俳句ポスト365 ロゴ

初級者結果発表

2016年6月9日週の兼題

月見草

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選】

  • 太陽に靡かぬ矜持月見草

    こま

  • 色町の近くに咲きて月見草

    ララ点子

  • 月に恋してるのですね月見草

    みえ

  • 無人駅一輪挿しに月見草

    公毅

  • 手つかずの全壊家屋月見草

    達哉

  • 砂山の砂は崩れし月見草

    江戸川青風

  • 月見草弱い女の爪の色

    城内幸江

  • 雨催ひ重く揺れをり月見草

    ひろ志

  • 無人駅乗る人一人月見草

    辻が花

  • 月見草ゆるる立食ひ蕎麦屋かな

    杉本とらを

  • 爆音に花びら揺れて月見草

    土屋木漏れ日

  • 月見草月待ちかねて開きをり

    M.タカエ

  • 一夜にて湖畔を染めし月見草

    しをらか

  • 月見草輪廻の星の一夜かな

    るびちゅ

  • さざ波と月の雫の月見草

    春爺

  • 色街に明けしらじらと月見草

    マピコ

  • 記憶より群れ咲きをらず月見草

    椿

  • 空見上げかぐやを思ふ月見草

    澄海

  • 月見草空を仰ぐに重たげな

    咲也

  • 月見草言いたいこともしたいことも

    閑茶

  • 月見草ぷかりぷかりと人を呼ぶ

    黄金のあひる

  • ひと粒のつゆの重さの月見草

    めいおう星

  • 月見草折るキャッチャーの堅肥り

    青山酔鳴

  • 月見草逢瀬の窓辺咲きにけり

    七色美月

  • 月見草母猫の死と気付けぬ仔

    宇摩のあかつき

  • 塩素充満せり月見草開く

    雪虫

  • 霧島に浮かぶ機影や月見草

    田中耕泉

  • 明けやらぬ心知らずや月見草

    なおろーず

  • キャンバスに月影落ちて月見草

    芋徹三

  • 待ちわびてまちわびし月見草

    吉備之呑助

  • 錆びついたベルじりり月見草の原

    多重にいと

  • サクヤビメ連珠あそびは月見草

    ひるね好き

  • 月見草昨夜の白さは忘れたり

    てびき

  • 月見草手負いの鳥の湯あみかな

    たま

  • 色町を語る翁や月見草

    瓦すずめ

  • 喧騒に月より降りし月見草

    浩徳

  • 月見草見目佳きものこそ佗しけれ

    宵嵐

  • その恋は月見草にも似ていたわ

    無花果

  • 伸びてきし男の指に月見草

    舞子

  • 観音の祠の闇や月見草

    望空

  • まあまあの余生しずしず月見草

    万屋あたる

  • 月見草神奉る石舞台

    ときめき人

  • 子を産みて子が逝きてまた月見草

    碧川麻里

  • 月見草猫の目闇に光をり

    きのと

  • 子の塾帰り待つ庭の月見草

    迂叟

  • 月見草花弁にのこす焔かな

    紅の子

  • 月見草九十九里浜遥かなり

    花舟

  • 月見草と一緒に見る須磨の海

    桜さくら

  • 主なき庭ゆらゆらと月見草

    つむぎ

  • 逃れきし遊女の魂や月見草

    富真乃

  • 愚痴ならば三つまでよと月見草

    多事

  • 残光を孕みひらくや月見草

    桃子

  • 紅灯や蛾眉に寄り添う月見草

    奇行師

  • 月見草昼間は如何な夢を見る

    木人

  • 月見草紅さしながら夜を明かす

    恵女

  • 宵闇のしづかなりけり月見草

    三四郎

  • 塾帰り足もと照らす月見草

    井田みち

  • 夕月の微熱冷ませよ月見草

    妹のりこ

  • また今日も飲むマイスリー月見草

    ノクターン

  • 白猫が行ったり来たりの月見草

    綿子

  • 待ち人の来ぬを知りつつ月見草

    聞岳

  • 月見草妖しき蕊に月しずく

    ねぎ坊主

  • 宵宵に淡き花弁の月見草

    今日はアッシー

  • 漁火でありし記憶や月見草

    堀口房水

  • 廃線のベルを遠きに月見草

    夢見亭笑楽

  • 晴れわたる夜白妙の月見草

    まゆ熊

  • 蓬莱の原っぱ翳り月見草

    あぶはち

  • わが酔いに合わせ染まるや月見草

    ももたもも

  • 月見草寡黙に咲いて藍の夜

    ゆみづき

  • 星空に祈り届かせ月見草

    れんげ

  • 黄昏に緞帳上げる月見草

    久仁重

  • 月見草街へ鴉の数十羽

    四丁目

  • 病名は問わず語らず月見草

    夜市

  • 手折らむと寄る耳に鐘月見草

    柴原明人

  • 妹のにこっとえがお月見草

    さな(4さい)

