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DIARY

ゴールはまだまだ遙かに遠い

2024.09.04お便り

お便りを紹介します。
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●才能とは「努力し続けられる力そのものだ」と誰かが言っていた。もちろん才能は磨かなければ光らないが、何事であれ、少し学んだから、知ったから、理屈が分かったからと言って、目に見える成果がすぐに表に現われるほど世の中は甘くはない。要は才能を信じること、学び・行動・努力すること、そしてこれの継続なのである。俳句を始めてみてつくづく思うのは、俳句の生命線は、精神的には「意外性」、技術的には「切れ」とそれが作り出す「余白」にある。 俳句は文芸の中でも、ともかく言葉数が少ないので、作者の心の中にある隠された思いを直接言葉にせず、言外にどう示せるかが成否の大きな分かれ目である。これは他の日本の文学と比較しても、世界中の全ての文学を見渡しても、日本の俳句の比類なき特徴だと思う。そこが俳句の苦しさでもあり、楽しさでもあり、面白さなのである。この胸に秘めた思いを、確かなものとして表現できるかどうかが「俳句の成否」そのものだと私は思っている。もちろん「表現技術」はこれを成し遂げるための大きな要素ではあるのだが、根本は今を生きる人間である作者が、自分を取り巻く環境に対して抱いている、日ごろの思いの深さこそが最大の要因だと思う。だからこそ、環境をいつもよく観察し、五感を研ぎ澄ませ、遠近の視点を持ち、独自の感覚を鍛え、「月並みでない気づき」を掴む、そしてこれを的確な言葉で外へと発信する表現技術を磨く、これが俳句の全てなのだ。これらの内の何か一つでも足りなければ、「上っ面」あるいは「上滑り」で終わってしまう。最後にもう一つ言うなら「俳句はあくまで『詩』であることを忘れない」と言うことだろう。私の目指すゴールはまだまだ遙かに遠いのだが、この信念に間違いはないと信じ、努力の継続あるのみだ。/佐藤烏有
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※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。

写真タイトル:道後温泉 別館 飛鳥乃湯泉 個室休憩室(行宮の間②)
写真参照元:https://dogo.jp/download

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