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DIARY

季語深耕部 byハイポニスト その①

2025.09.22お便り

兼題「終戦記念日」に関するお便りを紹介します。

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●季語六角成分図「終戦記念日」より。傍題:終戦日、終戦の日、敗戦日、終戦忌、敗戦忌、八月十五日(視覚)国民服、居並ぶ人々、泣き崩れる人や瞑目する人、ラジオ、涙、瓦礫、原爆ドーム。青空、照り付ける太陽。日の丸、献花、合掌、千羽鶴、黙祷する人々(嗅覚)血や薬の匂い、汗臭さ、糞尿の匂い。(聴覚)高見順によると「蝉がしきりと鳴いている。音はそれだけだ。静かだ。」とのこと。玉音放送、嗚咽、黙祷の静けさ。(触覚)暑さ、熱気、蒸し蒸しとしている。(味覚)血の味。ハッカ飴。(連想力)非日常と日常、平和への祈り、戦争への反省と不戦の誓い、戦没者の追悼、ポツダム宣言。無念、悲惨、哀しみ。★視覚、連想力、聴覚が強く、特に聴覚は印象的。嗅覚、触覚、味覚も連想的に想像されます。★角川歳時記には、「日本は連合国側のポツダム宣言を無条件で受諾し、昭和二十年のこの日、天皇はラジオを通じて第二次世界大戦の終戦を国民に伝えた。」とあります。正直いって、とても重い季語で途方に暮れております。ただ、世界で戦争が続く中、日本は今年戦後80年の節目であり、平和への思いを新たにし、誠実に向き合いたいと思っています。★傍題のニュアンスにも注意したいと思います。終戦記念日・終戦日は淡々としている一方、敗戦日というと無念の想いが強いような気がします。終戦忌・敗戦忌は俳句ポスト365の解説で「俳人による造語」とありましたが、忌日とみなすと追悼のニュアンスが加わります。また、八月十五日はただ日付のみを述べることで、逆に万感の想いがにじみ出ているような気がします。★ふと気になったのが、終戦の当日の天気。調べたら、「終戦の日の空は本当に晴れていたのか?」というウェザーニュースさんの記事が出てきました。関東以西は広く晴れており、ところにより夕立、北海道・東北は曇りだったようです。★好きな句〈敗戦の日の夏の皿いまも清し 三橋敏雄〉〈終戦日妻子入れむと風呂洗ふ 秋元不死男〉/碧西里

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※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。


写真タイトル:子規記念博物館1

写真参照元:https://www.iyokannet.jp/photo


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