  • 夕星の登る窓辺や月見草

    酸模

  • 月見草人影ふわり声はなく

    寒露

  • 待ち人に頬を染めるや月見草

    玄次郎

  • 万歩計ゆれる足もと月見草

    チリあやめ

  • 天に地に夫と遊びぬ月見草

    大和野百花

  • 月見草響くたて笛揺れる首

    那緒

  • かがむ背に猫の吐息や月見草

    みさきまる

  • 畦道の道標となる月見草

    えび天

  • 道祖神まわりで揺るる月見草

    博泉

  • 月見草鹿鳴館の舞踏会

    竹庵

  • 漱石に寄り添っていた月見草

    真珠

  • 沈沈と清らなる夜を月見草

    望月ゆう

  • 月見草眉整えて夜のママ

    芳井茶夢

  • 激論のあさ間にあひし月見草

    千佐子

  • 軒下に月見草咲く煎餅屋

    ふうせんかずら

  • 月見草元気をもらふ夜明け前

    郁李

  • 父になる月見草は赤く赤く

    蜂喰擬

  • 窓明かりカーテン越しに月見草

    宮写楽

  • 待たせたるほうがつらきや月見草

    穐山やよい

  • 帰宅路にそっと出迎え月見草

    ぶぅちゃん

  • 後朝の紅涙ほろり月見草

    28あずきち

  • 宇宙へのアンテナ空へ月見草

    れんげ畑

  • 月見草帯とくやうに開きけり

    一生のふさく

  • 月見草明日貴女は僕を知る

    前田謙

  • 月見草君を偲びて夜に咲く

    m.ソラ

  • 月ほのか月見草かな恋ほのか

    小梅

  • もののけの宴静や月見草

    爺太

  • 月見草ほころび初夜を染まりゆく

    佐藤直哉

  • 空拳を山頂山腹月見草

    248ゆきち

  • 雨降りの泪がぽろり月見草

    ぶんたん

  • 息潜め私も月見草になる

    未知

  • 月見草見て襟正す朝帰り

    浅海しずか

  • 浜に足取らるる不覚月見草

    やまんば

  • 十字架の赤く灯りて月見草

    夢堂

  • 気動車の油の臭い月見草

    ひでやん

  • 猫たちの夜会の隅に月見草

    京あられ

  • 夜勤明けご苦労さまと月見草

    三毳

  • 足元で静に白く月見草

    紗々

  • 誰も来ぬ茅舎に灯り月見草

    ヘリンボーン富樽

  • 一身は一心になり月見草

    ゆふ葉

  • 廃線路途切れひらくや月見草

    麻呂助

  • 人々は皆眠り眠らない花月見草

    甘泉

  • 月見草花のひとよに宵っ張り

    黒水開

  • 月見草夕闇に映ゆ道標

    紅菫

  • つきみさう自嘲をひとつ零しをり

    亜寿紗

  • 鐘の音に雌蕊震はす月見草

    未々

  • 名聞の証左その所作月見草

    踏野正東風

  • 月見草剪られて何も見なくなり

    けいけい

  • 配達のオートバイ音月見草

    まち眞知子

  • 野良終えて家路に光る月見草

    阿婆

  • 月見草に時を訊ぬる酔っ払い

    都ぽむ

  • 月見草避難所の空しらみだす

    八木風味

  • 月見草咲いて一座の歌仙かな

    山崎ぐずみ

  • ふるさとに赤き月あり月見草

    あまいアン

  • 月見草午前零時の無垢なもの

