俳句ポスト365 ロゴ

初級者結果発表

2020年10月1日週の兼題

熱燗

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選】

  • 熱燗はやっぱり銚釐合羽橋

    藤原訓子

  • 熱燗や屋根に夜雨のかつかつり

    歩く鳥

  • 徳利の首つまみ独りごつ夜

    すすきの獅子扉

  • 熱燗忘るる東京物語

    伊豆子

  • 熱燗や箍ゆるみゆく内弁慶

    仁葉

  • 熱燗やお風呂にざぶん漏れる声

    高飛洋子

  • 彼は手酌徳利差し出す熱燗や

    榊裕江子

  • 耳たぶは熱燗のためにあるらしい

    宮島ひでき

  • 熱燗や里の漬物開き見る

    貝花

  • 熱燗す逝きし娘の誕生日

    出席番号43番

  • 義父義母の熱燗の間や阿吽なり

    なみは

  • 熱燗や宵の色街ひく屋台

  • 嫁がせて夜の熱燗一人きり

    みたせつよ

  • 熱燗や信楽猪口のびーどろ釉

    新田淑@狐狸山会

  • 内臓と指とをつなぐ熱燗や

    山乃火穂

  • 隣から熱燗来たり縄のれん

    丸山隆子

  • 露天湯に熱燗浮かべ湯音聴き

    みやまおだまき

  • 熱燗や叱られた日は遠かりき

    一純。

  • 金箔の浮く熱燗や母のほほ

    オキザリス

  • 無為の日や熱燗までが瞬く間

    森毬子

  • 熱燗やまだ見ぬ人に文を書き

    三毳

  • 痛点を焼く熱燗は未だ喉

    上峰子

  • 熱燗にことにうるさき義父であり

    空山

  • 熱燗や一瞬の鶴撮り終へて

    朝比奈花の丸

  • 熱燗や親の小言の辛味知る

    津葦

  • ポッと花咲く心。君と熱燗

    穂垂

  • 女三人性のことなど燗熱し

    河原つばめ

  • 日本熱燗は出ているか

    千条之御息所

  • 熱燗や量は減りしも白髪連れ

    川西勝久

  • 熱燗とヒマラヤの塩五粒あり

    桃花

  • 熱燗や集ふオヤジの焼き鳥屋

    西村もえP(み)

  • 熱燗や窓開け庭を父眺む

    ムスカ大佐(み)

  • 熱燗を亡き夫の猪口にたっぷり

    キャサリンまさこ

  • 熱燗や知らで寄る寺ふるまわれ

    パッキンマン

  • 熱燗を酌みて窓越し日暮れ富士

    小橋春鳥

  • 棟上の宴熱燗のつけ過ぎ

    池と堀

  • かまけるな百薬の長と熱燗も

    西の海牛

  • コロナ禍に熱燗恋し人恋し

    河合由布

  • 熱燗や和服ゆったり真砂女さん

    藤川さくら

  • 熱燗とレトルトカレー夜の森

    ひなたか小春

  • この土地は熱燗注がれ契約し

    松井くろ

  • 熱燗や飲みしコップに生ける花

    迫久鯨

  • 熱燗や獣は壁の中走る

    真宮マミ

  • 熱燗や『酔鯨』無濾過生原酒

    弥日

  • 薄給の友と熱燗塩つまむ

    あきののかなた

  • 寝つけけぬ夜熱燗一杯もう一杯

    畑中真土

  • 熱燗や怒鳴る親父と愚痴る母

    占新戸

  • 熱燗や屋台の親父白髪増え

    こてつ川

  • 熱燗や三十余年夫に添い

    ダイアナ

  • 熱燗や殊に煩き父の舌

    加賀もずく

  • 熱燗の袖で持ちたる徳利かな

    浅見弓楽

  • 熱燗を交わしし同志病床に

    スマイリー正子

  • 熱燗よなぜ僕たちはここに立つ

    はっしー

  • 熱燗や至福の時の一人酒

    横じいじ

  • 熱燗やちろりの泡を数えおり

    雄咲(ゆうしょう)

