重陽を過ぎて君との杯か
- シヲノ
- 重陽や先ずは倹しい衣食住
- しんしん
- 重陽の日とてくぐりぬ縄のれん
- すえよし
- 菊の日や土佐の皿鉢は多国籍
- スローライフ
- 一句づつ詠み合ひて酌む菊の酒
- せいち
- 重陽に祈る木魚やぽっくり寺
- せんべい
- 重陽を祝ぐ盃を揃へけり
- そめいゆ
- 重陽や今日も迷わず養命酒
- そめやまさみ
- 仏壇へ菊の酒酌む父の影
- たいき
- 人知れずしづかに一人菊の酒
- たいぞう
- 重陽や練り切り甘しお茶苦し
- たけうち晴美
- 重陽や米寿の父のサプリかな
- たけおり
- 雑色の重陽の日も閑はなし
- たけし
- 戦火をも見つめた空や菊の酒
- だけわらび
- 重陽や杯の底には花印
- タック
- 重陽や東京知らぬ百寿かな
- たま
- 重陽に卒寿の母と軽井沢
- ダリア
- 稲株や土の香に咽ぶ重陽
- たるみ
- 重陽や延命措置の祖母百歳
- ダンサーU-KI
- 菊の日や知らずに菊を生けにけり
- たん造
- 父と飲む夜が楽しみ菊の酒
- ちか丸
- AIの始動重陽の句会へ
- ちびつぶぶどう
- ビル狭間デイナータイムの菊の酒
- ちゃんごりん
- 重陽や白寿の母の細き腕
- つつ井つつ
- 曾祖父も祖父も親父も菊の酒
- つつ井つつ夫
- 重陽の清しき朝の光かな
- つわきの嫁
- 軒下の鉢置き換えて今日の菊
- ティーダ
- 重陽や孫設営の初個展
- てまり
- 重陽や女太鼓の髪飾り
- ときめき人
- 重陽や友の命日友集う
- どくだみ茶
- 日露戦争祖父の帰還や菊の酒
- トコトコ
- 連峰の富士の夕映え今日の菊
- とし子
- 菊の日や今日も夫は帰らない
- とりこ
- 重陽やひ孫の膳に弾みおり
- とわずがたり
- 菊の日や友の安否を知りたくて
- とんとん
- 重陽や重ね重ねて喜寿すぎる
- なかがわ 聖一
- 重陽や母叔母婆と同じ声
- なご
- 重陽は口実姉妹で盃重ね
- なごみ
- 重陽や夜中に食べる竜田揚げ
- なつぽよ
- 灯消すやうに死にたし今日の菊
- なつめ
- 重陽や鮨を小さく祖父のため
- なつめモコ
- 菊酒をきこす背の君五十九
- なみは
- 重陽に令和いまこそ事始め
- にゃんみー
- 重陽や少女に還る卒寿に陽
- ぬけまいり
- 重陽や大安の今日招待状
- のぶ子
- 錆びた骨車輪ギゴギゴ重陽や
- のもとみな
- 重陽や子に起こされて朝食を
- のりりん
- 「百年の孤独」にゑひぬ重陽かな
- パーネ・メローネ
- 重陽の鯛の汁碗酢橘の香
- バーバラ
- 重陽や杖つく母の影長し
- はごろも
- 重陽や石段帰る母は亡く
- はじめ
- 重陽の朝刊を手に養命酒
- ハチ太郎
- 短命が口癖の父菊の酒
- パッキンマン
- 野良仕事引き揚げて酒けふ重陽
- はなだんな
- 予定日は重陽きくと名付けし子
- ははろ
- 重陽や二十歳の猫の祝い膳
- ハルノ花柊
- 幸せの日本の印重陽だ
- ばんしょう
- 重陽に願う被災に復興を
- ばんどうまーぴー
- 重陽や眠りしままの母遠く
- ピーター
- 重陽や冷めゆくコーヒー長電話
- ピーナッツ
- 重陽の風に吹かれて喪服の香
- ひいらぎ
- めでたさのわけも知らずに菊の酒
- ひいろみ
- 初めての顔も交じりて菊の酒
- ひな子桃青
- 重陽を習ひし頃や髪黒し
- ひろ
- 重陽やデジタルよりも砂時計
- ひろくん12さいのママ
- 後何年感謝し迎える重陽よ
- ひろちゃん
- 菊の節句人形眺めゆるゆると
- ひろのじょう
- 重陽の日を回したるフラフープ
- ひろ史
- 重陽の節句とて賜はるる舞扇
- ひろ志
- 重陽や酒豪の父よひかえめに
- ピンクソルト
- 重陽の百六歳や背の丸み
- ふあんた
- 重陽の水を吐きゆく青龍よ
- ふさこ
- 重陽や朝日の弾む葉先かな
- ふたあい
- 重陽の三味線弾きや小菊てふ
- ふなちゃん
- 重九や銀杯あげて老い二人
- ふみ
- 重陽や毛槍法被の橋渡る
- ペコちゃん
- 重陽や夫(つま)に供えるワンカップ
- ぺち
- 盃の金継ぎ舐めし重陽や
- ペトロア
- 重陽も変わらずに呑むぬるい酒
- ペンギンおじさん
- 奥深きトンネルくぐり重陽の季
- ほうすい
- 重陽や「生きる」と「死ぬ」の近くなり
- ほしのあお
- 重陽の祖母の笑顔に金歯五本
