兼題「山笑う」に関するお便りを紹介します。
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●今回は「山笑う」が兼題です。11世紀の中国(北宋時代)に郭煕(かくき)という山水画家がいました。郭煕の画論を、息子の郭思(かくし)が纏めたものが、『林泉高致集』。この中の、「山水訓」という編に「山笑う」の源があります。季節ごとに山にかかる霞の様子は違い、山の見え方も違っている。「山笑う」は、山と山霞があって成立する風景なのではないかと考えられます。また、山とそこにかかる霞を客観的に見られる程度の距離感、即ち、遠景を示す季語ではないかと。こう考えると、近くの景との比較ができやすい季語だと思えます。ただ、季語自体が既に喩えられている(擬人化されている)ので、近くの景を抽象的に書くと、内容がぼやけすぎて句で言いたいことが伝わらない句が出来そうです。私は、遠くの山の有り様を見て、「山笑う」の風景はどんなものか感じて、そのうえで、自分の身近な出来事や経験を12音にして組み合わせたいと思いました。 /千代 之人
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※たくさんのお便りありがとうございます♪ 皆で楽しく読ませていただいています。
写真タイトル:城山公園から松山城を仰ぐ