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DIARY

季語深耕部 byハイポニスト

2023.08.28お便り

兼題「雷」に関するお便りを紹介します。

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●雷は、上昇気流によってできた雲の中、上の方から下の方へ、周囲の空気を巻き込みながら行われる放電現象。地上からは音や閃光としてこの現象を知覚できます。「雷」と書いて、「らい」「かみなり」「いかず(づ)ち」と読むことができます。「かみなり」は、現在では自然現象そのものを指しもしますが、元々は「神鳴り」だったとのこと。「神が鳴らす」のだから、「かみなり」とは、鳴ってこその「かみなり」で、聴覚的な要素が入る季語です。「いかづち」については、もともと「厳ツ霊(いか・つ・ち)」、このうち「いか」である「厳」は「いかし」で、激しく荒々しいこと。「つ」は上代における格助詞で連体修飾格を作りますので、現在の格助詞なら「の」。「ち」は人知を超えた力をもつ存在を示す音。「霊」という漢字は、魂(万物の魂であり、死者の魂)、神、神秘の力といった意味。いうなれば、「いかづち」とは、激しく荒々しい霊が示す現象のこと。「いかづち」と「かみなり」ならば、より荒々しく畏怖の念や恐怖感を与えるのが「いかづち」だと言えそうです。さて、「雷」には傍題がたくさんありました。例えば、12音に「神鳴りや」「いかづちや」と付け替えるだけでも句全体のイメージが変わってきます。まずは「雷(かみなり)」と正面から向き合おうと思いましたが、「かみなりよりも言いたいことを言えそうな傍題があるのでは?」と立ち止まることが多く、やっと投句できたと感じています。苦労した分、季語の本意に近づけていたら嬉しいところです。/千代 之人

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※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。


写真タイトル:白石の鼻巨石群

写真参照元:いよ観ネット


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