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初級者結果発表

2022年9月20日週の兼題

鰯雲

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選までもう一歩】

選者コメント

家藤正人

みなさまこんにちは。初級の選者、家藤正人です。

月曜日は、入選にもう一歩という句をご紹介します。


・月曜日の「選者コメント」に掲載されている俳句については、作品検索はできません。

・月曜日の「ステップアップのためのヒント」に掲載された句、入選句、優秀句については作品検索が可能です。


月曜の「選者コメント」や「ステップアップのためのヒント」を参考に、目指せ金曜優秀句への道!!


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▼【季語なし&違う季語】

終戦のバリカタ来春思いしすする

花亭はな


秋空に忘れ形見の羊雲

海運亭 拓々


秋の空見上げていればこうのとり

秋の空見上げていればこうのとり


長閑な日城のお堀に光りあり。

西村典子


台風一過背を押す鰯の空

祖諒也


さくらのもりを

杜市


窓開けてまず目を奪う

上田昌直


見上げればいつしか鱗の白い空

新緑香風


海にいるイワシの群れが空にいる

西牡丹


●ピックアップコメント:

季語の入ってない句や違う季語が入ってしまっている句をピックアップ。

鰯雲から発想したとみえる句もあったのですが、肝心の季語そのものは失われております。

俳句ポスト365では毎週「兼題」と呼ばれるお題を出していますが、季語が出題された場合はその季語(あるいは、その季語の傍題)を必ず詠み込む、というのがたった一つのルール。

各回の出題に全員が取り組むことで切磋琢磨を目指しております。

今募集中の兼題は、12月19日締切の「落葉」です。ご投句お待ちしてます。


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▼【季重なり】

サクサクと落ち葉踏み行く鰯雲に

あみだころる


夕焼けの運動場に鰯雲

シナモン紅茶


栗の実がパチンと爆ぜた鰯雲

ハナミズキ


エコバッグ今日はおでんよ鰯雲

みちか


かまきりは鰯雲みて首傾げ

一平


鰯雲シャボン玉添えて夢ひとつ

宮里すみ子


風呂上がりビール片手に鰯雲

黒田美月


鰯雲ひよどりが鳴きふと香る

春空豆子


夏空の模様替えかな鰯雲

八代康昭郡


御役放免おんなの秋の鰯雲

橘 乎夏


毛並みの如き稲鰯雲並ぶ

玄人


地に稲孫仰ぐ天には鰯雲

松崎浩成


夕焼けてビルが切りとるいわし雲

青木みかん


秋節の猫が顔拭く鰯雲

谷明龍


夕焼けに焼かれし香れ鰯雲

竹前 雲雀


遠くに鰯雲雷鳴轟く秋

武のキティ


この家の柿はまだ青鰯雲

福屋丸富


山登るさえずり嬉し鰯雲

木村 水晶


●ピックアップコメント:

一句の中に複数の季語が入っている状態を季重なりと呼びます。

いわば季語は句の主役。ひとつの舞台に主役が複数いると、どちらを目立たせたいのかわからなくなってしまうのです。

季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ! というわけではありませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。まずは、一句一季語からコツコツ練習です。


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▼【入力にご注意を】

弓引けば矢音高らか鰯蜘蛛

中仕掛け


●ピックアップコメント:

「鰯雲」が「鰯蜘蛛」に。句はちゃんと出来ているのに、少しだけ文字変換をうっかりしてしまったようです。入力にはお気を付けて!