- ほしの有紀
- 重陽や重ねて歩く靴の音
- ぼたんぴ
- 重陽や子が仁王立つプリン山
- ぽんたちん
- 重陽や母校の文化祭遠し
- まぐのりあ
- 重陽や車窓の向こうに由比ヶ浜
- まさはる
- 重陽や二学期始まり子等躍動
- マツイミキロウ8191
- 重陽や母のこさえる肉焼売
- まつのつとむ
- 重陽や托鉢僧の鐘壱輪
- まにあ
- 重陽に母の好物麩饅頭
- まみのすけ
- 重陽や一家離散の十二歳
- みずの風華
- 重陽や菓子職人の技光る
- ミセス水玉
- 重陽や穴でひつそりしていたい
- みどりがめ
- 重陽や祖父の年齢超えし父母
- みのる
- 重陽や夫と分けあふ菊最中
- みやかわけい子
- 菊の日や妣の着物をほどきけり
- み藻砂
- 重陽や三十六階バーボンと
- むげつ
- 菊の日の野点の茶筅しゃっしゃっしゃ
- むったん
- 重陽や貴船神社の水占い
- むべ
- 重陽の道行く人の笑顔かな
- むらたふみ
- 菊の着綿子らぴちぴちとクスクスと
- めいおう星
- 重陽の節句老兵の飲みつぷり
- めしめし
- 重陽や生き延びる訓練へゆく
- めりっさ
- 今日の菊法被駆け行く男坂
- もせきのこ
- 重陽の古稀喜寿傘寿フィットネス
- もちえちゃん
- 重陽の朝や酒蔵の跡静か
- もりたきみ
- 重陽の相槌を打つ聞き上手
- ヤッチー
- 癌治療中言い訳は菊の酒
- ヤヒロ
- 重陽やお重に添へし一筆箋
- やまぶき
- 重陽や電池の上下入れ替える
- やよえ
- 重陽や我が家で祝う一人きり
- ゆぃ
- 重陽にポストへそっと感謝状
- ゆきまち
- 重陽に還暦の宴シュラスコぞ
- ゆこげん
- 菊の日や母と餃子を包む午後
- ゆすらご
- 重陽にゾロ目の出ないダイスかな
- ゆみづき
- 重陽やすぱんと割れぬ猪口のひび
- ゆりたん
- 菊の日やすべてをOFFにして長湯
- よあけの晩
- 重陽に菊の香ほんのり酒の宴
- よつ葉
- 下鴨社巨大盛汐重陽会
- よぶこどり
- 重陽や夫婦で長寿伊勢参り
- よりみち
- 重陽の御所の砂利踏む二人かな
- ららら句
- 重陽やかつて栄えし酒の街
- りこ
- 重陽や安土の山に天守見ゆ
- リバティーさん
- 重陽や今年から吾の手製酒
- りんきょう
- 重陽やハイカラ鸚哥は満十歳
- るびちゅ
- 重陽の祈りは満ちて齡百
- るりぼうし
- 影を地に重陽の刻彷徨ひぬ
- るるの父
- 重陽や坂本九の曲歌う
- れんげ畑
- 重陽や終の棲家は軽井沢
- ロクヨン
- 重陽に華やかな杯くち苦し
- ろん
- 重陽の朝鏡台の白髪染
- わかこ
- 重陽や師の名増えたり書肆の棚
- わこまま
- 九九いまだどこか閊へて菊の酒
- わらび一斗
- 重陽や白寿の祝盛げて
- わわ
- 重陽や曽祖母が抱く新生児
- 亜久琵
- 重陽や六甲山にヘリの音
- 哀顏騎士
- 重陽は何して遊ぶ?「おとなの日」
- 梓川ヤゴ
- 重陽や遠山の陽を猫と見る
- 安田 信洲
- 重陽や伯母は目出度く痩せにけり
- 安溶二
- 重陽や扇子の要の如き母
- 伊沢華純
- 重陽や妻と乾杯赤ワイン
- 伊藤善隆
- 重陽や母の手の皺なでる夜
- 伊豆子
- 重陽の皿鉢の箸の迷ひなし
- 伊予吟会 玉嵐
- 重陽やカツ丼大盛てふ若気
- 伊予吟会 心嵐
- 重陽や父の喜の字を祝う朝
- 位子
- 重陽や白寿なぞらふ喜寿の齢
- 位相朗
- 中老前席譲られる重陽かな
- 為一暢道
- 重陽や菊の香の酒手酌せり
- 井上喜代子
- 重陽や明日は検査の結果の日
- 井田みち
- 成熟は腐る直前菊の酒
- 育由
- 重陽や長寿の家系八十路坂
- 一の介
- 「よう来たな」傘寿の義父や菊の酒
- 一井蝸牛
- 重陽に生まれし友の七回忌
- 一碁一会
- 長命の母に一献菊の酒
- 一走人
- 重陽や安分守己を疑はず
- 一茶お
- 重陽のもてなす盃の塗り朱し
- 一呆堂
- 重陽や何故に女は長生きか
- 壱太
- 地蔵に供える歳を数えて今日の菊
- 宇宙生物ぷりちーぴ
- 重陽やゴールテープを切る百寿
- 宇田建
- 亡き友と語りつつ酌む菊の酒
- 烏兎
- 重九の鳩境内を歩くくまなく
- 羽沖
- 重陽やバーボングラスは二つだけ
- 羽光
- 重陽を知らねど菊を眺めおり
- 雨霧
- 重陽や癌の身ゆえの祈りあり
- 映千
- 重陽や三キロ泳ぐ知多の海