  • 熱燗や孫抱く父と遺影の母

    のりりん

  • 熱燗やいまだ帰らぬ貸した本

    鯛風

  • 手酌より熱燗よりもひと肌を

    喜多吃音

  • 熱燗や夜半の静寂の美しき

    立歩

  • 熱燗や友の訛りの切れ切れに

    安春

  • 熱燗や目処の立ちたる資金繰り

    克巳@夜のサングラス

  • 熱燗の常なる国の萬のあて

    寧楽女

  • ゆるり過ぐ時を楽しむお燗酒

    おさむ

  • 熱燗や部屋に漂ふ香に酔へり

    さとうりつこ

  • 熱燗や平家の里も暮れてゆく

    竹春エリザベス

  • 熱燗の醒めて一人となりにけり

    は志むら

  • 熱燗や小壁の父をとうに過ぎ

    広島しずか80歳

  • 熱燗や断捨離といふ一日終え

    今野夏珠子

  • 黒手帖仕舞いて熱燗あと二合

    ほのぼぉの@蚊帳のなか

  • 熱燗のエンシュア割りを試す夜

    カヅラ梅

  • 熱燗に飲まれてピサの斜塔めく

    ときわ露草

  • 熱燗やきのふのもつの味噌煮込み

    古都鈴

  • 熱燗のにがみ星見えぬ独り居

    川口みち

  • 熱燗や電車の音の遠ざかる

    照波

  • 熱燗や父の背中が丸く見え

    隆美

  • 熱燗で一杯の夢下戸が見る

    舎人

  • 熱燗のせいと怒りを塗り潰す

    こま

  • 熱燗を一本にして誕生日

    寿女

  • 熱燗と思い出話老夫婦

    ややま

  • 熱燗を注ぐ眼は素面なり

    福田みやき

  • ほろほろり熱燗甘く沁みにけり

    景奇

  • ひとり野で熱燗シェラカップ重ね

    我省

  • 週末の待った文庫と熱燗と

    羅馬巴里

  • 下戸ふたり年に一度の熱燗よ

    玉悦

  • 熱燗や手酌の夕餉老鰥夫

    音のあ子

  • 日本海熱燗に酔う波頭

    太っちゃん

  • 熱燗と赤身の刺身で祖父偲ぶ

    ばんびぃむーん

  • 熱燗や頑張れそうな気の少し

    小林たけし

  • 熱燗や間戸の潮騒過疎を衝く

    三宅くいな

  • 熱燗の微温く成り行くご挨拶

    木の葉

  • 熱燗のコトコト揺れる三世代

    もりのまりりん

  • 熱燗や悲喜こもごもの語りぐさ

    けんさん

  • 熱燗のお猪口持つ手に年季入る

    松さん

  • 寡黙なる君が誘いし熱燗を

    咲耶とこ野@木ノ芽

  • 熱燗を女将の運ぶ街中華

    島村福太郎

  • 熱燗や沁み透りたり耳の骨

    しげる

  • 古備前の猪口の熱燗独り酒

    西川あきや

  • 刺身には熱燗ですよ絶対に

    無花果

  • 熱燗や宿題終えて父の声

    久鍋得利子

  • 熱燗や祖父の正調おけさ節

    小倉あんこ

  • 熱燗や岩室甚句唄い出す

    白薔薇

  • 熱燗や娘十九になりにけり

    横ちゃん

  • まろやかとかわからないけど熱燗

    後藤麻衣子

  • 朝風呂で熱燗ぐいっと旅気分

    sugarlily

  • 熱燗やうわばみに下戸の婿とは

  • 熱燗やあいつの今を聞いた夜

    どみそ

  • あと一件こころ熱燗へと逸る

    さこ

  • 熱燗やつまみおねだりべべちゃんこ

    倉敷のながいかみ

  • 熱燗や娘の嫁ぐ前夜来て

    sol

  • 燗酒や詰襟脱いで四十年

    准壹

  • 夜回りを終えて熱燗染みわたり

    松坂慎太

  • 熱燗を冥土の父に届けたし

    そうま純香

  • 熱燗や話の花が咲き乱れ

    とみことみ

  • 熱燗が男の素顔晒しけり

    篠田ピンク

  • 熱燗は何度が良いとのたまわる

    ぽぷり

  • 熱燗で藤沢周平読みながら

    吹子

  • 熱燗で潰れし二十歳和む四十

    いく葉

  • 熱燗に耳朶触り一人酒

    詠野孔球

  • 注がれる熱燗すでにおちょぼ口

    としまる

  • 熱燗やとくりを倒し愚痴しまひ

    池田郁英

  • 熱燗や五臓六腑に火が滾る

    池田香

  • 熱燗に言葉は要らぬ里の友

    城山英

  • 熱燗や君の耳たぶつかむなり

    甲山

  • 時が過ぎ熱燗好む我がおり

    アポロチョコ

  • 熱燗やもう手遅れのふたつみつ

    桜姫5

  • 能書きは要らぬ熱燗がぬるくなる

    樋口滑瓢

  • とくと説く熱き夢には熱燗を

    真井とうか

  • 燗熱しまあ一献と下戸の父

    ぽんこ

  • 熱燗でミステリー読む嵐の夜

    百音

  • 熱燗や常連客しか来ない店

    ちあき

  • 熱燗や温め好き父二分半

    柚月

  • 熱燗や催促やまじ赤き鼻

    でんきゅう

  • 熱燗や野燗炉の炭爆ぜる夜

    岸来夢

  • 四畳半寂しき部屋の燗熱し

    たん造

  • 熱燗やあくがれいづる横恋慕

    黒兎

  • ちんちんの熱燗父と交わす夜は

    泥酔亭曜々

  • 並ぶ地下足袋熱燗の立ち飲み屋

    千鳥城

  • あつかん一口目や最後のハモり

    妙歌

  • 熱燗をぐい飲みいざ別れ話

    峰乱里

  • 熱燗や仏壇の父とお千代さん

    あーすススメ

  • 熱燗の香り豊かやもう一本

    嬉笑

  • 捨てられぬ欠けたお猪口で熱燗や

    はなちゃちゃ

  • リモートの画面ぬくめる燗の酒

    朱沙

  • 熱燗や振られたくせに振つたふり

    せいち

  • 牧水に熱燗献ず香の余韻

    高知樗

  • 熱すぎる燗は喉にも悪いぜよ

    重翁

  • 熱燗の徳利詰まんで酔ったわね

    高橋平地草

  • 熱燗や自称江戸っ子の定席

    ヤマボー

  • 肝硬変原因しらずと熱燗

    かじつ

  • 熱燗や1合で語る赤ら顔

    寧女

  • 熱燗を試し飲む百薬の長

    丘るみこ

  • 熱燗の一言居士を連れて来る

    アイゴー

  • レンジで熱燗一人酒うるうると

    山桜昌子

  • 熱燗や紅差し指にリング跡

    沙那夏

  • 熱燗と深夜テレビに旨みあり

    星夢光風

  • ナイターの完封勝利に熱燗

    とんぶりっこ

  • 熱燗や冷たき雨を口実に

    吉村よし生

  • 熱燗の香にむせかすむ孫の笑み

    公私混同

  • 熱燗の向こうに妻や夢心地

    太子

  • 熱燗や昭和歌謡を口づさみ

    下村ひじり

  • 熱燗に厚揚げ焼いて独りの夜

    ドイツばば

  • 熱燗をおひとつどうぞと白き指

    山口朝子

  • 二人で飲んだ熱燗は旨かった

    甘蕉

  • 熱燗で明日の戦法練り直し

    すぎやん

  • 罪悪感晴れの日なかの熱燗や

    きいなかな

  • 勝利せし贔屓のチーム熱燗を

    俳菜ひろこ

  • 熱燗やふるさと遠く国訛り

    いまいやすのり

  • 鬼平で熱燗かたむけ江戸の夜

    陽光樹

  • 熱燗や父は好々爺となりて

    okapi

  • 静けさと冷めた熱燗熟れた頬

    なきつづき

  • 熱燗や沸かす時間の窓の外

    春来燕

  • 熱燗や白湯かも知れぬズーム飲み

  • 熱燗で語り尽くすも早や夜明け

    付いてる!付いてる!

