兼題「蜘蛛」に関するお便りを紹介します。
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●季語、蜘蛛について。クモとは節足動物門鋏角亜門クモガタ綱クモ目に属する動物で、世界には35000種、日本には1200種ほどがいるといいます。クモの特徴や共通部分を挙げるとすれば、頭部と腹部に分かれた体で、4対8本の脚があること、口の手前に突出した部分(鋏角)があることくらいのようです。「眼が8つある」、「雌の方が大きく雄が小さい」といった姿は典型例としては挙げられますが、反例的存在(眼が8つ未満しか無い。雌と雄の大きさが同じくらい、もしくは雄の方が大きい)の種もいます。絶対的な共通点が少ないことに驚かされました。また、多くの人が巣を作ることを思い浮かべるかもしれませんが、大体半数の種は巣を作らない(糸そのものは出す)とのことでした。今回の兼題が発表されて、傍題に目を向けると「蜘蛛の囲」「蜘蛛の巣」と巣を表わすもの、「女郎蜘蛛」「袋蜘蛛」と巣を作る種が傍題となっています。そして、歳時記には蜘蛛とは別に「蠅虎(ハエトリグモ)」が別な季語として扱われています。季語としての「蜘蛛」を考えると、クモ目の節足動物全般とはいえ、巣を張るかどうかが大きい要素だと考えました。そこで、今回の課題として、自分の見た、巣を作る蜘蛛から句を作ることとしました。この上で、日本にいる1200種の中から「何となくだが、あの蜘蛛では?」とイメージできる句を目指しました。/千代 之人
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※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。
写真タイトル:一草庵
写真参照元:いよ観ネット