- 栄魚
- 重陽や写真立と杯交わす
- 英ちゃん
- 高階に棲みつき酌むや菊の酒
- 英子
- 菊祭りなじみの花に尊貴あり
- 詠初人
- 重陽や先逝く友の墓の前
- 詠野孔球
- 菊の日や呑兵衛背戸で一眠り
- 円
- 重陽の日を跨ぎゆく猫ありて
- 乙子女
- 筆を振り重陽の風に毛先見る
- 音澤 煙管
- 重陽に老いて運動赤き肉
- 下村ひじり
- 重陽や酒は薬か薬物か
- 佳山
- 重陽の鯛に添えるや柚子胡椒
- 加和 志真
- 子ら皆んな卒寿祝に重陽の日
- 嘉藤次
- 菊の日の清し朝間やひざに猫
- 夏雨ちや
- 菊の酒より健やかに生きる術
- 花咲明日香
- 重陽や変はらぬ声の転移の日
- 花節湖
- 重陽菊散らす酒祖父とほす
- 花村マン
- ランニングシューズ新調する重陽の日
- 茄子紺
- 重陽のエアメールから見知らぬ香
- 茄子美
- 重陽でチンドン歩く背負いビラ
- 我省
- キャンバスに重陽の空重ね書き
- 蛾触
- 重陽の日に教室のにおい立つ
- 雅鬼
- 重陽の浮かべ立つ香の猪口かわす
- 雅由
- 重陽や充電中のペア時計
- 海葡萄
- 重陽や久方に読む唐詩選
- 海風山本
- 重陽に思ひ出したる祖父の庭
- 海野しりとり
- 重陽や鴫立沢の葉音かな
- 垣内孝雄
- 重陽の日さて我どこに座らむ
- 楽花生
- 重陽や野球に夢中の生返事
- 笠原 理香
- 重陽といひ一鉢の菊買はせむと
- 梶 鴻風
- 重陽の印を探す整体師
- 葛城広光
- 鶴の酒亀の酒もて菊の酒
- 釜眞手打ち蕎麦
- 菊の日の煌いているハーモニカ
- 瓦すずめ
- 重陽やするりと抜ける風の有り
- 勘太郎
- 重陽の見上げ歩くや日本橋
- 幹弘
- 喜寿となり胃袋の無き菊の酒
- 甘泉
- 低山の三角点へ重陽の酒
- 岸 れん
- 重陽や淀の三千駆け抜けろ
- 岩田テツゴロー
- 久々の菊の酒なる香に酔ひぬ
- 喜多輝女
- 着せ綿に菊花の香もほのかなり
- 喜多野羆
- 重陽や青海波舞う二本松
- 希平
- 重陽や酌み交わそうぜ大吟醸
- 希林
- 重陽やひやくひやくと酒を酌む
- 幾恋良石
- 重陽やこの日に長女授かりき
- 気のまま風
- 重陽の優しき影は遠く伸び
- 季凛
- 重陽や鶴折る義母は百近し
- 紀杏里
- 菊の酒父へ届けに船に乗る
- 紀子
- 重陽や長寿家系に生きている
- 貴桜李
- 重陽や革靴硬く履きにくし
- 軌一
- 重陽や一合五勺の酒に酔う
- 輝峰亭
- 重陽や歌はわが夢機材乗せ
- 輝棒
- 重陽や手すり直下の街縮図
- 亀の
- 極上の孤独を連れて菊の宴
- 吉 や
- 重陽や祖母のくちぐせケセラセラ
- 吉井いくえ
- 重九の酒温めるいそいそと
- 吉村よし生
- 重九の自由席逆さにしてみたり
- 吉野川
- 父恋の菊の香愛でる菊の宴
- 桔梗
- 重陽や遊び舟にも酒の宴
- 桔梗松山
- 重陽に菊の酒飲む今日も飲む
- 丘 るみこ
- 重陽やねこにあくびをうつされる
- 久坂晶啓
- ありがたき長寿を得たり菊の酒
- 久仁重
- 菊慈童菊水を飲み長寿かな
- 宮写楽
- 重陽に想う心はさまざま
- 宮島ひでき
- 重陽や希望の松の真直ぐに
- 宮﨑紅清
- 菊の酒や薄い埃の縁側で
- 漁港
- 菊の日や火酒やわらげるやうな夜
- 魚狐
- 重陽や婆の十八番は「青春時代」
- 京丸
- 重陽や甥っ子九九のおぼつかぬ
- 京野さち
- 重陽の夕日やマリア像照らす
- 鏡葉
- 日めくりの重陽に辞書ひく子かな
- 玉井 瑞月
- 菊の日を創立の日とした社長
- 玉井令子
- 重陽や点滴リズミカルに落つ
- 玉和
- 仏壇の一片拾い菊の酒
- 桐亜
- 重陽や饅頭三個母に買ふ
- 金子加行
- 重陽の酒に涙の少し入り
- 金治宜子
- 菊姫てふ酒くみて菊の宴
- 金太郎
- 古伊万里の赤絵冴え冴え菊の酒
- 銀命堂
- 重陽やはなのきく妻酒をつけ
- 銀蜻亭
- 重陽や優しいかおりぬるめ酒
- 句詩呼
- 重陽や毎年届く芋焼酎
- 空
- 菊の酒誰もおらぬか夜も更ける
- 敬之
- 重陽の膳の大鉢唐津焼
- 蛍子
- 菊の日や伊勢の砂利石踏みしめて
- 蛍川
- 重陽の宴を子規と漱石と
- 鶏肋堂
- 重陽や下校児童のににんが四
- 月城 花風
- 重陽に今日の日付を書く検査
- 嫌佐久
- 重陽の実家の母が老いにけり
