俳句ポスト365 ロゴ

初級者結果発表

2016年6月9日週の兼題

月見草

【曜日ごとに結果を公開中】

【優秀句】

  • 穴三つ開けし耳たぶ月見草

    松尾千波矢

  • 黒猫が跨ぐ零時の月見草

    永海みなみ

  • 月見草話し相手は月ですか

    笹百合

  • アルバムや返せぬままの月見草

    ツカビッチ

  • 月見草放送終了後の無音

    海田

  • 月見草ほどの明るさ欲しと言ふ

    ぼたんのむら

  • うぶすなの淀の堤の月見草

    市川七三子

  • 月見草ピアノソナタに眠る吾子

    TOSHI

  • ロック座の楽屋の裏に月見草

    武蔵人

  • 月見草墨絵のやうな夜だこと

    ことまと

  • 月見草あいたいなんて言うものか

    いつき組福岡リスナー班由美子

  • この岩は神を孕むか月見草

    凡鑽

  • 汝がむねに指を組ませむ月見草

    久我恒子

  • つきみそうしょうぼうしょへのみちにさけ

    けいご5才

  • 月見草今夜最後の煙草の灯

    石川焦点

  • 蒼い夜は一人じゃなくて月見草

    富士山

  • みずうみの荒れ収まりぬ月見草

    醍醐

  • 月見草川の向こうはネオン街

    Gutara

  • 月見草音階違う下駄の音

    はずきめいこ

  • 自転車のランプに浮かび月見草

    ころん

  • 雨滴より涙の軽し月見草

    あらあらた

  • 入水を見届けており月見草

    マーペー

  • 水底のやうな夕空月見草

    スズキチ

  • 日時計は閉門の刻(こく)月見草

    石井せんすい

  • この更地何あつたつけ月見草

    葦信夫

  • 半錠のねむり薬と月見草

    まどん

  • 月見草小瓶に毒が一二錠

    山香ばし

  • 月見草骨きしませて子は伸びる

    ポメロ親父

  • 終バスの尾灯も遠し月見草

    鈴木麗門

  • 月見草さざめく海を乞ふやうに

    理子

  • 月見草ほろびのうたを歌おうか

    理子

  • 月見草父の形見の竜頭巻く

    誉茂子

  • 月見草空へ空へと低気圧

    鈴木牛後

  • 月見草コンビナートは海の果て

    矢野リンド

  • 地震の地の瓦礫に咲くや月見草

    一心堂

  • 大仏の視線に月見草の原

    人見直樹

  • ひとびとの最期の夜の月見草

    ジュリアン

  • 太陽の記憶を持たぬ月見草

    桂奈

  • 月見草白し夫人の夜は赤し

    タルトタタン譚

  • シベたてて夜の気配聴く月見草

    ギボウシ

  • 古井戸の底に影さす月見草

    いち瑠

  • 月見草なみだ袋を描いて消し

    be

  • 月見草黒の澄み切る河童淵

    糖尿猫

  • 月見草空流れゆくモノレール

    井上じろ

  • ユダの手に銀貨何枚月見草

    凡鑽

  • 始発待つ空気の湿り月見草

    清清檸檬

  • 鳴く鳥の闇の深さに月見草

    江戸人

  • 船宿を曲がれば月見草の丘

    勿忘草

  • 聞くことは月見草より教はりし

    大塚めろ

  • さわさわと濡れているかな月見草

    草嶋薫

  • 潮騒をとおく聴く寝屋月見草

    浜ちよ

  • 現身の影は曲線月見草

    えらいぞ、はるかちゃん!