    長田写々

  • 手を掛けてやれぬ身となり月見草

    菊池洋勝

  • 言の葉はいらぬふたりや月見草

    リバティーさん

  • 月見草若き日の恋胸うずき

    よりみち

  • 君逝くや月見草の濡れそぶる

    いちじく

  • 咲くやこの月見草こそいちや花

    花筏

  • モンローの溜息かほる月見草

    堀アンナ

  • ツキミソウ最終列車の汽笛背に

    豆闌

  • 足元に風流るるや月見草

  • 一夜だけ咲くも儚い月見草

    なないろ

  • 月見草おばけが見てかわいいな

    初メロ4歳

  • 横顔の儚げなひと月見草

    むにむにちゃん

  • 月見草宇宙のこゑは久遠(くおん)から

    珠桜女あすか

  • 別れ道影引き寄せよ月見草

    柳田孤星

  • パラボラにささめき集む月見草

    由野

  • 薄桃の風に揺れるは月見草

    葉っぱのようこ

  • 月見草見ゆ筆とりて陸游詩

    野水

  • 諳んじる枕草子や月見草

    葉月のりりん

  • 星包み夜明け待ちけり月見草

    有翠

  • ダムの底残影覗く月見草

    羊山羊

  • 紅差してひと夜に果つる月見草

    柳児

  • 月見草恥ずかしがりやなのかしら

    ひろくん8さいのママ

  • 月見草申し訳無さそなママの声

    もえぎあい

  • つくばいに雲をうつして月見草

    睡花

  • 太陽を君は嫌いか月見草

    桜井そら太

  • 月見草花嫁乗せた夜汽車かな

    みかん

  • 山深く夜のしじまに月見草

    衷子

  • 山頂の天文台や月見草

    江里口泰然

  • 学名は知らずも愛し月見草

    秋光

  • 潮風の三津の渡しに月見草

    オイラー

  • 終電と始発の間月見草

    松山

  • 密やかに乙女の色の月見草

    M.文女

  • 月見草アルペジオのやうに揺れて

    ぜんちゃん

  • 月見草嫁ぐわが子の妻に似て

    渓子やま

  • 月見草も星の王子を待ちにけり

    みやこまる

  • 焔星に水の痕跡月見草

    もとい

  • さよならの夜に路傍の月見草

    太一

  • 紅差して陽に羞ぢらふや月見草

    燈穂

  • 後朝の頬に薄紅月見草

    俊明

  • 月見草竿と戯れ夜を過ごす

    狸慢住

  • よるべなき瑠璃の光や月見草

    善句大郎

  • 月見草母の背で聞く子守唄

    かぬまっこ

  • 君と生く決意の朝の月見草

    みー太

  • しろたえの逢摩時の月見草

    ぺのぺの

  • 高原に月見草揺れ風少し

    田中ようちゃん

  • 泣きやまぬ嬰児負うて月見草

  • 誰時や呼吸の弱きつきみぐさ

    山本力

  • 夕闇に淡く浮かぶや月見草

    すかりん

  • 月見草添へて水菓子めく夜気よ

    牟礼あおい

  • 月見草ほのかな恋や人の妻

    古希爺

  • 岐阜城の天守を仰ぐ月見草

    一宮寅五郎

  • 病室の窓越えてくる月見草

    竹の子

  • 綻びを繕え終えて月見草

    しげる

  • 月見草昨夜の記憶ございません

    風来松

  • 犬よりも先に歩けば月見草