- 研知句詩
- 重陽の杯に花弁を浮かべけり
- 元喜@木ノ芽
- 重陽や二人目となる元夫
- 元々まき
- 重陽や赤白黄生けし恩師の手
- 元木まだら
- 同窓のあいつが来ない菊の宴
- 古都 鈴
- 重陽に山登りゆく家族かな
- 己心
- 重陽や王維の韻のしんしんと
- 枯丸
- 重陽や祖母の涙とペペルモコ
- 光風
- 重陽や杖つく方に抜かされぬ
- 光本弥観
- 長生きもほどほどが良し菊の酒
- 光友
- 重陽や高野に続くざんげ道
- 公毅
- 重陽や湯気立つ町の饅頭屋
- 幸
- 重陽の光に溺れ新生児
- 広瀬 康
- 重陽や父の名の載る長寿録
- 江戸人
- 重陽や弁天像のほの白き
- 江里口泰然
- 重陽や腕くみてれる古希ふたり
- 甲山
- 重陽や竹馬の子の尋ね来し
- 紅さやか
- 重陽や糊まっすぐのシャツ掲ぐ
- 紅塩寝子
- 誕生日明日は重陽の節句なり
- 香栄
- 重陽の夜を見下ろしてショットバー
- 香野さとみZ
- 重陽や蒸籠の箍のはずれさう
- 香羊
- 父米寿祝い早めて重陽に
- 高橋笑子
- 重陽のひたひた純米吟醸酒
- 高橋寅次
- 重陽や牛連れたれば長き道
- 高田祥聖
- 重陽やめでたづくしの夜となり
- 国代鶏侍
- 重陽や移ろふ母の表情筋
- 黒うさ狐
- 菊の日に咲き始めたる菊の花
- 今井佳香
- 苦を重ね後楽を待つ重陽に
- 今田 梨
- 重陽やあれぞ飛竜の呼びし雲
- 今田無明
- 重陽や修学旅行の列長く
- 根本葉音
- 重陽や仰いで嬉し年輪よ
- 佐山夕子
- 香港の怒号重陽の警棒
- 佐東亜阿介@ありす句会
- 重陽や風は煙の香りかな
- 佐藤こはる
- 暮らしいちめん重陽のスカイツリー
- 佐藤儒艮
- 九九聞いて饅頭食わす重陽の婆婆
- 佐藤文旦
- 重陽や誕生日の日の墓まいり
- 彩然
- 重陽やあふるる杯の一しずく
- 細木さちこ
- 菊の日の着せ綿裾踏む吾子笑う
- 榊裕江子
- 重陽や高みの席で酒を呑む
- 咲耶とこ野@木ノ芽
- 被綿(きせわた)の白ばかりなる今日の菊
- 桜姫5
- 重陽や老いぬ白肌菊慈童
- 桜夜月子@木ノ芽
- 重陽やマカロン五色を若友へ
- 札六(関屋@和祝句会)”若友”は辞書にありませんが”老友”を倣って造りました。
- キャラ弁の蓋に海苔つく菊の宴
- 雑草おばさん
- 重陽や時の流れ水の如し
- 三寺ひろみ
- 重陽に響くペン音方程式
- 三大夜景
- 重陽や三代夫婦橋渡り
- 三毳
- 重陽や婆さま今日はよう食べる
- 山下高
- 箪笥から一枚引きづり出す重陽
- 山口たかえ
- 重陽に座敷童子と酒酌す
- 山口雀昭
- 菊の酒山また山の故郷よ
- 山口富子@Mamaly House俳句道場
- 重陽や箸先揃え正対す
- 山香ばし
- 古九谷で酒究むるや菊の宴
- 山踏朝朗
- 重陽を知った今年は黄盃
- 山部コルチ子
- 重陽や手ぶらで見舞う伯父の病室(へや)
- 山部の大野
- 重陽の椀に映りし古稀の顔
- 山野はな
- 菊の日や胃瘻の祖父のかろきこと
- 山陽兵
- 重陽や友より米をいただきて
- 糸慌@木ノ芽
- 重陽や祖父の形見の将棋盤
- 紙威
- 重陽やいつしか母は菊を生く
- 紙鍵盤
- あたゝめるこゝろね温し菊の酒
- 紫雲英
- 酒好きの父に供える重陽の盃
- 紫花
- 闇闇に閻魔も舐めし菊の酒
- 紫鋼
- 父の椅子座りて母と菊の酒
- 紫香
- 重陽や師を思ひ酌む薬膳酒
- 紫香菫
- 重陽や手術無事済み妻と子と
- 紫紋
- 重陽や父の位牌にウイスキー
- 紫蘭
- 幾ばくか重陽踏まえ明日に馳せ
- 詩楽麿
- 菊の日や三年振りの里帰り
- 試行錯誤
- 重陽の日に包み込む餃子かな
- 時化田白金
- 重陽や静かな里で祝う人
- 治もがり笛
- 重陽も会へぬなればこそ引導を
- 汐
- 盃を舐めて血は燃え菊節句
- 式子
- 菊の酒白寿に向かい飲みくらべ
- 七生姫
- 重陽の夕陽優しく震災地
- 篠田ピンク
- 重陽の願ひも切に菊酒断ち
- 柴原明人
- 重陽に聴く祝典円舞曲
- 縞午
- 下戸なれど無病息災菊の酒
- 舎人
- 菊の酒あては下山の川魚
- 斜楽
- 重陽やAsahiマークのコップ酒
- 紗々
- 未熟児に産まれし兄よ菊の酒
- 紗千子
- 重陽や心静かに厨立つ
- 紗智
- 重陽や大樹の逸話守る家
