俳句ポスト365 ロゴ

初級者結果発表

2020年4月16日週の兼題

梅雨寒

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選】

  • 梅雨寒や佳境で入るコマーシャル

    濃イ薄イ

  • 梅雨寒やインターホンに凄む猫

    黒うさ狐

  • 梅雨寒も犬の寝息の心地よき

    えみあみこ

  • 梅雨寒の胸に三色ボールペン

    北大路京介

  • 梅雨寒や散歩の犬のしぼんだ毛

    砂楽梨

  • 梅雨寒やこんな時こそ愛歌へ

    戌の箸置

  • 梅雨寒し「馬鹿」と吐かれた帰り道

    高倉ちとさ

  • 梅雨寒やファイナリストのなまあくび

    豆闌

  • 梅雨寒や疫神いだく蒼き星

  • 梅雨寒に啜るミルクティー甘く

    たけうち晴美

  • 梅雨寒を歩くや西の正倉院

    葵新吾

  • 梅雨寒や探す当てなき探し物

    咲弥あさ奏

  • 梅雨寒や十本書いた数直線

    颯萬

  • 梅雨寒や歩幅僅かに縮みおり

    むじーじ

  • 夫の腰揉む手に力梅雨寒し

    真林

  • 梅雨寒の水に隠るる苗太る

    裾野51

  • 独り言増える在宅梅雨寒し

    キイロイトリ

  • 梅雨寒や薄毛の人とすれ違ふ

    睦月くらげ

  • 梅雨寒や仕舞ひし背広探す朝

    野の花倖菜

  • 待ちぼうけホームのベンチ梅雨寒し

    こう司

  • 自販機のホット売り切れて梅雨寒

    試行錯誤

  • 眠る子を奪ひ合ふ夜や梅雨寒し

    川越雷鳴

  • ペン回し上手き上司や梅雨寒し

    佐々木のはら

  • 梅雨寒やジグソーパズルは佳境なり

    葉月のりりん

  • 梅雨寒しこびといそうな杜の中

    ねこじゃらし

  • 砂山の赤いスコップ梅雨寒し

    じゃらんじゃらん

  • 梅雨寒や並べる枕今は亡く

    高橋笑子

  • 攻撃の猫間違える猫梅雨寒し

    珠桜女絢未来

  • 梅雨寒やちぐはぐな色身に纏ふ

    石井せんすい

  • 梅雨寒のしかもゴーストタウンめき

    羽沖

  • 梅雨寒く洗濯の泡縮こまる

    富士遊歩@ありす句会

  • 梅雨寒や近江牛すじカレー食ふ

    湖雪

  • 梅雨寒や増える薬と腕の傷

    カヅラ梅

  • 隧道の奥に光りし梅雨寒や

    真喜王

  • 梅雨寒や人肌の酒二合飲み

    松ぼっくり

  • 門燈の早目に点る梅雨寒し

    蓼蟲

  • 梅雨寒や離婚届に滲む朱

    める

  • 梅雨寒の胃に二の腕のやはらかし

    松山のとまと

  • 老いてなお梅雨寒に田を守りけり

    浅見弓楽

  • 梅雨寒や砂壁に咲くゴッホの絵

    ゆみづき

  • 梅雨寒にぼそりと話す墓じまい

    川岸輪子

  • 梅雨寒や一銭洋食みやげ待ち

    川西勝久

  • 梅雨寒の風に手向かえ吠える犬

    天晴鈍ぞ孤

  • 部屋干しのシャツと共存す梅雨寒の日

    まみのすけ

  • 梅雨寒や手持ちぶたさのバンホーテン

    むべ

  • ちぐはぐな服が目立って梅雨寒し

    佐々木葉一

  • バーチャルの水槽の泡梅雨冷ゆる

    紺乃ひつじ

  • 梅雨寒に散歩する音途絶えけり

    吾亦紅

  • 軒下に鳴く猫の子ら梅雨寒し

    明石焼穴子

  • 梅雨寒はキシリトールの甘さかな

    泥塗れのポスト

  • 梅雨寒に鳴く紙詰まりエラー音

    藍時湘

  • 梅雨寒や犬の散歩と子等の声

    むさかず

  • 梅雨寒しネット画面に小さき母

    キートスばんじょうし

  • 梅雨寒やおろちの如き飛行機音

    伊沢華純

  • 梅雨寒や何もない日を明後日も

    山本先生

  • 梅雨寒やタンブラーにはウイスキー

    研知句詩@いつき組広ブロ俳句部

  • 梅雨寒や老舗定食屋のチラシ

    田中舵郎

  • 梅雨寒や明けない夜はあらぬかな

    幸花うらら

  • 重ね着の色悩みける梅雨寒し

    准壹

  • 梅雨寒や塩分控えて漬けてみる

    いかすみ

  • 湿り戻す種々干しや梅雨寒よ

    ともかわすてむ

  • 梅雨寒や雀の声の荒い朝

    壱太

  • 梅雨寒や膝までの草雫おび

    企鵝

  • 梅雨寒や桐のタンスのあつた場所

    阿野瑠

  • 梅雨寒や隣家の声は遠ざかる

    千仗千紘

  • コロナ禍と梅雨寒に立つ道祖神

    相模の仙人

  • 梅雨冷えや小銭集めて買うものは

    蓮花麻耶

  • 梅雨寒や母の一言飾りなし

    風花まゆみ

  • 梅雨寒にしましまうまうまバー買ふ

    オリゼ

  • 梅雨寒やつっかけ二つの侘び住まい

    庭野ちぐさ

  • 梅雨寒や視界の歪む母の文字

    猫舌扁平足

  • 梅雨寒や鳥肌そっと隠しをり

    こんどうちひろ

  • 梅雨寒やようかん照らす銀の紙

    野山遊

  • 梅雨寒のじっと見ている案山子かな

    最中

  • 梅雨寒の蹴りやりし夜具引き寄せて

    寿女

  • 梅雨寒に靴下取り出しどうしようか

    ほうすい

  • 地球儀は新コロナ色梅雨寒し

    馬場馬子

  • 梅雨寒やテレビ会議は淡々と

    田邉真舟

  • 梅雨寒や大型犬のような夫

    白瀬いりこ

  • テンキーを叩く半時梅雨寒し

    笑松

  • かっぽう着きれば母に似梅雨寒し

    千の葉

  • 梅雨寒や栞はさみてミルクティー

    犬塚たま

  • 梅雨寒や添ひ臥し公卿の娘かな

    小金天気

  • 梅雨寒や胡坐の中の喉鳴らし

    あわの花水木

  • 触る手に冷えた欄干梅雨寒さ

    治もがり笛

  • 梅雨寒や廃線レールに浮かぶ錆

    山叶

  • 梅雨寒や言葉の棘の突き刺さる

    貝花

  • 梅雨寒の立つ茶柱や薄茶かな

    妙光@木の芽

  • 梅雨寒やカーデーガンをショーケース

    泰乙女

  • 息あつし梅雨寒の闇ボード飛ぶ