    ランランおやじ

  • 口笛のひゅうを聴きたる月見草

    かたつむんりん

  • 月見草着信音を酔うて待つ

    風あざみ

  • 浜小屋の秘密ひとつを月見草

    菜々の花

  • 灯をともすごとく開くは月見草

    晴読

  • 占いの当たる道々月見草

  • 芯強き女に憂ひ月見草

    樹朋

  • 合宿に道の伸びたる月見草

    善多丸

  • 胸三寸あたりしずかや月見草

    うさじい

  • ガムランの音に酔ひしれて月見草

    香舟

  • 野仏の妻であるらし月見草

    芳青

  • 川風に揺れに揺れての月見草

    中島京子

  • 清里の山荘の夕月見草

    残月

  • 中之島酒場へ急げ月見草

    ちびつぶぶどう

  • 黄昏て色の湧き出づ月見草

    よしえ

  • グッバイと惜しむ別れや月見草

    琵琶姫

  • 聴竹居電球色に月見草

    聖蛙

  • 荒れ野には今宵かぎりの月見草

    かしょう

  • 月見草咲けば母呼ぶ夕餉かな

    春川一彦

  • われもまた野(や)に生きられず月見草

    桜桃葉

  • さつぱりと髪切つた妻月見草

    いもとやへえ

  • 月見草摘みし昔は恋知らず

    瀬紀眉

  • 三津浜や船乗り送る月見草

    津軽まつ

  • 賑わひし浜に薄暮や月見草

    みづほ

  • 夜勤明け香りほのかに月見草

    鶴田梅勝

  • 被曝せし月見草やなにもかもが

    津軽ちゃう

  • 群青の空にふるえる月見草

    瀬波秋鮭

  • 月見草シャッター閉めて眠る街

    小千住

  • 一部屋に一鉢宿の月見草

    田中憂馬

  • 月見草あの日は無かったことにして

    ジャンク洞

  • 月よりのセレナーデ浴ぶ月見草

    山西琴和浦

  • 月見草朝のちからに耐へざりき

    越佐ふみを

  • 酔うほどに頬染む君を月見草

    アリマノミコ

  • 『月光』の時々とぎれ月見草

    八幡風花

  • 世の無常背負い夜咲く月見草

    かざばな

  • 逢引の足元照らす月見草

    詠野孔球

  • 欲はなく欲はなくただ月見草

    赤馬福助

  • 月の砂漠歌う美少女月見草

    桜木レイ

  • 異人さんに連れられ月見草は白

    julia

  • 眠れずに聞く雨音や月見草

    歳三

  • 朝早き病院の庭月見草

    又三郎

  • 夜型の人間でした月見草

    ヤッチー

  • お化粧は目立たぬやうに月見草

    たんと

  • 仰ぎ見る天(そら)恋しいか月見草

    想予

  • 月見草畔より高く頭出す

    春日

  • 月見草咲く夜静かの海想う

    なみは

  • 草陰に美人薄命月見草

    ミセス水玉

  • 月見草ふわっと飛びて星となり

    山風禅

  • 黄昏に煌めきはじむ月見草

    むすびめ

  • 夜空発月見草着「きらら星」

    四宮ぱふふ

  • 諍いののち外に出でし月見草

    武田朋女

  • 父なし子と苛められて月見草

    都乃あざみ

  • 夜散歩街灯はじく月見草

    パオ

  • 貫禄のなき還暦や月見草

    八十八(はちじゅうはち)