- 珠桜女絢未来
- 重陽や犬へプリンと名を付ける
- 珠凪夕波
- 重陽や酒の口実数多あり
- 樹朋
- 重陽や十を超えたる内服薬
- 宗本智之
- 断捨離も進まぬままに重陽か
- 州芳
- 手術日の縁起担いでおくにちに
- 秋月なおと
- 重陽や任務復帰の見守り隊
- 秋月流音@木ノ芽
- 重陽や心づくしの膳の味
- 秋桜
- 重陽や父は平均寿命超え
- 秋乃智春
- 重陽に自転車つらなり寺の前
- 秋籠る
- 重陽や加賀に菊酒醸す蔵
- 重翁
- 重陽や柱のきずをなぞりたり
- 塾志
- 重陽の日に居酒屋の一合酒
- 俊夫
- 重陽や真綿に濡れし命水
- 春果
- 黒門の弾痕撫でる今日の菊
- 春川一彦
- 重陽や遺影の夫と赤ワイン
- 春日
- つなぐ手の温か菊の節句かな
- 春日春都
- 重陽の日暮れ見たりし花寂し
- 春来燕
- 重陽や手帳片手に朝支度
- 准壹
- 重陽や重なり重なれ良い事よ
- 淳 絵樹
- 菊の日の太極拳の朝かな
- 順女
- 重陽やチンピラのまま年老いて
- 小エビ
- 陽の高きうちに湯に入る菊節句
- 小熊伸子
- 菊の酒杯をしみじみ米寿かな
- 小熊利雄
- 重陽や倅が家を持つと言ふ
- 小山晃
- 重陽や父の十八番の「帰り船」
- 小春
- 重陽の空気の美味し握り飯
- 小石日和
- 重陽や乙なものよと手酌酒
- 小川都雪
- 重陽に香りでしみるコップ酒
- 小池デカ
- 喜寿祝い孫の手からの菊の酒
- 小塚 蒼野
- 重陽や何とはなしに犬洗う
- 小椋チル
- 重陽や長き根に雨今日も落つ
- 小柳ちこ
- 重陽に忍ぶものあり去つて行く
- 庄司直也
- 此の先も妻と酌みたし菊の酒
- 承穂
- 重陽や仏花下がりを生け直す
- 松井くろ
- 重陽の夜羊水を揚々と
- 松浦麗久
- 重陽や床に重ねし週刊誌
- 松永裕歩
- 重陽や長寿祝いし子ら歌う
- 松山のとまと
- 重陽の風よ最後の同窓会
- 松山めゐ
- 重陽やペーロン漕ぎの太き腕
- 松山女
- 重陽の生きる手本や青き空
- 松子
- 重陽の日のひらかたパーク整理券
- 松茶 巴@プレバト木ノ芽
- 重陽の天窓渡る雲の舟
- 松田てぃ
- 菊の日や虎屋羊羹賜りて
- 湘輝
- 今日の菊卒寿の母と迎へたし
- 焼津昌彦庵
- 菊の酒快気祝となりにけり
- 照波
- 三世の白寿の舞や菊の酒
- 笑酔@井上流三世井上八千代は白寿の会で「桶取」を舞いました。
- 重陽や日差したっぷり蔵の壁
- 上江洲 睦
- 重陽や潮の引きたる浜しずか
- 城山のぱく
- 重陽や分家の孫はもう高二
- 常光龍BCAD
- 重陽や宇宙(そら)のしじまに深呼吸
- 常陸人
- 見得を切る人形たちし菊節句
- 植木照美
- 重陽や母の枕に菊ポプリ
- 信
- 難聴に触るラジオの重陽報
- 寝たきりオヤジ
- 古希過ぎのはらから集ひ菊の酒
- 慎吾
- 重陽の膳に鎮座す母の味
- 新田 淑
- 重陽や腕のたるみを笑いあう
- 新藤柑子
- 重陽や痺れ正して膳を立つ
- 森の水車
- 重陽やふとき声する剣道場
- 森田鞠子
- 重陽やふりだしに戻る賽の目
- 森陽子
- 重陽や夫の遺せし老眼鏡
- 深山 紫
- 重陽や青年団は四十路越え
- 深草あやめ
- 重陽や従姉肌脱ぐ花骨牌
- 深町 明
- 重陽の日のデパートの観覧車
- 真宮マミ
- 重陽や童女に帰り母卒寿
- 真咲子
- 重陽にピンピンコロリの願かける
- 真珠星倫世(スピカリンセ)
- 重陽や米寿の母の車椅子
- 真林
- 重陽や旧姓使用途など聞くな
- 神宮くみち
- 重陽や胃ろうの父へ菊の露
- 仁葉
- 重陽や夫の盲腸跡なぞる
- 逗留舎なお
- 重陽やスダジイの根は龍のごと
- 水間澱凡
- なあお前持ちつ持たれつ菊の酒
- 水木 華
- 重陽を祝ってたらと悔いのこる
- 水緑
- 重陽の散歩は犬と四拍子
- 粋田化石
- 重陽や訪ね来君と酌み交わす
- 翠穂
- 令和開く軍靴ならさず重陽に
- 酔芙蓉
- 重陽や朝の手習い王維の詩
- 数鉄砲
- 重陽のむらさき似合う古稀となり
- 杉浦夏甫
- 菊の日や老いた母連れ聞く落語
- 杉山 千歳
- 七百年生くる意欲や菊の酒
- 杉本とらを
- 長登楼御膳に余る菊の盃
- 雀狼蘭
- 重陽や生春巻を懐かしみ
- 澄海
- 嬉しさや病明けたる菊の酒
- 瀬々葱坊主
- 漁場まで重陽の船風を見る