  • 熱燗の鍋煮えたぎる旅の宿

    おかもとのん

  • 背伸びして熱燗仕込む部活飲み

  • 熱燗や街ぐんぐんと暮れている

    グランディーヌ

  • 熱燗や英語聞こえる上野駅

    まさ

  • 熱燗は錫のちろりで義父の膳

    春蘭素心

  • 熱燗や若気のいたり道端に

    美若歩

  • 寄り合いの熱燗アルミのやかん

    枇杷子

  • 熱燗の湯気の向こうに寝てる猫

    にゃんみー

  • 熱燗や郷里の友の声太し

    夕美

  • 熱燗や不意に亡父の友来たり

    やまぶき

  • 熱燗や酸いも甘いもええ具合

    よし季

  • 熱燗や落ちてきそうな庭の月

    とし子

  • 熱燗に未来を語る若さかな

    竹の子

  • 熱燗を横目に下戸の箸忙(せわ)し

    薄安

  • 熱燗や部活の勇士饒舌に

    お漬物

  • 熱燗の「ぬるめ」に熱き議論かな

    秦浩

  • 熱燗にいささか酔うて風を待ち

    甲斐紫雲

  • 帰省すらできぬままひとり熱燗

    ねもじ

  • 晩酌の女系家族の燗熱し

    守安ーーーーーーーーーーー雄介

  • リモートを閉じて熱燗我一人

    土井あくび

  • 熱燗や今日の味覚も異常なし

    夏みかん

  • 定年のこよい二人で熱燗で

    久衛

  • 熱燗や平気平気と泣上戸

    おちゃうけ

  • 熱燗やわれ言語清水弁なり

    向原かは

  • 熱燗や門標だけがピカピカと

    山口雀昭

  • 熱燗や父の小言はもう聞けぬ

    そまり

  • 熱燗や袂押さえる大年増

    大和屋としより

  • 熱燗や合はせ白寿を祝ひをり

    忍冬

  • 熱燗や独りぼっちは尚熱し

    紫香菫

  • 熱燗の回るレンジを見るオヤジ

    風ヒカル

  • 熱燗と大声揃う父の宵

    めりっさ

  • 熱燗や下戸を嘆いて夜(よる)一人

    汐海さくら

  • きつねよりたぬき顔よし熱燗よ

    宇砂紀の女

  • 熱燗や川面が風に波立ちぬ

    中嶋敏子

  • 熱燗の臭いにむせる祝いの夜

    美年

  • 熱燗と未来を語る村の爺

    ちょろたこいん

  • 熱燗や陶工たちに思いはせ

    哲庵

  • 熱燗や湯気のむこうに友の顔

    はらこ

  • 熱燗をちびり昭和に果てし人

    成久巳子

  • 熱燗を吹いて冷まして笑われて

    ギボウシ金森

  • 猫舌の熱燗を欲る一夜かな

    ひだ岩魚

  • 熱燗が温い熱いとやかましく

    阿奇羅

  • 熱燗や断捨離できぬ日記帳

    カルメ狐

  • 熱燗とちびちび舐めるほうば味噌

    あさり

  • 熱燗や君に泣き寄られたかつた

    市川一夜

  • 熱燗は風情ありと祖父思う

    まつり

  • 山里の隠れ酒場や燗熱し

    紀杏里

  • 熱燗の酔い絡みつく蛇のごと

    白猫

  • 熱燗や湿った髪に仰がるる

    平野四季

  • 熱燗や徳利袴の四つ五つ

    じょいふるとしちゃん

  • 熱燗の首におしぼり巻いて酌

    一日一笑

  • アダージョの熱燗眺むガード下

    ☆ゆか☆

  • 舞い踊る湯気や熱燗あと2分

    ☆らららんど☆

  • 熱燗や母には言へぬ話など

    みどり

  • 熱燗や遺影の父も赤ら顔

    たくや

  • 熱燗の手酌のとまる元刑事

    千里一歩

  • 熱燗のすっくと立つ香ゆるり呑む

    北川蒼鴉

  • 収穫の喜び分かつ熱燗よ

    赤井味彩

  • スナックにて熱燗たのむ怪訝顔

    松瀬章章

  • 初孫の字画数えて熱燗や

    みにとまあいこ

  • 熱燗や単身赴任十二年

    のぼさん

  • 熱燗やからからからと風の鳴る

    岸れん

  • 注ぎ出て呑み鍛えられ煌る熱燗

    O3

  • 熱燗のおちょこは一つ珊瑚婚

    せんり

  • 祝停年熱燗党は減りにけり

    葱ポーポー

  • 熱燗や炭火なつかし手をかざす

    こびたん

  • 熱燗の湯気の向こうで笑う君

    すな

  • 老妻の熱燗なじむ五十年

    勝山

  • 熱燗を桶に浮かせてぬるめの湯

    俊夫

  • 熱燗はスイッチ八代亜紀歌う

    みー

  • 消毒のやうに熱燗注ぎけり

    羽衣@ノエル

  • 熱燗や静かに謡う子守唄

    友と歩くゾウ

  • 熱燗の喉を通れば人恋し

    高橋冬扇

  • 熱燗を渡す笑顔に笑顔かな

    中山白蘭

  • 熱燗や将門公の飲み飲まれ

    はちゃ

  • 熱燗をこぼしてにじむ明朝体

    はちえいと

  • だんまりの課長と酌み交ふ燗の酒

    山吹美羽

  • 熱燗や身欠き福より薄造り

    朱久瑠

  • 熱燗や歪みし見ゆる槍の峰

    輝棒

  • 熱燗や解けたパズルを眺め入る

    やまな未

  • 熱燗や駅近のあの居酒屋はいま

    笑酔

  • 熱燗や尖りし心丸くなる

    満月ポン

  • 熱燗に合うあて探し二往復

    白髭

  • ハレの日に滲む涙と熱燗と

    浪速の蟹造

  • 30秒叔父が念押す熱燗や

    ダリア

  • 熱燗や標許りと旅の宿

    みなと

  • 熱燗や親子でちょっといい気分

    白井百合子

  • 熱燗で1杯やるか雲上で

    玉治

  • 熱燗に聞こゆ舟唄肴かな

    宏楽

  • 作業終えちろり一杯を熱燗で

    松山女

  • 何を知り何を知らずや燗熱し

    幸久

  • 湯船から芳香熱燗のにおい

    としこ

  • 熱燗やぶっ飛ばそうぜ失恋め

    希林

  • 祝い日や熱燗呑んで十八番唄

    塩原太助

  • 熱燗を親父の手つきでひとり呑む

    鳥越暁

  • 真っ白なクリフ熱燗の徳利

    テセウス

  • 熱燗は手酌に限る是非も無し

    一石浩司

  • 熱燗の我が身落ちゆき染み至る

    MMゆき

  • 熱燗と換気流降るE席へ

    南城馬天

  • 熱燗や魂と共消毒す

    オイラー

  • 熱燗や笑い方忘れた彼女

    伊藤響彌

  • 熱燗のひたひたすする宵月火

    妖精さん

  • のんだくれてひとり熱燗をそそぐ

    まにあ

  • 熱燗とはこれ杉の香りなるや

    糸賀太

  • 熱燗の最後の一滴が甘い

    ナナナナ

  • 熱燗は好きじゃないと言ったら親父が笑った

    羅蒐

  • 熱燗や地炉利片手にやってくる

    沢瀉

  • 熱燗かな皿をずらして節見るる

    潮ベルト

  • 熱燗の香や口ずさむ通りゃんせ

    海峯企鵝

  • 香り嗅ぎ笑み零れるや熱燗に

  • 熱燗の徳利いびつ旦那作

  • 孫見つつ熱燗喉を慰めぬ

    樟本明子

  • 熱燗の青春談議呂律飛ぶ

    火炎猿

  • 熱燗や摘む耳朶ほの紅く

    むゆらー

  • 熱燗や野良着のままに呷りたる

    塩の司厨長

  • 燗酒の鍋の火燃ゆる我遊ぶ

    安芸子守熊

  • 熱燗に一寸外れた黒田節

    yoko

  • 宴闌けて父は熱燗田原坂

    むげつ空

  • 熱燗や塩豆ぽひり夜の底

    綾竹あんどれ

  • 熱燗や散らかる心を整える

    猫渓

  • 熱燗や十八番は昭和歌謡です

    葉月のりりん

  • 熱燗や割れた硝子は気のせいか

    花紋

  • 熱燗やワインの国の肴たち

    長田写々

  • 熱燗の為のもつ煮の味噌を買う

    妹のりこ

  • 熱燗に少し大人になりしかな

    文女

  • 熱燗がいい季節だと夫の口癖

    真林

  • 熱燗や辿り着いたる老い楽し

    コナラ

  • 熱燗を少し病後の義父の膳

    富山の露玉

  • 熱燗や愛妻出かけ猫相手

    宮写楽

  • 熱燗や若手育てに村歌舞伎

    鶴田梅勝

  • 炎見んずーっとずっと熱燗で

    邦生

  • 囲炉裏端昔懐かし熱燗だ

    美泉

  • 熱燗を温石にして疾く帰れ

    三木庭

  • ソロキャンプかをる青竹熱燗よ

    紫雲英

  • 熱燗でいつも鼻唄みれん酒

    竹林

  • 熱燗やネオン一文字切れてをり

    山踏青時雨

  • 弱冠の熱燗不惑のぬる燗

    ロンリーハート

  • 熱燗に饒舌すぎるをみなかな

    ツーちゃんの恋人

  • 燗酒や父の義太夫締めの頃

    つづきののんき

  • 熱燗や卓囲む顔懐かしき

    ひろちゃん

  • 熱燗の加減に疎きおかんかな

    宮坂暢介

  • 終電や屋台駆け込み熱燗で

    南風

  • 熱々のもつ煮をつまみ熱燗で

    越後縮緬

  • 熱燗で焼きたる舌をちびと出す

    紫宗

  • 熱燗や今日の自分を褒めてみる

    むらたふみ

  • とっくりは九谷熱燗灘一献

    上原まり

  • 熱燗に父と演歌の二重奏

    雅鬼

  • 熱燗は辛口甘口思い出も

    みかん

  • 子と酌んで熱燗のすぐ廻りけり

    中井笙石

  • 熱燗を指揮する指は料理人

    夏綱

  • 燗酒の喉通りすぎふくらみて

    あね猫

  • ピアスの娘熱燗の指冷ますのか

    水間澱凡

  • 二本目の熱燗を手に与太話

    佐藤恒治

  • 熱燗の腸に宿せるしこり撫づ

    松田てぃ

  • 熱燗を横どる妻にときめきて

    えいぎょ

  • 熱燗を手酌で呑めばほろほろと

    りんごのほっぺ

