俳句ポスト365 ロゴ

初級者結果発表

2020年10月1日週の兼題

熱燗

【曜日ごとに結果を公開中】

【優秀句】

  • 熱燗にして罵声に次ぐ罵声

    古瀬まさあき

  • 熱燗の字が書けなくて奢られる

    遠音

  • 熱燗に弾性や液体のまま

    綱長井ハツオ

  • 熱燗は日の丸の白やも知れぬ

    京野さち

  • 熱燗や東京タワーは動かない

    令ちゃん@花芭蕉

  • 熱燗を飲み干す喉は小さき山

    雪華きなこ

  • 熱燗に酔ひたるふりや祇園の夜

    飯村祐知子

  • 熱燗や妙齢てふは褒め言葉

    あみま

  • 熱燗を待ちて通しの天塩皿

    武井かま猫

  • 胃の底でぽっと熱燗灯ります

    山内彩月

  • 詫びる癖やめよ熱燗ぬるうなる

    一阿蘇鷲二

  • 熱燗やラジオに節約の達人

    安溶二

  • 俺はまだこんなもんじゃ無いと熱燗

    世良日守

  • 熱燗をけふは演歌の体でゆく

    野分波平

  • 熱燗や片へに貧窮問答歌

    杏と優

  • 熱燗や言の葉は刃にもなる

    きなこもち

  • 熱燗やたこ焼き十年焼いている

    雅な童

  • 熱燗の二本目女将口説きだす

    テツコ@第二まる安

  • 熱燗やまつすぐにひねくれてゐる

    野の花誉茂子

  • 熱燗や我は火を吐く龍の裔

    たんじぇりん金子

  • 帰りたいけれど熱燗きたばかり

    とりこ

  • 厨房の子機にプリクラ燗熱し

    高橋無垢

  • 熱燗のくらくら匂ふ鍋とろ火

    松山のとまと

  • 熱燗や不幸に少し色を塗る

    結壱隆月

  • 熱燗しぱしぱ泣いてない泣いてない

    しゃれこうべの妻

  • 熱燗や諸国の塩の味を知る

    小だいふく

  • 熱燗や談志落語に禁句なし

    とんぼ

  • 熱燗や初めて聞いたふりの愚痴

    結壱隆月

  • 耳朶のふくふくとして燗熱し

    香壺

  • 熱燗や通夜の車座ばらばらに

    也和

  • 熱燗を飲み拓郎をひとくさり

    一走人

  • 熱燗を目鼻口の順に呑む

    せんべい

  • まだあるで失敗ネタも熱燗も

    一斤染乃

  • 身の底に熱燗いたるまでぢつと

    木江

  • 熱燗を横目にパンツのゴム入れる

    文月さな女

  • 失恋の熱燗うはあごに沁むる

    板柿せっか

  • 号泣に丁度熱燗のぬくもり

    稗田鈴二郎

  • 熱燗や十九に戻る喪服の夜

    福良ちどり

  • 熱燗に負ける齢となりにけり

    玉響雷子

  • マドンナのその後の話して熱燗

    朶美子(えみこ)

