俳句ポスト365 ロゴ

DIARY

季語深耕部 byハイポニスト

2023.10.23お便り

兼題「夜長」に関するお便りを紹介します。

**********************

『角川大歳時記』では、季語「夜長」について「秋の夜が長く感じられること」とあります。ここから、作句の方向性は幾つかに枝分かれしていくと思いました。①秋の夜が長く感じられるのは、どんな時か。②秋の夜が長く感じられるが、その上で何をするのか。③秋の夜が長く感じられた時、どんなことを感じるのか。特に③です。歳時記では「涼しい夜が長くなるのが嬉しい」という表記にぶつかりましたが、嬉しいだけでしょうか? 季語「秋の宵」「秋の夜」を引いてみると、説明文の中に「静寂」という単語がありました。このことから、夜長とは、秋の夜の静けさや涼しさ、快適さ、その時間の長さを感じ取れる季語だと思いました。こんな状況に乗じて読書や夜なべをする方もいるだろうけれど、静寂な長い夜に別な感情、例えば自分なら孤独感や寂しさを感じることもあり得るのかなと。秋の夜が長くなったと感じた上で、どんな心情が生じるのか。ここまで思って自分の作った句を見返してみましたが、季語が「夜長」や「長き夜」でなくても良さそうなものが多かったのです。季語の動く動かない問題が生じました。たぶん、佳作以上の方たちはこの問題をクリアして感動を与えてくれるのだろうと思いました。自分は、「夜長」を感じたときに見た物体を、淡々と取り合わせるに留めた一句を出し、終わりにします。/千代 之人

***********************

※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。


写真タイトル:道後温泉別館 飛鳥乃湯泉 浴室(女・プロジェクションマッピング①)

写真参照元:https://dogo.jp/download

カテゴリー

月別アーカイブ

投句はこちら