    紫雲英

  • 梅雨寒や島へ緊急高速艇

    バーバラ

  • 梅雨寒にタイ米多き茶碗かな

    アマリリスと夢

  • 梅雨寒や塩せんべいも湿けて候

    上原まり

  • 梅雨寒に釣り糸煙る通り雨

    星降松

  • 君が手の冷たきことよ梅雨寒し

    咲耶とこ野@木ノ芽

  • 梅雨寒やレインコートの防護服

    はまゆう

  • 梅雨寒の空をゆっくり観覧車

    茄子紺

  • 山鳩の細き鳴き声梅雨寒し

    一純。

  • 梅雨寒し声を聴きたき人もなし

    おくにち木実

  • 息吹いて茶柱沈む梅雨寒し

    蒼涯

  • 梅雨寒や省察すべきズーノシス

    明惟久里

  • 梅雨寒はチワワ抱えて丸くなる

    馬門宗太

  • 夜逃げする者の物買ふ梅雨寒し

    小林弥彦

  • わたあめのような層雲梅雨寒や

    ふたあい

  • 雨垂れの集まり落ちぬ梅雨寒し

    haruwo

  • 梅雨寒や音なふ風はピアニシモ

    るびちゅ

  • 梅雨寒の川懸命にはぐれ鯉

    桜姫5

  • 梅雨寒の地下の沸騰リンダリンダ

    宮坂暢介

  • ジャズ聞いて昔を想う梅雨寒や

    りんごのほっぺ

  • 古書店の饐えたる匂ひ梅雨寒し

    桜の翳

  • 梅雨寒やなかなか来ないバスまちて

    こうちゃんおくさん

  • 梅雨寒や吾縮まりて草は伸ふ伸ひ

    麻野文江

  • 梅雨寒や暗き雲間の月を待つ

    南風

  • 梅雨寒に震える花冠のいじらしさ

    よーきー

  • 梅雨寒の砂場に埋まる招き猫

    かたちゃん@いつき組広ブロ俳句部

  • 梅雨寒や一息つきて独房で

    薫風

  • 梅雨寒や乙女の頃の懸想文

    上津嘉子

  • 梅雨寒やコンクリートの蓋暗渠

    豚ごりら

  • 空爆のごと梅雨寒の夜の救急車

    土田耕平

  • こんにゃくをちぎり梅雨寒雲重し

    山辺道児

  • 梅雨寒にあの人の名が出てこない

    吹子

  • 梅雨寒やジューとアイロン蒸気吐く

    しー子

  • 梅雨寒や取り合いになるメンチカツ

    杵築きい

  • 梅雨寒に傘をすぼめて早歩き

    ひろのじょう

  • 梅雨寒の斥力として薩摩琵琶

    ゴマ四郎

  • 梅雨寒や低音寄りに三味響く

    叶田屋

  • 梅雨寒や漢方薬の効果索く

    山羊座の千賀子

  • 梅雨寒や踵を返す青二才

    種種番外

  • 梅雨寒や赤提灯の手酌酒

    公機

  • 梅雨寒やマスクで眼鏡倍曇る

    ばんどうまーぴー

  • 梅雨寒や今日の日記は12文字

    おきいふ

  • 梅雨寒や恋の微熱にすり替わり

    春爺

  • 梅雨寒や真夜中走る救急車

    藍植生

  • 梅雨寒やふるえあたたか新生児

    コキア

  • 梅雨寒や動画に孫の顰め面

    キョンちゃん

  • 梅雨寒やビニール傘の骨の艶

    弥日

  • 梅雨寒や隠れ家のアンネを想う

    せつこ

  • 梅雨寒やテイクアウトのアーケード

    ヨシケン

  • 梅雨寒やばね指撓りをさまりぬ

    のぶ子

  • 梅雨寒に足らぬ袖口七分丈

    おちゃ

  • 梅雨寒や等圧線を書く私

    すず女

  • 梅雨寒やパッチワークの布選び

    はなちゃちゃ

  • 片付けた服を又出す梅雨寒や

    森澤佳乃

  • かたくなに蕾ほどかぬ梅雨の冷

    桔梗

  • 梅雨寒やドゥブロヴニクに憩うねこ

    しる

  • 梅雨寒し約束違え自己嫌悪

    藤倉密子

  • 梅雨寒の雨ビの音の孤独かな

    村崎雫

  • 梅雨冷えや身ふるわせて蝿の逝き

    真土

  • 梅雨寒や砂文字はいま波に消されて

    AoyamaRisa

  • 梅雨寒や新宿アパート四畳半

    悪七兵衛

  • 梅雨寒に喉の奥震えず孤独

  • 梅雨寒にゐるみちのくの炬燵なり

    宮間ミヤマ

  • 梅雨寒も熱かと体温計る日々

    蒼香

  • 梅雨寒や遊んでばかりじやつまらない

    嘉門生造

  • 梅雨寒やホットミルク顔緩む

    アオハル

  • 白マスク梅雨寒の空仰ぎ見る

    加容

  • 梅雨寒にカレーことこと煮込む午後

    花実人生

  • 梅雨寒し湿る二人と四畳半

    鵺野純

  • 季違いの羽織恋しき梅雨寒し

    加世堂魯幸

  • 梅雨寒し梁の交差す蔵の中

    俊夫

  • 梅雨寒や転勤先のドア重し

    櫻庭詩想

  • 梅雨寒の駅に迎えの車列波

    月影ミウ

  • 梅雨寒も球児達の声枯れぬ

    小夜

  • 梅雨寒や看護通いの地下通路

    追師うさぎ

  • 梅雨寒の美術館サティーの薫り

    海葡萄

  • ちぐはぐに着ても声なし梅雨寒や

    イナケン

  • 梅雨寒やランドリー三密のこゑ

    生野薫

  • 梅雨寒や雲間の太陽白々と

    遥風

  • 熱燗が旨い屋台で梅雨寒

    ふくうめ

  • 梅雨寒や塵一つなき母の部屋

    桂奈

  • 梅雨寒やオープンカフェの整理券

    紅すだれ

  • 梅雨寒や被る布団に雨響く

    音和

  • 新たな友も出来ず梅雨寒過ごす

    田中面倒太

  • 梅雨寒や薔薇の棘には毒あるや

    白薔薇

  • 田畑を越えて晩鐘梅雨の冷え

  • 鉛筆を立ててころがし梅雨さむし

    ふじさん

  • 閉めをくは秘めごとに以て梅雨寒むし

    ふじ江

  • 梅雨寒か味噌汁に豚入れてくれ

    土王

  • 梅雨寒やクラムチャウダー二杯注ぐ

    愛棄丸

  • 梅雨寒の地べたにスマホ夢中なり

  • 梅雨冷えや曇りガラスの防護服

    吉や

  • 梅雨寒や車の音に木管の音(ね)

    薩克期風

  • 父の忌を忘れて三日梅雨寒し

    しゅうふう

  • 梅雨寒のテレワーク独り咳き込む

    いたまきし

  • 三箇月ラジオに語る梅雨寒し

    閏務(うるうつとむ)