  • 熱燗やフェリーの付きし明りらし

    砂山恵子

  • 熱燗や英語の歌詞のもどかしく

    風慈音

  • 熱燗の考いちばんきらいな考

    蜂里ななつ

  • 下っ腹に力熱燗の銚子

    竜胆

  • 熱燗や逢瀬の夜の星きれい

    宙のふう

  • 熱燗を酌むわが利き手ありがたう

    蟻馬次朗

  • 熱燗の湯気テロップに患者数

    TAKO焼子

  • 熱燗へ手のへらへらと語るかな

    手弱女

  • 熱燗やまた人間に戻るため

    中村邑

  • 熱燗や墨東綺譚読みをへる

    みやかわけい子

  • 熱燗やおちょこの脇の求人誌

    くりでん

  • よそうまたなるといけねえ熱燗よ

    羽沖

  • 熱燗やここもタバコは吸へぬのか

    小山晃

  • 熱燗やかばんに位牌隠し持つ

  • 熱燗よこの胸が干からびている

    冬のおこじょ

  • 熱燗に始まる俺の若いころ

    いなだはまち

  • ゆで卵ひとつと鮭缶と熱燗

    嘉子

  • 過去帳を写し終え熱燗一献

    遥明

  • 燗酒や酒場文庫に放浪記

    たま走哉

  • 熱燗の尻撫でたればにゃあと啼く

    柳生うっかり十兵衛

  • 座布団を二つに折りて独り熱燗

    多幡のやち

  • 熱燗で初恋を胃に流しけり

    大西蜜柑

  • 熱燗を父は赦しのように呑む

    三浦にゃじろう

  • 熱燗の匂ひなかなか不格好

    大和田美信

  • 熱燗や吾も米から出来てゐる

    瑠璃茉莉

  • 熱燗や村長出馬は俺ひとり

    じゃすみん

  • かすれ縞渡哲也として熱燗

    蓮花麻耶

  • 熱燗やあの事は年々鮮やか

    あいみのり

  • 熱燗や土間より暮るるもつきり屋

    月見柑

  • 熱燗や舟は一畳吾は一人

    龍田山門

  • 熱燗や上亰組のクラス会

    馬場馬子

  • 熱燗や酔ひとは小さき呪いらし

    仁和田永

  • あの世には熱燗なかろうよ父よ

    藤田ゆきまち

  • 熱燗やせんべろ街に津軽弁

    梨村梨

  • 揺れている金星ぽろり熱燗酌む

    石原由女

  • 殴り書きのおすすめとまず熱燗と

    せり坊

  • 馴れ初めの店の名違う燗熱し

    ゆすらご

  • 国後の夜に熱燗の匂ひけり

    ぎんやんま

  • 熱燗や正気の沙汰じゃない二人

    竹村マイ@蚊帳のなか

  • 熱燗や椅子は現場の一斗缶

    東山

  • 熱燗や大志語らう安下宿

    東山

  • 表彰状肴に熱燗の夜

    八幡風花

  • 熱燗や使ってこその伊万里あり

    金子加行

  • 熱燗を頼んで外す眼鏡かな

    ほしのあお

  • 熱燗や吾も大将も百恵推し

    石井一草

  • 北に住む息子独り身燗熱し

    渡邉真砂

  • 熱燗のはじめはこんな小さな火

    大塚迷路

  • 熱燗やこの世のゆけるところまで

    伊藤欣次

  • 熱燗にしよ向かい風上等

    木染湧水

  • 熱燗やつまみに戦後詩人論

    青田奈央

  • ほだしとも読める絆や燗熱し

    あいむ李景

  • 昼は土器掘りたる指の熱燗よ

    天玲

  • 夜行バス待つ熱燗の販売機

    順女

  • 熱燗や熊の皮はる宿の壁

    寒国

  • 恋し憂し愛し厭はし燗熱し

    山名凌霄

  • 熱燗や小林は戻って来ない

    蘂六

  • おばんざい摘みながらの熱燗キュッ

    中原柊ニ

  • 熱燗や時間をちぢめたきときも

    絵十

  • 熱燗や五臓六腑に一腑欠く

    遊泉

  • 毒を飲むごと熱燗の喉仏

    天陽ゆう

  • 薬莢のやうな熱燗三本目

    可笑式

  • 熱燗の至る心の痒いところ

    可笑式

  • 熱燗や旅券の赤の褪せており

    大小田忍

  • 熱燗やけふの調べはちと重い

    トウ甘藻

  • 熱燗に舌あまやかす釣の友

    らくさい

  • 碁敵の熱燗となる夕べかな

    堀雅一

  • 熱燗にしてはと天気予報言う

    ティーダ

  • 熱燗やたかが数字の千や万

    かむろ坂喜奈子

  • 熱燗や過去も未来もごつた煮の

    木寺仙游

  • 熱燗に粗塩のある平和かな

    アラ

  • 熱燗や厨の妻の地獄耳

    是空

  • 熱燗や後二ヶ月で船降りる

    しー子

  • 熱燗や渥美清の背ナの雨

    丸山まる子

  • 熱燗や能登の手酌は鉛色

    ゆみづき

  • 熱燗や日々の続きを君とゐて

    海野碧

  • 熱燗をコップにつぐや沖の波

    むゆき

  • 熱燗や煙草を止めて十五年

    育由

  • 熱燗は俺に似合いの路地裏よ

    大村真仙

  • 熱燗が目にまで滲みる安酒場

    おくにち木実

  • 熱燗やよきかなよきかな夜も尽きる

    遥風

  • 熱燗やほのかに匂う足爪の垢

    たまもくろす

  • 熱燗をひとつがつんと来る奴を

    笑松

  • 熱燗をフラスコに焚く学徒の夜

    枯丸

  • 地の物をとくに地酒の熱燗で

    森一平

  • 熱燗や白髪となりぬ好敵手

    杉尾芭蕉

  • 熱燗やしんしんと外しんと内

    冬樹立

  • 熱燗やただ生きるにも金は要る

    ツナ好

  • 熱燗っていつも陰謀っぽいねっ

    万波吾逸

  • 熱燗や花弁かさぬるごとき酔ひ

    花屋英利

  • ようやっと若さを降りて熱燗よ

    離松

  • 熱燗や今日の仕事は二重丸

    だけわらび

  • 熱燗とか未だ似合えへんかなあ俺

    千恵

  • 熱燗に華やぐ河童友の会

    利平

  • 燗酒や腰のくびれた女だつた

    畦のすみれ

  • 熱燗や猫の毛辛く匂いけり

    ネコ目

  • 徳利は女体で熱燗は裸体

    司啓

  • 熱燗で天下国家で寝ちまった

    司啓

  • 熱燗やしづかに炙る皮の音

    佐藤直哉

  • 熱燗や先祖の猿もさぞ頑固

    渡野しえん太

  • 熱燗や夫婦いつしか似たる癖

    桃香

  • 「マルクスの輪」脱けて熱燗ちびりちびり

    牟礼あおい

  • 熱燗や爺この話百万遍

    萬代草舟

  • 熱燗や精進落し朗らかに

    久蔵久蔵

  • 対岸は独裁の国燗の酒

    慢鱚

  • 熱燗や笹かまは歯を撥ねかえし

    小鳥ひすい

  • 熱燗をくぴりくだらぬ詩は熔けよ

    土井デボン探花

  • 山の夜や飯盒で酌む燗熱し

    慈温

  • 研修三日目こんな日は熱燗

    朝桜咲花

  • コッヘルの熱燗星に濡れながら

    あまぶー

  • 熱燗を振れば今宵の終る音

    夜明鳥

  • 初稼働立ち合ひて雨熱燗

    果禄

  • 熱燗や上司は上司の独り言

    磐田小

  • 熱燗や舌を焦がして聞く弱音

    理酔

  • おとと零れそう熱燗よ頑張れ

    けーい〇

  • 熱燗の五本目は見知らぬ人と

    富山湾

  • 熱燗や爺様なにゆえ寂しそう

    宮間ミヤマ

  • 熱燗やかばんの中に法令集

    富山湾

  • 毒を盛るやうに熱燗酌む姐や

    雪陽

  • 熱燗や袖すり合うもロシア人

    日下まひろ

