お便りを紹介します。
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●俳句作りに人を誘うとき「一句捻ってみませんか?」などと言う。世の中に文芸と言われるものは沢山あるが作ることを指して「捻る」などという言葉を遣うのは「俳句」だけだろう。どうも俳句とは捻り具合に価値を置くものらしい。野球で言うなら「直球」ではなく、「変化球」を投げろということなのだ。そういう目で当句会を見直してみると、皆さんよく捻っておられると感心する。そして審判である選者の先生も、多少コースが外れていても、直球よりも見事に曲がる変化球をストライクという言う確率が高いと、みんなが知っているという気がする。もちろん人が判定するのだから、人による違いが出ても当然ではあるが。そして変化球にも様々な球種があるように、俳句の捻りにも色々な種類がある。今の世にはどんな世界にも「クリエイター」という人がいて創造的なものを作り出そうと必死に努力しているのだが、大昔から「コピーライター」という仕事があって、新商品を売り出す際に消費者の心を鷲づかみにする短いインパクトのある宣伝用の言葉を紡ぎ出して来た。私は俳句を「捻る」という作業はこの「コピーライター」の仕事そのものだという気がしている。決して聞きなれない難しい言葉などではなく、人の心の盲点を突くような、新鮮な驚きを産む、斬新な言葉の響き合いということなのだろう。/佐藤烏有
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※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。
写真タイトル 松山市野球歴史資料館のボールミュージアム
写真参照元 いよ観ネット