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初級者結果発表

2024年1月20日週の兼題

余寒

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選までもう一歩】

選者コメント

家藤正人

みなさまこんにちは。初級の選者、家藤正人です。

月曜日は、入選にもう一歩という句をご紹介します。


・月曜日の「選者コメント」に掲載されている俳句については、作品検索はできません。

・月曜日の「ステップアップのためのヒント」に掲載された句、入選句、優秀句については作品検索が可能です。


月曜の「選者コメント」や「ステップアップのためのヒント」を参考に、目指せ金曜優秀句への道!!


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▼【575の間に句読点】

余寒の日、薄着の私、身震いす

のりちゃん



●ピックアップコメント:

俳句は五七五の間を空けたり句読点などで区切らず一行に縦書きするのが正しい表記です。インターネット俳壇の横書きは、縦書き表示が難しいためやむなく許容しております。強い芸術的主張がある場合、敢えて分かち書きしたり、多行書きしたりもしますが、初心の時期は基本を守っていきましょう。

俳句の修行の第一歩は、正しい表記から! 次回のご投句お待ちしております。


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▼【季語なし&違う季語】

そっぽ向き日本列島夜寒かな

あさぼらけ


鳥告げよ草立の春我が子立つ

いぬイヌ犬ドック


寒寒や直帰に寄るは立ち飲み屋

きっちゃん


告白の気まずき空気夜寒かな

このはこのみ


カレンダーめくるもコートは脱げぬ外

しげ3


冴返る癌告知を電話より

シナモンティー


昇る日の煙る霞の白き山

伊東和彦


三日ぶり湯船の垢や春よ来い

伊藤文蔵


予感なる春の足音予感する

井村 和志


雪雫音がいざなふ春の夢

一人雫


春寒や石鎚山も雪化粧

岡田一竿


ともしびを集めて祈る夜寒かな

久生


寒いならお日様目指し歩くだけ

空野七夕


寒空に静かに芽吹く雪の梅

犬飼泰奈


寒風に白さ映えりし山の峰

荒井春巧


恋心酸いも甘いも蜜柑かな

彩李緑


卒業式まだまだ遠いと白い息

小田原aki


朝焼けの歩む草原朝霜や

松尾羽相


ひっそりと山道に咲く水仙花

上田そら


瓦屋根下弦の月も夜寒なり

水浜ギコ


見える町の顔初春のポスティング

青き瞳


あの娘の香ジャケットの袖白い息

長谷川光


日と鳥居重なれり初春の参道

田部至峰


今どきの鋭き気合寒稽古

藤川雅子


真冬の夜こぼれたなみだすぐ醒める

幅徒然


蝋梅よ畦道馨匂う時

麻座輝貞


成人の日蟻みる子ども10年前


クッションと寒冷と花粉辛い朝

茂杞


古傷のうずく日ありて予感あり

むべ女


寝る前の夫リハビリ成す予感

わきのっぽ


水蒸気閉じ込められた鶏五目

肝飯之助


雨が降り心の中は外景色

荒川隼利


猫抱きて体温か余感かな

斎藤コロンのママ


●ピックアップコメント:

季語の入ってない句や違う季語が入ってしまっている句をピックアップ。

今回は微妙な勘違いや変換ミスもあるのか「夜寒(よさむ)」「予感」で送られている投句がいくつも見受けられました。惜しい……。

兼題として季語が出題された場合は、その季語を一句に詠み込むのがルールです。

俳句ポスト365では各回の出題に全員が取り組むことで切磋琢磨を目指しております。

今募集中の兼題は、4月19日締切の「山笑う」です。ご投句お待ちしてます。


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▼【季重なり】

パソコンの打つ指凍てる余寒かな

tokisan


頬白と梅の止まり木余寒かな

ささちさち


余寒かな忙し吊虻ホバリング

シゲ爺


はるなのによかんあるのがふしぎだな

すみれ(6さい)


