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DIARY

季語深耕部 byハイポニスト

2021.05.25お便り

兼題「春暑し」に関する季語の考察や、体験など、たくさんお寄せいただきました。

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●俳句ポスト365リニューアルおめでとうございます!季語六角成分図「春暑し」より。(視覚)晴天、柔らかな日差し、若葉や花々のきらめき、濃くなりつつある影、青む山や野原。コートやジャケットを脱いで抱える人や袖をまくった人。(嗅覚)体臭が少し、やや甘い香り。(聴覚)さえずりや風。(触覚)汗ばむ肌、上着の布地、湿気はそれほど高くない?やや蒸す?(味覚)なし。(連想力)午後ののどけさ、かすかな鬱陶しさと不快感、紫外線が気になる。★触覚、連想力、視覚が強いが、時効の季語のため全体的に五感は弱め。過去の俳人たちも扱いかねたのか、例句が少なくて頭を抱えている私です。★夏の季語である暑さ、薄暑との違いは、「春にしては暑いな」という軽い驚き、うっとおしさや不快感が少し、でもそこまでではなく笑顔で話す余裕もある…といったところでしょうか。時間帯はほぼ春の晴れた午後に限定され、日差しに春らしい明るさがあります。一方で、春というのどかな季節にあえて「暑し」と添えることで、苛立ちやうっとおしさが表れているともとれます。どんな取り合わせが金曜に登場するのか、楽しみです。/碧西里

●正人さん、YouTubeも楽しく拝見しています。お忙しい中、これからは選句宜しくお願いします。さて、先日投句した「春暑し」の句は、季語3つ中八というタブーづくしの句です。無粋ですが、やっぱり私なりの意図であることを説明したくて、お便りさせていただきました。青森は暦上春という時期は雪、暴風、氷点下、とても辛い季節です。立夏の直前、つまりGWにだけ、なぜか真夏のような暑さになり、その時、桜が咲き、同時に緩やに北上する梅の開花前線が追いつき、桜と梅が一緒に観れる豪華な春を迎えます。そのゴージャス感と冬と春のギャップを表現したくて、あえてタブーにチャレンジしてみました。余談ですが、青森の桜は、その一瞬の暑さゆえか、1週間で散ってしまう儚い命です。/伊沢華純

●季語「春暑し」は、初夏の暑さとはまた違う、ということですが、その違いを句に表現するのが難しかったです。「薄暑」で詠むほうが良いなぁ、と思うものは投句せず、メモに残すのみになりました。「薄暑」は初夏の日差し・光のイメージがあるのに対し、「春暑し」は朝晩の気温に合わせた服装が、昼間になるとどうにも暑い、といった印象を受けました。案外、「ハクショ」「ハルアツシ」という音から受け取る印象の違いも大きいかもしれません。/オサカナクッション

●今回は春の季語、「春暑し」です。季語の分類でいうと時候となり、夏のうだるような暑さではなく、体を動かしたり、日が差してきたりしたときに汗ばむような暑さを指す季語と歳時記には説明されていました。さて、この季語を使っての作句でまず心しておきたいのは、時候の季語に風景がないので風景を詠むのが常套手段です。しかしながら、自身では風景だけでなく、音や香り、味を詠んでも面白いなと考えます。そして、「春暑し」の季語の本質ですが、歳時記にある例句が2句か3句しかなく、例句から季語の本質を読み取るのは難しいように思えます。ここは自分なりに感じる「春暑し」の感覚から読み取った季語の本質で勝負するしかなさそうです。/いもがらぼくと

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たくさんのお便りありがとうございます 皆で楽しく読ませていただいています。

写真タイトル 道後公園
写真参照元 https://matsuyama-sightseeing.com

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