- 星降松
- 薄れゆく重陽祝う浮世かな
- 星野美咲
- 重陽や集いてくらうホテル酒
- 晴海南風@木ノ芽
- 空近し菊の節句のロープウェイ
- 晴日和
- 小指立て重陽の酒酌みにけり
- 正木羽後子
- 重陽や無口な父の傘寿祝ぐ
- 清水祥月
- 重陽の白き締込み上がる息
- 清白真冬
- 菊の酒肴は星座ペルセウス
- 西山哲彦
- 菊酒やグラスの紅をそっと拭き
- 西川あきや
- 重陽や白髪の父の写生帖
- 西村 小市
- 術後良き義母重陽の酒を舐め
- 西田武
- 重陽に母の白寿を祝いたり
- 青玄
- 重陽や長寿祝いの八十路の日
- 青修
- 一人の夜菊酒飲んで酔うてみる
- 青泉
- 菊を観て母偲ばるる菊の盃
- 青鷹
- 重陽の厄を祓わん惣宗寺
- 青柘榴
- 重陽や今日着る服を迷う朝
- 青木豊実
- 重陽や展望階の日は真横
- 青嵐
- 重陽に礼を正して座る稚児
- 静香
- 重陽の空にドローン登りゆく
- 石井茶爺
- 重陽や丘に登りて愛叫ぶ
- 石岡女依
- 重陽を祝日のごと過ごしたし
- 石川焦点
- 重陽の茎切り落とすこの皺よ
- 石楠花子
- 重陽や菊の御紋の小盃
- 折口一大
- 重陽や生きよ生きよと花の咲く
- 千波
- 重陽の酒金杯を供えけり
- 占新戸
- 喉仏上がり飲み干す菊の酒
- 川越 のしょび
- 菊の酒花も命を伸ばしをり
- 川越雷鳴
- 重陽の厨の引き戸軋む音
- 川岸輪子
- 重陽や晩飯は一汁二菜
- 川口みち
- 菊の日や明るさ残す風流れ
- 川島 欣也
- 重陽や世はオレンジ色に染まり行く
- 浅河祥子
- 重陽や九十九の母背に軽し
- 浅見弓楽
- 細杯に酒をうけよや二日月
- 浅野瑞
- 重陽や立砂白く尖りけり
- 船岡遊子
- 重陽やいそいそと出す大吟醸
- 禅十郎
- 重陽の朝に佇む殻一つ
- 祖乞
- 恩師勇ましき重陽の生まれ
- 相沢 雨
- 声揃ふ跳躍面は重陽に
- 草青
- 重陽や菊花の約の書に遊ぶ
- 蒼
- 重陽の宴に主役の花は無く
- 蒼香
- 重陽の烏相撲や賀茂の宮
- 蒼水
- 重陽や納豆鉢に卵一つ
- 霜月
- 菊供養遠き未来に地球死す
- 即吟のコタ
- 重陽の薪割りたる背彫り深し
- 村崎 雫
- ふたりきり菊の節句の晴れ渡る
- 村上 無有
- 菊の日の品評会の人の列
- 多聞仙
- 魏の王に肖り菊酒酌み交わす
- 泰然
- 重陽の日差しやはらか露地に入る
- 鯛 風
- 重陽や稚児行列の鈴の音
- 大井河薪
- 重陽や朴歯鳴らして帝大生
- 大三郎
- 重陽やはるか海原見て一献
- 大村真仙
- 重陽を切手一枚足し手紙
- 大塚迷路
- 重陽や真白き乳歯生え揃い
- 大坪 美智子
- 重陽や我靴誰か履いて行く
- 大和田美信
- 重陽の家計簿「婚」の出費かな
- 沢田朱里
- 花びらを一枚噛んで菊の酒
- 達哉
- 白山に立てる媛神菊酒の香
- 谷口詠美
- 重陽の賑わうジムのシニアかな
- 谷山みつこ
- 重陽や盃にむせ老いを知り
- 谷田藪辛子
- 重陽の酒酌み交わすゴルフ場
- 知子
- 重陽の未だ理想を語る君
- 地に根ざし陽に伸びる
- 重陽なんて知らない素数は無限
- 地球人
- 母の菜肴に父は菊の酒
- 智雪
- 重陽や夫と息子の分を生き
- 池と堀
- 重陽の九時九分に切符買う
- 竹さ
- 重陽や父の齢を疾うに越へ
- 竹庵
- 重陽や診察室の咳払い
- 竹内みんて
- 重陽や顔施明るき癌の人
- 竹福
- 菊の酒恩師の言の重しかな
- 竹林
- 乙女等は重陽の儀式微笑みて
- 茶
- 重陽のたそがれ室に白き花
- 茶々
- 永らへて令和の菊の酒を汲む
- 中井清心
- 重陽や千年秘める御所の風
- 中西柚子
- 重陽や軒先並ぶ笑顔なり
- 中野久子
- ぼんやりと白内障に菊の酒
- 仲七
- 重陽や父十八番の黒田節
- 宙のふう
- 重陽やトンテンカラリ下駄の音
- 昼行燈
- 重陽の日も一匙の黒酢から
- 衷子
- 重陽や今は新暦風足りぬ
- 朝ぼらけ
- 重陽の月映す酒ちびりちびり
- 朝桜咲花
- 重陽を爪切りの音響かせて
- 潮ベルト
- 美濃和紙の宴の品書今日の菊
- 長谷川 ひろし
- 重陽や正座を解いて下駄を踏む
- 長田写々
- 30℃超えし日冷の菊の酒
- 鳥好き
- 重陽の風は一生吹き渡る
- 津軽ちゃう