  • 夜勤明け萎む花弁の月見草

    誠馬

  • 先妻の墓標にひらり月見草

    福良ちどり

  • 年年に増ゆる錠剤月見草

    木目

  • 月見草ひとりホールの靴の音

    えみあみこ

  • 交配を夜選ぶ性月見草

    きおき

  • 加茂川にネオン揺らめき月見草

    とうくろう

  • いにしへに弔のかたち月見草

    二個ミチオ

  • ぼんやりと観るだにかなし月見草

    遊泉

  • わが母は小柄なりしを月見草

    矢嶋博士

  • 月見草小指の怪我の訳を聞く

    蘭丸

  • 終電の待合室に月見草

    輝棒

  • 金沢の君に会いたし月見草

    コケイチ

  • 月見草の咲き出す径を選びけり

    片道切符

  • 神秘主義者たちの午餐月見草

    いけのまりも

  • 月見草太宰の筆の宵の色

    沢田朱里

  • 初恋の門限の白月見草

    秋好子

  • あなたって無口なひとね月見草

    木槿

  • 本当はおひさまがすき月見草

    みずたまきいろ

  • 雨脚の強きに耐える月見草

    桃泉

  • 向こうからいつもの子犬月見草

    てまり

  • 同性の壁に描かれた月見草

    夜幻

  • 豆腐屋のラッパ寂しき月見草

    石手川紅樹

  • 目に染みる風とたわむる月見草

    さとうくにお

  • 背伸びする吾子の鼻先月見草

    白豆

  • 月見草夜会知らせる合図かな

    さとう菓子

  • くつろいで目に月見草胸に風

    泉水

  • 月見草のごとき闇夜の恋路かな

    月見草

  • 持ち駒は銀桂香なり月見草

    柴崎ぶんご

  • 杯を挙ぐ己と影と月見草

    カモコム

  • 紅に一夜燃えつき月見草

    黄昏草

  • 待ちぼうけ山影黒く月見草

    いととんぼ

  • 待ちわびて暮れゆく窓辺月見草

    明日香

  • 故郷の河原で見しは月見草

    千晴

  • 月見草闇白妙に染まりたる

    ふあり光

  • スキップの出来ぬ子日暮月見草

    蛍子

  • レスラーの傷は勲章月見草

    田中ブラン

  • 早世の姪の柩に月見草

    寸人

  • 慟哭を癒す車窓の月見草

    チョコレートおじさん

  • 月見草団地の我が家明かりあり

    りら

  • 煙り立っ畦の小道に月見草

    心の窓辺

  • 言うなれば蘂の流し目月見草

    みなと

  • 朝ぼらけ宇宙(そら)から愛でる月見草

    大石真大

  • アスファルト香らぬ夜や月見草

    粋田化石

  • 野良猫が見向きもせずに月見草

    にゃん吉

  • 色白のよろめき夫人月見草

    百田玲

  • 月見草夜勤人等の道しるべ

    比良山

  • おつかいの帰りに気づく月見草

    玉花

  • 月見草「つきみ野」の野に咲き満ちて

    重翁

  • 潔き生きざまなのか月見草

    千里一歩

  • 月見草背はハイライトの匂い

    けら

  • 夜型の我に似たるや月見草

    へでの妻

  • ま白なる清し門出や月見草

    絵奈

  • 月見草月の光を飲み干すや

    ころころぼっくる

  • 昼下がり砂丘に群れる月見草

    池田八重子

  • あ・あ・こちら地球のこちら月見草

    ぱそ夢

  • 闇に浮く喧騒離れ月見草

    ゆぃ

  • 友逝くや今夜も咲きぬ月見草

    しげ爺

  • 月見草今宵は色変えて咲く

    ひよとり

  • 月見草妻には言へぬ夜のあり

    八作

  • 蒼白き光を漉くや月見草

    紙魚

  • アルテミス誰を選ぶや月見草

    穂の美

  • 月見草夜に浮かぶ宇宙に浮かぶ

    空清@チーム将軍

  • 西行の月を肴に月見草

    くさぐき

  • 月見草途方もない何かがくる

    百幸

  • わが妻のそびらは言葉月見草

    十志夫

  • 月見草媚びぬすがたに教えられ

    沢庵和尚

  • 職を得る家路軽やか月見草

    金亀子

  • 月見草思ひ思ひに閉じて行く

    吉や

  • 別れ道行かば足元月見草

    バーバラ

  • 最終回見ているだけの月見草

    松岡

  • 今宵のみ湯銭とりたや月見草

    月沈舟人

  • 月見草つり橋揺らぐ出入り口

    加和志真

  • 月見草掴み損ねた星がある

    よあけの晩

  • 雨だれをこぼさじと抱く月見草

    小鞠