  • 熱燗や品種比べの仲間内

    青修

  • どてやきと熱燗ありてミナミの夜

    秤防人

  • 熱燗と恋女房がゐればいい

    庭野ちぐさ

  • 熱燗や躓く事も喉に消え

    みずの風華

  • 熱燗や容疑者はまた住所不定無職

    るやみ

  • 熱燗やこぼるる盃の闇を呑む

    細木さちこ

  • 熱燗や君の十八番の武田節

    犬散歩人

  • 熱燗やバイク乗りらの隣席へ

    Benじい

  • 熱燗や訛り飛び出す伊達男

    ひろ史

  • 熱燗やその一言が導火線

    北村崇雄@TFP句会

  • 熱燗ぞ五臓六腑は覚悟せり

    田中一升

  • 熱燗や鬼平真似てイカぬたと

    なきうさぎ

  • 熱燗や向き合う彼女の泣き黒子

    聖一

  • 熱燗と云へば壱岐島いか徳利

    真珠星倫世

  • 熱燗や献杯の重さ耐へ難き

    北村鯨子

  • 座布団にネルを着せし夜熱燗す

    丸虎

  • 熱燗を救い出さんとやかん口

    玉泉

  • 熱燗や下戸の家系の大徳利

    一茶お

  • 熱燗を振り子時計の音で呑む

    えいりぃく

  • 熱燗や国替え灘から越後へと

    和鹿島

  • 熱燗に口説かれている居酒屋女

    呆爺

  • 熱燗の一杯やがてやけ酒に

    余熱

  • 熱燗や断りメールすぐに来る

    松茶巴@プレバト木ノ芽

  • 熱燗の味を手で見る徳利かな

    伊藤善隆

  • 熱燗や筑前炊きの上手くでき

    なかの花梨

  • 燗酒や父の小言が懐かしい

    川村栄

  • 熱燗や琺瑯引きのある厨

    悪七兵衛

  • 立ち飲みは熱燗二合のれん内

  • 熱燗や独り手酌の赤暖簾

    ひよこ草

  • 熱燗やまつ毛数える狐かな

    明明

  • 熱燗にひたして香るエイのヒレ

  • 熱燗の二合軍歌の名調子

    谷川の蛍子

  • 熱燗のオーダー我はウーロン茶

    水色猫

  • 熱燗で父の笑顔が目にうかぶ

    京子

  • 鴨鍋の味が濃い熱燗も濃い

    幾太波末

  • 熱燗の湯呑みの中へ炙り鰭

    加和志真

  • 祖父の注ぐ燗酒二杯遭難碑

    無月堂道霞

  • 熱燗が無口な人を明るうす

    蛙星

  • 手酌する熱燗ひとり外は雨

    康寿

  • 熱燗や口は高段囲碁談義

    小文吾

  • 熱燗や津軽女の深情け

    河本かおり

  • 熱燗や妻の耳たぶかりました

    西田月旦

  • マヨネーズ炙りするめと熱燗と

    久瑠圃

  • 熱燗のさかなにかかる演歌かな

    KAZU

  • 若手らの「熱燗二合!」に振り返る

    鐘ヶ江孝幸

  • 長き友熱燗かわし尽きぬ話を

    東児

  • ガード下熱燗ほおに横恋慕

    いまいち

  • 熱燗に有線流す艶歌など

    いくた武

  • 熱燗に込めたる思い日々の機微

    信翁

  • 熱燗や生涯ひとり妻と乾す

    藤川鴎叫

  • 熱燗の我慢の指も年かさね

    京女

  • 熱燗の肴は鯣手酌かな

    リカ

  • 遠い日や熱燗人肌ぽっぽっぽっ

    あつこっとん

  • 熱燗に陽気な友を得たりけり

    ロクヨン

  • 熱燗に遠き眼居箸袋

    夕虹くすん

  • 父熱燗彼はビールの気まずさよ

    ゆあな

  • 熱燗や冷えた内臓動き出す

    如庵

  • 自粛から抜けだし今日は熱燗へ

    筋肉男

  • 熱燗と耳たぶの距離なまめかし

    広庵

  • 愛子よお前に熱燗はまだ早い

    白砂陵

  • 熱燗を片手に語る昭和かな

    想予

  • 熱燗や廻した君と金婚に

    須磨離宮

  • 熱燗の肴になるや係長

    湘輝

  • 熱燗に鼻突き刺され顔しかめ

    わかち

  • 三本目熱燗渡す手から愚痴

    あらら

  • 熱燗や娘の彼は同ひ年

    紫檀豆蔵

  • 熱燗や星瞬きて息弾む

    いくちゃん

  • 熱燗や男なんてと嘆く姉

    秋熊

  • 熱燗をぐいぐい婚約者の父

    かずポン

  • 熱燗や訛りて愛し津軽弁

    いつかつかわの

  • 三婆が囲む蕎麦屋の熱燗や

    風由花

  • その指の触るる耳朶燗の熱

    柊月子

  • 熱燗の湯気に消えゆく口喧嘩

    高たか

  • 熱燗や拓郎ファンの友と旅

    つつ井つつ

  • 縁談は破談熱燗舐めにけり

    丹下京子

  • 直帰の宵熱燗の香ほがらか

    青嵐

  • 熱燗や潮騒聞こゆ醤油町

    れっどべりー

  • 熱燗や着信拒否の設定す

    橘まゆこ

  • 熱燗を美酒と言いつつ語る父

    静香

  • 妻と娘の一触即発燗の酒

    金のキウイ

  • 熱燗のつまみに動画探しけり

    ごようまつ

  • 熱燗や愚痴聞くことの上手き人

    根本葉音@花芭蕉句会

  • 熱燗や狐頷くひとり酒

    雷紋

  • 熱燗や祖父はひとりで納豆と

    平井伸明

  • 熱燗や検査結果の封を開け

    シラクサ

  • 熱燗とアヒージョの熱混沌と

    パオ

  • 熱燗はチロリとともに懐かしや

    ゆかりん

  • 熱燗や抗へぬままもう一本

    玉井瑞月

  • 独り居の熱燗恋し夕まぐれ

    秦のヨシコ

  • 熱燗やゆうべの貌と今朝のかお

    いごぼうら

  • 熱燗やふたりで泣いて後輩(とも)を説く

    甘泉

  • 熱燗の〆は讃岐のかけうどん

    誠馬

  • 熱燗が腹に沁み入る世の平和

    ともけん

  • 熱燗や差しつ差されつ将棋指す

    烏兎

  • 熱燗のほどよきまろみもう一杯

    せり花

  • 熱燗の2℃にこだわる新課長

    みのる

  • 条件は熱燗上手歌上手

    谷山みつこ

  • 熱燗や古きのれんの揺れ通し

    むにむにちゃん

  • 熱燗と炙った鯣妻偲ぶ

    山茶花静

  • 熱燗や風呂の沸きたる電子音

    みくにく

  • 熱燗やま白きなかの露天風呂

    リバティーさん

  • 熱燗と天ぬき頼む老い楽し

    きっちゃん

  • 答えは熱燗の中に僕ディラン

    ねこ山

  • 熱燗や父と夫とは囲碁仇

    雅喜

  • 熱燗の灯る胃の腑や新橋の夜

    あなうさぎ

  • 燗酒や新橋駅のガード下

    薫風

  • 熱燗を心の中の祖父と飲む

    麻呂助

  • 熱燗や相手チームにホームラン

    浦野幸一

  • のどが鳴る喜ばす味熱燗だ

    ばんしょう

  • 熱燗よ今宵も妻の手のひらに

    はなあかり

  • 熱燗や聞き上手なる友のおり

    しみみ

  • 熱燗を背中丸めて手酌酒

    そら

  • 熱燗やいつまで続くコロナ禍は

    気がつけばカンレキ

  • 熱燗やエプロンの娘は婚約者

    蒼空蒼子

  • 熱燗にひと肌ほどが恋しけり

    青玄

  • お見合いや熱燗熱き目もそぞろ

    泰乙女

  • 熱燗や我の好みを知る女将

    深草あやめ

  • 熱燗を含み口上ながれゆく

    真喜王

  • 熱燗や聞いてる振りの師の教え

    風間昭彦

  • 熱燗をねだりしようなおちょぼ口

    朝ぼらけ

  • 熱燗やととかかおにいじじばばも

    阿波豊

  • 飲み終へし熱燗すぐに倒しけり

    KAZUピー

  • 熱燗や小さく啜る父の脊

    三ツ藤康子

  • 熱燗や額縁の犬微笑いけり

    深川リンの父

  • 熱燗で満たされてゆく虚かな

    おんちゃん。@白吟句会

  • 熱燗や進まぬ筆の夜を共に

    上月ひろし

  • 熱燗を作る母ぐでぐでの父

    網野れいこ

  • 熱燗や飲めば飲むほど妻捩れ

    殿さまペンギン

  • 熱燗や左党の相手素面でも

    伊沢華純

  • 熱燗や笑い上戸の夫とゐて

    麻衣

  • 熱燗の猪口にあたりめ落にけり

    こぶこ

  • 病室のちちに熱燗笑み少し

    岡崎シビック団紙ふうせん

  • 熱燗やにほんごカタコト酌み交わす

    合歓

  • 熱燗を待つレンジの58秒

    水晶文旦

  • 熱燗にピンクになりし恋敵

    オリゼ

  • 酣にほのぬくし熱燗も吾も

    卯月十二

  • 月観てあおる一人冷めた熱燗

    あみだじじい

  • 愛すべき夫熱燗に呑まれおり

    小野睦

  • 熱燗やスタートからのリスタート

    ともかわすてむ

  • 熱燗や色恋超えし身のほとり

    流士

  • 熱燗やけふの興ざめ消し去りぬ

    むさかず

  • 熱燗や締めの稲荷の艶ふわり

    詩音

  • 熱燗に触れた指先耳たぶに

    花弘

  • 熱燗や十八番の演歌また唄う

    山水(さんすい)

  • 熱燗の飲んで飲まれて妻は鬼

    倉の人

  • 熱燗や長き水尾の屋形船

    蒼鳩薫

  • 熱燗の徳利選びつほくそ笑む

    みゆき子

  • 熱燗や無口なところ父に似て

    にじのすみれこ

  • 熱燗のボタンは二つ券売機

    しんしん

  • くくくくと注ぐ熱燗や口窄め

    江口秋子

  • 熱燗や鼻歌はいつも拓郎

    京丸

  • 熱燗や酌の女将の手の包帯

    壱太

  • 一人膳亡父熱燗冷めてなお

    柚和

  • 盃の熱燗とくとく輝やけり

    クロまま

  • 熱燗や熱海のひもの届きたる

    西麿(にしまろ)