  • 梅雨寒にお茶と煎餅羊羹も

    手荒れ

  • 梅雨寒や異世界誘う万華鏡

    英与

  • 梅雨寒やほのかにぬくい蛍石

    まこ@いつき組広ブロ俳句部

  • 梅雨寒やまだ捨てられぬ母子手帳

    宮永風太

  • 梅雨寒や空にいらだつ冷蔵庫

    梅木若葉

  • 梅雨寒や大川端を過ぎし日々

    佐山夕子

  • 梅雨寒や自粛の頃のシャツを出す

    西田武

  • 梅雨寒にフォションのジャムをかぶりつく

    久鍋得利子

  • 梅雨寒の薬缶に貰ふ温みかな

    慎吾

  • 梅雨寒やくれない映ゆる萬翠荘

    カワセミ

  • 梅雨寒や絶交の友へメールす

    犬井山羊

  • 梅雨寒やここよ膝よとねこを呼ぶ

    どくろく

  • 梅雨寒の墓前供花の葉ピンと張る

    わかこ

  • 湯の岩に虫も動かず梅雨寒や

    放蕩

  • 梅雨寒や庭に転がる草履履き

    つわきの嫁

  • 梅雨寒や相合傘で触れた肩

    まさ

  • ため息はよれたマニキュア梅雨寒し

    とみことみ

  • 梅雨寒に靴下探す指の穴

    にゃんみー

  • 遺されて尚梅雨寒の祖母の庭

    肉野州民菜

  • 梅雨寒やバスケットボール消毒す

    南行

  • 待合のテレビは小声梅雨寒し

    カオス

  • 梅雨寒や弦の切れたる竹刀措き

    紫鋼

  • 梅雨寒や閉店間際のおでん屋へ

    那須いづみ

  • 梅雨寒や長靴に穴あいており

    奈於美

  • 梅雨寒や三人だけの家族葬

    ぽんたちん

  • 梅雨寒や祖母の三味線弾かぬ訳

    吉野川

  • 無症状感染者なのか梅雨寒

    はなだんな

  • 梅雨寒や噴水ひとり友の逝く

    沙無

  • 梅雨寒や無言で座る斜め向かい

    たくばしょう

  • 梅雨寒や若竹色のカーディガン

    ささくれ

  • 同窓の御芽出度梅雨寒を凌ぐ

    角俳

  • 梅雨寒や書きかけの便箋の湿り

    さんさん珊瑚

  • 梅雨寒も大鍋に肉足してをり

    平松洋子

  • 梅雨寒に釣り銭もらう手の温み

    紙威

  • 梅雨寒のソナタ父そっくりの手で

    紙鍵盤

  • 梅雨寒や仕事帰りにたこ焼きを

    秋から

  • 梅雨寒しカーラー巻いて明日結婚式

    勇進丸さっこ

  • 梅雨寒つかの間あおぐ葉にしずく

    新陽

  • 梅雨寒の玄関見慣れぬ靴ふたつ

    案山子

  • 梅雨寒の朝に裸足のタップダンス

    水無月

  • 梅雨寒や今日もインコが鳴いている

  • 梅雨寒し午後は至福のレモネード

    遥みしょ

  • 梅雨寒や重き命のトリアージ

    リカ

  • 梅雨寒や毬栗頭の上の湯気

    ふぇるま

  • 梅雨寒や愛した猫が死にました

    にいやのる

  • 梅雨寒やジェットコースターのごとき日足

    洗広大

  • 筆先の古りし紅筆梅雨寒し

    正木羽後子

  • 梅雨寒や温泉宿で長湯治

    オイラー

  • 梅雨寒や財布が一厘薄くなる

    クウシンサイ

  • 梅雨寒に雨粒残る独居の窓

    羅蒐

  • 梅雨寒の狐の嫁入り天気雨

    一碁一会

  • ネオン濡れ梅雨寒赤い傘ぽつり

    一止

  • 明日は梅雨寒吾の予報士は痛む膝

    ななしのかかし

  • 梅雨寒に音軋む車庫昇降機

    こうせん

  • 梅雨寒や子の肩を抱く母の指

    雨音

  • 百十円の百均の傘梅雨寒し

    谷川の蛍子

  • 梅雨寒や遅刻気かがり服選び

    中井優希

  • 梅雨寒し窓曇らせし京の宿

    亀田勝則

  • 梅雨寒や混んだ車内に柔軟剤

    慢鱚

  • 梅雨寒やビルの谷間の石畳

    せいじ

  • 梅雨寒の午後二杯目を白湯にする

    山陽兵

  • 梅雨寒しあたたかきは赤子の手

    紋舞蘭

  • 玄関に空の犬小屋梅雨寒し

    稲垣由貴

  • 梅雨寒やついこの前の服探す

    小雪いつか

  • 梅雨寒嬉しつなぐ手は温かし

    伊豆子

  • 梅雨寒やテレビ会議は淡々と

    玉繭

  • 梅雨寒や前掛け濡しお地蔵さん

    川崎雪駄

  • 買い物は十分で終ふ梅雨寒し

    かをり

  • 大津絵の鬼のかっぽれ梅雨寒し

    春川一彦

  • 梅雨寒の地球岬と濡れた友

  • 梅雨寒や目を伏せ歩く顔ばかり

    軌一

  • 梅雨寒やミニバスの客我一人

    しゅんぷう

  • 梅雨寒や行くべき階を押し忘れ

    晴好雨独

  • 梅雨寒や公益質屋に人の波

    加賀もずく

  • 梅雨寒や即席スープ発掘す

    山乃火穂

  • 梅雨寒しビリケンさんの入院や

    北摂美美

  • 梅雨寒や無頼気取りて畦を行く

    杜まお実

  • 閑散とシャッター通り梅雨寒し

    KKK

  • 梅雨寒やコロナ禍の中足早に

    静香

  • 廃仏の首筋の傷梅雨の冷え

    一幸

  • 梅雨寒し陸奥の続く地震

    川島欣也

  • 梅雨寒やLine飲み会バイク会

    Benじい

  • 池の主甲羅干したる梅雨寒よ

    ろん

  • 杲杲な盛り場迷い梅雨寒し

    川口みち

  • アルバイト解雇通知や梅雨寒し

    蛾触

  • 梅雨寒に差し置く離婚訴状かな

    よしざね弓

  • 君が香の残る上着や梅雨寒し

    真咲よしの

  • 梅雨寒や去年とは違う古希の日よ

    荒磯魚々

  • 梅雨寒や煉瓦重なるピザの窯

    八幡風花

  • 梅雨寒や単調過ぎる水琴窟

    文芸サロン

  • 梅雨寒し無言で渡すお弁当

    竹村マイ@蚊帳のなか

  • 盧遮那仏に両手合はせる梅雨寒し

    音のあ子

  • 梅雨寒やホットサンドの具はSPAM

    いろはニホ

  • 手旗振る警備員に礼梅雨寒し

    塾志

  • 梅雨寒を舞妓の白き襟が行く

    せいち

  • 梅雨寒の雑踏はモザイクに似て

    脱流民

  • 梅雨寒の自己紹介ズームなる

    京あられ

  • 朝練のキャッチボールや梅雨寒し

    浜高邦人

  • 梅雨寒や餌持つ蟻の細き腕

    夏綱

  • 梅雨寒や手術の日なる誕生日

    小川都

  • 梅雨寒の墨絵のごとく滲む空

    泗水

  • 梅雨寒や令和二年を塗りつぶす

    大福ママ

  • 梅雨寒やくるまり泥のごと眠る

    鷹之朋輩

  • 狼の舌梅雨寒の鹿の肉

    大津美

  • 梅雨寒や最終バスの明かり待つ

    むらたふみ

  • 葛根湯ウロウロ探す梅雨寒し樹孝

    樹孝

  • 梅雨寒しあばら長屋の雨音に

  • 田の神さあ畦にぽつりと梅雨寒し

    しげる

  • 梅雨寒や休息万病早口に

    萬太郎

  • 梅雨寒やビニールハウス薄曇り

    ダリア

  • 梅雨寒や電話健診長く待つ

    徳永北道

  • やっと慣れ欠伸ひとつす梅雨寒に

    文月栞

  • 梅雨寒や書留ですと配達夫

    澄海

  • 梅雨寒も揚がる魚体の腹膨れ

    よひら

  • 梅雨寒をピチャンピチャンと踏み歩く

    玲香

  • 梅雨寒や上衣はどれか靴はどれ

    一太郎ラン坊

  • 梅雨寒に濡れて光るや摩天楼

    朝ぼらけ

  • 梅雨寒や漬け込み酒に目がくらみ

    常陸人

  • うつうつと梅雨寒のてふ手でつつみ

    貼女(ちょうじょ)

  • 梅雨寒に湯気香り立つアーケード

    白山

  • 梅雨寒の朝ふじ色の手帳買ふ

    ふさこ

  • 梅雨寒や自販機で買いワンカップ

    波音

  • 梅雨寒やゾルビデムはオレンジ色

    白傘

  • 梅雨寒やせめて自筆で閉店と

    陶然

  • 転勤の話は消へて梅雨寒し

    そめやまさみ

  • 雲の間のにぶき星影梅雨寒し

    もりお

  • 梅雨寒や右肩疼く二連投

    輝棒

  • 梅雨寒や除菌シートに指荒れて

    空春翔

  • 梅雨寒や青椒肉絲食べ放題

    輝峰亭

  • アルバムは心写さず梅雨寒し

    藤源卿

  • 梅雨寒や肉まん一つくださいな

    千葉時郎

  • 梅雨寒や自分で作る晩の飯

    たん造

  • マスク無き顔は裸よ梅雨寒や

    かなず

  • 梅雨寒に鄕の納戸の箪笥捨て

    柚和

  • オホーツク生まれなんだね梅雨冷よ

    吉村よし生

  • 梅雨寒や傘が無くとも行かなくちゃ

    きんえんくん

  • 梅雨寒し雨音数えて自粛する

    やまやま

  • 梅雨寒や生命の熱は六度五分

    漂碌魂ひいろみ

  • 梅雨寒し添い寝の犬は毛布取る

    鈴村智美

  • 梅雨寒や背筋の伸びた銀髪婦

    松本裕子

  • 行く当ても梅雨寒きまま雨宿り

    ニコチン大王

  • 梅雨寒の呑気横丁抜けられます

    当卯

  • 梅雨寒や墨絵ぼかしの駅に降り

    敬之

  • 梅雨寒く三帖一間の下宿かな

    しげ爺

  • 感染者数棒グラフ梅雨冷

    鹿沼湖@木ノ芽

  • 梅雨寒や梅干ひとつ白湯に入れ

    双月(そうげつ)