  • 月見草外出好きの猫を呼ぶ

    惚け親父

  • ちぐはぐな母と見守る月見草

    平松洋子

  • 心のとびら少しだけ閉め月見草

    平四郎

  • 月見草の河原信長走りけり

    加藤賢二左右衛門

  • 山荘の闇を待ちたり月見草

    美恵

  • バス降りてふと引きかへし月見草

    むらたふみ

  • 光年や命短き月見草

    比呂無

  • 月見草戴帽式の如き白

    明女

  • 対岸のビルの明かりや月見草

    茂人

  • 月見草咲くアステカの戦士眠る

    山田ノムオー

  • やわらかに光り受け止む月見草

    心晴々

  • 白妙に紅さす夜半の月見草

    神川無角

  • 月見草振られた話なら聞こう

    せいち

  • 月からの風に吹かれて月見草

    土井小文

  • 月見草薄暮の小道いで湯へと

    春と夏子

  • 風吹きて人見知りする月見草

    華林

  • 球場の灯り華やか月見草

    むじーじ

  • 月見草あしたは町内清掃日

    あさり

  • 一斉に民家灯りて月見草

    さぶり

  • 夕ありき朝はさびしき月見草

    日本酒

  • 夜空見る友待ちたるや月見草

    木蓮

  • 朔の夜の漫ろ歩きや月見草

    少納言小豆

  • 故郷の校舎の陰に月見草

    東海鉄

  • 終電を寝過ごし帰路に月見草

    渡邉康之

  • 口笛のふいの告白月見草

    阿武玲

  • ほほそめてまちつまたれつ月見草

    あきおかば

  • デイケアの軒先占めて月見草

    康行

  • 歳重ね我が身に似たり月見草

    紅映

  • 月見草月の光を独り占め

    りつにつかや

  • つきみそうはおつきさまがすき

    たくみ3才

  • 月見草たった一夜の恋の花

    信子

  • 豆腐屋のらっぱソラとふ月見草

    花屋

  • 闇の黒花の桃色月見草

    小田和子

  • 恋人のあいづち軽く月見草

    輝々

  • 廃駅に人待ち顔の月見草

    軌一

  • 反論の稿のまとまり月見草

    すえよし

  • フラッシュに戸惑へるかに月見草

    武井禎子

  • 幾年もまぶたの奥に月見草

    かまぼっこ

  • 月見草駅舎のかげにひっそりと

    ぐべの実

  • 雲が去り犬の遠吠え月見草

    蛾触

  • 臥す母へ千万画素の月見草

    魚ノ目オサム

  • ふと風に妖星を見し月見草

    斎藤秀雄

  • 膝抱いてしやがむお人や月見草

    孝雄

  • うす紅の酒美しや月見草

    カンガガワ孝川

  • 月見草太宰を読みし日々遠く

    一心

  • 二三人砂丘静かに月見草

    よしむらやまちゃん

  • アンタレスのいっそう紅し月見草

    鬼怒

  • 天頂に伸ばす手白し月見草

    アカツカ

  • 月見草銀のマニキュア重たきよ

    未貫

  • 月見草傍らに猫主待つ

    クリスマスローズ

  • パラボラの影彩りて月見草

    吟梵

  • 夜もすがら道案内の月見草

    やすまっきー

  • 月見草夜汽車の遠く下り行く

    東山

  • 酔覚めて見知らぬ女月見草

    お気楽草紙

  • 若き香のきみのくちびる月見草

    松田てぃ

  • 「しあわせ」と口癖の叔母月見草

    のり茶づけ

  • 夜ほどけ月見草また黙しけり

    土井探花

  • ジプシーの節口に出て月見草

    ごぼうの花

  • 月見草時空を越えて空の星

    彦山

  • 店終えて子の待つ家路月見草

    松風

  • 月の香にたちまち染まる月見草

    カンナちゃん

  • 漆黒にセレナーデ聴く月見草

    稔久

  • 首都高をぼんやり照らす月見草

  • 特攻の雲上しづか月見草

    丸茶

  • 陽を浴びる恋に生きたい月見草

    津葦

  • 誰を待つや青木ヶ原の月見草

    ぷりむらかりの

  • 月見草月天心へ着きました

    羽沖

  • 調弦の後の夜曲や月見草

    シツ女

  • 月見草末期の夢に咲きにけり

    酔いどれ防人

  • 月見草星の暗号とき明かす

    免疫力アップUP

  • カーペンターズ聞こえてくるよ月見草

    ペコちゃん

  • 月見草小千谷縮の似合う人

    華女

  • 襟足は似ている母娘月見草

    どっこいしょ

  • 月見草静寂にありて更に白

    M多孫(タマゴ)

