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DIARY

季語深耕部 byハイポニスト

2025.04.28お便り

兼題「啓蟄」に関するお便りを紹介します。

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●季語六角成分図「啓蟄」より。関連季語:蛇穴を出づ・地虫穴を出づ・蜥蜴穴を出づ・虫出しの雷(視覚)土、土塊、大地、庭、畑、石ころ、墓。蚯蚓、蜥蜴、蛇、蟻、蛙、蟇、亀、蜘蛛。明るい空、雷。(嗅覚)土の匂い、雨の匂い。生臭さ。(聴覚)鳥の鳴き声、雷。(触覚)土の温かさやほろほろと崩れる手触り。暖かくなってきた風。肌寒さも残るか。(味覚)なし。(連想力)上記の五感は連想力からもたらされるもの。他、春の喜び、生命力、目覚め、発生、生まれる、鳴り響く、瑞々しい。★二十四節気の一つで、今年は3月5日にあたります。時候の季語なので、映像も五感もなく、すべて連想力からもたらされることに注意が必要です。★角川歳時記には、「暖かくなってきて、冬眠していた蟻・地虫・蛇・蛙などが穴を出るころとされる」とあります。基本季語五〇〇選(山本健吉)には「このころ初雷がとどろき、冬籠中の虫の目を覚まさせるので、虫出しの雷、蟄雷ともいう。/啓蟄を季語として興味を抱きだしたのは、近代俳句、主として虚子以後のことである」とのこと。★今年の啓蟄を振り返ってみると、気温の乱高下がすごくて妙に眠気に襲われていたころだったなぁと思いました。人間は春眠暁を覚えずのころなのに、虫たちは目を覚ましてえらいなぁ、なんて思ったり。ともかくも、春の生命力と喜びが感じられる季語ですね。★好きな句「啓蟄のみみず横縞きらめかす 後藤比奈夫」「啓蟄のとぐろを卷いてゐる風よ 島田牙城」/碧西里

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※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。


写真タイトル:石鎚山

写真参照元:https://www.iyokannet.jp/photo

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