兼題「小春」に関する季語の考察をお寄せいただきました。
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●季語六角成分図「小春」より。(視覚)穏やかな日差し、淡く輝く空と雲。虫や動物もまだ活発で、人出も多い。時間帯は昼が中心か。自然でも町でも。(嗅覚)枯草やお布団の日の匂い。(聴覚)鼻歌や口笛。生活音。(触覚)陽射しが当たって暖かく温かい。ひざ掛けなど防寒グッズがやわらかい。身体がゆるむ。(味覚)なし。お茶とかお菓子とか楽しみたい。(連想力)以上の五感は、連想力の賜物。のどか、ほっとする、淡い。冬の入口、本格的な冬への備え。夕暮れの早さ。洗濯物干さなきゃ!★陰暦十月の異称。転じて、この頃の立冬を過ぎてからの春のように暖かく晴れた日和を称えた言葉。中国の「荊楚歳時記」に由来し、日本では「徒然草」に記載されており中世から使われていた。★時候の季語であり、具体的な景色や感覚を持たないことに注意。★ポジティブ、のんびり、ほのぼの、といったものならなんでも取り合わせられる万能季語です。例句も殆ど取り合わせ。それだけに本意はどこにあるのか?オリジナリティをどう出すか?など、別の悩ましさがある季語。「小春とは~~」と何かに見立てて断定することで詩を生むのも常套手段。一方、一物仕立ては至難の業で、「玉の如き小春日和を授かりし 松本たかし」くらいでしょうか。/碧西里
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※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。
写真タイトル 松山城からの眺め