  • 梅雨寒や書きかけ手紙破り捨て

    やっせんぼ

  • サイレンの近所で止むや梅雨寒し

    小石日和

  • 梅雨寒や祖母の腰痛灸すえる

    清水千種

  • 毎年の事と分かりて梅雨寒く

    京女

  • 梅雨寒に拾い見詰める虫の斑

    方寸

  • 梅雨寒や橙色のバスソルト

    戌亥

  • 言い勝ってもやもや残る梅雨寒し

    渓翠@青東高

  • 梅雨寒に喧嘩終わりの小さき毛布

    華らんまま

  • 迷ひつつ捨てしアルバム梅雨寒し

    しつじのMay

  • 梅雨寒し温泉入りにごり酒

    一周

  • 休校の体育館や梅雨寒し

    つつ井つつ

  • 亡き父のカーディガン羽織ってみる梅雨寒

    おやま文枝

  • 梅雨寒や夜更けのコンロ炎揺れ

    風由花

  • 梅雨寒の景色を余所にWeb面接

    這う這うの鯛ぇ

  • 梅雨寒に出掛けぬ訳を押し付ける

    海野しりとり

  • 梅雨寒しピアフ流るる純喫茶

    房菓

  • 忘れ居し傷の疼きや梅雨寒し

    数鉄砲

  • 梅雨寒や岡本太郎の塔恋し

    こてつ川

  • 膝上に猫一匹の梅雨寒夜

    藤原訓子

  • 梅雨寒の十一時才能ほしい

    丸山隆子

  • 梅雨寒やいつもと違う散歩道

    倉の人

  • 梅雨寒や足を抱へて見るドラマ

    中西柚子

  • 梅雨寒や送った菓子に不満の娘

    アガニョーク

  • 梅雨寒や右足首のサポーター

    花節湖

  • 梅雨寒し打ち棄てらるるショベルカー

  • 梅雨寒や診察を待つ椅子硬し

    桧木もり

  • 梅雨寒やボタン電池の行方不明

    海老名吟

  • 梅雨寒のあぶれし手にて茶を淹れよ

    百草千樹Z

  • 梅雨寒しレントゲンには白き影

    ひともじ

  • 梅雨寒や介護施設はうっそりと

    むげつ空

  • 梅雨寒やよかつたことをあげてみる

    石神湖畔

  • 梅雨寒にノボリはためく特売日

    寿山

  • 梅雨寒やバジルの香る冷蔵庫

    ヅラじゃない

  • 梅雨寒や初乳と従姉妹知らぬ吾子

    おんちゃん。@白吟句会

  • 梅雨寒やデスクに置かれた薄いお茶

    吉井いくえ

  • 薄布団を膝に韓ドラ梅雨寒し

    都乃あざみ

  • 梅雨寒やじゃがビー三箱ガリゴリり

    真優航千のだけどね母

  • 梅雨寒の夜更けの薄墨は薄し

    ししまる

  • 梅雨寒や膝関節の独り言

    ゆふ葉

  • 梅雨寒の見世や禿は絵描き歌

    矢橋

  • 夜もすがら老犬抱いて梅雨寒し

    かこ

  • 梅雨寒やボンネットバスと水溜り

    ときめき人

  • 梅雨寒の京の竹林人も無く

    甘泉

  • 梅雨寒や盃ふたつ逝く友と

    多聞仙

  • 梅雨寒や夜更けのジャズに温まれり

    立歩

  • 梅雨寒や入浴剤は透きとほる

    ちょろたこいん

  • 梅雨寒の今日はすき焼き復活し

    都忘れ

  • 梅雨寒や湯上がりの子を追ひかけし

    上江洲睦

  • 明日は晴れ梅雨寒に独りごちてゐる

  • 梅雨寒の学路駆け抜く傘の黄々

    流雨

  • 梅雨寒や時短営業灯り消す

    紗々

  • 母逝きし朝の景色や梅雨寒し

    葉子A

  • 梅雨寒に不老不死の湯黄金咲く

    野々原ラピ

  • 梅雨寒にセーター袖出す行李かな

    春果

  • 梅雨寒や寝息ふたつのハーモニー

    ヒマラヤで平謝り

  • 梅雨寒や踊り衣装を洗濯す

    糸慌@木ノ芽

  • 梅雨寒の滝行撮影サスペンス

    七生姫

  • 真夜中の既読の三文字梅雨寒し

    田中勲

  • 梅雨寒や不意に取り出すレンガ本

    ひろきち

  • 梅雨寒の水跳ねておりふくらはぎ

    マユミの実

  • 千ピースのジグソ-パズル梅雨寒し

    紅さやか

  • 梅雨寒も換毛の毛も煩わし

    こんじゃのよしこ

  • 梅雨寒やちびりちびりと独り酒

    はな

  • 梅雨寒しひとり暮らしの大宇宙

    忍冬

  • 梅雨寒にどこでもドアを開く夢

    いく葉

  • 梅雨寒やラーメン求め長い列

    青葉のぞみ

  • 梅雨寒や五間の竿を磨く笑み

    奥山凜堂

  • 独り居の昼の昏さや梅雨寒し

    玲子

  • 仕舞い忘れのヒーター崇むる梅雨寒

    フェアリー

  • 積読の「津軽」手繰りぬ梅雨寒よ

    仁葉

  • 玄関で履く靴下や梅雨寒し

    知里

  • 梅雨寒や方針決まらぬウェブ会議

    ペトロア

  • 梅雨寒にもみじおろしを使い切る

    せんべい

  • 梅雨寒や心ざわめき披露宴

    谷田藪辛子

  • 梅雨寒や傘のすき間に陽をさがし

    はらこ

  • 梅雨寒に震えているか幸福の木

    すおみ

  • 鴉さえ子の死に哭くに梅雨寒し

    颯(はやて)

  • 命日の読経の畳梅雨寒し

    伊藤はな

  • 梅雨寒や突如動かぬ洗濯機

    多喰身・デラックス

  • 梅雨寒や熱き茶を買い出張す

    井田みち

  • 梅雨寒や殺陣師の技の冴えわたる

    高橋冬扇

  • 容赦なき嫁の断捨離梅雨寒し

    パッキンマン

  • 梅雨寒や薄きコーヒー飲み干すなり

    あらら

  • 積み置きてフレコンバック梅雨寒し

    青山あじこ

  • 梅雨寒の伝へ来るかな衣裾

    雅由

  • 眠りたる猫を抱えて梅雨寒し

    葉月けゐ

  • 梅雨寒や雲の羽袖をうすき月

    太子

  • 梅雨寒に折り皺目立つ上着着る

    京丸

  • 梅雨寒の朝三味線の三下り

    森初音

  • 梅雨寒し名残の蕊も黄泉の国

    富樫幹

  • 梅雨晴れや昨日のことは過ぎしこと

    抹香

  • 梅雨寒や母の逝きしは花の前

    青雅

  • 梅雨寒を猫は尻尾で訴える

    松浦麗久

  • 梅雨寒やこころも固き通夜の刻

    星加鷹彦

  • 梅雨寒にぐいぐい家路子犬かな

    ラランジャ

  • 梅雨寒や愛犬撫でる夜が更ける

    紫香菫

  • また伸びし診察時刻梅雨寒し

    達哉

  • 梅雨寒やかぼそき声の迷ひ猫

    凡々人

  • 梅雨寒の静脈透けた手の握手

    まるひるま

  • 梅雨寒や終活の手にアルバムが

    玉悦

  • 梅雨寒や手ぶり鼻うた微醺と月

    あすか

  • 梅雨寒や弘法水は生温い

    育由

  • 梅雨寒や新一年生送り出し

    じゅんじゅん

  • 梅雨寒や北アルプスの分水嶺

    重翁

  • 梅雨寒や辛き麻婆に悶絶す

    池田香

  • 梅雨寒や最終公演のチケット

    日々樹愛(ひびきめご)

