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DIARY

季語深耕部 byハイポニスト

2025.06.23お便り

兼題「牡丹」に関するお便りを紹介します。

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●季語六角成分図「牡丹」より。傍題:ぼうたん、富貴草、深見草、白牡丹、緋牡丹、牡丹園。(視覚)幾重にも重なる華やかな花弁、紅・白・ピンク・黒紫・黄・絞りなど華やかな色合い、黄色い蕊、切込みの入った葉、横に広がる枝ぶり。散り際・散った花弁も美しい。庭園、寺院、奈良の長谷寺・当麻寺。(嗅覚)一般的に香りは弱い。わずかに爽やかで甘い香り。(聴覚)葉擦れの音。静寂が似合う。(触覚)柔らかな花弁。(味覚)なし。(連想力)漢詩、皇帝。豪奢、神秘、麗しさ、妖気。座った美女。★ボタン科の落葉低木の花。四月下旬から五月上旬にかけて、直径十数センチほどの大輪の花をひらく。華やかで美しい、人の心をとらえてやまない花ですね。★角川歳時記には、「中国原産で、平安時代初期に薬用植物として渡来。花の王・花神・富貴花などの異名を持つ。」とあります。基本季語五〇〇選(山本健吉)には「「牡丹」の季は春か夏か、歌題としても連歌の題としても、古来問題であった。……俳諧では夏に定めている。一つには「牡丹」の豪奢な華やかさが、春よりも夏を感ぜしめるからでもあろう。」とあります。★花の王と言われるだけあって、俳句でも様々な名句が詠まれてきました。「牡丹散つてうちかさなりぬ二三片 蕪村」「白牡丹といふといへども紅ほのか 高浜虚子」「火の奧に牡丹崩るるさまを見つ 加藤楸邨」「牡丹百二百三百門一つ 阿波野青畝」など、枚挙に暇がありません。それだけに、一物仕立てで新しい一面を引き出すのはかなり難しそう。一方で、取り合わせも季語の存在感が強くてバランスがとりづらそう。う~ん悩ましい。★好きな句「ぼうたんの百のゆるるは湯のやうに 森澄雄」「夕闇の既に牡丹の中にあり 深見けん二」/碧西里

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※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。


写真タイトル:道後温泉別館 飛鳥乃湯泉 個室休憩室(椿の間①)

写真参照元:https://dogo.jp/download

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