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DIARY

謎解きの楽しみ

2024.02.23お便り

お便りを紹介します。
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●本会の同好・同志の皆様お元気ですか? 以前、私はここで俳句の構成法として「一物仕立」と「二物衝突」があるということを知って感銘を受けたと述べました。確かに俳句には圧倒的に「一物仕立て」が多いです。これは多くの人が「すっきりしている」と感じるからだろうと私は思っています。「二物衝突」というのは、俳句の一つの「ひねり」であり、良くも悪くも「すっきり」していないのです。「二物衝突」というぐらいだから、異なる二つの事物、事象、事柄を衝突させて、その衝撃とか反応を楽しむということなのです。その衝撃や反応が読者の予想の範囲内にある限り、読者の心もそれほど揺り動かされることはないのでしょう。従って「二物衝突」を選ぶとしたら、その二物の関係性が離れていて、読者の予想をはるかに超えているということが、先ずは必要条件です。その離れた二物の絶妙で意外な関係を結び付けるのが、もちろん作者の意図であるのですが、必ずしも作者の意図通りに読者が受け取るかどうかは分かりません。受け取り方、感性は人夫々で違うからです。だからこそ、その二物の関係性の薄さこそが、読者に大きな衝撃や意外という化学反応を生み出す要因となるのでしょう。謎解きにも相当する一種の楽しみがそこにあるのです。俳句は問題とその答を一句に詰め込んだら「それは単なる説明、単なる報告」と片付けられてしまう運命なのです。俳句の面白さの一端が最近少し分かりかけてきた気がします。俳句は構成法にしろ、表現法にしろ、言葉の選択にしろ、考えることが山ほどある、本当に面白いゲームなのだと思えるようになってきました。
/佐藤烏有
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※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。

写真タイトル:子規堂

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