  • 何様のつもり熱燗にしろなんて

    江里口泰然

  • 熱燗やセブンスターがあと二本

    多喰身・デラックス

  • 熱燗や彼女できたと息子言う

    ひふみ嬢

  • 熱燗やクラドニ図形の幾何模様

    泥塗れのポスト

  • 燗熱し上座の何と遠きこと

    雪陽

  • 熱燗ふう遠くてふうこンなンぢやふう

    牟礼あおい

  • 熱燗にする?ってどこで覚えたの

    山本先生

  • 熱燗に音といふものありにけり

    永想

  • 熱燗や聞けばふるさと同じうす

    白鳥国男

  • 熱燗や男たらしの泣きボクロ

    白鳥国男

  • 熱燗で隅まで洗う甲羅酒

    小熊伸子

  • 熱燗や競馬新聞叩く音

    千曜桜

  • 熱燗や誰かの傘を貸す店主

    たろりずむ

  • 熱燗つぐ婿は何かと気を遣ふ

    松本裕子

  • 熱燗や赤提灯は多国籍

    松本裕子

  • 熱燗にスルメがあれば死ねないね

    ぼたんぴ

  • 熱燗や夫が先輩だった頃

    香羊

  • 熱燗や肩書なくしたる男

    君島笑夢

  • 熱燗やあんな奴らがする政治

    松岡哲彦

  • 熱燗や音のかわりし蓄音機

    甲斐紫雲

  • 熱燗や我童貞をひらきなほる

    多々良海月

  • 物憂さや熱燗先ずはちちははに

    林檎

  • 熱燗や名刺をくれぬひとでした

    短夜の月

  • 熱燗の来るまでこんにやくもてあそぶ

    碧村

  • 熱燗や唐獅子牡丹歌ひをり

    新濃健

  • 熱燗を独り鼻毛を抜きにけり

    渡野しえん太

  • 熱燗や旅は夜汽車といふ時代

    すりいぴい

  • 熱燗の染みに波打つ辞令かな

    石田将仁

  • 千ピース目の見つからぬ日の熱燗

    安溶二

  • 熱燗や白球追った日の青し

    ぼたにこ

  • 熱燗や義眼は碧き月のやう

    まこちふる

  • 熱燗の愉し切なし小津映画

    雪うさぎ

  • 熱燗の冷えて雑魚寝の一周忌

    あじさいす

  • 熱燗や禿げて白木のカウンター

    矢的@第二まる安

  • 燗酒や父を赦せる齢となる

    大雅

  • 燗酒やのんどは鈍き管として

    大雅

  • 北国に屋台村あり燗の酒

    よしざね弓

  • 前回のあらすじ佳境燗酒来

    森川いもり

  • 熱燗や凹んで今の私が好き

    えむさい

  • 燗酒に三日目の塩辛尽きぬ

    くま鶉

  • 熱燗や聞く者のなき演技論

    ももたもも

  • 熱燗のだんだん駄洒落わく陽気

    松山のとまと

  • 熱燗のある籠城の強さかな

    稗田鈴二郎

  • 熱燗や蒟蒻竹輪与太話

    清水三雲

  • 網走の星降る町や燗熱く

    薮内椿

  • 熱燗や茂吉の猫の戻る膝

    わこたんのまま

  • 熱燗や父の福耳私にも

    ヤッチー

  • 熱燗だつてこォんなちいちやかつたのに

    夜行

  • 熱燗や一気にガタがくる腓

    比々き

  • 熱燗に虚子と揃いの火傷かな

    斉藤立夏

  • 熱燗や星の寄せたる海を聞く

  • 熱燗や北に嫁ぎし娘の話

    河合郁

  • 熱燗のとびきり熱き夜に枝雀

    うづら@第二まる安

  • 真四角の部屋に熱燗のみ怒る

    公木正

  • 熱燗や老いの悪知恵良かろうもん

    中村邑

  • 熱燗や吾を睨むゲージのうさぎ

    ふるてい

  • 熱燗に狐火めいてゆく胃の腑

    にゃん

  • 熱燗の染みわたる耳朶甘噛みす

    堀アンナ

  • 熱燗や墓まで持ってゆく秘密

    かめのべ

  • サヨナラ弾やってられへん熱燗や

    遊飛@蚊帳のなか

  • 何連勤だつたか熱燗が冷める

    高田祥聖

  • 熱燗やここで言はずば何処で言ふ

    すえよし

  • 熱燗や虚子猫舌と友の言ひ

    高橋寅次

  • 横綱のやうな女将や燗熱し

    山名凌霄

  • 熱燗を注いで回る子誰だつけ

    宮武濱女

  • 熱燗や聞かず相槌打つてをり

    夏湖乃

  • 熱燗に焼いちまえその二枚舌

    英子

  • 熱燗や末子の才はどちら似か

    ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部

  • 熱燗や恩師の恩師現れる

    ベーグル

  • 気まづさにふと熱燗のレンジ音

    木村ひむか

  • 熱燗に聞かす失恋二十章

    のつり

  • 熱燗の火傷は三日猪口一つ

    いち坊

  • 熱燗や酒呑みたまに吐く名言

    うま子

  • 唄いだす前に熱燗のど濡らし

    三水低@第二まる安

  • 熱燗にや罪も穢れもありやあせん

    びんごおもて

  • 熱燗や湯気誇らしき輓曳馬

    北藤詩旦

  • 熱燗の湯気に切り出す「廃業や」

    比良山

  • 熱燗や姥捨山に宿もあり

    糸川ラッコ

  • 釜石のいか徳利ふやけ熱燗

    筬葉

  • 熱燗やB級映画消す深夜

    登一

  • 熱燗とカセットコンロのイワシ缶

    コキア

  • 熱燗や二度と聞けない声の人

    灰色狼

  • 熱燗を妻にねだりて下呂の宿

    きよなお

  • 熱燗や小さき憂いを背に母は

    おきいふ

  • 熱燗や牛スジ煮込み五百円

    かんこ鳥

  • 熱燗の椅子も机もビアケース

    洒落神戸

  • 熱燗や座布団を抱きさのさ節

    あけみ

  • 熱燗やときどき敬語使ひあふ

    福蔵

  • 熱燗や異母弟父に似て美男

    くさ

  • 熱燗やがんものはじが焦げている

    くさ

  • 熱燗や今宵の夢を選べたら

    小川都

  • 熱燗や欠けに星屑の金継ぎ

    海葡萄

  • 熱燗や今でも解けぬ詰将棋

    涅槃girl

  • 熱燗に辛子明太憚らず

    高田仁和加

  • 勝ち点3熱燗追加追加かな

  • 熱燗の似合う女になれなんだ

    三子

  • 熱燗のつまみに龍の眼喰ふ

    クラウド坂の上

  • 熱燗や昭和何年あつたかな

    いしはまらんる

  • 熱燗飲みきれずテンペラ油濁る

    ふわり子

  • 熱燗は鼻より酔うてくるらしき

    キッカワテツヤ

  • 熱燗や杉玉の香のくゆり立ち

    うたた

  • 鼻眼鏡の熱燗ねちりねちり

    M・李子

  • 熱燗の本数だけ寂し犬おらぬ

    カタツムリ

  • 熱燗や癖の悪さは親ゆずり

    ぼたんぴ

  • 熱燗や何度目かの「初耳です」

    遥風

  • 熱燗のちびりのちびのちのあたり

    まるちゃん2323

  • 熱燗す明日の米も研ぎ終わり

    まあぶる

  • 腕相撲息子に負けし日の熱燗

    秋月真

  • 熱燗や息子二十を待たず逝き

    輝久

  • クズ籠へ馬券も熱燗のカップも

    足立智美

  • 熱燗や肘のさびしきカウンター

    門前町光乃

  • 猥談に加はる坊主と熱燗

    赤馬福助

  • 熱燗のぐわんと喉に鳩尾に

    慈温

  • 熱燗や訃報のあれば渇く舌

    鳥羽南良

  • 燗酒に通天閣ゆらぐゆがむ

    欲句歩

  • 熱燗の五合徳利たぁぼんくらだ

    森下博史