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▼【音数が多すぎるときには】

君いない鰯雲を仰ぎ見て嗅ぐは岩の花の香よ

山 翼


●ピックアップコメント:

五七五の俳句としてはいささか音数が多すぎます。

世の中には十七音を逸脱した句も存在しますが、まずは基本型である五七五からの練習をおすすめしています。

音数を短縮するためには、一句の中に情報が重複する箇所はないか確認してみましょう。

「鰯雲」は基本的には空にあり「仰ぎ見る」ものです。読者は季語「鰯雲」によってその動作を想像できますから、省略することもできるでしょう。同様に「岩の花の香」といえば嗅覚に訴える情報ですから「嗅ぐ」も省略できるかもしれません。

言葉を省略した上で語順を調整すれば、内容は限りなくそのままで五七五に近づける可能性が見えてきます。たとえば一案として。


「君はなく岩の花の香鰯雲」


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▼【動詞の活用について】

毒親をやっと捨つ日や鰯雲

卜部チャーリー


●ピックアップコメント:

卜部チャーリーさんの句を読むと「やっと捨てる日」の意味で書かれているかと推察します。だとしたら、文法上のチェックポイントがひとつ。

普段口にする「捨てる」は口語の言い方。文語にすると「捨つ」となります。

ここで注意したいのは動詞の活用です。「捨つ」は終止形であるため、原句の形だと「捨つ」で一度切れ、直後の「日や」でさらに切れが発生してしまいます。

そうではなく「捨てる日や」の意味を表現したいなら、終止形「捨つ」を連体形「捨つる」に変える必要があります。その場合、音数が一音増えてしまうため、以下のような形が無難でしょうか。


「毒親をやっと捨つる日鰯雲」


強い詠嘆の「や」を入れたいお気持ちが強ければ、他の部分で音数を調整してみましょう。自分が一番しっくりくる形を探してみてくださいね。


※今回の兼題「鰯雲」初級者投句欄へのご投句は、投句数4443句、投句人数1862人となりました。

以下の句は入選決定!

