なかにしいくこ
麦吉
石上あまね
本山喜喜
すずさん
榊裕江子
水牛庵乱紛
種月いつか
案山子@いつき組広ブロ俳句部
神誉
おぐら徳
村瀬っち
鶴小なみ
優木ごまヲ
渡邉春生
知無須園
もんちゃん
鷹星
金子加行
空野千鶴
泡野無々茶
富山湾
HARUKO
ひねもす
渡邉桃蓮
イエローガーデン@木ノ芽
里すみか
竹の子
空想婆
熊谷 温古
くめ仙人
月見草子
好 杏仁
永山シャンシャン
追師うさぎ
鷹之朋輩
青井猫
天水郷
猫髭かほり
広瀬八重子
斉藤百女
小川野棕櫚
泉 ゆりこ
紗千子
佐藤夏みかん
石井茶爺
大石
木ぼこやしき
木村 木霊
青縞馬
うらのこうら
三月兎
竜田側
広ブロ俳句部カナダ支部@千鳥城
咲弥あさ奏
蒼空蒼子
松山のとまと
赤松諦現
okapi
doいつもcoいつも
樋口滑瓢
立部笑子
選者コメント
家藤正人選
初級コースの金曜日掲載は中級への昇級の目安。中でも特に目を惹く句についてピックアップコメントをお届けします。
「明け方の流星白き樹の骸 なかにしいくこ」のように「流れ星」を「流星」という形で使った句もありました。音読みの鋭さも内容に似合います。「白き樹の骸」が転がるのは海岸でしょうか。それとも荒涼たるサバンナでしょうか。「流星」と「樹の骸」、どちらも無機物であるにもかかわらず、どこか悲哀を伴った二つの存在の出会いが詩を生みます。
「星流れ貴船を昏きみづ奔る 石上あまね」に登場する「貴船」は京都の貴船川。夏には川床が設けられ、納涼を楽しみます。見通せない暗い夜の川。水の奔る音だけが暗闇の奥からどうどうと届いてきます。川の両側には木々の枝も覆い被さっていることでしょう。狭められた空だからこそ星が流れる様がつぶさに観られます。縦方向に視線を誘導する構成も巧み。
「流れ星たつた四十年の職 麦吉」は「たつた」の三音が切ない。見事に勤め上げた自らの「四十年の職」。ついに退職の日を迎えた胸に去来するのは虚しさか、この先への不安か。「流れ星」は切なる願いの受け皿のようでもあり、心慰めるささやかな希望のようにも思えます。空を見上げる首の疲れまで共感できる一句でありました。
いずれもお見事でした。自信がついたら中級にもぜひ挑戦してみましょう!