- じょっぱりの酒穏やかに菊の宴
- 津軽まつ
- 杖をつき節句忘るる重陽や
- 鶴田梅勝
- 重陽の夜具の重さや雨の音
- 堤 文月@ありす句会
- 重陽や恩賜の銀盃磨かれて
- 定吉
- 菊酒や帰る度深くなる皺
- 哲太
- 重陽や玄関脇に杖二つ
- 哲也
- 重陽や母校にでんと優勝旗
- 鉄道員
- 重陽や父も飲むはずだった酒
- 天水郷
- 重陽や白き締め込み土色に
- 天晴鈍ぞ孤
- 重陽の母の一日重くなり
- 天陽
- 菊の酒盃飲む写真若かりき
- 貼女(ちょうじょ)
- 重陽の青い空にまるを描く
- 田村美穂
- 丁寧に齢重ねたし菊の酒
- 田中ようちゃん
- 田楽の塗り少し剥げ菊の宴
- 田中勲
- 重陽や万菊丸と芭蕉翁
- 田邉真舟
- 重陽や時計回りの大風車
- 斗三木童
- 重陽の茶会の黒楽手になじむ
- 渡邉くるり
- 重陽の生みたて卵買いに行く
- 都乃あざみ
- 重陽や逝きし友らと杯重ね
- 土屋 木漏れ日
- 重陽や力士の座るパイプ椅子
- 嶋田奈緒
- 重陽や陶然として返盃す
- 桃香
- 重陽やタイムカードを無事に押す
- 桃和
- 重陽に疾く過ぎ行くや上半期
- 湯呑
- 菊酒と子の顔触れし午前二時
- 灯路奈
- 重陽の窓口係山田さん
- 当卯
- 重陽やマルシェの客は婆ばかり
- 藤すみ
- 重陽や寂しき酒は冷で飲る
- 藤郷源一朗
- 重陽や里親会の姉妹猫
- 藤色葉菜
- 親分に挨拶されて今日の菊
- 藤鷹圓哉
- 菊の日や故郷のなんと遠きこと
- 藤田康子
- 重陽や裾分けの野菜どっさり
- 藤田真純
- 重陽や核なき明日を希う
- 藤野あき
- 銘々に咲け里山の今日の菊
- 豆闌
- 邪気払い蟒蛇となる菊の酒
- 陶然
- 菊酒やキャッシュレスてふ憂鬱よ
- 瞳
- 母囲み米寿の宴菊の酒
- 瞳子
- あの一打ひと転がりの菊の酒
- 童好
- 重陽や金杯の酒まろくなり
- 徳
- 重陽や祖母の形見の絵葉書の旅
- 徳本あつ
- 重陽に足を伸ばして長風呂を
- 豚ごりら
- 重陽の襟を正して点前かな
- 那須の田舎者
- 喜寿の父称えるやうに菊の酒
- 南雲風花
- 重陽やまだまだ欲しき岩清水
- 南風
- 重陽の実家のテレビは水戸黄門
- 南風紫蘭@木ノ芽
- 重陽とはうらはら軽くなる日射し
- 楠青庵
- 重陽や痛風腫れて空青く
- 二上松風
- 還暦や禁酒を解いて菊の酒
- 二葉ミノル
- 重陽や「なんでやねん!」を言わせる日
- 尼島里志
- 重陽や遺影の父に缶ピース
- 日下まひろ
- らい病める指に盃菊の酒
- 日記
- 重九や海風憩ふスタジアム
- 日午
- 重陽や六法全書電子版
- 日田路
- 重陽に献花献灯弥陀の前
- 日本酒
- 菊の日やゼブラゾーンのガラス片
- 入口弘徳
- 重陽の病んでる雨を癒す海
- 猫ふぐ
- 重陽や尾上の爺婆の共白髪
- 猫楽
- 重陽や又三郎の去りし朝
- 猫渓
- 重陽の菊香の腕を撫でてみる
- 猫舌扁平足
- 重陽やフルーツティーに酔ふ夜市
- 播磨陽子@いつき組花野句会
- 一株に九十九輪の今日の菊
- 馬場東風(とうふう)
- 重陽やあだ名飛び交う同郷会
- 馬場馬子
- 重陽を口実に酒苦笑い
- 馬門宗太
- 重陽よ登坂極めし九十九折
- 俳ビギ名
- 重陽の杯に浮かぶや菊の花
- 俳菜裕子
- 重陽の別れしことも夢だらう
- 背馬
- 重陽や仏壇に置くコップ酒
- 白井百合子
- 重陽に菊を折りとるブルドーザー
- 白居千夜
- 重陽や琴ひく吾子の参観日
- 白銀のシリウス
- 重陽と言えども呑めぬものは呑めぬ
- 白傘
- 重陽や兄妹(きょうだい)そろって一等賞
- 白山
- 重陽や同じ齢の父の墓
- 白瀬いりこ
- 独酌に重きちろりや菊の酒
- 麦吉
- 結局は人はひとりね菊の酒
- 函
- 重陽や歩幅ひろげて空を見る
- 畑 詩音
- 重陽や恥ずべきことは胸に秘め
- 畑山六十二
- 重陽や赤の服なる歩こう会
- 八幡風花
- 菊の酒祖母の遺影を選ぶ母
- 半熟赤茄子
- ぐっすりと眠れぬ重陽闇に問う
- 比呂
- 今日の菊夫には言へぬ独り言
- 緋路
- 飲んべえの娘が嫁ぐ菊の酒
- 尾張の黒うさぎ
- 明日もっといい日になるよ重陽節
- 美翠
- 重陽に何を食べたらいいんだか
- 美浜美幸
- 重陽やぎゃーていぎゃーていと真似る子
- 稗田鈴二郎
- 重陽の雅な舞と色の歌
