兼題「落葉」に関する季語の考察をお寄せいただきました。
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●季語六角成分図「落葉」より。(視覚)赤、黄、茶色などの色彩、大きさ、形の多様さ。地面、町、林、山、遊歩道、庭などの様々な景色。風に舞い散る、はらはらと落ちるなどの動き。吹き溜まり。(嗅覚)香ばしい日の匂い、土の匂い。(聴覚)カサカサ、サクサクと踏む音、ザッザッと掃く音、焚く音。凩。足音。(触覚)乾いた感触、温もり、焚き火、雨後の濡れた感触。(味覚)なし。(連想力)寂しさ、人恋しさ、孤独。冬に向かう。衰え、砕けていく。明るさ。★落葉樹は冬のあいだに葉を落とす。その葉の地面に落ちているもの、枝から離れて落ちることの両方を指す。個別の樹種名を冠した季語として、柿落葉、朴落葉、銀杏落葉などがありますが、これらはとりあえず別季語と考えました。★2019年10月17日の俳句ポストの既出兼題です。そのとき、私はお便りに「今まさに落ちてゆく葉も、既に散って地上にある葉も、どちらも指すという点が面白い」「句を一読してどちらの落葉かがわかるかというのも作句の大事なポイントになるのでは」と書きました。現在も同意見です。★例句を見ていると、むさしの、鎌倉、ローマなど、大きな景色を描くこともできるとわかりました。日常の風景や心情など広く取り合わせられる、使い勝手の良い季語です。例句も膨大なため、オリジナリティをどう出すかがポイントでしょうか。/碧西里
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※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。
写真タイトル 松山城からの風景