  • 梅雨寒や静けさ積もる交差点

    ねぎみそ

  • 梅雨寒や路上ライブのしゃがれ声

    月影の桃

  • 証明の誤り気づく梅雨寒し

    らくさい

  • 梅雨寒や軍手が一つ道示す

    パクヒロ

  • 梅雨寒や臥せる白鷺動かざる

    北の星

  • 梅雨寒や開けっ放しの衣装箱

    蒼い朱鷺

  • 日矢差して梅雨寒の空針運ぶ

    ふみ

  • 一人居は梅雨寒のごとし無返答

  • うつむいて考える人梅雨寒し

    きょうや

  • 梅雨寒し穴の開きたる世界地図

    桃香

  • 梅雨寒の心もとなき膝小僧

    宮田和可子

  • 梅雨寒やサムゲタン摂る昼ごはん

    いと茶

  • 街は梅雨寒モンゴロイドヘイト

    カンガルーのしっぽ

  • 梅雨寒や誰とも知れぬ通行人

    幸久

  • 梅雨寒やポッケに隠す火傷後

    打楽器

  • 梅雨寒や振り子時計と雨音と

    ぼたにこ

  • シャッターの廃業告知梅雨寒し

    かめのべ

  • 名も知らぬ鳥鳴き止まぬ梅雨寒し

    星野美咲

  • 梅雨寒や寒天培地のコロニー

    ねもじ

  • 梅雨寒や干物一汁1人膳

    竹林

  • 梅雨寒や断捨離せむと腰は上げたが

    玉京

  • 梅雨寒にうたた寝肩を凝らしたり

    山茶花静

  • 梅雨寒に中年の足は固まりぬ

    ジミーあゆみ

  • 自販機のボタンみな青梅雨寒し

    鯉女子

  • 梅雨寒や化粧途中に友の来て

    あさり

  • 黙念と鏡面磨く梅雨寒し

    ティーダ

  • 梅雨寒と裏腹心暖かき

    佐藤名桜

  • 梅雨寒や薄墨つけて古今集

    位子

  • 梅雨寒の生簀の底に魚の鬱

    樹朋

  • 梅雨寒や人には言へぬ絵空事

    まつだまゆ

  • 梅雨寒や線路かたこと列車見ゆ

    だけわらび

  • 梅雨寒や既読にならぬ五文字あり

    那津

  • 御朱印の墨の滲みや梅雨寒し

    しゅういずみ

  • 写真立ての中は梅雨寒の空だ

    あーすススメ

  • コピー機の甲高き音梅雨寒し

    紗千子

  • 梅雨寒やゆっくり満る猜疑心

    マキコ

  • 梅雨寒や頁めくりし手に栞

    藤野あき

  • 梅雨寒のやせ我慢かな白い服

    陶豪

  • 梅雨寒に吾が手や添える君の肩

    野中泰風

  • 梅雨寒や時疫で手帳白くなり

    犬散歩人

  • 梅雨寒しレコ-ド廻す独り居よ

    放浪

  • 山道のロッジや梅雨寒の夜更け

    三大夜景

  • 梅雨寒し風呂で抱きをる膝小僧

    落葉勝山

  • 梅雨寒を並んで歩くため息と

    覇識

  • 梅雨寒の霧島遥か湯割りかな

    SweetTaxiDriver

  • 独り夜に茶漬けすすりて梅雨寒し

    焼饅頭

  • 梅雨寒し今日明日へと齢の身

    都花

  • 梅雨寒の愛を知る苗育ちゆく

    耳飾り

  • 梅雨寒や三代寄りてバーベキュー

    しゅんらん

  • 玻璃のあお聖母のマント梅雨寒し

    瀬尾白果

  • 梅雨寒やスリッパ洗ってみたものの

    花結い

  • 梅雨寒やトランプの箱くたびれて

    渓水

  • 梅雨寒や暖色系の服選び

    ゆぃ

  • 梅雨寒や胸におさめる赤子の手

    陽広

  • 梅雨寒の乗り場に通過列車かな

    上津力

  • 梅雨寒や音の欠けたるトイピアノ

    秋原みかげ

  • 梅雨寒にネイルぬくまる猫の腹

    林檎嬢

  • 梅雨寒や薬缶置きたるガスコンロ

    でんきゅう

  • 梅雨寒やうどんぬくめて曇る窓

    アーナンダ

  • 梅雨寒の学び舎時は止まりけり

    カタツムリ

  • 梅雨寒や街頭ビジョンの黙

    こつき

  • 梅雨寒や単身赴任の独り言

    毒林檎

  • 青銅の雀うつむく梅雨寒や

    虎寝子

  • コロナ禍に人恋しくて梅雨寒し

    美保

  • 梅雨寒やカバンの底で本が濡れ

    史季

  • 梅雨寒や自粛生活ヒロシです

    コケデカ

  • 梅雨寒や焙煎の火の黒々し

    迫久鯨

  • 梅雨寒やジグソーパズル角探し

    岸来夢

  • 梅雨寒し夫重ね着し一日過ぐ

    由並っ子

  • 実習の辛さ身に沁む梅雨寒よ

    徒然のひろ

  • 梅雨寒や薄いスカート若き人

    舞妓はん

  • 梅雨寒や段々畑を昇る雲

    懸垂男

  • 梅雨寒にエアコンの除湿緩めけり

    ひよとり

  • 梅雨寒や味噌汁今朝はいりこ出汁

    はじめ

  • 梅雨寒に丁稚羊羹マイ楊枝

    中野風鈴

  • 家捨てし子の足音や梅雨寒し

    ちあき

  • 梅雨寒しこたつなき部屋素足の子

    まつやま孝子

  • 梅雨寒や肉やのコロッケ五個も買う

    青泉

  • 梅雨寒のシーツの湿り許さざる

    堀口房水

  • 梅雨寒のピアノ譜裏で動く耳

    榊裕江子

  • 梅雨寒や将棋の駒の音も鈍

    駄口竹流

  • 梅雨寒や痛む古傷六十年

    遊泉

  • 梅雨寒や掛け声響く武道場

    ちか丸

  • 梅雨寒の二度寝決めこむシューベルト

    茶々

  • 梅雨寒し日曜の夜だからなお

    弁女

  • 疎開先知らぬ夜道の梅雨寒し

    正子@いつき組

  • 梅雨寒しタイ風スープはふはふと

    清水帰

  • 梅雨寒やバス隊形に並ぶ朝

    富田朗

  • 梅雨寒や明日のことは明日決める

    るみ

  • 梅雨寒に始業の鐘鳴れば倫敦

    もんちゃん

  • 梅雨寒やショール淡いナフタリンの匂い

    浅河祥子

  • パリ行きの機体がキラリ梅雨寒し

    百隠

  • 梅雨寒やライオン子産み新舎なる

    服部勝枝

  • 梅雨寒や最終列車の客拾ふ

    山帰来

  • 梅雨寒の街やバンクシーのネズミ

    豪七五

  • 梅雨寒や小包ひとつ玄関に

    潮入弥生

  • 梅雨寒やボトルシップのある旅館

    鳥羽南良

  • そうかしら嗚呼そうか梅雨寒に

    ポンキング

  • 雨垂れが地球をうがつ梅雨寒し

    植木照美

  • 梅雨寒や遊ぶ子どもは半袖だ

    マロン

  • 梅雨寒や我が子の墓に妻と我

    かずや

  • 梅雨寒し怒れ若者怒れ俺

    松野勉

  • 梅雨寒や砂糖多めのミルクティー

    杉本とらを

  • 梅雨寒や吾子がんばれとお腹見つ

    由女

  • 梅雨寒や窓に豆苗くび曲げる

    美年

  • 釣り人の珈琲香る梅雨寒し

    笹弓

  • あとでねと花壇は梅雨寒水浸し

    おおそとガリコ

  • 梅雨寒を吸って子牛は鳴きにけり

    縞午

  • 梅雨寒の曇天遊ぶ鴉かな

    おけら

  • 梅雨寒や吾子らはおのおの寝ると言ふ

    朝桜咲花

  • 寝床から押し入れ見やる梅雨寒し

    うみ

  • 梅雨寒のイスタンブールで迷いけり

    はちえいと

  • 梅雨寒や冷たい妻の足を抱き

    高田仁和加

  • 特養の白きシーツや梅雨寒し

    好文木

  • 梅雨寒や錆こびりつく廃線路

    金目銀目猫

  • 梅雨寒や先行く人の轍かな

    もとこ

  • 梅雨寒に雨読のページ指馴染む

    如月菜乃花

  • 梅雨寒や相合傘の肩がふれ

    まにあ

  • 雨滴響く暗がり一人梅雨寒

    会里糸

  • 今日もまたあなたに会えない梅雨寒

    そん

  • 梅雨寒を踏みしめて行くホームレス

    ふじのん

  • 梅雨寒やころころ変わる師の話

    一人静

  • 梅雨寒の昼寝亡母に逢えそうで

    季切少楽@いつき組広ブロ俳句部

  • 梅雨寒や添削済みの束抱え

    松永裕歩

  • 梅雨寒君と離れた一ヶ月

    柚原結女

  • 梅雨寒や焼いて食おうか握り飯

    薄安

  • 梅雨寒や病後の母の七分粥

    アイゴー

  • 梅雨寒に濡れた木の葉も道迷う

    お調子亭ノリ太郎

  • 梅雨寒に病原菌の街しずか

    峰江

  • 梅雨寒やそれもまた良し露天風呂

    流鏑馬

  • 梅雨寒に雀静かに日差し待つ

    春来燕

  • 梅雨寒や横断歩道に傘並ぶ

    長谷一諒

  • 梅雨寒のコインランドリー愛想無し

    ゆあな

  • 革命のエチュード出だし梅雨寒し

    Q&A

  • 車イス遺る梅雨寒の廊下に

    満る

  • 梅雨寒やコロッケ頬ばり見上ぐ空

    みえ

  • 梅雨寒や校舎に子どもはいるだろか

    貴茂菫

  • 梅雨寒に吾子の手足の温かさ

    小塚蒼野

  • 梅雨寒や骨身に滲みる山陰地方

    あつこっとん

  • 梅雨寒や樋リズム吐きテンポ変え

    紅塩寝子

  • 梅雨寒や長き廊下の床きしむ

    佳月

  • 梅雨寒は緑柱石のため息か

    ふあり光

  • 梅雨寒や枯山水の砂の色

  • 梅雨寒や香のけむりが仏壇に

    松山女

  • 梅雨寒やワイングラスに角氷

    永想

  • お風呂場に下水の臭い梅雨寒し

    尾張の黒うさぎ

  • 梅雨寒の紅茶洗濯機は回る

    海野碧

  • 丸虫の足を数える梅雨寒夜

    守安雄介

  • 梅雨寒や花束濡るるガードレール

    大槻税悦

  • 読み返すハードカバーや梅雨寒し

    ななえ

  • 梅雨寒の蛇口より落つ宵の黙

    飯村祐知子

  • 梅雨寒や赤き上着の近衛兵

    秋月

  • 梅雨寒を跨ぐ種牡馬の蹄かな

    宇田建

  • 梅雨寒し右中指欠けたネイル

    きのした小町

  • 梅雨寒や電子社会の無数の目

    灰田《蜻蛉切》兵庫

  • 梅雨寒やまた動かせる弥次郎兵衛

    ミユキ

  • 梅雨寒やセーラー服の重き襟

    めりっさ

  • 梅雨寒や賞与額には物申す

  • 梅雨寒の乳房は熟れて母を成し

    yoko

  • 梅雨寒や面会謝絶母寂し

    えび天

  • 梅雨寒や酒飲み猫と話しする

    きっちゃん

  • 研ぎ澄ます鎌梅雨寒の月となる

    今田無明

  • 梅雨寒や黒き帽子に黒き傘

    石崎京子

  • 梅雨寒や長き説法もてあます

    麻呂助

  • 梅雨寒や籠るほかなき老二人

    中井笙石

  • 梅雨寒や灸の跡残る合谷

    ハルノ花柊

  • 呼吸器のアラーム鳴るや梅雨寒の

    祺埜箕來

  • ?一打深く一礼梅雨寒し

    日本酒

  • 梅雨寒やほめられて来た下校の子

    不利を

  • 梅雨寒や懐も待つ晴れ間かな

    マユミ

  • 梅雨寒やポトフ一品足す夕餉

    かざばな

  • 梅雨寒や溜息色の養命酒

    杏と優

  • 梅雨寒に営業成果あてもなく

    春日

  • 梅雨寒に血豆蓄えいざ行かん

    高糖脂

  • 梅雨寒や黒き郵便配達車

    シラクサ

  • 梅雨寒や敷布乱るる昼下がり

    がじゅまる

  • 梅雨寒にベンチに忘る棘ホツリ

    佳子

  • 梅雨寒や琴糸重き音色かな

    雄咲(ゆうしょう)