  • 吉原に灯火ひとつ月見草

    バタ子

  • 美しさ時に消え行き月見草

    砂東元気

  • 夕暮れて人呼ぶ声や月見草

    れっどべりー

  • 宿題の終わるか月見草閉づか

    たてしな昇平

  • 月見草ゆるり夜風の吹き始め

    千波

  • 新幹線高架下なる月見草

    正則(いつき組リスナー班)

  • 忘られぬひと夜の君よ月見草

    夏風遊々

  • 暮六つのとつて喰ひたし月見草

    エイシェン

  • 待ちぼうけもうお帰りと月見草

    パッキンマン

  • ドビュッシー素焼の鉢に月見草

    ブッコマミ

  • すみだ川千里を行くや月見草

    ミセスどんぐり

  • あの角で靴紐結ぶ月見草

    貝ヶ森洋介

  • 月見草指紋の渦に吸われをり

    白鉛筆

  • 夕暮の風に吹かれて月見草

    たかちゃん

  • 門灯の下で母待つ月見草

  • 我が苑は天へ遠かろ月見草

    山樫梢

  • 悲壮なる白きパラボラ月見草

    物心

  • 振鷺閣玻璃の赤恋う月見草

  • また誰かゆきたり月見草ひらく

    くろやぎ

  • 診療の予約時間や月見草

    なべよし

  • 妻の身は待つのも仕事月見草

    文月さな女

  • 月見草心うつろに暁は

    かくみみ

  • 暗闇に一人咲ききる月見草

    陽肥えさん

  • 月見草母の慣ひの終ひ風呂

    野の百合

  • 移り気と言われ横向く月見草

    葉月

  • うすうすきあしうらみせて月見草

    台所のキフジン

  • 虹彩は奥庭の鍵月見草

    玉虫虫

  • 月見草夕子は今日も朝帰り

    桃八

  • 初恋の匂いぞ漂う月見草

    詩楽麿

  • 月見草揺る高校球児素振りせり

    かつたろー。

  • ドーナツの芯をつまんで月見草

    みよしい

  • 月見草いまアステカに日が昇る

    司啓

  • 月見草満開の頃夕散歩

    位子

  • 月見草源平合戦盛衰記

    Y.ケイコ

  • 一天の紺のくれいろ月見草

    水井えり

  • 月見草ただうれしくて富士仰ぐ

    岐阜屋根の草

  • 山歩き古城の跡の月見草

    山室康樹

  • 星ひとつ呼応しひとつ月見草

    真繍

  • 月見草もう一周の三千歩

    馬場馬子

  • なよなよとひとよのあかりつきみそう

    山本嘉子

  • 無人機(ドローン)を知るや知らずや月見草

    ねもじ

  • 月見草太宰の夢にふと気づく

    KIYOAKIFILM

  • 月見草私ここよと声出さず

    堺の攝子

  • 主なき屋敷の庭に月見草

    砂東ママ

  • 猫と居てあくびを一つ月見草

    小青

  • 月見草父を迎へに弟と

    大谷如水

  • 沈みやる今日の悔やみや月見草

    高田知野

  • 月見草胴乱の中仄光る

    銀命堂

  • 月見草今宵言い訳口にせず

    花伝

  • 野仏のお座す畦道月見草

    タケ

  • 月見草看取る人なく萎みいく

    四葉

  • 月見草飛行機灯の軌跡かな

    遠藤正寿

  • 闇色の静けさを吸ふ月見草

    宗本智之

  • お喋りは外でしなさい月見草

    松岡哲彦

  • 黄昏を嫁いでゆくや月見草

    深草あやめ

  • 寄せて返す海の呼吸や月見草

    下総うらら

  • 遠き日の学童疎開月見草

    川島欣也

  • よみがえる津波仮設の月見草

    妄児

  • 銭湯のタイル散る空地月見草

    ふわり子

  • あえかなる夜着に風吹く月見草