  • 熱燗や夢二の軸のある和室

    小鞠

  • 熱燗を頑固にしてる父の指

    マツイミキロウ8191

  • 熱燗やするめ焼く音唾を引く

    博さん

  • 熱燗に今日の仕事を振り返る

    裾野51

  • 熱燗や横目で制す冷酒党

    星海

  • 熱燗や鉄瓶赤し人待ちし

    禎乃

  • 熱燗や身の上話ちびちびと

    小笹いのり

  • 熱燗や猪口の向こうに父の影

    しずくのかけら

  • 熱燗や他人のやうな旅に出て

    天晴鈍ぞ孤

  • 熱燗や店のラジオはノイズだけ

    入口弘徳

  • 失敗ばかりの日や今日は熱燗

    新開ちえ

  • 熱燗や幼なじみの訃報聞く

    猫楽

  • 巣籠もりて熱燗のわざ手練れけり

    読獺

  • 初めての熱燗彼のルーツ聞く

    伊予吟会玉嵐

  • 熱燗や恋占いは当たらない

    かたちゃん@いつき組広ブロ俳句部

  • 熱燗や女帝憎まれ役を解き

    やっちゃんち

  • 熱燗にひたる時間の人恋し

    笑詠化

  • 熱燗に絆されてゆく旅ひとり

    haruwo

  • 熱燗や商品名まで旨きこと

    むらぴ

  • 熱燗に心のおりの見え隠れ

    小梅

  • 耳たぶを摘むしぐさや燗熱し

    木村となえーる

  • 熱燗に酔うて雑魚寝の山の宿

    紗智

  • 流し目怖し熱燗をつぐ女将

    哲山

  • 熱燗や無口の主を多弁にす

    いと茶

  • 熱燗として湯気となる父の酒

    ひろきち

  • 熱燗やイエスタディを聴きたくて

    たいぞう

  • 熱燗や新妻の酌酔いも増し

    きさらぎ

  • 電柱の横の火星と熱燗と

    石岡女依

  • 燗酒の残り香少し父譲り

    桔梗

  • 熱燗や残りは鯛のあら炊きに

    英与

  • 熱燗や錦を飾る夢を見る

    ユク

  • 熱燗にブギウギ流す呑み屋かな

    小川野棕櫚

  • 熱燗やにこにこにこと父の夕

    たむらせつこ

  • 熱燗や亡父と交わす夢見たし

    鈴木翠月

  • あの人になりたくて燗つけてみる

    みょん

  • 熱燗や鯛の頭のしみじみと

    江雲

  • 熱燗や家にいるのに帰りたい

    ぞんぬ

  • 熱燗やチーズで満る冷蔵庫

    高原大空

  • 熱燗やちびちび飲んで今日の終

    るみ

  • 熱燗や耳であちちと冷やす指

    ひよはるばば

  • 熱燗と君への涙夜更かし

    砂霧

  • 熱燗を包みこむよな備前焼

    陶豪

  • べく杯のただ呑みたいだけ熱燗

    としなり

  • 拓郎の熱燗の首しみじみと

    糸慌@木ノ芽

  • 熱燗徳利の首といふ括れ

    釜眞手打ち蕎麦

  • 熱燗や訛りなき我の手酌

    深山紫

  • 熱燗の憂き世の屋台ひとり酒

    上津力

  • 熱燗や勘所なき調理器具

    ゆきを

  • 熱燗も「オンラインでね」夫(つま)は言う

    生野薫

  • 陶狸にも憂いのありて熱燗かな

    ヤモリ

  • 言ひかけて止めて飲み込む熱燗と

    大熊猫

  • 唸る風なだめ熱燗のほほんと

    美翠

  • 熱燗で友よ唄えよヨサコイよ

    佐山夕子

  • 熱燗も白髪の話ももう少し

    犬井山羊

  • 妻留守の夜熱燗徳利つまむ耳

    つわきの嫁

  • 熱燗や知らぬ同士で盛り上がり

    聖橋

  • 師の諭想いて熱燗冷めゆく

    江藤薫

  • 愛犬の温もり熱燗の香り

    ちか丸

  • 消毒が足りぬ熱燗もう一本

    ぽんたちん

  • 熱燗やいぶりがっこにチーズ巻く

  • 熱燗や二時間前は定食屋

    和光

  • 溢れ注ぐ熱燗合格の夜

    京あられ

  • 熱燗や段々灯りつく祇園

    ミセウ愛

  • 熱燗を受けて「お主も悪よのう」

    菊池克己

  • 熱燗とぐい呑み一つ三回忌

    緒里乃

  • 燗付けを娘に頼む三本目

    長束ゆき

  • 独語辞書片手に妹は熱燗

    ほへと

  • 熱燗を落として笑う露天風呂

    勉邪明

  • 傘寿釣師捌く刺身に熱燗や

    よひら

  • くちびるもかかとも熔けて熱燗の宵

    ティアラ文緒

  • 熱燗や耳朶白き下戸の人

    百合乃

  • 熱燗や父に辛苦の季節あり

    花おうち

  • 熱燗や惚気る甥の衿は立つ

    白プロキオン

  • 熱燗に地物の刺身と天麩羅と

    れんげ畑

  • 熱燗や下戸でいつもの茶碗蒸し

    しげとし

  • 熱燗や舞妓目元に紅をさす

    森初音

  • 亡き人と熱燗はさみ差し向かい

    あおのめ

  • 友来り熱燗の香や時止まり

    夏みかんの亭主

  • 熱燗を受く唇のぽつてりと

    はな

  • 熱燗や秒針止まるクッと干す

    たくばしょう

  • 熱燗や羽釜に入りし燗徳利

    吉や

  • 静かさを熱燗差しつツレと聴く

    貴貴

  • 熱燗や耳たぶつまんで独り酒

    蓮花

  • 泣き笑い怒る説教あつかんで

    秋桜

  • そろそろか囲炉裏熱燗香り立つ

    馬門宗太

  • 徳利も温もり沁みる熱燗か

    自由猫櫻波

  • 熱燗をぐいいっとのむ猿芝居

    本山喜喜

  • 深夜二時熱燗も冷め愚痴尽きず

    塩小路とんてき

  • 熱燗にしみじみ話聞く体で

    衷子

  • あつかんや友と露天で足のばす

    侍真満陽陰

  • 熱燗や右手を挙げる招き猫

    真繍

  • 湯の効能より熱燗の火照りかな

    うすけ

  • 熱燗や野良仕事終え至福どき

    中野久子

  • 秒読みで熱燗作るレンジかな

    土屋木洩れ日

  • 熱燗や人の評価はひとのもの

    久世有人

  • 熱燗のズズズ偽りの約束

    真優航千の母

  • 熱燗と先ずは塩辛ガード下

    ななえ

  • 熱燗や家族も別れの延長線

    はとり千倖

  • 熱燗に微かな色を見つけたよ

    田之馬ちょい

  • 熱燗と我が手の甲と遠き日々

    かすみ

  • 熱燗にウウムと寄せる太き眉

    神山やすこ

  • 熱燗や暖簾の外は降り頻る

    黒子

  • 一人寝の熱燗ありてブルーチーズ

    狩谷和寓

  • 熱燗やいつも煙たいガード下

    箱庭

  • 熱燗はアルミのやかん「アチチッ」と

    葉子A

  • 漁を終ゆ熱燗あおる番屋かな

    妄児

  • 寿ぎの昼の熱燗ちどりあし

    かわせみ町田能ヶ谷

  • 熱燗にふれて小指の立ち上がり

    夢バーバ

  • おしぼりで持つ熱燗を手酌かな

    いたまきし

  • 熱燗に飛び交ふ訛りありにけり

    マムシ銀行早乙女

  • 熱燗や悲痛の溶けたる川の水

    裸時

  • 熱燗や香る向こうに父の顔

    まつやま孝子

  • 熱燗で銀河を論じ午前二時

    公毅

  • 背の君に熱燗二本添えてやり

    位子

  • さめのたれ割きつつ熱燗伊勢の夜

    ぽいプー

  • 熱燗や母のいまさず国哀し

    藤田康子

  • 盟友と手真似で交わす熱燗かな

    茶々

  • 熱燗や娘のアテを狙う父

    笹弓

  • 熱燗で今日は伯父貴と献杯す

    オパール

  • 熱燗やちょこのうず巻き大宇宙

    流鏑馬

  • 熱燗を盗み飲むには若すぎた

    すしうた

  • 熱燗に媚薬を混ぜし旅の宿

    さくやこのはな

  • 熱燗もぬるみ肴もなし寂し

    毒林檎

  • 笑う祖父熱燗まわるレンジのなか

    藤井天晴

  • 熱燗や義父の外れた黒田節

  • 熱燗や歩道の濡れて光りたる

    案山子@いつき組広ブロ俳句部

  • 頬ふれし味わい深き熱燗よ

    浩二

  • 熱燗、耳たぶおさえ江戸しぐさ

    舞妓はん

  • 熱燗やお疲れ様の香り満つ

    音弥

  • 絡み糸ほぐす熱燗妻の酌

    やぶつばき

  • 熱燗と日めくりに書き畑作り

    磯野昭仁

  • 熱燗の五百円だし今も友

    陶然

  • 熱燗や零る桝酒したり顔

    くろべぇ

  • 熱燗に向きも不向きも酒のあて

    閏務(うるうつとむ)

  • 熱燗でほろ酔い気分もう寝ます

    ふみちゃん

  • 熱燗を差しつ差されつ今は駄目

    かっとび

  • 熱燗の徳利つまむ頃や良し

    白石青白

  • 酌できぬほどの熱燗出されけり

    勘太郎

  • 粗忽もの熱燗こぼし火傷かな

    俊也

  • 唇を寄す熱燗や潮満ちる

    まこ@いつき組広ブロ俳句部

  • 熱燗や妻はだいたいちくわ耳

    嘉門生造

  • 熱燗と二人暮らしや明けの空

    香依蒼

  • 熱燗を受ける盃ついついと

    岩和文

  • 初々し熱燗つまむ子の小指

    みのるに

  • 「お祝いや」隣の客から受け熱燗

    ばんどうまーぴー

  • 熱燗やちびりちびりと卒寿かな

    金治宜子

  • 熱燗の好きな亭主はもういない

    あすなろ

  • 御斎(おとき)背に熱燗つけし勝手口

    みどりくん

  • フィナーレの指揮者の一言熱燗し

    風蓮徹

  • 淋しさや熱燗飲んで空見上げ

    アーナンダ

  • 旅先で友と熱燗酌み交わす

    ひめのつばき

  • 熱燗や慣れてしまえば甘い蜜

    小薪まりちゃ。

  • 亡き父と熱燗沸騰思い出に

    小塚蒼野

  • 熱燗の蘊蓄楽し片想い

  • 勝負後独り熱燗滲みる舌

    狸漫住

  • 熱燗や当てはいつもの乾き物

    佐藤俊

  • 水曜日いか塩辛と熱燗と

    ねこか花はっか

  • 熱燗やレンジは今日も不愛想

    好文木

  • 熱燗にたぬきたぬきと来て狐

    宗本智之

  • 饒舌な父の熱燗赤ら顔

    浅田百合根

  • 門口の箒逆さと熱燗と

    大嶋メデ

  • 熱燗のおいしさ知らず死んでゆく

    柴桜子

  • 熱燗も憂さ晴れず憂さ友となり

    亀子

  • 熱燗を親父飲めよと仏壇に

    一周

  • 酌する手ガタガタゆらす熱燗や

    葉影

  • 熱燗や耳たぶつまむ所作に惚れ

    春爺

  • 熱燗や世界経済冷蔵庫

    ニッシャン

  • 熱燗や寡黙な兄も饒舌に

    田中ようちゃん

  • 薬缶で熱燗湯気はもう故郷

    沢拓庵

  • 熱燗や酔えばやあちゃんたかっちゃん

    つつ井つつ夫

  • 熱燗を震えて注ぐ二十歳の子

    きのした小町

  • 熱燗の猪口のうんちくてんこ盛り

    もちえちゃん@狐狸山会

  • 熱燗やぽつりぽつりと愚痴り出す

    水無月

  • 熱燗や夫と通ったラーメン屋

    あじさい涼音

  • 熱燗は五右衛門風呂のちょい手前

    せーたん

  • 熱燗の手酌の夫に仕舞いなし

    しーたん

  • 燗熱し一味の雨やわらべ唄

    里甫

  • 熱燗や喉をゆたかに香の甘し

    青い月

  • 熱燗を交わせばやはり日本人

    うらら恵子

  • 熱燗や海鳴りばかり北の宿

    蒼の海

  • 熱燗の口を迎へにやるお猪口

    一生のふさく

  • 熱燗や記憶手放す父の笑む

    うめがさそう

  • 熱燗や父に聞きたきことありぬ

    くによ

  • 熱燗や気持ちの折れる音聞こゆ

    夢堂

  • 熱燗を啜りて夜の風入る

    オサカナクッション

  • 熱燗を乞われ徳利を探す妻

    石井せんすい

  • 熱燗や放任主義の子の巣立つ

    羊山羊

  • 熱燗の加減わからず早五十年

    柳春子

  • 熱燗やこぼれおちたる独り言

    立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部北海道支部

  • 熱燗や旅行の是非を議論する

    松永裕歩

  • 父の忌は熱燗風の夜の下戸

    猫舌扁平足

  • 熱燗やモットーは無理しないこと

    倉嶋志乃

  • 熱燗や父の告白俺にだけ

    尼島里志

  • 星空がきれい熱燗染みてくる

    花南天anne

  • 中州の灯熱燗の徳利とくとく

    わかこ

  • 熱燗や父と夫とを結ぶ糸

    亀石

  • 熱燗や笑ひ上戸につられおり

    紫小寿々

  • 熱燗は花の香りとフランス人

    二重格子

  • 熱燗や泣き上戸の愚痴飽き飽き

    むじーじ

  • 新世界熱燗飲みて千鳥足

    日本酒

  • 熱燗がつかりましたと電子声

    パーネ・メローネ

  • 熱燗や耳たぶ目立つ男なり

    とんとん

  • 熱燗や爺の踊りをまた迎ふ

    三泊みなと

  • 熱燗や聞きたき事に口を閉じ

    むべ

  • 死に急ぐやに熱燗のコップ酒

    あたなごっち

  • 鍋歌ふ華の金曜熱燗や

    さぬきのたぬき

  • 熱燗や愚痴こぼしあう高架下

    西山哲彦

  • 熱燗や口を挟みて嫌はるる

  • 熱燗や手酌始まる三本目

    そうり

  • 熱燗を冷やして舐める自称ワル

    塾志

  • ちゃんづけで呼ばれ熱燗寝具出る

    三群梛貴

  • 熱燗やほど良き距離の五十年

    岩澤佳音

  • 熱燗や最初は正座あと胡座

    三水(さんすい)

  • 独り言増えて熱燗沸騰す

    めしめし

  • 熱燗は地酒に限る女将に限る

    泰然

  • 熱燗に会話のつなぎ託しをり

    ねぎみそ

  • 熱燗を長き溜息弄び

    月城花風

  • 熱燗や待ち人来ぬがちびちびと

    はごろも

  • 熱燗や高倉健の渋き声

    でんでん琴女

  • 熱燗ややっぱり俺は幸せか

    松ぼっくり

  • 人恋し熱燗ともに独り言

    りこ

  • 玄関の夫熱燗の顔をして

    卯年のふみ

  • 熱燗を摘まむ大げさ過ぎないか

    椋本望生

  • 片方の中身はミルク熱燗す

    水蜜桃

  • 熱燗を直火で付ける母は亡く

    蛾触

  • 熱燗に呑まるる人に星よ光れ

    円堂実花

  • 熱燗や倅の耳にピアス穴

    馬祥

  • 熱燗や銘柄熱く語る次女

    からすちゃん

  • 熱燗の徳利倒してお代わりす

    島陽広

  • 熱燗の手酌に添える一夜干し

    はら美華子

  • 熱燗や愚直の上司退職す

    さぶり

  • 熱燗やご当地ものを飲み比べ

    月野ひとみ

  • 熱燗やまだまだ父に敵はざり

    こうちゃんおくさん

  • 苦も楽もごちゃまぜにあり熱燗す

    やまやま

  • コーヒーはブラック熱燗まだ飲めぬ

    久留里

  • 熱燗で解す夫の眉間じわ

    愛棄丸

  • 熱燗や記憶を辿る紙芝居

    小島神泉

  • 熱燗や二本目からのぬるくなり

    豆柴

  • 熱燗の香りに惑う千鳥足

    三宅剛

  • 密談の果ては熱燗冷となり

    さかもと眞紅

  • 熱燗や隣座った網タイツ

    鮫みわ

  • 砥部焼きのとっくり熱燗ぽっこりと

    妙女

  • 熱燗に亡き父親の手の熱さ

    龍秀樹

  • 熱燗や徳利にらむ祖父と父

    与六

  • 熱燗やこころたゆたる長い夜

    夏生祐子

  • 久しぶり熱燗かわす友ふたり

    峰桜

  • 帰り道熱燗誘う憂さ晴らし

    ゆぃ

  • 古き事熱燗置きて外は風

    冬すみれ

  • 熱燗を飲んで歌うは舟歌よ

    染野まさこ

  • 熱燗や恩師の訃報と卒アルと

    おたまじゃくし

  • 乾杯や先師の好きな熱燗で

    伊夏来海

  • 熱燗を呑む吾の膝にねこ団子

    稲垣由貴

  • 熱燗や薄情な耳朶触る

    くれまてぃす恵子

  • 熱燗や嘘も噂も腑に堕とし

    三宅雅子

  • 大漁を祝す熱燗の我等

    蒼來応來

  • 熱燗でいつもの夫は饒舌に

    玉京

  • 熱燗にのどぐろつつき更けゆく夜

    アマリリスと夢

  • 熱燗や犬にも一本骨をやる

    新藤柑子

  • 熱燗をたのんで今日の終わりなり

    さとう菓子

  • 熱燗や言い訳をせぬようにせぬように

    ぐりえぶらん

  • 熱燗のとくりことりと一人酒

    有田みかん

  • 唸る祖父燗の温度で店はかる

    金曜日の男

  • 故郷(ふるさと)はじゃこ天かじり熱い燗

  • 熱燗に寄する口元父に似て

    とも子

  • 熱燗は小津映画に似合いそう

    北の山猫

  • 家呑みは星を肴に熱燗で

    林和寿

  • まだ熱燗呑み足りないのスケコマシ

    海月莉緒

  • 舟歌を聴いて熱燗沁みる夜

    桜木さくらもっち(レイ改め)