  • 梅雨寒や小鳥が逃げた空の籠

    新藤柑子

  • 梅雨寒や曇りし窓に書く名前

    藤すみ

  • 梅雨寒や燈明と影共に消し

    定吉

  • 梅雨寒を知る銀山の出口かな

    裏山小虫

  • ぬれ縁にみひらく猫や梅雨寒し

    aya

  • 梅雨寒に釜の松風とどまりて

    珍紛漢

  • 梅雨寒し靴下重ねラジオかな

    久素木葉子

  • 遠ざかるSLの音梅雨寒し

    西山哲彦

  • 梅雨寒に曽遊の町なほ遠し

    青田奈央

  • 検査慣れ目の梗塞は梅雨寒や

    アオキシゲル

  • 梅雨寒や週末のコインランドリー

    木乃伊

  • 梅雨寒の布団の脇に方丈記

    ふうせんかずら

  • 梅雨寒に蛹羽化せず果つるかな

    邦生

  • 梅雨寒や靴下重ね小径ゆく

    スマホ優

  • 梅雨寒の教会の鐘凛とせし

    紀杏里

  • 梅雨寒に空き缶つぶす音響き

    聖一

  • 梅雨寒の町に防災アナウンス

    淺野紫桜

  • 梅雨寒や巣から落ちたる鴉の子

    なすの花

  • 梅雨寒にバターの溶けたトースト食う

    島村福太郎

  • 嘘をつく娘の唇梅雨寒や

    神宮くみち

  • 梅雨寒や校庭(にわ)のミサンガ土色に

    のりりん

  • 梅雨寒し市内電車は空の箱

    久美

  • 梅雨寒や三毛猫奪い合う姉妹

    鷹雪

  • 梅雨寒や歯医者の予約失念す

    宵眞智

  • 梅雨寒し肉そば三振り唐辛子

    細川小春

  • 梅雨寒の水割り腹に沁みにけり

    遊亀子

  • 梅雨寒や昨日の気温さがす朝

    明明

  • 新居浜の輪郭おぼろ梅雨寒よ

    いむら堅

  • 梅雨寒の草に隠るる野の仏

    むにむにちゃん

  • 梅雨寒しレインコートは水の色

    玉井令子

  • 梅雨寒や鳥静かなる鈴ヶ森

    をぎやかなた

  • 出る妻に投函たのむ梅雨寒し

    伊藤欣次

  • 梅雨寒に我儘猫が寄ってくる

    奥ノ木蛍子

  • 窓越しのさよなら言うよ梅雨寒

    深山紫

  • 梅雨寒し湖に消えゆく山の鐘

    よぶこどり

  • 梅雨寒し給付申請響く世か

    句詩呼

  • 梅雨寒にシンギングボウル響きけり

    童好

  • 梅雨寒やスーパーレジにアクリル板

    れんげ畑

  • 梅雨寒や授業動画の板書の音

    はまち

  • 梅雨寒や子宮筋腫を身籠れり

    なつめモコ

  • 梅雨寒や一皮剥けしつらのかわ

    沢瀉

  • 梅雨寒の八百八段登りきる

    リバティーさん

  • 梅雨寒や法灯よぎる人の影

    寒国

  • 梅雨寒にドリップ跳ねし琥珀の球

    花衣

  • 梅雨寒や中間色の人ばかり

    けいママ

  • 梅雨寒やフォークギターはどこ行った

    松端太郎

  • 梅雨寒と晴れ待ちわびる童たち

    矛々

  • 梅雨寒や仮眠の妻に羽織かけ

    聖橋

  • 梅雨寒や逢瀬の後の独り風呂

    みょん

  • 梅雨寒に棺の中は暖かろ

    山口雀昭

  • 梅雨寒が肌をとがらせ目をつむる

    しろい湯気

  • 梅雨寒の街始発前のたぬきそば

    wolf626

  • 梅雨寒もコロナ消えつつ人あふれ

    東児

  • 口紅を濃く引く女将梅雨寒し

    承穂

  • 梅雨寒や朝の光の痩せて見え

    甘平

  • 診療所を閉づまゝ梅雨寒の海

    まるかじり

  • 梅雨寒の浮き瞬きに何故沈む

    しんまいじいさん

  • 採血の手に蒸しタオル梅雨寒し

    岸れん

  • 老犬に上着を掛ける梅雨の冷

    宗本智之

  • 梅雨寒の歪に微笑ふモナリザ像

    丘山水羊

  • 梅雨寒し今朝も遺影に愚痴並べ

    なごやいろり

  • 寝返を数えるばかり梅雨寒し

    さくみ

  • パソコンも部屋の片隅梅雨寒し

    kuri

  • 梅雨寒やしずくまみれのドアミラー

  • 梅雨寒や妙に踏切多い道

    野良古

  • 梅雨寒や缶切り探す午前四時

    ぽんぽこぴーな

  • 梅雨寒や役にたつとはものぐさが

    気がつけばカンレキ

  • 梅雨寒の港の汽笛重き空

    ちばくん

  • 抱き寄せる犬の匂いに梅雨寒し

    銀命堂

  • 梅雨寒し手話早すぎて読み取れず

    綉綉

  • 梅雨寒や伸びぬ膝もて徘徊す

    は志むら

  • 梅雨寒の雨に打たれし駐車場

    宮島ひでき

  • 梅雨寒や味付け迷う六時半

    山川真誠

  • 梅雨寒しお地蔵様に缶コーラ

    三雲

  • サーカス小屋の嘶く馬や梅雨寒し

    れっどべりー

  • 梅雨寒や広告の品売り切れて

    南風紫蘭@木ノ芽

  • 梅雨寒の部屋に居座る金曜日

    温湿布

  • 自粛せよは自粛にあらず梅雨寒し

    石野上路無

  • 山背とは梅雨寒なりや狸ならず

    眞熊

  • 梅雨寒や踏み下ろす足もとに蟻

    札六(関屋@和祝句会)