  • 熱燗の指舐め河豚屋の娘かな

    藤岡美波

  • 熱燗に騒ぐ馬鹿居て孤独なる

    平本魚水

  • 熱燗や馴れ初めは出雲だつたか

    鈴ノ樹

  • 喧嘩して熱燗以外全て敵

  • 熱燗美味し福助と眼が逢うた

    輝龍明

  • 漁師にも歌手にもなれず燗の酒

    きゅうもん@木ノ芽

  • 熱燗にのぼせた月を呑み干して

    はるく

  • 熱燗に内耳の砂利の孵化しさう

    トマト使いめりるりら

  • 熱燗や溶接工を五十年

    石井茶爺

  • 熱燗のOL二塁打に歓喜

    宮本象三

  • 熱燗や焦げゆく脳は月を飼ふ

    ほろろ。

  • 熱燗へ錆びる心臓硬くなり

    まこちふる

  • 熱燗や静かに計る死への距離

    蘭丸結動

  • 熱燗潤おし艶ぼくろ狂おし

    モッツァレラえのくし

  • 熱燗の甘し今宵の月のろま

    いかちゃん

  • 掛け放しの熱燗待ちぼうけの色に

    ペトロア

  • 熱燗のふわりと重き酔い心地

    めぐみの樹

  • つまの寝て熱燗途方に暮れており

    綿井びょう

  • 熱燗や若さを酒の肴にし

    山内彩月

  • 熱燗や旅の最後のオホーツク

    小野更紗

  • 熱燗や五臓六腑に蜂を飼ひ

    すりいぴい

  • 熱燗やみんなひとりでいる家族

    綿井びょう

  • 熱燗や二年で冷める恋の時

    谷口詠美

  • 熱燗やお局さまの「天城越え」

    ミセス水玉

  • 幼名を交はす熱燗三本目

    余部

  • 熱燗や左の乳房明日は無し

    アン

  • 熱燗や地下足袋の粘土質の泥

    青柘榴

  • ですますのほどけ熱燗たのみけり

    みつれしずく

  • 熱燗の二杯で俺に泣く親父

    ちょくる

  • 熱燗の火口のはじめ寡黙なり

    Mコスモ

  • どんな日も終わる熱燗干しており

    柚木みゆき

  • 熱燗の放射人体解剖図

    野分波平

  • 熱燗や月はあかくやせてゆく

    緑の手

  • 熱燗や愚痴に濁りし口で飲む

    中岡秀次

  • 熱燗に職を解かれし身のほぐれ

    露砂

  • 熱燗のこれは月のにほひだらう

    南風の記憶

  • ポスターの君と無言なる熱燗

    まどん

  • 熱燗やともかく笑ふ生前葬

    昇華

  • 視察団来るらし来るらし燗熱し

    森川いもり

  • 信濃への電話を切って熱燗へ

    ざうこ

  • 相槌を忘れ熱燗注ぎ忘れ

    とりこ

  • 皿よけて熱燗様のご到着

    日出時計

  • 天かすで埋める素うどん燗熱し

    樫の木

  • 熱燗や切り札二枚切らせる帰路

    松山めゐ

  • 熱燗の冷たき発火喉に受く

    常幸龍BCAD

  • アムール軋む熱燗は火傷するほど

    いしい美髯

  • 熱燗や沸騰石がチキリチと

    半熟赤茄子

  • 熱燗がくすぶる胸を落ちにけり

    与志魚

  • もののけが百会へ抜けてゆく熱燗

    野地垂木

  • 競艇の街や熱燗ひるに沁む

    石川聡

  • 熱燗や墓を定めぬままに古希

    る・こんと

  • 熱燗や遠きひばりの佐渡おけさ

    柳児

  • 熱燗やたとへば数に入れぬ恋

    蜂里ななつ

  • 熱燗は二級チャンネル権は父

    板柿せっか

  • 風使ひ潜みゐる夜は熱燗に

    野地垂木

  • 熱燗の君と向かひて卓しづか

    瀬尾白果

  • 熱燗や独りで決めた早期退職

    あまぐり

  • 熱燗よ燃えよ馘首の夜ならば

    星埜黴円

  • 熱燗や染みをとどめし卒論用紙

    桃子ママ

  • 熱燗や夜空は砕けさうに晴れ

    RUSTY=HISOKA

  • 熱燗やスウェットシャツの毛玉摘む

    大西どもは

  • 浮名なき夫へ熱燗と一献

    播磨陽子

  • 熱燗も備へてラジオから紅白

    早田駒斗

  • 校歌だけちゃんと歌えて燗熱し

    常幸龍BCAD

  • 熱燗や暮色に沈む大鳥居

    水夢

  • 漱石の「こころ」熱燗二三本

    みどりがめ

  • 熱燗や我のみ知らぬその校歌

    斉藤立夏

  • 熱燗や婆さまとんと医者いらず

    にゃん

  • 弐萬円返せと言へぬまま熱燗

    古田秀

  • 熱燗や返事綺麗な人苦手

    あいだほ

  • しみじみがいい熱燗にこの騒ぎ

    もせきのこ

  • 熱燗や女将は日野正平が好き

    小川めぐる

  • 熱燗で羊かん食ぶるまだ素面

    今井佳香

  • 熱燗や厨に匂ふ湯とするめ

    鹿本てん点

  • 熱燗や月面の水論じたる

    水城

  • 熱燗や網に丸まりゆく鯣

    俳句ファイヤー立志@TFP句会

  • 熱燗やなんにも言はずエイの鰭

    亀山酔田

  • 熱燗やBメロまでに事すすむ

    利尻

  • 人事部のやおら熱燗繰り出せり

    利尻

  • 正座して熱燗匂う留学生

    いさな歌鈴

  • 海境へ没る日に酌むや熱燗を

    虚実子

  • 熱燗の常連X何者ぞ

    望月ゆう

  • 熱燗やシンクの凹む音二つ

    芍薬

  • 熱燗の徳利に潜む嘘甘し

    芍薬

  • 猥談の男に命ぜらるる熱燗

    ツカビッチ

  • 熱燗なら溺れても助かりさうな

    高橋寅次

  • 二十時二十分熱燗二十一本目

    大塚迷路

  • 燗酒冷め戸口には動かぬ背中

    義眼ヶ原

  • この場ではうなずく話燗熱し

    石井一草

  • 管といふ管へ熱燗沁みこみぬ

    倉形サラ

  • 熱燗や常連さんに死者一名

    丹波らる

  • 熱燗や風は赤子の声真似て

    宮武濱女

  • 熱燗や言葉の解る猫と住む

    歳三

  • 膝小僧抱いて燗酒の呂律

    七瀬ゆきこ

  • 熱燗やゲバラを語る友あつし

    鈴木麗門

  • 熱燗やマンション売れて淋しい夜

    シャンシャン

  • 天井は四角い熱燗は円い

    帝釈鴫

  • 熱燗やただただ優しい父の指

    ツユマメ末っ子@8歳

  • 熱燗や臓腑の腐れたる匂ひ

    宮坂変哲

  • 熱燗や脈打つやうな備前焼

    紺乃ひつじ

  • 熱燗やそろそろ正座辛き頃

    なご

  • 熱燗や嗚呼疲れたは口癖で

    和利

  • 熱燗を重ねて蕎麦をまだ決めず

    朱契

  • 熱燗に心中プラン霧消せり

    離松

  • 熱燗やサビだけ分かる古い唄

    ロティ

  • 熱燗や時刻表てふ愛読書

    石塚彩楓

  • 熱燗や最後女将と差し向かひ

    ひでやん

  • 熱燗や電球ひとつ分の夢

    白藍こはく

  • 熱燗や屋台はビニール曇らせて

    当卯

  • ぬる燗や品書きにある誤字をかし

    当卯

  • 熱燗や蟒蛇育つ荒るる海

    津軽まつ

  • 熱燗のつんと泪に変はる夜は

    あつちやん

  • 熱燗や上戸育つる日本海

    津軽ちゃう

  • 熱燗の男しみじみ兜太選

    津軽わさお

  • 熱燗や九州説と畿内説

    ⑦パパ@いつき組広ブロ俳句部

  • 熱燗ちびり終の住処はここか

    田村美穂

  • 熱燗の匂いにつられた考と呑む

    ヒマラヤで平謝り

