俳句ポスト365 ロゴ

DIARY

季語深耕部 byハイポニスト

2022.11.28お便り

兼題「鰯雲」に関する情報をお寄せいただきました。
**********************************
「雲」を見ていくことで「鰯雲」の本意を探れないか考えました。国連は世界気象機関(World Meteorological Organization:WMO)という専門機関で、基本形となる雲を十種定めています。ウェブ検索したり、子ども向けの天気や気象についての図鑑も参照しながら書きます。<鰯雲>:巻積雲、または高積雲。小さな雲が群れをなし、魚の群れや魚鱗、水面の波のようになって、空に広がります。高積雲の方が生じる高度が低く、一つ一つの雲が大きく陰影があります(まだら雲、ひつじ雲ともいいます)。鰯雲の子季語には鱗雲というのもあります。見た目が魚の鱗のように見え、一見別種の雲にも思えますが、でき方そのものは温暖前線が近づいてきて生じる上昇気流によるものなので、違いはありません。前線が接近することからもわかりますが、巻積雲が出ると天気は下り坂。鰯が豊漁になるという言い伝えも気圧の変化と関係あるかもしれません。空一面の群れ成す雲だから、多くのものがある景色、あるいは群衆の中での孤独などの対比などが考えられそう。また、空の高い場所・巻積雲を見上げるときの心情ってどんなものなのか。その心情の時に見える、多くの雲が動いている様子はどんな風に受け止められるものだろう? 能動的に動いているのか、致し方なく同調圧力的なもので動かざるを得ないとか、どうだろうかと。なお、私が歳時記の例句でなぜかグッと来たのは「鰯雲人に告ぐべきことならず」(加藤楸邨)、「うろこ雲ことばを減らしつつ老いる」(対馬康子)でした。さて、十種雲形の写真や実際の空を見つつ文章を書いてきました。季節ごとに雲の見え方、種類だけでなく動き方や印象(心象)も変わって見えるものだと感じたところです。この上で投句してみることとします。/千代  之人
**********************************
※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。

写真タイトル 堀江漁港
写真参照元 https://www.iyokannet.jp/

カテゴリー

月別アーカイブ

投句はこちら