金曜日「優秀句」へのステップアップのためのヒントをご案内します。

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▼【類想】

斎場後振り仰ぐ空鰯雲

うすぎぬのきさき


ナブラ立つキャストの先に鰯雲

オイラー


ぼちぼちと鱗剥がれつ鰯雲

藤川雅子


笑い声車窓に映るいわし雲

kim


愛犬の火葬帰りの鰯雲

あいまい もこ


いわし雲献立決まる鮮魚店

いしかわ


鰯雲初めてできた逆上がり

いわむらこうたろう


鰯雲眺めて今宵焼き刺身

えちご散ざん


目線から真上まで見る鰯雲

エンタメしんのすけ


バス見遣り一時間待ち鰯雲

おこそとの


ビルとビル小さく泳ぐいわし雲

お城好き


鰯雲人間ドックの帰り道

かおる子


図書館の帰り遥かな鰯雲

カワムラ一重


七輪の煙に巻かれし鰯雲

こうたろういわむら


よーいドン紅白帽と鰯雲

さかぴー


鰯雲道端にぽつんと一人

シェル  ローズ


鰯雲黄金の波や千枚田

しげ爺


鰯雲季節は変わると教えられ

シャーロット


鰯雲おとなの吾のけんけんぱ

シュレディンガーの獏


茣蓙広げ駆けっこ応援鰯雲

しろくも


鰯雲天国と地獄と大歓声

セロ弾きの早川


鰯雲戦火終われと仰ぎ見る

たかだやま くみ


こうはくのたまてんになげいわしぐも

タカハシネコミサ


七輪の白煙高く鰯雲

ちょうさ雀


鰯雲ケンケンパーの陣地取り

にゃんみー


学生の歓声届け鰯雲

のどか


軒先に網と七輪いわし雲

のりおう


鰯雲独り占めする浜辺かな

ぴょんばぁ


大漁や家族潤ふ鰯雲

ピョン吉 龍


空見ても渋滞してる鰯雲

ぷじょる


鰯雲友とおしゃべり嗚呼嬉し

ベイリ~フ


鰯雲見ながら帰る金曜日

まさえ


鰯雲コロナ感染日常化

みさよ


大漁旗垂水の空に鰯雲

やまねこ


味噌汁のベルーナ対流鰯雲

ユウ・トドロキ


カフェの窓二人指さす鰯雲

りこ


夫好きな魚焼きたり鰯雲

阿部晴子


鰯雲明日は雨と母に告ぐ

愛犬はづき


若かりし想いで語る鰯雲

渥美いもこ


鰯雲仰ぎおにぎり食ふ真昼

安部君君


キリン舎を見上げる先の鰯雲

井口けろよん


小走りに急ぐ子の列鰯雲

井口幸嬰


鰯雲大漁の叫び聞こえたか

井上教


透明の風渡る空鰯雲

井上桜


未踏の地で見る鰯雲どこへ行く

茨との


鰯雲グランドの声そこかしこ

下田あらた


頬撫でる風がささやく鰯雲

可可夫豆


万国旗歓声上がる鰯雲

夏つばめ


鰯雲声高らか合唱団

夏空なみ


鰯雲美しきかなその姿

夏川涼


ファインダーいっぱいいっぱいに鰯雲

花とわこ


七輪の火ほのか赤く鰯雲

花根ひろこ


渋滞の空も渋滞鰯雲

花野恋雪


ミスで負け顔上げ滲む鰯雲

華生華名


青空にぽかりういてる鰯雲

海原


明日も晴れ茜に染まる鰯雲

海笑里


堤防を帰る夕暮れ鰯雲

皆月暮穂


鰯雲つま先とどけさか上がり

笠嶋 夢月