  • 起きぬけのスマホぼやぼや梅雨寒し

    丹下京子

  • 梅雨寒の缶ビール手に仲間たち

    鶴田梅勝

  • 梅雨寒に不貞寝決め込む孤族なる

    のぼさん

  • 梅雨寒や帰り支度はまだ出来ぬ

    傘踏弾正

  • 欠席を楕円で囲み梅雨寒し

    直樹里

  • 濡れずある葉に熱ほのか梅雨寒し

    和季

  • 赤ちょうちん梅雨寒の町明あかと

    博さん

  • 梅雨寒や煮え立たされて朝餉の湯

    うに

  • 梅雨寒や写真の整理はかどらず

    うらら恵子

  • 梅雨寒やどの名湯を選ぼうか

    巫女

  • 梅雨寒の夜に迷子猫さがす声

    りら

  • 梅雨寒や手に消しゴムの温みをり

    亀の

  • 梅雨寒やベッドシーツの皺ひとつ

    霖之助

  • 梅雨寒やのれん窮屈さうに曲ぐ

    TAKO焼子

  • 梅雨寒や全て稼働の乾燥機

    月城花風

  • 梅雨寒や病む古傷をいとほしむ

    小橋春鳥

  • 梅雨寒や腿に張り付く濡れズボン

    長谷川ひろし

  • 梅雨寒に愛兎の健康チェックする

    亜久琵

  • 梅雨寒を気にしてしまうストーブかな

    わわ

  • 梅雨寒や郵便受けに督促状

    おたまじゃくし

  • 梅雨寒し縁の剥げたる味噌汁碗

    しみみ

  • 梅雨寒や煙りて見ゆる天守閣

    喜多輝女

  • 梅雨寒に鉢の水遣り忘れけり

    六々庵

  • 梅雨寒に肩で風きる我家かな

    カモメ

  • 梅雨寒や遮光カーテン閉めたまま

    こぶこ

  • 梅雨寒き触感はホチキスの針

    さばちー

  • 梅雨寒や空がまとまり降りてくる

    風間昭彦

  • 梅雨寒の葉裏に滴宇宙あり

    細木さちこ

  • 梅雨寒を焼酎湯割りでバッハ聴く

    甲山

  • 梅雨寒やひとり籠りて髪を切る

    竹春エリザベス

  • 梅雨寒や予定未達の腕まくり

    一生のふさく

  • 梅雨寒や果てなき天の謀

    スサトヨ

  • 梅雨寒にじっと空みる野良の猫

    横じいじ

  • 梅雨寒や歩行訓練やりやすべ

    池と堀

  • トラックの牛と目の合う梅雨寒し

    猫渓

  • 梅雨寒へ陽を呼ぶ騎士のほどく髪

    本村なつみ

  • 梅雨寒の波打ち際に青い犬

    竹内みんて

  • 梅雨寒や茶室の畳青さまし

    那須の田舎者

  • 半袖の赤も沈んで今朝の梅雨寒

    殿さまペンギン

  • 梅雨寒や形見となりし腕時計

    わたりどり

  • 梅雨寒や木小屋に古き藁の笠

    東山

  • 梅雨寒や人に教わりしこと僅か

    地に根ざし陽に伸びる

  • 梅雨寒にパジャマのゴムを入れ直す

    美音

  • 梅雨寒発進のエンジンの音

    今井佳香

  • 梅雨寒や回覧板は秋行事

    詩野風太

  • ほっとする梅雨寒来たり温暖化

    チャールズ

  • 梅雨寒や白黒傘の見へ隠れ

    ともけん

  • 押入れに母の遺品や梅雨寒し

    まぐのりあ@蚊帳のなか

  • 梅雨寒や色広がらぬ水彩画

    北の山猫

  • 青痣を忘れて歩く梅雨寒や

    まりちゃ

  • 梅雨寒やあの旅客機の悩む様

    テラダスオウ

  • 梅雨寒や登校の列粛々と

    阿波豊

  • 遺作かな小筆折る母梅雨寒し

    オアズマン

  • 鼻腔を拭ふ滅菌スワブ梅雨寒し

    椋本望生

  • 振り返る誰もおらぬよ梅雨寒し

    ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部

  • 梅雨寒に層雲の湧く箱根みち

    せっちゃん

  • 梅雨寒に鈍色の空三重奏

    しもさん

  • スティホーム梅雨寒覆い街沈む

    下村ひじり

  • 巣ごもりの独り紅さす梅雨寒し

    sol

  • 梅雨寒や空調の音駒の音

    なつぽよ

  • 梅雨寒や湯気まで楽しい珈琲

    のりた

  • 梅雨寒の便器に胃液ばかり吐く

    冬木ささめ

  • 梅雨寒しすうっと吸われし睡眠に

    月見草

  • 図書館の返却ポスト梅雨寒し

    ヤマボー

  • 梅雨寒や戻る気はないと言う子

    竹織

  • 梅雨寒の夜に田を見回る数珠の糸

    じん

  • 病院の深夜の廊下梅雨寒し

    順女

  • 梅雨寒や親子の傘が前を行く

    まぬう

  • 梅雨寒やほうじ茶の湯を急かす朝

    葉るみ

  • 梅雨寒や就寝前の薬用酒

    ピーター

  • 梅雨寒や長袖探す出かけ前

    詠野孔球

  • 梅雨寒や博物館は休館中

    俳菜裕子

  • 梅雨寒の学び舎友の影疎ら

    泰然

  • 梅雨寒や人も草木も静まれり

    寿摩子

  • 梅雨寒や初合宿の巡航船

    安田信洲

  • 教会にピエタほの白く梅雨寒し

    花おうち

  • 梅雨寒や締切のばせぬ表現者

    ぐりえぶらん

  • 梅雨寒や鶏団子など拵える

    朱久瑠

  • 梅雨寒にマネキンの目は遠方に

    笙女

  • 順調に進む老化や梅雨寒し

    ポンタロウ

  • パズルして抹茶香る梅雨寒の夜

    希平

  • 梅雨寒のタクシー止める手の遅し

    バス待ち人

  • 梅雨寒やテレビゲームに連敗中

    さくやこのはな

  • ベッドより見送る友の背梅雨寒し

    秋月流音@木ノ芽

  • 梅雨寒の畳に声の沈みゆく

    とも子

  • 悪天一ヶ月あしたも梅雨寒の予感

    ビール星人

  • 梅雨寒の匂い微かに目を覚ます

    桃花

  • 梅雨寒は釜揚げうどん今一度

    大丸

  • 空梅雨梅雨寒寒古里里恋慕

    今田梨

  • 終電のプラットホーム梅雨寒し

    石あい女

  • マンションに堂鳩の声や梅雨寒し

    きのと

  • 梅雨寒の雲の隙間に青い星

    なきうさぎ

  • 梅雨寒や青いベストは年季物

    銅鑼の音

  • 梅雨寒や水面で笑う逆さ虹

    岡田信幸

  • 梅雨寒やポーカーフェイス貫いて

    片栗子

  • 梅雨寒の鏡のやうな尾瀬の池

    薮内椿

  • 梅雨寒や日雇いバイト最終日

    たくや

  • 平家谷宮に赤幣梅雨寒し

    大村真仙

  • 過去帳の文字の擦れて梅雨寒し

    じょいふるとしちゃん

  • 豆大福口惜しさ噛みしめ梅雨寒

    川﨑鶴巻

  • 梅雨寒や真夜中に入る露天風呂

    伊藤善隆

  • キャンセルの大安吉日梅雨寒し

    たんくろう

  • 梅雨寒やまぶたの裏のひまわり畑

    ぽぷり

  • 梅雨寒しメール未読のままの恋

    宮永風太

  • 梅雨寒やマウスパットに触れる手が

    くめ仙人

  • つゆざむや負けつづけるのはいつも吾

    勉邪明

  • 梅雨寒や湯屋の花壇の極彩色

    伊予吟会心嵐

  • 梅雨寒や順番のくる予感する

    千里一歩

  • 梅雨寒し椅子が背負うランドセル

    林和寿

  • 梅雨寒や深き眠りの深き夢

    泥酔亭曜々

  • 梅雨寒の庭の木立の息静か

    かなこ

  • 梅雨寒や在来線の音憎し

    蘭子

  • 梅雨寒や禍の字は語尾に居すわれり

    逗留舎なお

  • 梅雨寒や行方知れずの七ページ

    和光

  • 梅雨寒や隣のカレー香り立つ

    わつきさんご

  • 梅雨寒や手摺の欲しき一の宮

    みどり

  • 梅雨寒や胎児のごとく眠りたり

    白木小鳩

  • 梅雨寒やライン電話の弾む声

    きさらぎ

  • 梅雨寒やドリップ見つめ思惟す朝

    よう

  • 梅雨寒やししむらゆるむ便座温

  • つけ汁を温め梅雨寒の昼餉

    大佛清

  • 絵はがきのシャガールの馬梅雨寒し

    なかの花梨

  • 空見上げ恵と思う梅雨寒に

    丘るみこ

  • 梅雨寒や暖房便座にの目盛り

    乃良

  • 梅雨寒や老猫が息丸まりて

    さとし

  • 梅雨寒やいずれの象も絵の具あお

    桃蓮まらん

  • 身震いし梅雨寒の朝一巻きす

    丙午

  • 梅雨寒や見上ぐ橙色の雲

    一呆堂

  • 梅雨寒や奥の細道ひとり旅

    一の介

  • 梅雨寒や足先痺れ湯に浸かる

    笑心

  • 恐ろしいほど手を洗い梅雨寒を

    のもとみな

  • 梅雨寒や思ひ返して言しまふ

    賀代

  • 梅雨寒し抱卵親の無事なるや

    玉治

  • 梅雨寒ややせ我慢の人ぞおかしき

    としこ

  • ポスト鳴る切手はがれて梅雨寒の日

    ティアラ文緒

  • 梅雨寒や出口の狭き茶葉の缶

    正山小種

  • 梅雨寒のおもさ大福ふたつ分

    糸川ラッコ

  • 梅雨寒や無人でまはる観覧車

    かすみそう

  • 梅雨寒が世界を覆う一人食

    雅鬼

  • 梅雨寒や残り物です鍋囲む

    あすなろ

  • 梅雨寒も土鍋の棚に届かぬ手

    宵待燈火

  • 梅雨寒やねぼけたままの日曜日

    おすし

  • 梅雨寒肉球をしっかり拭いてね

    ココダン

  • 梅雨寒に恋しく思う鍋奉行

    雨井杏子

  • 梅雨寒に湯を足しつつの長湯かな

    中村笙平

  • 梅雨寒やどこに落とした襟ボタン

    三子

  • 梅雨寒の夜背後に安全太郎

    たるみ

  • 梅雨寒の鼠の街に堕ちる音

    ひびの侘助

  • 梅雨寒の石段くわばら二寧坂

    羅風音

  • 梅雨寒やコロナ禍続く列島に

    有田みかん

  • 梅雨寒の鉄道員の姿勢よさ

    眠兎

  • 梅雨寒のドアに貼られたALSOK

    公木正

  • 梅雨寒や鉄橋渡る風重し

    畑詩音

  • 梅雨寒の日なか遺品を仕舞ひをり

    山河穂香

  • 梅雨寒や家族の揃わぬ夕べかな

    光観

  • 梅雨寒のせんたくもののひんやりと

    ふくろう

  • 梅雨寒にラジオを軽く点けてみる

    よだきんぼ

  • 梅雨寒に羽織一枚あらまほし

    藤井天晴

  • 梅雨寒のきみの指には絆創膏

    さこ

  • 梅雨寒に傘忘れたとふれる肩

    如庵

  • 梅雨寒し遠くのおとうと便りなし

    ちえぴー

  • 梅雨寒や濡れたる壁のバンクシー

    遊亀

  • 梅雨寒に期待するなり終息を

    ささき良月

  • 梅雨寒やヨガのポーズで息を吸ふ

    りこ

  • 雨はじく屋根も鈍色梅雨寒し

    若葉猫

  • 梅雨寒やコロナ嫌って毛布だし

    シロクマ太郎

  • 帰宅して足はシワシワ梅雨寒し

    ダンサーU-KI

  • 梅雨寒の庭のコーヒーの苦み

    星私

  • 梅雨寒の関東人の部屋片す

    ふーじー

  • 梅雨寒やきりきり痛む手術痕

    四緑

  • 梅雨寒し天地の揺れに手を合わせ

    千曜桜

  • 梅雨寒や灯火ふたつ揺らめきて

    アルプスの俳人

  • 梅雨寒や水の分子の分解し

    入口弘徳

  • 梅雨寒やどうぞこのまま口ずさむ

    葉っぱのようこ

  • 梅雨寒や土曜は夫の耳掃除

    松茶巴@プレバト木ノ芽

  • 梅雨寒の安全光に己が影

    欲句歩

  • 点滴の液黄色くて梅雨寒し

    海峯竜寿

  • 梅雨寒や郵便受けに死亡通知

    香栄

  • 梅雨寒や車椅子押す老介護

    たんちゃん

  • 劇場を一人で外へ梅雨寒し

    尾東志郞

  • 梅雨寒の一人居残る男子寮

    ひだ岩魚

  • 干し竿に滴が光る梅雨寒

    土屋木漏れ日

  • 梅雨寒の苗なお燻す不寝番

    笛柾(ふえまさ)