  • 熱燗を美味しと思ふ舌の欲し

    斎乃雪

  • 熱燗や七勝七敗待ったなし

    どくだみ茶

  • 熱燗や今宵乙女の吾と呑む

    笠原理香

  • 熱燗や次に死ぬのはワシやろか

    川村湖雪

  • 熱燗や吉幾三を二三曲

    まりい@木ノ芽

  • 熱燗や時化の港はがらんどう

    伊奈川富真乃

  • 燗熱しヨーコは店をやめてゐて

    伊奈川富真乃

  • 熱燗や炙り鯣の硬きこと

    蜥蜴の尻尾

  • 熱燗やむかしの恋はいまも恋

    ふもふも

  • 熱燗や薩摩おごじょの太か臀

    ふもふも

  • マルクスに酔いし青春燗熱し

    北摂美美

  • 熱燗に眼鏡曇らせ口説く客

    羽光

  • そこはだな母さんの席だぞ熱燗

    ず☆我夢@木ノ芽

  • 姥が膳熱燗五勺雛めく

    花屋英利

  • 熱燗は百薬の長と立て膝

    笙女

  • 宵の口熱燗くくく嘘つつつ

    温湿布

  • 熱燗の熱の残りし指輪かな

    成瀬源三

  • 燗つける母の跣の透けゆく夜

    鈴崎懾鼠

  • 熱燗と古地図片手にたぐる蕎麦

    夏雨ちや

  • 熱燗やふくれっつらのがんもどき

  • 熱燗や祖父楽しげにモールス信号

    星月さやか

  • 熱燗や後期高齢猟友会

    麦吉

  • 熱燗をまえに言葉がみつからぬ

    雀浪乱

  • 別れの酒に熱燗はあつすぎる

    石あい女

  • 熱燗や吾に親友一人あり

    大谷如水

  • トランプの手品よ夜半の熱燗よ

    ふさこ

  • 熱燗や明日は早出となりにけり

  • 外湯巡り終へていよよ熱燗へ

    春野いちご

  • イカロスはとにかく堕ちた。熱燗で

    冬のおこじょ

  • 熱燗や正座崩せぬ青年と

    花伝

  • 熱燗や龍馬西郷木戸海舟

    花伝

  • 熱燗や猪鹿蝶の我は猪

    久我恒子

  • 熱燗や客待つ隙の一合目

    じん

  • 弔ひの燗酒注ぐは吾なりきや

    鶴屋桃福

  • 独居老人熱燗へそを焼いて落つ

    鶴屋桃福

  • 熱燗や生きる痛みを調整す

    ギル

  • 熱燗やポスター捲れ藤圭子

    いしはまらんる

  • 熱燗や世間の噂少し好き

    ふわり子

  • 家飲みの熱燗イヤホンのショパン

    西尾婆翔

  • 熱燗や阪神勝ってぶちまけた

    ふあり光

  • 熱燗の一口目はとても狡い

    ふぇるま

  • 熱燗や父のサザンは演歌調

    逗留舎なお

  • どぶ板ゲラゲラ場末の熱燗だ

    ゆみづき

  • 熱燗のおかわり妻の背の無言

    葉月けゐ

  • 熱燗がすすみたらればが止まらぬ

    陽光

  • 熱燗やをみなも入りて三島論

    上野慈雨子

  • 熱燗に魚の腸濯ぎたり

    関津祐花

  • 熱燗を貧乏神と酌みにけり

    久蔵久蔵

  • 熱燗や常務の椅子を匂はせる

    満る

  • 熱燗や子らは遠野の木の絵本

    あまぶー

  • 燗酒や北洋船の長き笛

    神誉

  • 犬のため息熱燗の臭ふ夜

    知無須園

  • 熱燗に軍歌の如き煽りあり

    もりお

  • 熱燗や元校長の艶話

    カオス

  • 熱燗や妹よりも弱き兄

    丼上秋葵

  • 熱燗や話のオチは知っている

    野本踊

  • 熱燗や八分で止める猪口加減

    輝久

  • 熱燗や飲めぬ男は女好き

    るるの父

  • 熱燗や課長案外愛妻家

    明惟久里

  • 熱燗や今夜も生でさだまさし

    磐田小

  • 熱燗やなんでもない話が宝

    梵庸子

  • その日を境に熱燗恋しうて

    閑茶

  • 熱燗やご主人お借りしています

    短夜の月

  • 熱燗になっちまったと悪びれず

    はなだんな

  • 熱燗や狡い女が泣いてゐる

    平本魚水

  • 「初めての熱燗です」と婿正座

    千恵

  • 熱燗や叔父の馴れ初め三週目

    はむ

  • 熱燗や人間の名を野良につけ

    酒井おかわり

  • 熱燗や先生はまだサユリスト

    酒井おかわり

  • 熱燗や祖父の満蒙立志伝

    すがりとおる

  • 熱燗やあては兜太の句集のみ

  • 腐れ縁好い塩梅の燗の酒

    如矢

  • 熱燗の飲み方習はずに逝けり

    戸部紅屑

  • 触れたのは君の手かタダの熱燗か

    のもとみな

  • 熱燗や寂しがり屋の猫膝に

    辻が花

  • 熱燗をハツをカシラをナンコツを

    ねずみ男

  • 熱燗と呼べる熱さを決めかねる

    あみま

  • 燗熱し月の深部に火のけはひ

    いかちゃん

  • チラシ見た時から今日は熱燗て

    北野きのこ

  • 熱燗や底にたぷんとクジラの目

    ぽんぽこぴーな

  • 熱燗や良き死に方を願うては

    小野更紗

  • 熱燗ややっと指輪に気づく夫

    阿山季思

  • 熱燗は猛るが録画出来てない

    葵新吾

  • 熱燗やつづら折りなる伊豆の道

    蟻馬次朗

  • 父の客帰らず熱燗の番を

    武井かま猫

  • 熱燗の匂ひ叔父貴が来てるらし

    ざうこ

  • 熱燗や下戸の香食らりるれろ

  • 弔辞草稿熱燗の冷めぬうち

    松山めゐ

  • 熱燗や月へ寄り道して行かう

    中山月波

  • 熱燗や会葬者名子に伝ふ

    乙華散

  • 熱燗や古都に亡霊多きこと

    ちゃうりん

  • 熱燗の沁みてたましひ太るやう

    ちゃうりん

  • 熱燗に細波立ちてメール着

    直樹里

  • 熱燗のある国日本へようこそ

    海老名吟

  • 燗酒よ亡父(おやじ)このごろよく喋る

    直樹里

  • 熱燗や生きてるだけで金かかる

    海老名吟

  • 熱燗に口も緩むと思ひきや

    木江

  • 熱燗や作り話にほだされて

    古都ぎんう

  • 耳朶は熱燗のねつ覚えけり

    み藻砂

  • 熱燗のアテに物故者欠席者

    比々き

  • 熱燗や定時で終わる倉庫番

    南風紫蘭@木ノ芽

  • 銘柄を伏せて熱燗出されけり

    キヨ

  • 熱燗や部屋に入れろと猫の声

    砂山恵子

  • 塩辛が届き熱燗3本目

    はづきめいこ

  • 燗熱うせよ清廉を死語とすな

    与志魚

  • 遠浅に立つ心地して燗酒は

    くりでん

  • 熱燗やくまなく通う我が血管

    明世

  • 熱燗や純友の子らの出港す

    池之端モルト

  • 熱燗と寂しさといふ麻酔薬

    ラーラ

  • 熱燗のぐらぐらと婿をとる話

    石崎京子

  • 熱燗三合薄れゆく愛憎

    かざばな

  • 熱燗に豆電球の波紋かな

    さとけん

  • 噛み締める歯も欠けてをり燗の酒

  • 熱燗や潮騒届く隠れ宿

    せっちゃん

  • 吾逝きても夫は熱燗飲むかしら

    瑠璃茉莉

  • 熱燗に語るささやかなる無頼

    中根由起子

  • 熱燗や猪口を持つ手の形良し

    石塚彩楓

  • 年下の男とかわす熱燗よ

    朱夏A

  • いそいそとただ熱燗に甘へをり

    しをの

  • 熱燗を残し友の輪解けにけり

    位相朗

  • 熱燗や「涙の酒」は藤圭子

