お便りを紹介します。
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●今日は「俳句あるある」の一つについて書こうと思います。俳句というよりも「詩」、いや、もっと広げて「文芸、文書あるある」なのかもしれません。みなさんもこういう経験がおありだと思います。それは朝から一日中一つの俳句を作り、ああでもないこうでもないと、いじくりまわした結果、夜も遅くに一つの俳句が完成します。「これでよし」と閉じて一晩眠ります。そして翌朝ノートやパソコンを開いて読み直します。すると昨晩寝る前には感じていなかった変な違和感があるのです。「やっぱりこれじゃダメか」と思って、また作り直しを始めます。そういう繰り返しが何日も続くのです。従ってその日の初見、或いは一旦閉じて何時間か経た後に見直しても違和感がなくなるまで、作品の完成にならないのです。これはなぜなのかと考えました。要するに書き終えて、ある時間が経つと、自分の頭脳というか感覚が一旦リセットされるのです。それはこの俳句を初めて見る読者と同じになるということなのです。従って、この句を初見した読者が違和感を持たないようになるまで、その作品は完成したと見做さない、というのが作者に必要とされる努力ということになるのでしょう。どうでしょうか、心当たりのある方々も多いのではないでしょうか。 人間というのは不思議な生き物ですよね。そんな不思議を抱えている人間が私は大好きなのです。/佐藤烏有
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※たくさんのお便りをありがとうございました。皆で楽しく読ませていただいています。
写真タイトル:道後温泉本館 木札
写真参照元:https://dogo.jp/download