お便りを紹介します。
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●俳句の批評のダメ出しの中でよくあるのが、「これは只の事実を述べただけ、これは単なる報告に過ぎない」というのがありますよね。子規は俳諧から俳句へと変えるに当たり「俳句とは言葉による写生だ」と言ったそうですよね。ならば子規の云う「写生」とは一体何なのだろうと「写生」という言葉について調べてみたところ、こういう答がありました。「写生」の語は中国・唐代末期、先人の画を写し取る方法を指す伝統的な「臨画」に対し、現実の事物を見たままに写しとる写実的傾向を表すための言葉である。そしてさらに、「写生」は主観的表現を表す「写意」の対立概念である。東洋絵画における「写生」は描写対象に直接対することによって「写意」と密接に関係しつつも、形式にとらわれずに対象の本質に迫ろうとする性格を持つものであり、西洋の写実的絵画とは共通する点を持ちながらも相異なるものである……というのです。何となく分かったような分からないような感じではあるのですが、絵画でも俳句でもともかく目の前にある対象に対して、描く、詠む人の「心」がそこに感じられないものはダメだということで、納得しました。西洋画で言うところの「スケッチ、デッサン」では俳句としての評価は低いということなのでしょう。/佐藤烏有
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※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。
写真タイトル:道後温泉本館 すす払い①
写真参照元:https://dogo.jp/download