    まこも

  • 熱燗や通夜振るまひのそら笑ひ

    風花まゆみ

  • 熱燗や実家の匂ひそのままに

    八幡風花

  • 熱燗や何やら弾くガラス窓

    遊器男

  • 好きなことして逝くがよし燗の酒

    志保川有

  • 熱燗や一人労う退職日

    八ちゃん

  • 熱燗や右手ほのほの左手嬉し

    北藤詩旦

  • 寄合の果ては薬缶の熱燗か

    竹庵

  • 誕生日やさかいおとん熱燗や

    ブービー

  • 熱燗や夜を綺麗にして過す

    城内幸江

  • 熱燗が血管を今指の先

    天玲

  • 首都陥落熱燗溢れ出る間際

    新蕎麦句会・凪太

  • 熱燗や梟と飲む闇深し

    はまお

  • 熱燗や今夜も代行を頼む

    吟梵

  • 友が逝き熱燗はただそこに有り

    ふくろう悠々

  • 熱燗や太宰は置いて今生きろ

    まこも

  • 熱燗や三面記事の写真に吾

    広瀬康

  • 熱燗や海女小屋の火の猛々し

    山羊座の千賀子

  • 熱燗や魔術書めいて雑記帳

    早田駒斗

  • 熱燗や屋台の席を一つ詰め

    きのと

  • 熱燗や衝立越しに聞く噂

    はまゆう

  • 熱燗に触るる指舌喉鼻腔

    かむろ坂喜奈子

  • 熱燗に出揃う父と南部鉄

    令雅

  • 熱燗やしらふの母は皿洗う

    新陽

  • 熱燗や何を捨つれば怒気収む

    堀口房水

  • またされて力のぬけし熱燗よ

    篤彦

  • 天国は寒くあるべし熱燗呑む

    ギル

  • 熱燗や姨捨山の月は見えず

    しゃま

  • 熱燗や軍歌哀しき口を衝く

    老人日記

  • 熱燗や昭和昭和とうるさいわ

    三子

  • 熱燗をコップに替へて本調子

    ジョビジョバ

  • 熱燗や娶ると決めた人の耳

    ジョビジョバ

  • 熱燗や孔雀の羽根のひらくごと

    主藤充子

  • 熱燗や番屋で囲む漁師めし

    蛍源氏

  • 角打ちの熱燗魚肉ソーセージ

    ⑦パパ@いつき組広ブロ俳句部

  • 熱燗やまずは恵比寿へ大漁日

    清波

  • どうでもいい酒から熱燗にする

    秋沙美洋

  • 熱燗や人に管あり袋あり

    霞山旅

  • まだ恋じゃないと熱燗こぼす夜

    真冬峰

  • 熱燗はサラリーマンと飲む上野

  • 熱燗ややがてぶれだす独楽の軸

    ウロ

  • 不妊治療終了。熱燗ちびり

    沙葵

  • 熱燗や数分間の妻不在

    藤原龍介

  • 犬も海も夜も吠えた熱燗だ

    理酔

  • 熱燗やこの卓はいつも冷たい

    南風の記憶

  • 熱燗の二本目からは妻のもの

    日下まひろ

  • 熱燗や貸出期限今日の本

    月青草青

  • すさまじきもの見たあとの熱き燗

    三重丸

  • 熱燗や昭和チロリのでつこぼこ

    三重丸

  • 熱燗やねじゆるゆるとぬけおちて

  • 顎少し上げて熱燗すすりけり

    ウィヤイ未樹

  • 熱燗や急須に確かなる語源

    良生

  • 顔知らぬ父は熱燗好きと聞く

    あずお

  • 熱燗や恐竜の特集は九時

    青蜥蜴

  • 熱燗は屈折率変わったやうな

    青蜥蜴

  • 熱燗や下戸も李白をひとくさり

    空想婆

  • 熱燗や明日は麻理子とラブソング

    月の沙漠★★

  • 熱燗や故郷に友の錦なし

    天満

  • いい人なだけじゃ駄目じゃん燗の酒

    如矢

  • 熱燗や贔屓力士の土俵入り

    忍丸

  • 熱燗や吾が祖の平家物語

    伊予吟会宵嵐

  • 女に手あげぬが自慢とや熱燗

    小泉岩魚

  • 熱燗や夜の彼方にある本音

    まんぷく

  • 御食国の熱燗の灯を胃に収む

    七瀬ゆきこ

  • 熱燗やそろそろ超新星爆発

    ひねもす

  • 熱燗やししむらに花ほどけさう

    渡邉桃蓮

  • 熱燗に聞くや本所の七不思議

    ラーラ

  • 熱燗を吸ふくちびるを目でなぞる

    遠音

  • 熱燗やバナナで釘を打つ話

    登りびと

  • 真相の空虚熱燗の香気

    北野きのこ

  • 熱燗や月より搾りたる一滴

    岩のじ

  • 熱燗やぐい呑の底ひかり無し

    楽花生

  • 海鳴り遠し熱燗と車中泊

    古田秀

  • 教え子に熱燗汲まれ夢の蕊

    まんぷく

  • 熱燗や父無き父の誕生日

    森中ことり

  • 熱燗や加減分からぬ下戸でして

    祺埜箕來

  • 熱燗や海の名並ぶ月の地図

    樫の木

  • 論文はコピペ熱燗はワンカップ

    谷口詠美

  • 熱燗や長皿に骨美しく

    仁和田永

  • いつ来ても座れる店の燗酒かな

    菊池洋勝

  • 熱燗や日本はゆつくりと滅ぶ

    ぐでたまご

  • 熱燗とぷとぷお前が先生とはな

    ぐでたまご

  • 熱燗や憂国の士の多きこと

    おかか丸

  • 熱燗や仁丹くさき祖父のシャツ

    めぐみの樹

  • 熱燗に言うた言はぬをうやむやに

    蜂喰擬

  • 熱燗や村田清風の書の破れ

    sakuraa.

  • 熱燗や自己分析に失せる自己

    冬木呑子

  • 読み直す「津軽」熱燗一度断つ

    松山

  • 熱燗や先に酔ひたるよろけ縞

    智雪

  • 熱燗や場末の店の裏メニュー

    夏柿

  • 熱燗が滲みる妬み嫉み僻み

    浩朗

  • 熱燗や座右の書籍五十円

    夏柿

  • 熱燗や笑ひ上戸の伯父の通夜

    でぷちゃん

  • 熱燗やみんな優しいゆえに毒

    山香ばし

  • Zoom画面くもらせ私は熱燗

    一斤染乃

  • 俺の熱燗バイトへと引き継がれ

    高橋無垢

  • 熱燗に焼かるる舌へ月の水

    西川由野

  • 熱燗や食道取って三年目

    うさぎまんじゅう

  • 熱燗や涙干すにはあと五合

    奥山凜堂

  • 熱燗が入れば喋る父の子で

    優木ごまヲ

  • 百均で揃へる独居燗熱し

    南方日午

  • 熱燗に廊下が少し長くなる

    わこたんのまま

  • 熱燗や結露硝子のドラえもん

    ちょうさん

  • 熱燗に夜は羽化してげえらげら

    潤目の鰯

  • 熱燗や十年乗って売る車

    かつたろー。

  • 熱燗にこのおつまみはなかろうが

    かつたろー。

  • 熱燗やいつもの父の大風呂敷

    いくらちゃん

  • 熱燗や莫逆の友のでこぼこ

    のら

  • 熱燗や嗚呼にルビ振るとは無粋

    さるぼぼ@チーム天地夢遥

  • 熱燗や娘の語る男性論

    でらっくま

  • 熱燗や窓てふ黒き鏡に我

    さ青

  • 片口のへこみは優しい熱燗

    宮本象三

  • 教え子の名の在り新聞で熱燗

    あまぐり

  • こぼすわ火傷するわ独り熱燗

    陽気姫

  • 触れられる内は熱燗とは言えぬ

    ふるてい

  • 熱燗や能登の首根の氷見の宿

    むったん@狐狸山会

  • 熱燗に漢胡座を組み直す

    攝津の嫗

  • 大叔父のしゃっくり熱燗のとっくり

    奥野悦穂

  • 熱燗や錆びた身体に染み込んで

    まこと(羽生誠)

