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DIARY

極身近な日常を詠み続ける

2023.02.10お便り

お便りを紹介します。
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●「俳句は説明するな」とよく言われる。俳句に限らず詩の全てが、その人の裏側にある背景や事情までを含めての「詩」なのである。俳句は特に言葉数が少ないので、背景に言及することは至難の技である。書かれた言葉の裏側には、作者の人生の生き様そのものが隠されている。その点いわゆる有名人は得だ。なぜならその人の人生のほとんどが他人によく知られているから。その句が作られた時点において作者がどんな事情、心情を抱えて生きていたのかを容易に、他人が推測できる材料が豊富にあるからである。名もなき詩人や俳人がそれを乗り越える唯一の方法は、自分の身の回りにある極身近な日常を詠み続けることなのだろう。投稿などにおいても、作者の仕事や職業、あるいは子育て、介護、そして病気、また趣味、嗜好など、生活そのものに密着した切り口にテーマを絞り切って、それを詠み続けることにより、読者の脳裏にもその人の生活や人物像が自然に醸成されてゆくというメリットがある。雄大な自然の情景や、作者の心の機微だけを表面的、単発的に詠んでいても、他人にその句の背景までも伝えることは大変に難しい。要は「何事も積み重ね」ということなのだ。とは言え、今の己の日常には、俳句の材料となる「新鮮な気づき、心の躍動」などは少なく、いつもながら、昔の思い出に耽る俳句ばかり作っている自分なのである。/佐藤烏有
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※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。

写真タイトル 子規堂
写真参照元 https://matsuyama-sightseeing.com/media/gallery/

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