  • 月見草ほのり右ポケットに辞表

    稲穂

  • 月見草夜警室にて記する朝

    chiro

  • 廃村にありしか月見草口伝

    小川めぐる@チーム天地夢遙

  • ロシア船影絵のごとく月見草

    念仏の桂介

  • 月見草いえのない子がおりました

    ぼたんのむら

  • どこまでも地上の灯り月見草

    羽白雨

  • 遮断機の終わりさびしき月見草

    Mコスモ

  • 月見草迷子の犬を呼ぶ少女

    竹田虎徹

  • 原爆のマリアに捧ぐ月見草

    竹春エリザベス

  • 月見草影から先にあるやうに

    葦信夫

  • まるで月見草の血を抜くやうである

    ウェンズデー正人

  • 廃校の鉄棒錆びて月見草

    出楽久眞

  • たましひののぼる音きく月見草

    緑の手

  • 引つ越しの荷物詰め終ふ月見草

    どかてい

  • 自転車をおしゆく母子月見草

    ららやにほ

  • インクのごと夜は広がるも月見草

    dolce(ドルチェ)

  • ふるさとは真の闇なり月見草

    金子加行

  • 月見草ぼくは散骨されたのね

    酒井おかわり

  • 月見草渚に遠く浜の路

    藻川亭河童

  • 灯の点る岬の燈台月見草

    よひら

  • 足元から夜がくる浜月見草

    沙羅

  • 琵琶の音は影も残さじ月見草

  • ヘッドライトに月見草の一瞬

    ささのはのささ

  • 閉店のサイン灯せり月見草

    小市

  • ヴィオロンの音にめざむるや月見草

    らつこマミー

  • 菊屋ホテルありし処に月見草

    らつこマミー

  • 月見草眠らぬ街の女かな

    いもがらぼくと

  • 月見草ペルシャの街の辻楽師

    大西主計

  • 月見草しらじらとくれなゐを秘す

    クズウジュンイチ

  • 月見草三十八万粁のそら

    糖尿猫

  • 廃線の鉄路に雨よ月見草

    彩楓(さいふう)

  • まほろばを渡る嘶き月見草

    百草千樹

  • 月見草画布に育てて宵を待つ

    勿忘草

  • 戒名に星の文字あり月見草

    佐東亜阿介@チーム天地夢遥

  • 月見草会ひたき人のかほ忘る

    富山の露玉

  • 夜をゆく船の灯りや月見草

    凪ひと葉

  • 星の夜を猫の町へと月見草

    彩楓(さいふう)

  • 風の浜あふれてやまぬ月見草

    青萄

  • 富士を呑む闇の底より月見草

    関野無一

  • しぼむ待宵草君の生まれる日

    イカ太郎

  • 月見草マドロスさんを待つ波止場

    一走人

  • 紅ひいて少年は消ゆ月見草

    中原久遠

  • 点滴の刻(とき)はゆっくり月見草

    ほろよい

  • 月見草遊行上戸の声しばし

    板柿せっか

  • 漱石の憂いの深し月見草

    笑酔

  • 月見草若き神獸あやすよに

    時雨

  • ベガよりの電波捉ふや月見草

    秋月

  • 少しだけ泣かせて月見草ひらくまで

    あるきしちはる

  • 月見草みなそれぞれに親不孝

    小野更紗

  • 月見草神は戦火を押し広げ

    村上海斗

  • 月見草いよいよ視力失せし姉

    紀和やよい

  • 志那都比古わたる参道月見草

    谷口詠美

  • 定位置に星々光り月見草

    ポメロ親父

  • 陣中の誰が笛の音ぞ月見草

    GONZA

  • アリゾナの原爆の事月見草

    理酔

  • 亜米利加に渡り六代月見草

    理酔

  • 二度と辿りつけぬ空地の月見草

  • 食堂の錆びたシャッター月見草

    クラウド坂上

  • 月見草古墳は風に乾きけり

    風さら紗

  • 月見草咲きたる内に帰らねば

    車話

  • 龍神の湯の香も怪しつきみさう

    庭野かはづ

  • 月見草君を眠らせ出勤す

    sakuraa.