- 富士子
- 笑みといふ美しき光を菊の宴
- 武井かま猫
- 盃の重陽酒に赤ら顔
- 風らん
- 重陽や山の端くきりと見えてをり
- 風花まゆみ
- 重陽に盛りも復つや吟醸香
- 風慈音
- 重陽の「お題」に開く古季語辞書
- 風知草
- 重陽や菊の名醸す杜氏の技
- 風峰
- 重陽や一人夜更けの着信音
- 風由花
- 重陽の意義考える菊の酒
- 風利尾
- 重陽や全部持ってけ邪気弱気
- 風林亭
- 重陽や大幣を振る神主さん
- 風鈴
- 上賀茂の立砂とびし重陽かな
- 服部勝枝
- 長生きはもういいと飲む菊の酒
- 文月栞
- 重陽やいいことあるか卒寿なり
- 平康
- 重陽や老いには老いの華の顔
- 平四郎
- 重陽の酒柔らかし差し向かい
- 平松洋子
- 願わくばピンシャンコロリ菊の酒
- 平野水麦
- 菊酒ゆれて麒麟の駆ける天地かな
- 碧西里
- 菊の酒ささやかなこと慈しむ
- 片栗子
- 重陽や祖母の帽子を買いに行く
- 勉邪明
- 菊の日にひらがなだけのはがきくる
- 弁女
- 手捻りの猪口に供ふる菊の酒
- 峰泉しょうこ
- 記念日や今年も忘れぬ重陽に
- 方寸
- 重陽のほころぶ花や寄せる耳
- 芳
- 重陽や青空へそそぐ薬効を
- 鵬
- 重陽の朝マヨネーズ固くおり
- 暴朴
- 重陽や薬は増えて数合はず
- 望月ゆう
- 重陽や掌に書く人人人
- 北大路京介
- 重陽の喫煙室で父偲ぶ
- 北溟
- 重陽や菊の飾のことごとし
- 凡々人
- 重陽の日の車椅子縁側に
- 麻呂助
- 重陽や空家の庭で鳥笑う
- 末摘花
- 重陽の日の清拭を変りなく
- 万喜ミツル
- 菊の日の箱根峠足元注意
- 満る
- 菊の日や長生きせぬと九十歳
- 未貫
- 重陽やヨガの帰りの空を呑む
- 未知
- 重陽や天寿を終へし白き顔
- 未々
- 重陽の雨冷たくし1人道
- 妙光@木の芽
- 重陽や鉢を並べて祖父自慢
- 眠 睡花
- 重陽やポップコーンと見る夜景
- 眠る烏龍茶
- 重陽や五歳と向かう将棋盤
- 夢堂
- 国境の島に笑顔や菊の宴
- 霧子
- 重陽の街はんなりと舞妓往き
- 明石焼穴子
- 重陽の雲ひとつ無き出羽三山
- 妄 児
- 菊の日に電話待つ姉ネイル塗る
- 網野れいこ
- 菊の酒三段昇格祝膳
- 木寺 仙游
- 重陽やせめて病院の屋上で
- 木乃伊
- 重陽や遠く近くに舞う鱗
- 木綿
- 重陽を祝うも悲し父母の墓
- 野うるし
- 菊の日の「ではまた」からの長話し
- 野の花誉茂子
- 頂や重陽に飲む水と空
- 野地垂木
- 独り身や口には苦き菊の酒
- 野中泰風
- 重陽や火照りを修め沢の水
- 野々原ラピ
- 祖母に詫び墓前に供えるけふの菊
- 矢的@第二まる安
- 重陽の白き鳩出す手品かな
- 柳児
- 重陽や室礼にある菊二輪
- 悠久
- 重陽の杯に映るは富士の山
- 有田みかん
- 菊の節句椀の一輪香り立ち
- 柚月
- 重陽の鍋へ菊花を放ちたり
- 柚木みゆき
- 盃に月の浮かぶや菊の酒
- 遊亀子
- 竹二叢殿上人は菊の酒
- 遊山人
- 掲額は敬天愛人菊の宴
- 遊泉
- 重陽や西の高野へ徒歩詣で
- 余熱
- 重陽や囲碁を打つ音響き来る
- 与六
- 重陽や愛でるものなき庭の花
- 葉月けゐ
- 重陽や月光注ぐ鉄塔婆
- 葉月のりりん
- あの人の息災願い注ぐ菊酒
- 遥風
- 大病を笑う同好今日の菊
- 欲句歩
- 重陽の万物うつす銀の盃
- 羅風音
- 6の段の黄色は褪せて菊の酒
- 藍時 湘
- この先に何をするとて菊の酒
- 藍植生
- 重陽や羽風やおらに木の実落つ
- 蘭子
- 重陽の故郷遠く茜雲
- 里甫
- 重陽や我が名忘れた父と母
- 立石神流
- 重陽の祖父九九繰り返す息子
- 立髪
- 重陽や暮れつ方には酒薫ず
- 立歩
- 淵明をまねて悪筆菊の酒
- 琉璃
- 皺ふへし手が浮かべたり菊の酒
- 隆松
- 草なびく日も暮れ行きし菊の酒
- 龍秀樹
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- 令雅
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- 鈴木麗門
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