  • 熱燗をあの日あの時あの歌で

    貼女(ちょうじょ)

  • 熱燗や意見するよな子も居らぬ

    敬之

  • 半合の熱燗手酌余生かな

    野ばらno1

  • 熱燗や思い出す父母のあれやこれ

    賀代

  • 熱燗や戸を閉めぬなとどなり声

    虫田糸巻

  • 熱燗や夫のたのみし肝ひとつ

    かぬまっこ

  • 熱燗や旅先の宿暮れなずむ

    ねこ

  • 下戸一人熱燗供えて涙雪

    美乃郷

  • 熱燗や本音は小声耳へ寄せ

    そめやまさみ

  • 熱燗や直帰を告げてコート脱ぐ

    たんくろう

  • 熱燗のテープル父の指定席

    おけら

  • 熱燗の駒跳ねにけり相馬焼

    吉野川

  • 人恋し熱燗とろり舌にのせ

    にゃんごろう

  • 熱燗や問いたきことは二次会に

    喜祝音

  • もう一本嫁のもつ煮に熱燗を

    桃泉

  • 熱燗やまず指先が小躍りし

    漂碌魂ひいろみ

  • 三合目は安酒出して熱燗に

    宗平圭司

  • 熱燗を迎えに曇る眼鏡かな

    大石真大

  • 無国籍熱燗に合う謎の肉

    山くじら

  • 一本のつもり熱燗とどまらず

    右田俊郎

  • 無口の口に熱燗の熱ほのか

    小豆白虎

  • 熱燗を取り上ぐる指見つめをり

    茶犬

  • 熱燗や星に捧げて吾は呑む

    野中泰風

  • 熱燗の屋台に集ふも御縁かな

    光友

  • 熱燗で和睦続くは二合まで

    ジミーあゆみ

  • 国許の力士勝ち越す燗熱し

    竹さ

  • 熱燗や世間なんてと噛むするめ

    渓翠@青東高

  • 熱燗や湯に浸かり居る人を待ち

    山口負乗

  • 熱燗に居住まひ正す娘婿

    Kかれん

  • 駅ナカの熱燗めざす急ぎ足

    金太郎

  • 熱燗やカウンタ越しに注がれて

    ハチ太郎

  • 熱燗や飲めぬとこだけ母に似て

    清水三雲

  • 熱燗徳利首つまみ独りごつ夜

    ししマス

  • 熱燗や身振り手振りも興に入り

    気まぐれ稔久

  • 熱燗をすすりし祖父の肩緩し

    ゆうが

  • 熱燗や寂しさの理由探す夜

    片栗子

  • 熱燗を二合手酌の誕生日

    大槻税悦

  • 熱燗や親父は丸くまるくなり

    ナタデココ

  • 熱燗や南部鉄瓶シュンシュンと

    杉浦夏甫

  • 鈍色の自作の猪口へ注ぐ熱燗

    鷹之朋輩

  • 猫舌は親譲りなり熱燗よ

    池田玉繭

  • 熱燗や母と注ぎ合うそんな夜

    弁女

  • 熱燗の冷めても温き吾が家かな

    村松縁

  • 窘めるただならぬ恋燗熱し

    ラッキーの母

  • 熱燗やもしも昨日に戻れたら

    楢山孝明

  • 熱燗や話弾んで冷めやらぬ

    里之照日日

  • 熱燗をつける手注ぐ手猪口持つ手

    吉井郁恵

  • 果実酢の燗熱くして断酒の身

    百草千樹Z

  • 袖口を伸ばし熱燗つまみけり

    一井蝸牛

  • 熱燗や弾む会話の声が好き

    瞳子

  • 熱燗や口が迎えにゆく猫背

    ほろよい

  • 熱燗を手酌で注ぎ密避ける

    山太平

  • 熱燗や知らぬ仲間と輪を囲み

    都花

  • なじみ客の入るやいなや「熱燗を」

    新米笛

  • 熱燗や遠き波音聞きながら

  • 熱燗や昭和歌謡の夫の顔

    小野みっちゃん

  • 熱燗をくぴくぴ入社一年目

    どかてい

  • 熱燗の猪口持つ指の品よくて

    しゅんらん

  • 熱燗や身体の芯に沁みる夜

    ゆーや(み)

  • 熱燗や肩組みながら二軒目へ

    カワウソ(み)

  • 熱燗や一杯ひっかけ世に浸る

    猫雪春原(み)

