お便りを紹介します。
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●夏井先生、家藤先生、こんにちは。寒さが体に堪える季節を迎えましたが、いかがお過ごしでしょうか。最近、なぜ私が俳句に魅力を感じるようになったのか、少し考えて見ました。聞いていただけますでしょうか。……自分ではどうにもならないものをどうにかできると思って、もがき苦しむ。仏教で言う「四苦八苦」である。そうすると、「過去」は自分がどうあがこうが変えられないものである。また、「未来」を自分の思い通りにするのは本当に稀有なことである。残るものは「今」この瞬間を生きるということ。これしか人間には残されていないのではないか。「俳句」はそれを成立させるために季語を必要とする。なぜか。それは、今、この瞬間に自分が何を感じているのかを大切にしようとする時、自然豊かな日本では季節がこの今を最も感じさせてくれるものであり、それを表現するための象徴となるものが「季語」だからであろう。「俳句」は説明的なものを嫌う。「これがこうだからこうなった」「ああすれば、こうなる」と言う人間の勝手な思い込みを嫌う。自然ではないから、そこに人為が入り込んでいるから、自然を人為で解釈しようとしているから。理屈に惑わされず、今、私が感じているその一瞬を切り取り、描写する。「今を生きること」「生」を実感させてくれるもの、それが俳句であり、俳句の一番の魅力ではないかと思う。……愚かしくも、こんな事を自分で勝手に解釈していますが、何となくそれは子規さんから教わったことのような気がしています。/杉崎拙訓
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※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。
写真タイトル 道後公園の椿