9回裏鰯雲に消ゆホームラン

幹流


いわし雲仲間いっぱいいていいな

丸岡彩映


疲れ目にビルの隙間の鰯雲

岩田ベリー


猫の手や空を泳ぎし鰯雲

紀田有介


鰯雲飛行機雲が人気取り

菊川寝ん猫


鰯雲マスク外して深呼吸

菊地立夏


太陽に向いし群れる鰯雲

吉田華


芳ばしき帰路に茜の鰯雲

久水


バス待てり仰ぐ大空鰯雲

久世わわ


いわし雲べナール対流夢も湧く

久世越仙


助手席の孫と見つけたいわし雲

宮内重じいじ


澄み渡る池に映るは鰯雲

京女


鰯雲恨めし明日は初デート

橋口惠


キッチンの窓に広ぐる鰯雲

玉京子


鰯雲あすの遠出の不安かな

玉治美


鰯雲ふるさと墓参母はるか

玉照


鰯雲みすゞの詩読む保健室

玉水


狭き空摩天楼にも鰯雲

玖波山 恋ノ葉


今日こそは果てまで行かむ鰯雲

結城ユク


鰯雲遥か彼方に雨の道

月下美人


夕空を游いで帰る鰯雲

鍵渡 なでしこ


玉入れの空いちめんにいわし雲

吾亦紅


病棟の窓はひろびろ鰯雲

紅さやか


鰯雲大漁の旗や大間沖

高橋せり花


鰯雲日曜野球の声高く

高村かな


温暖化見上げる空にいわし雲

高田コブシ


夕暮れのアカネに染まる鰯雲

佐久間 itsusa


逆上がり練習する子鰯雲

佐藤けい


満載のお散歩カート鰯雲

菜活


鰯雲夕日に焼かれホクホクと

坂本安居


よーいドンピストルの音鰯雲

皐月 蓮


いわし雲ジェット機一挙に真っ二つ

三宅梅の木


鰯雲アルプス席の歓声と

三谷翠露


まご帰り布団干し見る鰯雲

三毛保知


病窓へ数匹泳ぐ鰯雲

山口 笑骨


鰯雲車窓に映るエモい旅

山口橋蔵


見上げれば遥か彼方へ鰯雲

山太平


箱根道見上げる空や鰯雲

山田 正山


吾子走る大漁旗に鰯雲

山尾政弘


食欲をかきたてるかな鰯雲

山梨県


鰯雲せなかの吾子と見上げ笑む

糸瀬 あるく


鰯雲あの日の想いよみがえる

時雨 はるか


鰯雲大漁だぞと騒がしや

漆崎明


鰯雲空のキャンバス笑い声

篠甚花


写生する弾ける声や鰯雲

柴田恵里奈


夕食は煮付けにします鰯雲

紗凡


鰯雲明日はどこまで歩こうか

朱胡江


鰯雲ままごとの声風に乗り

秋扇


校庭の赤組声援鰯雲

春の新々


再会の退院の日の鰯雲

春日京丸


鰯雲のもと紅白応援ただ感謝

純々


鰯雲農道ひとり帰る道

緒方風鈴


ウォーキング背伸ばしベンチ鰯雲

緒里乃


逆上がり鰯雲まで蹴飛ばした

小鳥乃鈴音


寝ころべばより高くなり鰯雲

小田ビオラ


蹴り上げた缶の向こうに鰯雲

小幡 宗滋


環状線助手席うとうと鰯雲

小野小マーチ


鰯雲幼き君と手を繋ぐ

小林希来里


鰯雲首都高で見るガラス越し

小林白雪


同じ空君も見てるか鰯雲

松浦照葉


鰯雲母の手を引く帰り道

松原八千


鰯雲港で帰り待つ笑顔

松重橘


鴨川の水面に映る鰯雲

松瀬章章


降園の子のおしゃべりと鰯雲

松本あずさ


空気澄み見上げれば、ほら鰯雲!