  • 熱燗と遺影の君と夕餉かな

    久素木葉子

  • もう少しが待てない熱燗ぬぐう

    裏山小虫

  • 熱燗や飛び出す父の浪花節

    桜の翳

  • 熱燗を呷り舟歌海騒ぐ

    風花美絵

  • 熱燗の似合ふ背中となりにけり

    蓼科川奈

  • 熱燗や俺のをんなはお前だけ

    藤倉密子

  • 熱燗や膨らむラップ明日は来る

    紗々

  • 板さんの熱燗一本暖簾越し

    春果

  • 熱燗で父と乾杯七回忌

    景清華

  • 熱燗の徳利ころり家族葬

    田中耕泉

  • 熱燗や薄い徳利に分厚い手

    田辺ふみ

  • 股座に擦り寄る猫と熱燗と

    ハルノ花柊

  • 熱燗をローアングルで差し出しぬ

    石野上路無

  • 地蔵様熱燗一杯召し上がれ

    華徳

  • 熱燗のおっちゃんまだかレジバイト

    胡麻栞

  • しばらくはひとりに慣れる熱燗や

    工藤忍

  • 熱燗や染み入る傷よしんしんと

    或明日汰

  • 熱燗の湯気さへ惜しき銘酒かな

    独星

  • 熱燗とあいつ変わったなと言われ

    升丁茶

  • 熱燗や時の無い白夜は続く

    果音

  • 熱燗の残り一滴舌の上

    治もがり笛

  • 熱燗を摘んだ後に耳摘む

    豚ごりら

  • 絵筆の先睨む熱燗煮え立つ

    彩葉

  • 熱燗や独奏の児のただいまああ

    シニアモモ

  • 熱燗や凍結されたダム事業

    高尾里甫

  • 熱燗に演歌があればすぐ昭和

    しゅういずみ

  • 熱燗に語りの肴午前様

    彩利蓮

  • 物売りが去りて熱燗盆に載せ

    砂楽梨

  • 熱燗や独り身の軽き寂しき

    川村ひろの

  • 口笛の同嗜と夜は熱燗ぞ

    種種番外

  • 諍(いさか)いも熱燗二本でゆるむ夜

    かまど猫

  • 熱燗ぐびっハートエースかジョーカーか

    打楽器

  • えり足を剃り初めての熱燗かな

    童好

  • 熱燗や面影捜すクラス会

    ミユキ

  • 熱燗や並木に青きLED

    環波留

  • 熱燗を急かされ指の温度計

    叶田屋

  • 熱燗の父酒饅頭の娘

    もんちゃん

  • 熱燗や徳利震う猪口震う

    酔人雲助

  • 熱燗をすする仕草が瓜二つ

    いかすみ

  • 熱燗や鴨ぬき肴(あて)に降臨す

    やっせん坊

  • 熱燗やラフマニノフは甘過ぎて

    茄子美

  • 熱燗や箪笥の隅へ三文判

    しかもり

  • 熱燗や秋田舞妓と差し向かい

    蝦名瑠緋

  • 熱燗で一本灘の生一本

    抹香鯨

  • 熱燗や俗談平話燗冷まし

    佐藤啓蟄

  • 熱燗をさしつさされつ足が触れ

    茜雲

  • 熱燗に徳利持てず妻を待つ

    たかこ姫

  • 熱燗の指うっすらとささくれて

    田中勲

  • 熱燗や徳利やはり買ひ足さう

    とりまる

  • 熱燗や合う眠剤を探す日々

    藤すみ

  • 熱燗にあぶりエイヒレ錫婚式

    時化田白金

  • 熱燗や故郷思いぐいと飲む

    利根の春

  • あいうえお熱燗あちち触る耳

    長谷川ひろし

  • 熱燗に厳しき眼かな我が子なり

    句詩呼

  • 熱燗や一手間分の夫婦愛

    杏樹萌香

  • 大人ぶりお酌の熱燗ぬらす衣

    ゆこげん

  • ぜんぶぜんぶ熱燗に忘る全部

    もりさわ

  • 熱燗や流星群を待ちながら

    名前のあるネコ

  • 熱燗や冷たき心にしみる酌

    笑々

  • 熱燗やその客は先ず徳利ほめ

    いちご一会

  • 酒断ちてまた熱燗の候となり

    理露

  • 熱燗と長椅子座る君だけで

    光源爺

  • 熱燗の喉通る息止まりさう

    白水史

  • 熱燗をぐいぐい飲みし愚痴言う友

    よつ葉

  • 熱燗や子が飲むようになったとは

    鯉女子

  • 熱燗や昭和を語る父も亡き

    花ほっぺ

  • 熱燗に満月浮かべ相模灘

    相模の仙人

  • 友泣きて熱燗の熱奪ひけり

    ほしの有紀

  • 熱燗や額写真の亡父無言

    まー坊

  • 飲み助や熱燗抱えてひとりごと

    小池敬二

  • 熱燗と響き脳皺ああ弛緩

    常陸人

  • 熱燗に見る見る変わるおちょこ柄

    蒼求

  • 煮えきれず冷めるは恋か熱燗か

    ささきなお

  • 熱燗や地酒のヌーボー届く頃

    わわ

  • 熱燗の名酒に舌の痺れけり

    野本美食

  • 熱燗や一言添へる嫁の酌

    彼方ひらく

  • 大漁だ鯛柄猪口で熱燗だ

    しおかぜ

  • 熱燗や織部黄瀬戸と鼠志野

    ときめき人

  • 熱燗や熱さ加減に一家言

    富樫幹

  • 熱燗やどうどうめぐりの議論かな

    山﨑菫久

  • 細き指熱燗受くる嫁ぐ二女

    紅雀

  • 熱燗や燗にうるさき父なりき

    キートスばんじょうし

  • 口遊む昭和演歌や燗熱し

    放浪

  • 熱燗や焼き物不意の炎上げ

    酔下弦

  • やってられない。熱燗もう一本

    恵蘭

  • 熱燗や語りすぎるか古希の夢

    加賀くちこ

  • するめ焼く亭主の背中熱燗よ

    佐々木照風

  • 熱燗やむしろ眠れぬ夜勤明け

    葛谷猫日和

  • 熱燗に十九の頃の夢混じり

    間仁田彩

  • 熱燗や蟹の甲羅を盃に

    ふみ

  • 熱燗よ屋台の席と終電車

    kuri

  • 熱燗を杜氏と語るリモート飲み

    秋月流音@木ノ芽

  • 熱燗をほめられぬまま母となり

    tack

  • 熱燗や予防接種の腕かゆい

    あべべ

  • 熱燗や夫と希望を子の寝顔

    栗田もとえ

  • 熱燗やとろりとろりと夜は更けて

    那津

  • 熱燗と黄身の味噌漬け考妣沁む

    新見遊子

  • 熱燗や疼く歯茎のありどころ

    紗千子

  • 熱燗や風の運べる遠囃子

    あじょあ

  • 熱燗が肩まで浸かる薬缶風呂

    紫陽花子

  • 熱燗の酔いが言わせる馴初めを

    aya

  • 熱燗や母の憂ひを知らぬ父

    日記

  • 熱燗や今宵は妻もほんのりと

    風紋

  • 親方が手を挙げ急かす熱燗や

    菜々の花

  • 熱燗を半合だけと父弱気

    三笠木草

  • 熱燗をたのみ女将の酌を待つ

    薩克期風

  • 宮参り熱燗一人孫二人

    古(いにしえ)の憲

  • 熱燗に一口ずつのセピア色

    曲がりしっぽ

  • 婿殿は熱燗持って愛想良し

    平松洋子

  • 熱燗や今日の嬉しきこと思ふ

    朱泉

  • 熱燗の一杯ほどの手のぬくみ

    素秀

  • 熱燗を捌いた女将は耳つまむ

    文芸サロン

  • 主義主張通りこすこの熱燗

    蒼涯

  • 熱燗や肌は無用のひとり夜

    小真木

  • 熱燗で酔ってはしゃぎ今朝の頭痛

    姫林檎

  • 熱燗のタイマー5分鰭を焼く

    竹織

  • 熱燗や友焼く猪口に二三杯

    すみれ色の涙

  • 退院は明日熱燗まで三日

    ちびつぶぶどう

  • 燗酒や逝く人だけが多くなり

    伊予吟会心嵐

  • 熱燗や夫婦の距離のやや縮み

    せつこ

  • 熱燗や銚子のくちから溢れたり

    東の山

  • きっかけを待ちて熱燗追加する

    アストロ@夏銀河

  • 熱燗やコルトレーンのバラードと

    太平楽太郎

  • 熱燗と検索しても画像のみ

    ともきのパパ

  • 熱燗をぐいぐい今宵夢うつつ

    神戸めぐみ

  • 熱燗やずっと置かれて留守模様

    藤鷹圓哉

  • 熱燗を啜り今日の走馬灯

    浦山茶平

  • 熱燗が似合う女のうりざね顔

    若林千影

  • 熱燗に行く末あずける独りの夜

    斎藤数

  • 熱燗やかしこに響く愚父のこゑ

    くつき

  • 燗酒や妻待つ夜の掛け時計

  • 熱燗に酔ひて辛口飛ばしけり

    ひぐちいちおう(一応)

  • 熱燗やレンジ頼らぬお母の勘

    宮﨑紅清

  • 床に入る支度整え燗の酒

    香依

  • 鰭炙り酒舐め膝に円い猫

    楚材

  • 熱燗や涙がぼかす区間賞

    比呂

  • 熱燗や父の肴は乾きもの

    のぶ子

  • 熱燗に迫る旅籠の静寂かな

    吉田海音

  • 熱燗や厨に一人ぬくぬくと

    山河穂香

  • なみなみの熱燗啜る夜行バス

    たこぼうず

  • 熱燗や喜寿祝われて父三くち

    石井侶光

  • 熱燗に託す言葉もあったけど

    あんず

  • 熱燗の具合よろしき指できき

    不利を

  • 熱燗に酔うて本音をこぼしけり

    慎吾

  • 熱燗や飲み続くるか古希の宵

    炭茶

  • 熱燗やいつもの席で手酌酒

    小林昇

  • 熱燗や愚痴も聞くが手柄も聞くよ

    キーヨ

  • 縄暖簾下りて熱燗もう一本

    里山まさを

  • 熱燗は太地喜和子に注がれたし

    能千

  • 熱燗や明日は父と同じ齢

    聞岳

  • 妻の留守熱燗つけて部屋広し

    奥ノ木蛍子

  • 熱燗を喉ごしゆっくり百薬よ

    毛馬きゅうり

  • 祖父の燗冷やとなり尚ほ仏壇に

    zzda

  • 熱燗や詫びと感謝の思い差し

    PON

  • 熱燗が娘婿は好きだった

    森澤佳乃

  • 今夜から熱燗二合までとせむ

    ささき良月

  • 熱燗で一夜語りし髭の友

    蒼香

  • 熱燗や膝の痛さも置き忘れ

    森佳月

  • ゆっくりと寝落ちしていく熱燗や

    植木照美

  • 熱燗や標本のごと魚の骨

    川越羽流

  • 熱燗やあんな女にゃなるまいぞ

    野井みこ

  • 熱燗で話を濁す通夜かな

    ぱぷりかまめ

  • 熱燗を片手にリチャードクレイダーマン

    ひろくん13さいのママ

  • 熱燗の記憶はるかや白湯を呑む

    天日

  • 熱燗に小指の遊ぶ夕餉かな

    たけし

  • 燗酒にひれもをとこも溺れをり

    岬夕顔

  • 熱燗のピン刺すパパの看板娘

    浅河祥子

  • 熱燗の横妻の炭酸水

    浅河祥子

  • 熱燗の徳利相手に夢謳う

    さくみ

  • 熱燗や落魄の歌手一息に

    カモガワ

  • 熱燗や九九の練習そっと聞く

    高倉ちとさ

  • 熱燗の沸銚子二本はこころ温め

    論子

  • 熱燗に口滑らかに老いし父

    樟明子

  • 熱燗や馴染みの酒と徳利で

    金魚草

  • 熱燗のしみる角打ちひみつきち

    しゅうふう

  • 熱燗や同じ訛りの集いけり

    まぬう

  • 熱燗を弱火で窺うふぐ徳利

    陽子

  • 熱燗の香り漂う夜ひとり

    マキコ

  • 熱燗で乾杯したい場所はなし

    小太郎

  • 「あつかんて?」怪訝な顔のアルバイト

    やこばあば

  • 熱燗や米寿万歳意気貴し

    蓮風

  • 駒を並べ待つじいちゃんの熱燗

    紳久

  • 熱燗や二口三口艶話

    いなほせどり

  • 熱燗にもてなすこころ陸奥国

    ふじこ

  • 新世界の中心で飲む熱燗

    中村笙平

  • 熱燗の湯気くしゃみ1つ

    弓弦葉

  • 熱燗や記憶の亡父(ちち)と出会うとき

    駄口竹流

  • 熱燗はしんみりと飲む量が好き

    一太郎ラン坊

  • 熱燗や耳に若気のいたりあり

    佳里

  • 熱燗や呑めぬわたしは中国茶

    月影ミウ

  • 勉学に熱燗とっくり若かりし

    風花あつこ

  • 熱燗や世相を映す宵の街

    金目銀目猫

  • 二級酒の熱燗口に国訛り

    おこそとの

  • 熱燗の頃合ひ指に覚えたり

    畑詩音

  • 夕暮れに一人と決めて熱燗や

    乃乃

  • 熱燗を真似て水呑むお留守番

    紙威

  • 熱燗や錫ちろリ入れ旨し酒

    中野風鈴

  • 真っ直ぐに沁みる燗酒街の端

    松野勉

  • 燗熱し小事大事湯気丸し

    長操(おさみさを)

  • 熱燗や含みて舌で回し呑む

    門司区ビリケン

  • 縄のれん一番星と熱燗と

    ひとえ

  • 赤鬼よ何処へ行った熱燗や

    アオハル

  • 熱燗やよっぴて語る友のいて

    キョンちゃん

  • 熱燗や漱石と子規酌み交わす

    岩松良★(★=王へんに玄)