  • 熱燗に溶けて論議の下卑てゆく

    トポル

  • 熱燗に仕切り直して俳句論

    靫草子

  • お勝手の鱗散らしたまま熱燗

    ペトロア

  • 熱燗や桃屋の塩辛は辛い

    トポル

  • 熱燗や五臓六腑とやらの位置

    すぴか

  • 熱燗も饒舌も友いける口

    海猫

  • 板わさのつんと鼻抜け熱燗ぐい

    野々りんどう

  • 熱燗や今日のあら煮をほじり食ひ

    令ちゃん@花芭蕉

  • 熱燗やドーナツ椅子の席まばら

    薫夏

  • 熱燗やみどり児の名を決めし夜

    紅さやか

  • 熱燗やあんたもうちもあかんたれ

    はまのはの

  • 熱燗や親子二代の三冠馬

    アオキシゲル

  • 熱燗やひばりの歌にもう一杯

    高橋笑子

  • 熱燗や指で作りし丸印

    西村小市

  • 熱燗やルイベへ伸びる箸二膳

    熊縫まゆベア

  • 熱燗に右手左は猫を抱き

    山辺冬里

  • 熱燗や後ろ傷より向かふ傷

    影山らてん

  • 熱燗を空の躰に移しけり

    龍田山門

  • ガード下の熱燗ビル風の止まず

    たつき

  • 熱燗の増えて原稿そのままに

    98

  • 寮旗振る破帽高下駄燗の酒

    雨霧彦@木ノ芽

  • 火の青のつつうと満ちて燗酒かな

    古瀬まさあき

  • 熱燗や腥き文読み直す

    こむらさき

  • 熱燗や連れ込み宿の緋行燈

    竹田むべ

  • 熱燗やあては志ん生「首ったけ」

    平野水麦

  • 熱燗や鬼平雨の鬼子母神

    平野水麦

  • 素うどんに熱燗ありて一ト日かな

    高津喜久子

  • 同郷といふだけで酔う燗熱し

    べんべん

  • 熱燗やまず北溟に献杯す

    東京堕天使

  • 熱燗や君に娘はやりません

    マユミ

  • 浴槽にすっぽん熱燗でひとり酒

    東京堕天使

  • 宿六に熱燗つけるしあわせかも

    風花まゆみ

  • 熱燗や義父と見る釣りバカ日誌

    ひなた和佳

  • 熱燗や屋台の国家滅亡論

    善多丸

  • 熱燗や岬を跳ねる鯨波

    いさご眠人

  • 熱燗や遠きクニてふ吉野ヶ里

    横縞

  • 燗酒ぢりりデモクラシイとは何ぞ

    横縞

  • 熱燗や薬缶の好きな運動部

    田邉真舟

  • 残りたる腸へ熱燗染みわたる

    中山月波

  • 熱燗や陸奥旅は行き止まり

    じゃすみん

  • 「上等だ」熱燗倒し切る啖呵

    亀田荒太

  • おとうとの遺児と差したる燗の酒

    内藤羊皐

  • 熱燗や子の手料理は妻を越へ

    野ばら

  • 熱燗が染みてく夜の静かなり

    ひな子桃青

  • 熱燗にかへて話はまるくなり

    糸川ラッコ

  • 熱燗や目出度き日には柿右衛門

    筬葉

  • 熱燗やその日暮らしに毛の生えて

    淳風

  • 熱燗引きあぐる小指の在りどころ

    嶋田奈緒

  • 熱燗や河童と一夜話しこむ

    ギコ

  • 熱燗や舂米の掛け声はるか

    るびちゅ

  • 熱燗やねこもなみだもまるい夜

    井田みち

  • 熱燗や初孫の名はもう決めた

    諸塚凡志

  • 熱燗に友を遠しと思ふとき

    丹耶

  • 熱燗の妻のひいきは猿之助

    くめ仙人

  • 熱燗や予想屋の紙拾い捨て

    スローライフ

  • 熱燗の下に寄せ合う爪先よ

    山本先生

  • 長長ともはや熱燗とは言えぬ

    あさのとびら

  • 物忘れして熱燗の夕明かり

    左馬頭直義

  • 熱燗は不死ならきつと不味かろう

    あめのこ

  • 熱燗を待つは長し飲めば早し

    さゆみ

  • 熱燗やまだらになりてなほ家族

    月の道馨子

  • 大虚子の舌焼きさうな熱燗ぞ

    洒落神戸

  • 熱燗や世界の中心の路地裏

    古賀

  • 熱燗や光を湛う錫鎚目

    柝の音

  • 熱燗や仏語にも似て津軽弁

    柝の音

  • 熱燗やクレオパトラは骨も美し

    播磨陽子

  • 熱燗や人工骨も十七年

    森の水車

  • 熱燗や阿吽になりたかこん人と

    つきあかり

  • 熱燗や桂枝雀に似たる客

    石井茶爺

  • パーテイを抜けて熱燗はるみ節

    オアズマン

  • 熱燗や人の妻恋ふ歌をまた

    はる

  • 熱燗や父の十八番は「王将」で

    麗し

  • 熱燗の徳利教えし法事かな

    のりぴー

  • 熱燗や遺産要らぬと兄は言ふ

    佐藤志祐

  • 熱燗や堂々巡りの楽しさう

    浦野紗知

  • 熱燗や時メビウスの輪にも似て

    杜まお実

  • 熱燗を片手に野次る横綱戦

    圭右

  • 泣くための熱燗泣かぬための不義

    堀口房水

  • 熱燗に雲丹の罠なら喜んで

    澄海

  • 待ちきれんけえ熱燗やりよるけえ

    クラウド坂の上

  • 旧姓に戻ることに決め熱燗

    逗留舎なお

  • 熱燗の女で火傷したかった

    地球人

  • 熱燗を女権論者と酌み交わし

    Dr.でぶ@いつき組広ブロ俳句部

  • 熱燗の頃合い義母のいける口

    とわ

  • 燗熱うしちょくけん早う帰りちゃ

    花結い

  • 熱燗やラヂオのやうに父の愚痴

    ヤヒロ

  • 熱燗の男の横へ移動せり

    嶋田奈緒

  • 熱燗や膝に眠らす妻撫でて

    まちる

  • 熱燗や音を数へて鹿威し

    加良太知

  • 熱燗よ年齢不問って嘘だ

    清白真冬

  • 熱燗やこの一杯が天王山

    網代

  • 熱燗や雨樋が物言ひさうに

    大和田美信

  • 熱燗や雇用保険は三月待ち

    ぼたんのむら

  • 熱燗やドンちやん先生死んじやつた

    朶美子(えみこ)