    あけび庵

  • 月見草ローカル線の音響き

    東尋坊

  • 舟倉の闇に匂へる月見草

    らっこマミー

  • 察するは幕開けの刻月見草

    千寿関屋

  • 月見草ひっそり咲いて母待つ子

    張虎

  • 月見草あの日二人の見た夢は

    いつき組リスナー班たぁさん

  • 紅く萎ゆ終えて二夜の月見草

    小倉じゅんまき

  • 夕影に透く白さあり月見草

    ちゃうりん

  • 月見草油汚れの手に映えて

    蒼鳩

  • 月見草旅人照らし道しるべ

    リナリア

  • 月見草咲いて愛犬逝きしかな

    せり花

  • 月見草乙女の像を仰ぎ見る

    篠田ピンク

  • 玉川の文豪訪ねし月見草

    勝子

  • 後朝や色とりもどす月見草

    西原みどり

  • 月見草なぜ故妻と口論に

    晴好雨独

  • 月見草ムーンライトのドロップス

    京子

  • 月見草観て連休を使ひ切る

    三輪えつし

  • 月光の欠片を浴ぶる月見草

    慎吾

  • 黒き影月見草へと忍び寄る

    小田慶喜

  • 僧かたる死後は安らか月見草

    はまゆう

  • 最終のベルを聞いたか月見草

    みんとちゃん

  • 月見草夜の雫を総身に

    山崎朱理

  • 月見草兎のしょんべん浴び笑う

    紫四季兵衛

  • 夕化粧誰を待つやら月見草

    みつき

  • 睦びたるのちの薄紅月見草

    春野いちご

  • 古都からの寝台列車月見草

    輝凛

  • 上弦の三日月湖かな月見草

    西山哲彦

  • 月見草旅なほ続く峠かな

    忍冬

  • 赤月に伏し目がちなる月見草

    くま鶉

  • 海よりの風にほどける月見草

    河童

  • 聞き耳をたてて膨らむ月見草

  • 訳ありや夜に高ぶる月見草

    きさつかさ

  • 麗しのフォレスタ月見草も聴く

    いごぼうら

  • 特急の通過待ちなり月見草

    海風山本

  • 若者の夜型多い月見草

    ばんしょう

  • 漱石もカントも去りて月見草

    峰泉しょうこ

  • こんぺい糖ゆびかすめ落ち月見草

    尺骨

  • 暮れなづむ空ぽつかりと月見草

    七草

  • 月をまつ君はなで肩つきみさう

    あつちやん

  • 月見草ひとつひとつの宇宙かな

    さるぼぼ

  • 月見草行く先々を灯すごと

    春生

  • 夕星のかけら野にあり月見草

    くんちゃんのともだち

  • 目を凝らす闇にためいき月見草

    桜姫5

  • 庭の隅猫一匹と月見草

    ぽんず

  • 一歩前踏みだす先の月見草

    のひろ

  • なで肩の君の足元月見草

    つつ井つつ

  • 月見草音なき庭のノクターン

    那須新香

  • 月見草返信あらず朝が来て

    今治・しゅんかん

  • 琴弾きし友若きまま月見草

    てん点

  • 天蓋に星撒く雨や月見草

    しかもり

  • いつのまに夜のとばりや月見草

    金太郎

  • 美しき娘のウェディングドレス月見草

    雅紀

  • 梵鐘に答えて揺れる月見草

    野良

  • 水郷の女舟を仕舞いて月見草

    野々原ラピ

  • 月見草しおれるまでの睦み言

  • 一葉には月明り抱き月見草

    弥生

  • 月見草薩摩切子に注ぐ酒

    欲句歩

  • 月見草月より降りしもの集め

    柳匠

  • 姉の画集最後のページの月見草

    矢車菊

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