上野山史櫻


野良猫の欠伸のさきに鰯雲

心人


鰯雲猫が闊歩し路地裏へ

新城 三九


子どもらのかけっこを追う鰯雲

森上  準一


鰯雲額縁窓に猫ひとり

真田美尾


玉入れの白玉遥かいわし雲

仁成


かけっこを待つ列ありて鰯雲

須藤 松栄


鰯雲あかねの空に何万匹

水晶文旦


いわし雲家路を急ぐ影二つ

水谷豊海


夕暮れの空に広がる鰯雲

水谷未佳


甲板に見渡すかぎり鰯雲

水浜義友


坂道をかける吾子の背鰯雲

水野 寿香


鰯雲ひとり佇むわびしさよ

瑞子


指差して吾子が叫ぶや「鰯雲!」

菅原ゆう


空冷えてべナール対流いわし雲

星月夜英彩


鰯雲赤白帽も大騒ぎ

晴耕雨読


鰯雲翼の銛で分断し

晴矢


黄金の棚田の先に鰯雲

青い手まっちゃん


大漁旗はためく後に鰯雲

青玄


夕暮れのビルの谷間に鰯雲

石出雅英


大空をのびのび泳ぐ鰯雲

石川明世


鰯雲歩み進まん帰り道

石塚 既得


空腹の猫の見る先鰯雲

石澤 遊嶽


入院中窓より眺む鰯雲

川口聡美


鰯雲泳いでいるのはどちらかな

川上ウィルソン


ジュージューと油煙昇りて鰯雲

早川 象歩


のんびりと家路誘う鰯雲

相澤泉


ネコが見るボクも見上げる鰯雲

蒼井ふうりん


鰯雲川面に下校姿かな

足出あるく


鰯雲山に吸われてどこへ行く

村先ときの介


空を見れば鰯雲水面を見れば群がる鯉

多田打太


会議後にふと見上げればうろこ雲

大咲 舞


母娘散歩する空鰯雲

大西 奈余子


校庭の歓声見守る鰯雲

大野 町子


銀翼の航跡霞み鰯雲

大和杜


隙間から青空のぞく鰯雲

沢庵和尚


鰯雲学童の声元気よく

谷澤小子房


君は今いずこの空か鰯雲

男子三兄弟


仰ぎ見るビルの高さや鰯雲

地濃海光


いなか道かたらう友と鰯雲

竹令呑


大の字や窓枠だけの鰯雲

中村のりぴ


鰯雲に故人の笑顔思い出し

中野三ヶ月


鰯雲空に広がる大漁歌

朝井 哲秀


芝生ヨガ伸ばす指先鰯雲

沈丁花


逆上がり反転の空鰯雲

渡辺白萩


引っ越した吹き抜け窓に鰯雲

冬星月夜


ナブラ撃ち竿しなる今鰯雲

嶋光


鰯雲千切れた雲が群れをなす

東野出流


鰯雲羊と共に泳いでる

藤紫香澄


すでになき気ままな空の鰯雲

藤川哲生


味噌汁に鰯雲ある子は叫ぶ

藤野桃子


「前ならえ」赤白帽と鰯雲

道久


鰯雲今日の御菜に並びけり

道隆


河川敷打球よ届けいわし雲

忍 秋谷 


車窓から茜色なる鰯雲

乃奈


ひと掴み食らいつきたし鰯雲

馬睡 栩瑠美


夕日差す窓辺のキャンバス鰯雲

富樫杏


鰯雲みすずの「大漁」思い出す

芙蓉


鰯雲規則正しく整列し

武智浩


大漁だ見上げた空に鰯雲

楓高楽


帰り道路地裏抜けて鰯雲

風街光


逆上がりゆれて一瞬鰯雲

風間 燈華


コロナ床見上げる窓に鰯雲

風天子


腹見せて機影分け入る鰯雲

風蘭智子


夜勤明け一息ついたウロコ雲

平 みか


鰯雲空の国境越えてゆけ

平沢小歌


バス停でふと見上げれば鰯雲

平谷 河女


夕暮れに初孫と見る鱗雲

片桐 美空


家猫の瞳に映り込む鰯雲

宝井可憐


窓拭きて映る笑顔と鰯雲

北乃かんばし


我子の手を握りて帰る鰯雲

牧野博士


零れ落つメレンゲのごと鱗雲

未央宮


みすゞ泣く大漁にもいわし雲

夢野ユメ


ふけゆきてあばらに見えし鰯雲

木花薫


鰯雲ふとん取り込む午後三時

木村あずま


鰯雲向かう先の愛しい人

目白宇多丸


刈り上げて腰を伸ばすや鰯雲

野口トシ


朝ウォーク独り占めなり鰯雲

野口静竜


鰯雲茜色に染まりて流れ行く

野口立香


涙拭き仰いだ空に鰯雲

野中琴梨


満天のデザイン鰯雲の朝

祐凪


窓際でまどろむ子猫鰯雲

遊木 葉子


鰯雲隙間を泳ぐ国内線

葉月緑正


鰯雲まぶたにうつりし紅白の玉

落合 琴子


天空の城も届かぬ鰯雲

蘭亭


七輪の煙目に沁む鰯雲

里山 遊子


体育祭応援の声鰯雲

涼風 蘭


鰯雲赤く坂道かけ上がる

鈴木 真冬


焼き網にほのかに焦げて鰯雲

鈴木秋紫


青空の海に波立つ鰯雲

蓮花


窓辺から稚児の見上げる鰯雲

橙人


鰯雲あつめてまるめまたちぎり

濱本典々


鰯雲母親の味つみれ汁

珈琲俳人


指さして瞳に映る鰯雲

糺 森子


ビル建ちて隙間から見る鰯雲

槇まこと


母偲ぶ本堂包む鰯雲

髙山善裕


朝焼けにほんのり焼けて鰯雲

髙田  佳歌


●ピックアップコメント:

「いわし」の語感のせいか、魚を焼いたり夕餉の匂いがしたり、といった発想もよくありました。金子みすゞの詩の影響から大漁などのキーワードもありましたね。その他、誰かと見たり煙が上っていったりなどなど。

たくさんの類想を見ることによって、自分の中に類想のデータベースが構築されていきます。今回見かけた発想のおかげで、陥りがちな類想も避けられるようになるかもしれません。


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明日から火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。入選句の評価は火、水、木(ステップアップのためのヒントに掲載分も含む)ともに同じランクです。順不同での掲載です。

そして金曜日は、初級者投句欄の優秀句発表です。

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