  • 熱燗やチンパンジーは女難の相

    よぶこどり

  • 熱燗の夜を星々の潤みゆく

    倉木はじめ

  • 熱燗やたましひにある引火点

    干しのいも子

  • 原子炉のごと熱燗の番する夜

    脩平

  • 熱燗や日本は統べく火山なり

    干しのいも子

  • 熱燗やさんざ突っ込み消すテレビ

    都乃あざみ

  • 熱燗のこれは杜氏の去年の息

    ねこごはん

  • 燗酒や海馬へすんとささりけり

    緑の手

  • 燗酒や智恵子の郷の古りし宿

    風慈音

  • 熱燗や卯の花色の別府の夜

    28ひろきち

  • 熱燗や最終あるよ中央線

    ひろしげ13さい

  • 熱燗や満洲語る伯父と叔父

    杵築きい

  • 熱燗や故郷水没から五年

    28あずきち

  • 熱燗の合間合間を着信音

    ず☆我夢@木ノ芽

  • 熱燗や俺は先生好きでした

    みつき小夏

  • 熱燗や地図に載らない廃線跡

    工藤ふたば

  • 熱燗や婚約者の名告げし部下

    ちばくん

  • 熱燗の甘さになだめらるる夜

    門前町光乃

  • 熱燗や下戸のうんちく正しかり

    池内ときこ

  • 熱燗や一本の管である喉

    夜行

  • 熱燗や雨降る遠く鴎鳴く

    村上優貴

  • たとへ死んでも親父は熱燗止めぬでせう

    鷹星

  • 否熱燗別れ話の沈黙

    なゆた

  • 熱燗に浮いた羽虫が幸せそう

    干寝区礼男

  • 結婚は有耶無耶にしとけ熱燗

    雅枝

  • 読点のごとくに嗚呼と熱燗は

    多喰身・デラックス

  • 熱燗を傍に保険の見直しす

    たま蛙

  • 熱燗の能登の女の気丈かな

    加世堂魯幸

  • あつかんになつておまへにのまれたい

    宮間ミヤマ

  • 熱燗をよこせ墓前に父の声

    雑魚寝

  • 熱燗やとろろはまったりくぐもりぬ

    ねむり猫

  • 熱燗や泣くは生きてる者ばかり

    なつめモコ

  • 熱燗や健さんいつもムショ帰り

    福蔵

  • みちのくの熱燗とうにひとりきり

    佐藤和束

  • 燗酒の熱耳裏に到りけり

    佐藤和束

  • 熱燗や俳優の名が出てこない

    麦吉

  • 熱燗や選ばなかったほうの恋

    舘野まひろ

  • 熱燗やぷちぷちをたくさんつぶす

    舘野まひろ

  • 熱燗やマルジナリアにある予定

    知無須園

  • 鬼退治伝説熱燗のお供

    桂奈

  • 熱燗や主賓の言葉無事終わる

    元喜@木ノ芽

  • 熱燗や隣の人の良き会話

    城内幸江

  • 熱燗や吾子らは妻の味方なり

    ヨシケン

  • 熱燗に夜空揺れたるソロキャンプ

    むゆき

  • 痴呆の父の暴力熱燗が怖い

    ダンサーU-KI

  • 熱燗を妻に仕込んだ人がいる

    笠原理香

  • 熱燗や恋は犯罪とも言える

    しんぎ

  • 天才とバカと名句と熱燗と

    星野美咲

  • 熱燗や幸福を説く酔つぱらひ

    江藤すをん

  • こころより熱燗にせよ一周忌

    矢嶋博士

  • 熱燗や鋭角になる近江富士

    空野千鶴

  • 熱燗や時代遅れの男たち

    江戸川青風

  • 熱燗やニッポンにゐて泣きつくす

    矢嶋博士

  • 一服を盛られるのなら熱燗に

    ふくじん

  • ザックには燗酒にする四合瓶

    はるく

  • 熱燗や糠星光る女護が島

    亀田かつおぶし

  • 熱燗や五票で決まる村長選

    トマト使いめりるりら

  • 熱燗のあとの星空ことのほか

    飯村祐知子

  • 熱燗に潰れる合併やら部下やら

    碧西里

  • 熱燗やひかりほころびゆく水面

    ほろろ。

  • 熱燗や長居をゆるす老女将

    うに子

  • 熱燗や密談似合ふ地下の店

    笑松

  • 熱燗を湛へて胸にある砂漠

    高田祥聖

  • 熱燗の美味しい飲み方べらんめえ

    晴峯旬草

  • いえそんな熱燗は嗜む程度で

    野良古

  • 熱燗やつくねの串の先の焦げ

    宇田建

  • カップ酒熱し勝馬投票券

    かもん丸茶@狐狸山会

  • 山盗られ熱燗しとど大天狗

    三浦にゃじろう

  • 熱燗や野党のヤジに文句言い

    中村すじこ

  • 熱燗や地声に戻る水一杯

    也和

  • 熱燗や霧笛聞きたき夜は二合

    たんじぇりん金子

  • 熱燗や指先へ酔ひとどまりぬ

    しゃれこうべの妻

  • ふるさとの山の名なれば熱燗に

    とんぼ

  • 熱燗を吹くはくちづけのかたち

    西川由野

  • 熱燗がわかれば大人と思ってた

    いさな歌鈴

  • 舟唄に熱燗一本つけにけり

    天陽ゆう

  • 熱燗や夜目に因幡の海白し

    星埜黴円

  • 厨房へ「熱め」のリレー燗の酒

    さるぼぼ@チーム天地夢遥

  • 熱燗や打ち止めいつもかっぱ巻き

    宙のふう

  • たこ焼きや熱燗溢す巨人戦

    二上松風

  • 夢芝居のイントロ熱燗進む進む

    吉行直人

  • 長嶋派・王派熱燗また冷める

    吉行直人

  • 半世紀過ぎても熱燗に校歌

    晴好雨独

  • 極北の祖国へ掲ぐ熱燗よ

    武者小路敬妙洒脱

  • 熱燗や大動脈といふ大河

    あいだほ

  • 熱燗をつけにつけたりお弔ひ

    佐藤儒艮

  • 熱燗や愛がなんだと吐き捨てる

    えりいも

  • 熱燗の舌を刺身に冷ましたる

    山辺冬里

  • 湯豆腐といっしょに煮たる燗の酒

    痴陶人

  • 熱燗や陶窯の火の満つる音

    追師うさぎ

  • 熱燗や酒仙井月ひとに酔ふ

    双月(そうげつ)

  • 熱燗や軍手に受ける紙コップ

    多幡のやち

  • 熱燗やさしみ醤油の黒き艶

    渋谷晶

  • 熱燗やくうつと隅に九官鳥

    亀の

  • 熱燗や国勢調査の未開封

    亀の

  • 熱燗や差す手を甘くしならせて

    竹田むべ

  • 熱燗や口つく旧い名の響き

    大西どもは

  • 熱燗の甘し注射の痕痒し

    游真

  • 熱燗や是にて今日をよき日とす

    古都ぎんう

  • 熱燗や新書片手に聞くラジオ

    ひなた和佳

  • 熱燗や阪神来季強化論

    善多丸

  • 熱燗をつまむハワイの鍋つかみ

    定吉

  • 熱燗や十八番はさだまさし

    みやこわすれ

  • 熱燗やよたりよたりと伊予訛り

    久美

  • 海捨てる夜に熱燗匂はせて

    ぎんやんま

  • 熱燗や針飛びのするドーナツ盤

    GONZA

  • 熱燗の徳利の影括れけり

    ジャマイカ丼

  • 始末書や晩酌の燗熱うして

    豆闌

  • あつかんによつてかん字が書けません

    亀田荒太

  • 熱燗にけふの歌舞伎を評しけり

    内藤羊皐

  • 熱燗や謹呈本に領収書

    香栄

  • 熱燗やホルモン噛んでまた噛んで

    野々原ラピ

  • 熱燗や一人暮らしも慣れました

    Mミータ

  • 熱燗やひとり旅するもの同志

    あつちやん

  • 伝令のごと熱燗の運ばるる

    淳風

  • 流木に座して熱燗まわし飲み

    山香ばし

  • 熱燗や宇宙の謎を説く四合

    粋田化石

  • ひとしきり故人を褒めて燗の酒

    国代鶏侍

  • 唇に留まる言葉燗熱し

    おきいふ

  • 熱燗の箸に残れる烏賊の墨

    細川小春

  • 熱燗のあとはひばりの歌で酔ひ

    くめ仙人

  • 熱燗や呑む者みなに旅路あり

    syuusyuu

  • 熱燗ととと寂しきときは人を褒め

  • 熱燗のもつとも熱き一口目

    エース古賀

  • 熱燗や黒エプロンを探す朝

    葉るみ

  • 早期退職五・六本の熱燗

    明生館

  • 熱燗やゴルフ肴に四人連れ

    樹朋

  • 熱燗がないと謝れないらしい

    さとけん

  • 熱燗や鰊漬まだなれてない

    acari

  • 熱燗や時効の話ほろほろと

    縞午

  • 熱燗とちあきなおみは同じ度数

    いろはニホ

  • 熱燗や野沢菜に刺す爪楊枝

    青木豊実

  • 熱燗や神経が薄剥がれゆく

    綱長井ハツオ

  • 飲兵衛の医者の熱燗万能説

    あつむら恵女

  • 熱燗や母口遊む支那の夜

    服部勝枝

  • 熱燗やコルクの酒蓋のかほり

    伊藤興味

  • 熱燗や似非山頭火二三人

    シュリ

  • 熱燗や日経株価きりきりと

    月の道馨子

  • 燗酒や筑波おろしに軋むどや

    干珠

  • 呑めずとも熱燗仕度ちと楽し

    ゆうこB

  • 熱燗やはらわた熔けて詩になる

    石川聡

  • 熱燗や壱岐より友の着きし頃

    ココダン

  • 熱燗や店主は塩を薦めけり

    佐藤直哉

  • へびのやうに来て熱燗のにほふ息

    倉木はじめ

  • 熱燗や座布団はまくらを兼ねる

    瓦すずめ

  • 放哉の熱燗飲んだ海だろか

    詠頃

  • 熱燗や湯沸しに一升いれる

    川島欣也

  • 熱燗や弥山横たふ観世音

    森爺

  • 熱燗が愚痴の間を通り抜け

    丹波らる

  • 胃の底に熱燗のまだ生きてをり

    青柿

  • 熱燗や健さんに会えさうな夜

    赤馬福助

  • 熱燗に社の悪口を許されよ

    金子加行

  • 熱燗や愚痴に肯く猫の耳

    夏雨ちや

  • 経済誌めくり熱燗ひりひりと

    定野直仁

  • 釣竿のしなる音で飲む熱燗

    まるかじり

  • 熱燗や土方好きと龍馬派と

    まぐのりあ@蚊帳のなか

  • 駅伝、母校悔しき日の熱燗

    ふくじん

  • ずつしんと暮れて熱燗北新地

    きゅうもん@木ノ芽

  • 熱燗や自慢の妻と友には言ふ

    多々良海月

  • 熱燗や瘡蓋剥がす悪き癖

    杉本とらを

  • 縁切りは火傷に似たり燗熱し

    足立智美

  • 熱燗や友は何故死を選びしか

    新濃健

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