兼題「色鳥」に関するお便りを紹介します。
**********************
●今回の兼題は「色鳥」です。角川の大歳時記によれば「主に秋に渡ってくる小鳥たち」とのこと。「色鳥」の「色」は「色々(な種類の鳥)」のことだったり、「色どり(の美しい鳥)」といった意味らしいです。春にやってくる鳥たちは、その「囀りが美しい」とされる一方、秋にやってくる「色鳥」たちは、「姿が美しい」とされます。歳時記の「色鳥」の近くには、「渡り鳥」も掲載されています。(日本へ)「秋に来る冬鳥」であり、渡りの目的地がより南方の旅鳥が渡っていく様も「渡り鳥」として詠まれるとのこと。大群で渡る姿が印象的な季語だと言います。色鳥と渡り鳥を比較すると、日本に渡ってくる鳥という点は同じです。違いとしては、「色鳥」は多種の小鳥。「渡り鳥」には雁や白鳥など比較的大きな種も入る。「色鳥」は渡ってきた鳥の多種な色に焦点が向けられている。「渡り鳥」は渡ってくる(渡ってきて過ぎていく)という行為に焦点が向く。というところでしょうか? また、「色鳥」という季語には、複数の鳥、複数の種類の鳥が一画面に収まっている。一羽一羽の鳥に焦点を当てると、マヒワやジョウビタキといった個々の種の名を季語として使う方がいい気がします。一方、空高く渡りを行っている鳥の姿は、色がはっきり捉えられないので、これは違うなぁ、となりました。そんなことを踏まえて、作句と選句に移った今回です。よろしくお願いします。/千代 之人
***********************
※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。
写真タイトル:道後温泉本館 振鷺閣(昼)
写真参照元:https://dogo.jp/download