  • 月見草夫の出かけし夜のしづか

    セルリアンブルー

  • 南吉のランプ仄かに月見草

    湯川美香月

  • ポンポン山の野辺に媚びない月見草

    登美子

  • 月見草月へひらけば奥歯めく

    Y音絵

  • 風を聞き歩く榛名や月見草

    澱凡

  • どぶ板の角から腐り月見草

    板柿せっか

  • 日時計の「じかん」は終わり月見草

    たんじぇりん金子

  • 横顔のやうなりけふの月見草

    三島ちとせ

  • 月見草死ぬ時ぴいと鳴く兎

    岩魚

  • 黒猫に青白き影月見草

    樫の木

  • 月見草刹那主義ではあるまいか

    しましまの青鬼

  • 月見草星になれずにしぼみゆく

    かれん

  • 母子像を灯す如しや月見草

    内藤羊皐

  • 火星近しなだれ咲く月見草

    直木葉子

  • 月見草今日も来ている綿菓子屋

    木好

  • 月見草踏まぬよに往く戦車かな

    灰色狼

  • 戦争の音は怖きよ月見草

    トレ媚庵

  • 羽化したる月見草まだとびたたず

    小田寺登女

  • この星の半分は夜月見草

    山香ばし

  • 珍しく花の名を問ふ月見草

    さかな

  • 一文字の灯らぬネオン月見草

    でこはち

  • 月見草尻尾が渡る丸木橋

    あいむ李景

  • 交番の赤い門灯月見草

    間野ぷうちゃ

  • 色抜けし母の写真や月見草

    みちる

  • 月見草つきと交信できたといふ

    み藻砂

  • バス停のあかりの遠く月見草

    28ひろきち

  • 見はるかす沖の巨船や月見草

    村田美代子

  • 髪濡れたまま月見草揺らし居り

    江口小春

  • 潮満ちて戻れぬ館月見草

    みなみいくこう

  • 月見草ふんわりよけて猫の径

    じゅりあん・山本

  • 月見草テルミンのごと子犬吠ゆ

    岩魚

  • おきざりとなりし言の葉月見草

    うしうし

  • 月見草太陽風は致死の風

    西田克憲

  • 家出した今宵の土手の月見草

    雪雀

  • 笑うほど軽き骨壺月見草

    岩魚

  • あかときに遭ふ月見草ただならぬ

    くらげを

  • 月見草明日ブラジルへ発つ巨船

    樫の木

  • 薄明の雨の匂いや月見草

    とりとり

  • やはらかく灯る頭痛や月見草

    豆腐太郎

  • 南軍の全滅の丘月見草

    初蒸気

  • 夕闇にとける先生月見草

    うに子

  • 人の死だつてふと笑へるの月見草

    初蒸気

  • 胸のうち零れて揺れり月見草

    胴上あゆみ

  • 月見草ひらけば管弦音楽祭

    長緒連

  • 探査機の発射待つ島月見草

    雪うさぎ

  • シスターのオルガン響く月見草

    まどん

  • 米軍の金網長し月見草

    龍臣

  • 月見草真白き和紙のほどけたり

    靫草子

  • 夜通しの潮騒月見草淡く

    老人日記

  • 妖言か月見草羽ばたくと

    三重丸

  • 月見草どれも欠けたるる貝の殻

    沙羅

  • 窓ガラス破れし校舎や月見草

    香壺

  • 夕風に開く蔵王の月見草

    らつこマミー

  • 月見草鍬を洗つて星を見て

    椋本望生

  • 灯台を探し行き着く月見草

    かをり

  • 工場の跡に明るき月見草

    ひろ史

  • 終電の鉄路の軋み月見草

    西尾桃太郎

  • 一人称しづかに満ちて月見草

    すな恵

  • 待宵草星の雫の漏斗とも

    醍醐

  • 月見草龍飛ぶ崎に風よけて

    津軽わさお

  • 療養所在りし辺りに月見草

    相模の仙人

  • 月見草子宮のなかのうすあかり

    関野無一

  • 山猫軒の消えてうつつの月見草

    TAKO焼子

  • 白金のペン先ひかる月見草

    マーペー

  • つきみぐさ地球の斜角への不安

    トポル

  • 月見草食べてツキノワグマ帰る

    飯田青

  • 月見草洋紙の便り夜に白し

    可不可

  • 月見草けふはかへらないと言ふ

    紫羽

  • 指向性受信機始動月見草

    遠音

  • 月見草月の砂地に合ひさうな

    雪うさぎ

  • 死後に見る風景に似て月見草

    笑松

  • 原爆ドーム中から仰ぐ月見草

    老人日記

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