  • 熱燗や尽きぬ自慢の釣り談議

    をぎやかなた

  • おむつ替え吾子抱えて飲む熱燗

    浜糠八帆

  • 熱燗も湯呑茶碗の男ぶり

    もとこ

  • 熱燗のあては叉焼ラーメン屋

    かたな

  • 熱燗や川音聞ゆソロキャンプ

    田畑整

  • 人肌に優る熱燗なかりけり

    藍植生

  • 鯛の骨熱燗そそぎ香り立つ

    シルバーメダカ

  • 塩辛に熱燗2本呵々大笑

    喜多野羆

  • 熱燗や鯨仕留めし人もゐて

    悠久

  • 熱燗の有りき夜良し無き夜も

    れい

  • 極楽や熱燗浮かべ露天風呂

    玉井令子

  • 熱燗や友の猥歌に苦笑い

    徳翁

  • 熱燗と師匠弔ふ愚痴ばなし

    庄司直也

  • 熱燗やあざとく耳に触れし指

    うみのひつじ

  • 通ぶって熱燗飲むがもう頭痛

    がーでん

  • 料理酒で作る熱燗ヒトリノ夜

    ユウ=カ

  • 親父らと太鼓の音頭や熱燗に

  • 熱燗の席に揃へぬ同級生

    紫鋼

  • 熱燗に負けて耳たぶ触る父

    さおり

  • 熱燗の二人それぞれ独り言

    99カリン

  • 熱燗のコップすすりし屋台かな

    吾亦紅也

  • 熱燗と一輪挿しと隅の席

    でるた

  • 熱燗で呑むのは稀さ南の地

    玉城

  • 熱燗や女将目顔で肴だす

    千葉睦女

  • 熱燗に商談進む太っ腹

    坂元榮駿

  • 熱燗の程良さ真似る共白髪

    華らんまま

  • 温めでも祖父呑み干せし熱燗を

    三和花子

  • 三回忌鍋に熱燗の湯の残る

    レーヌ・クロード

  • 熱燗や今宵はジョンレノンと呑む

    木乃伊

  • 来世またさしつさされつ熱燗を

    琉璃

  • 熱燗ぐびり爪の先まで命充つ

    峰江

  • 熱燗や大将愚痴る屋台の夜

    雑草おばさん

  • 熱燗や居酒屋探すシャッター街

    北のマンネリ

  • 熱燗が眠れぬ夜よ友に酔う

    クウシンサイ

  • 熱燗に河豚ひれ入れて待つ間かな

    小熊利雄

  • 熱燗と徳利の首アア拓郎

    シロクマ太郎

  • 熱燗や孫の指(および)が持ちたがる

    天王谷一

  • 熱燗や今度はどんな武勇伝

    てまり

  • 蕎麦前は熱燗チビリ玉子焼き

    粋庵仁空

  • 熱燗や古里はいつも夕暮れ

    畑山六十二

  • 熱燗を二合だけだと老紳士

    銅鑼の音

  • 熱燗や妻としみじみ巣ごもりに

    のろ爺

  • 熱燗の染みる唇嘘をつく

    花咲明日香

  • 杣(そま)語る昔語りを熱燗と

    渡邉くるり

  • 熱燗や寝静まる子を背に夜食

    ほしけん

  • 熱燗や年金額をお互いに

    秋ひろし

  • 熱燗で父が優しき夜になる

    にいやのる

  • 父の父熱燗好きは親ゆずり

    尾張の黒うさぎ

  • やつがれの譲れぬこだわりの熱燗

    ぐずみ

  • 熱燗に本音と嘘が混ざりあふ

    紋舞蘭

  • 熱燗や鼻の粘膜の酔い

    アガニョーク

  • 熱燗やちろりちろりと沸く渦よ

    佳子

  • 熱燗は分子のゆらぎゆらぎ食む

    研知句詩@いつき組広ブロ俳句部

  • 熱燗は父に渡してスルメ食む

    あさ

  • 山小屋の熱燗の夜は楽しかり

    イチロー

  • 熱燗を好む人だと死後に知る

    千仗千紘

  • 熱燗や割烹着の白に醤油

    ふっこ

  • 熱燗が人肌に冷め恋も覚め

    はらいそ

  • 熱燗や一手間かけて一人酒

    佐々木葉一

  • 熱燗の底カタカタとアルミ鍋

    千波

  • 熱燗を落語流して傾ける

    梨山碧

  • 熱燗や豆腐蒲鉾届きけり

    薮久美子

  • 読書会果て熱燗の甘からん

    岬りこ

  • 熱燗や親子で懐ふ二十年

    ヤマザキけんと(み)

  • 熱燗や駅裏路地に漂ふ香

    ふじかず(み)

  • 熱燗や恋に不慣れであった頃

    ムーン大佐(み)

  • 熱燗にかこち借りたるきみが耳

    hiroro

  • 熱燗や漁火遠し国遠し

    銀次郎

  • あー夢だ熱燗抱え露天風呂

    正山

  • 熱燗や一歩通行の迷路

    小春

  • 熱燗を飲まされ背より羽根の生ゆ

    カンガルーのしっぽ

  • 猫舌に熱燗渡し語り合い

    のりた

  • 熱燗や瓢箪柄の梨園染め

    アリマノミコ

  • 熱燗一度きり戸棚の徳利

    しほり

  • 熱燗を父と二人の手酌かな

    だだちゃ豆

  • 熱燗うまし玉子はうまく剥けぬ

    桃葉琴乃

  • 熱燗はたぎり香りと甘み沁む

    風愛人

  • 猫舌の熱燗呑ます甲斐もなし

    藤えま

  • 喉元を過ぎる熱燗まで五秒

    弓女

  • 熱燗や棺に生花のありつたけ

    ことまと

  • 熱燗や四海を呑まんの勢ひぞ

    春川一彦

  • 魂きはる我に熱燗よ銚釐よ

    斗三木童

  • 別れたらあと熱燗に任せきる

    斜楽

  • 熱燗の喉元過ぎるひとり宿

    千比絽

  • 冷える夜藁にもすがる熱燗よ

    それぞれのしあわせ

  • 熱燗や手酌の父のまるき背

    山風

  • 熱燗の人肌良きに暫し待ち

    雅由

  • 眠れぬと言へば熱燗夫は出す

    伊藤訓花

  • 熱燗の中に隠れた月を見る

    Karino

  • 熱燗や不束者とへりくだり

    藤色葉菜

  • 熱燗や女子教師は蟒蛇で

    葦たかし

  • 熱燗や匂いにむせる下戸の鼻

    仙人

  • 熱燗や薬罐にスルメ父の笑み

    やまだ童子

  • 熱燗を湯飲みですする寝床かな

    真咲よしの

  • 熱燗や香は棺へ空へ雲へ

    あなぐま家の母

  • ひとり酒熱燗にして繋ぐ明日

    桃和

  • 熱燗や蹴音響きクロスバー

    くろぶち

  • 熱燗を飲みつつごちる愛猫に

    ルイボス茶

  • 熱燗の湯気の香までも一呑みで

    季切少楽@いつき組広ブロ俳句部

  • 熱燗の燗どころ知る単身者

    ゴー俳句翁

  • 熱燗や夫のうんちく制御不能

    新井ハニワ

  • すきっ腹にきゅーと熱燗ちゃわん酒

    風峰

  • 熱燗や嫁は豊かな耳を持ち

    千の葉

  • 熱燗を入れてものまね始まれり

    峰聡子

  • 妻健痰吾は熱燗を手酌かな

    留野ばあば

  • 熱燗や作りし母は味知らず

    吉野春夏

  • 飲めぬのに熱燗の手酌憧れて

    加容

  • 熱燗の似合う夫婦となりにけり

    彼路

  • 熱燗やテントの中の暗がりで

    藤岡伊集

  • 熱燗に北国の夜は癒されし

    球子

  • 気弱なる父熱燗に見得を切り

    矢想

  • 熱燗や今宵の相手は古女房

    山野はな

  • そう言えば熱燗忘れもう7年

    真壁佳子

  • 熱燗や耳たぶにいく指不思議

    けせらせら

  • 熱燗や表面張力に香る

    くみくまマフラー

  • 塩枯れた親父熱燗のれん酒

    藤源卿

  • 喧嘩して熱燗ぬるき夕べかな

    ははろ

  • 熱燗や放蕩息子も泣き上戸

    晴海南風@木の芽

  • 熱燗を頼むやいなや寝息たて

    聖橋

  • 熱燗や父は上戸で夫は下戸

    かこ

  • 何も言ふなまず熱燗をグイと乾せ

    輝峰亭

  • 熱燗の腹に膨らむ熱を吐く

    蒼奏

  • 熱燗の銘柄覚ゆ二十歳の娘

    タック

  • 酔鯨の熱燗に寿司前祝い

    茄子紺

  • 熱燗や大志遥かな歓迎会

    達ちゃん

  • 亡き祖父の嬉しき熱燗笑顔あり

    かなこ

  • 熱燗や深夜営む洗濯機

    若葉一家

  • 熱燗や呑むほどに酔ひ山頭火

    松高日子

  • 熱燗や決断つかぬ老の先

    バーバラ

  • 熱燗やいつから家にある銚釐

    西田武

  • 熱燗やさしつさされつ一升瓶

    春よ来い

  • 熱燗や溶けゆく我の邪な部分

    海老海老

  • 熱燗や艶冶な女将白き指

    一の介

  • 大動脈毛細血管ああ熱燗

    太刀川浮盃

  • 「もう一本」鍋にやや浮く熱燗かな

    むらのたんぽぽ

  • 熱燗や寡黙の友も手を打てり

    茂る

  • 待ちわびた父の差し出す燗熱し

    ふとまき

  • 熱燗や大地の匂い日の匂い

    さとし

  • よっ社長まあまあと酌む熱燗か

    ゴールデン文子

  • 熱燗やあぐらにのどを鳴らす猫

    清水祥月

  • 寝違えし肋骨きりり熱燗や

    工藤実都

  • 熱燗を回して一夜明けにけり

    伊延豊泉

  • 指先で食む燗酒の苦きかな

    第一

  • 熱燗やひとつ付けては眼鏡下げ

    青鬼灯

  • 熱燗やあたたかでした父の膝

    みつみん

  • 熱燗や見知らぬ人と国訛

    夏目タンチャン

  • 熱燗の父の口癖負けたらあかん

    眠兎

  • 熱燗をちびりあいつの指の節

    こいぬ

  • 真っ先に熱燗頼む父になる

    須藤かをる

  • 熱燗のお国訛りを喉で利く

    HNKAGA

  • 熱燗の徳利適温見る構造

    一碁一会

  • 熱燗で引き締まる節目を祝い

    三寺ひろみ

  • 熱燗の用意これから夫がする

    草流

  • 咀嚼音熱燗咀嚼音熱燗

  • 熱燗や手紙見つかる午前二時

    立石神流

  • 熱燗や半分の胃に師告げし

    小山波子

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