  • 航空機の轟音近し梅雨寒し

    ハチ太郎

  • 梅雨寒のアスピリン錠てのひらに

    柚木みゆき

  • 梅雨寒や鍾馗の札を西に貼る

    青嵐

  • 梅雨寒や小雨の中の墓じまい

    つつ井つつ夫

  • 梅雨寒や太陽風は今静か

    ミセウ愛

  • 梅雨寒や炊きこみご飯の湯気甘し

    森中ことり

  • 梅雨寒し島の学校迷路かな

    里甫

  • 梅雨寒のカレーライスは金曜日

    津葦

  • クリオネは天使にあらず梅雨寒し

    新田淑@狐狸山会

  • 梅雨寒や布団冷たき尾瀬の小屋

    宮写楽

  • 梅雨寒や襟立て降りるエレベーター

    玉井瑞月

  • 梅雨寒やピアノの跡の白き丸

    ふっこ

  • 梅雨寒し足音ひたと回廊に

    けら

  • 梅雨寒や差し延べられし手を握る

    そうま純香

  • 梅雨寒や寝癖を直す片想い

    たいき

  • 巧言のくちびる寒し梅雨寒し

    実花

  • 梅雨寒や干潟で探す海ソーメン

    しおかぜ

  • 梅雨寒し汁もういっぺん温めり

    里之照日日

  • 梅雨寒や百のパン乗せ学校へ

    はるや

  • 梅雨寒や室内干しのシャツ赤し

    烏兎

  • 梅雨寒はフルーツゼリーの透き間から

    さだとみゆみこ

  • 梅雨寒に憂鬱顔の人多し

    越仙

  • 梅雨寒や失せ物またも一つ増ゆ

    大谷如水

  • 梅雨寒や利休鼠に沈む池

    コナラ

  • 梅雨寒や手のひら二つ見つめをり

    國本秀山

  • 梅雨寒や外人の声遠ざかり

    新濃健

  • 梅雨寒や変えて忘れるパスワード

    鶴岡木葉

  • 梅雨寒の膨らんでゐる古雑誌

    みくにく

  • 梅雨寒や富士の見へない富士見坂

    和利

  • 梅雨寒や客待つ狸に雨しとど

    暢気

  • 梅雨寒の水を替へなむ墓湯呑み

    流士

  • 梅雨寒や渡り廊下の床きしむ

    ももたもも

  • 梅雨寒やしょったギター髪揺れる

    星夢光風

  • 梅雨寒し女医が温める聴診器

    みずの風華

  • 梅雨寒や机の上に単行本

    青玄

  • 梅雨寒に目で追う文字も上滑り

    浩章

  • 梅雨寒やのど飴三つ固まりて

    森毬藻

  • ペナントの跡の白さや梅雨寒し

    でぷちゃん

  • 梅雨寒や龍のごと雲走りゆく

    神山やすこ

  • 梅雨寒や飛ばぬ飛行機並び居り

    とんとん

  • 梅雨寒や酸素ボンベを引いてをり

    白井百合子

  • 空見上げ紺色のシャツ梅雨寒と

    それぞれのしあわせ

  • 門閉じた鎌倉の古寺梅雨寒し

    春蘭素心

  • 待ちわびし便り届かず梅雨寒し

    ダイアナ

  • 梅雨寒や文箱に黄ばむ懸想文

    千葉睦女

  • 梅雨寒や転院せがむ兄の居て

    竹庵

  • 靴下の右側ばかり梅雨寒し

    ず☆我夢@木ノ芽

  • 梅雨寒や飯盛山の自刃の場

    ときわ露草

  • 暗がりに除湿器の声梅雨寒し

    時化田白金

  • オンライン稽古音声ずれて梅雨寒

    遼子規

  • 梅雨寒し明日着るつもりシャツ洗う

    あきみ

  • 捲る袖直して梅雨の寒さかな

    藤堂星羅

  • 梅雨寒やにゆうめんてふ手あつたのか

    比良山

  • 梅雨寒の指グーグルの波に濡れ

    山踏青時雨@山踏朝朗改め

  • ゆるり帆を降ろし梅雨寒缶珈琲

    ギコ

  • 梅雨寒の雲黒々と職探す

    渋皮煮

  • 梅雨寒が幕間を演じ再出発

    令雅

  • 梅雨寒や祖母の揺り椅子ぐうと鳴る

    羅馬巴里

  • 鳥の音のぴたりと止んだ梅雨寒に

    紫蘭

  • トトロ差す小さき傘や梅雨寒し

    貴桜李

  • 消えかけのセンターライン梅雨寒し

    照波

  • 梅雨寒や庭の草木の沈む朝

    球子

  • 梅雨寒の古書店なれば憩ひけり

    朱契

  • 梅雨寒や自宅勤務の大欠伸

    佐藤俊

  • 梅雨寒や重りのやうな腕と脚

    ガオガオ

  • 梅雨寒や二度間違えるパスワード

    花菖蒲

  • 真新し半そで制服梅雨寒や

    ゆこげん

  • ある目覚め寝床に未練梅雨寒し

    青修

  • 梅雨寒は一級品の自己辯護

    上市まさ

  • 駅ピアノ梅雨寒の昼誰か弾く

    新米笛

  • 梅雨寒も雀鳴く声変わりなく

    慎乱

  • 梅雨寒や互いに距離を測らせて

    加茂亘

  • 君を待つ窓拭ひつつ梅雨寒し

    桃和

  • 梅雨寒に友との別れ名を呼べり

    安笑

  • 梅雨寒や傘の高跳棒で跳ぶ

    かたな

  • 梅雨寒の海は鈍色船点々

    おちゃうけ

  • 気が付けば釦ちぐはぐ梅雨寒し

    いまいやすのり

  • 梅雨寒に笑笑笑う友と談

    清水千種

  • 梅雨寒や烏の留まる木の雫

    青木豊実

  • 梅雨寒にこれくらいはと伊達男

    たけし

  • 梅雨寒や猫は特等席におり

    江藤薫

  • 梅雨寒の郵便受けの納付書よ

    三水低@第二まる安

  • 梅雨寒や馬手に湯たんぽ弓手に歩

    安芸子守熊

  • 傘の柄で呼び鈴押して梅雨寒し

    雀虫

  • 梅雨寒や残り一個のドロップ缶

    茄子美

  • 梅雨寒や色よき返事待ち惚け

    勘太郎

  • 梅雨寒のカフェ3杯目の珈琲

    無苦路

  • 梅雨寒や出番待つてる青いシャツ

    ふみちゃん

  • 梅雨寒に己が輪郭吸いとられ

    ぽんのじょう

  • 煙突の高さ日本三位の梅雨寒し

    鈴廣

  • 梅雨寒や機嫌悪そな母の顔

    桜木レイ

  • 梅雨寒や飛鳥の里は静まりて

    ニッシャン

  • 梅雨寒にカントの書物閉じたまま

    与六

  • 梅雨寒や化粧直しの肌の色

    ぼたんぴ

  • 梅雨寒し京都に人が見えぬとは

    畦のすみれ

  • 梅雨寒や傘傘傘のぬれねずみ

    さとうくにお

  • 梅雨寒にさらりと羽織るピンク色

    負荒れ

  • 回覧板印鑑にじむ梅雨寒し

    朝子

  • 梅雨寒にボクサーパンツ陳列す

    渓雪

  • 梅雨寒に途絶える声と絶えぬ音

    上杉ニグセウ

  • 佐渡島の梅雨寒先のビール瓶

    クラムチャウダー

  • 果てのなき籠りの街や梅雨寒し

    ははろ

  • 梅雨寒や拍車のかかる無駄遣ひ

    てまり

  • ルノワールの肌色やさし梅雨寒し

    紫檀豆蔵

  • 階段を駆け下り裾野梅雨寒し

    佐藤明桜

  • 梅雨寒や犬一震い玉しぶき

    隆松

  • 梅雨寒の一人カラオケ佳境なり

    田中ようちゃん

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