先取りのコートにしみる余寒かな

にいやのる


今日もまたセータ出し入れ余寒なり

よしむら山ざくら


すきま風頬をさするや余寒かな

よつ葉


庭の鉢溶けては薄氷春待ち魚

安井美照


母の家声聞かず部屋余寒に凍る

井筒朝子


余寒風頭ちょっぴりふきのとう

雨 逸福


雨粒にミゾレが混じる余寒かな

可可夫豆


待ちわびる芽はまだ睡る余寒なり

郷 留土


濃紺の余寒で着るコート

玉井狸元


通学路咳込む子らの余寒かな

玉照


スノードロップ余寒だろうとなかろうと

九温


受験終え帰路呆然と余寒かな

熊手の父


春余寒窓の外見て家こもり

古林サチコ


余寒の川面で聞こえる冬の声

後藤美歩


半纏を脱いで着直す余寒かな

康寿


夜勤明け余寒にはっと外套なおす

高尾


人参の甘さ余寒想う母

佐々木 月華


中天に月光冴える余寒かな

佐伯良吉


余寒なり金柑食ひておまじない

三須渓迷


軽トラのシートも凍る余寒かな

山我 閑


喧嘩して床も凍てつく余寒朝

山中由実子


靴の中ぐっと凍みいる余寒かな

山本修


雪像の解体を見る余寒かな

秋月あさひ


梅八分メジロ呼び込む余寒かな

春風亭修太


能登に降る雪深々の余寒かな

春爺


初春の余寒残るる微妙さよ

初春の余寒残るる微妙さよ


寒椿しげみの中に余寒あり

小森 太郎


そらの神なやむ雪かな余寒かな

松前 三月


受験する吐息は白し余寒かな

松尾 パッション


余寒なり硝子障子の隙間風

松本マンボウ


峰白く野の湯に凍むる余寒かな

城山 鷺


芽吹く紅那智黒ひやり余寒かな

織田光


コタツにて余寒伊予柑蜜柑剥く

水澤巡美


今日は暇焼き芋頬張り余寒かな

菅野望月


来客を炬燵でもてなす余寒かな

清瀬潤筆


梅ひらく薄曇る空余寒かな

石波リサ


「やだ寒い」三人官女がひそめく余寒

泉谷 梅子


春野菜そっと顔出す余寒かな

相模 筑前


南天に白き霜立つ余寒かな

大泉竹芳


余寒の耳凍てつくや鐘の音

大和キートン


浜風に雪ふくみ立つ余寒かな

鷹田光乎


鳥達のさえずる歌は余寒歌かな

沢松宏美


金柑のめじろに食はる余寒かな

谷口半夏生


セーターを一枚着こむ余寒かな

炭俵 早風


咲ききれぬ菫余寒のせいにする

竹内揚羽


まだ2月残る寒さに花粉舞う

中津柊一


冬まつり余寒待つ人気もそぞろ

津軽 りんご


春を待ちひしひしと感じる良い余寒

天布 安泰


あと3日受験と超える余寒の夜

東郷俊秀


入試終え下る余寒の白き坂

湯本のあわだま


伊予柑と炬燵で感じる余寒かな

美月咲夜


白梅よ余寒の朝日に一日の希望を託す

美玲


初釜は元より旧暦余寒こそ

武藤ヨーグルト


余寒だわ黄色い菜の花白き水仙

牧穂はる


湯豆腐が身体に染みる余寒かな

門倉えみ


添い遂げし後の余寒に明くる春

矢作


暖房費てんびん上の余寒かな

優純bow


朝の道鼻がかじかむ余寒あり

由樺楽


朝起きて何やら風邪の余寒あり

幼井透月


肩すくめ余寒厳しく春コート

葉枝ハコ


人生に春の光なく余寒深し

竜口美良


夕焼けの眩い白や余寒かな

呂つばめ


余寒なり衿立てマフラーぎゅとしめ

六甲桜


●ピックアップコメント:

一句の中に複数の季語が入っている状態を季重なりと呼びます。

余寒は春の時候の季語。寒明の後に残っている寒さです。そこから発想して、寒い時にすること・使う物・余寒の頃の行事や動物などを連想していった結果、季重なりになってしまった例が多かったようです。


季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ! というわけではありませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。

ここに紹介した以外にも季重なりの句はあり、火曜日以降に紹介される場合もありますが、比較的許容しやすい季重なりとして受け止めているものもあります。

やはりまずは、一句一季語からコツコツ練習して参りましょう。


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※今回の兼題「余寒」初級者投句欄へのご投句は、投句数4008句、投句人数1665人となりました。


以下の①②③については入選決定!

金曜日「優秀句」へのステップアップのためのヒントをご案内します。


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▼①【三段切れ】

もう寝るね追い焚きしてね余寒かな

チャンつの


●ピックアップコメント:

俳句の世界で忌避されやすい手法に「三段切れ」があります。ぶつぶつと言葉が途切れてちぐはぐな印象を与える場合があり、扱いの難しいテクニックです。

上五中七がそれぞれ「寝るね」「してね」と呼びかける形になり、それぞれに切れが発生して三段切れになっています。この句の場合は話し言葉としてのリアリティがあるためそこまで問題なわけではないのですが、知識として知っておくといずれ得をするかもしれません。

もし三段切れを解消したいと考えた場合は、どちらかの「ね」を違った形にすればOK。

自分ならどんな風に修正していくかの練習問題にもなります。興味のある人はぜひ一緒に考えてみてくださいね。


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▼②【二重切字】

夢追いて旅立ちの子や余寒かな

なにわのたらこ


試験官の靴音のみぞ余寒かな

ひめのつばき


傷跡の残る痛みや余寒かな

杉田ひらさこ


●ピックアップコメント:

俳句の世界でいわゆるタブーの一つに「二重切れ字」があります。「や」と「かな」、「や」と「けり」の重複ですね。

また、三大切字である「や」「かな」「けり」以外に「ぞ」もあげられます。

切れ字はスポットライトのようなもの。一句の中に複数のスポットライトが存在すると、どちらを主役にしたいのかわかりにくくなってしまいます。

季重なり同様、複数切れ字が入った名句もあるので、絶対にダメ! というわけではありませんが、上級者コースのウルトラ技と考えて良いでしょう。まずは、切れ字は一つから!


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▼③【類想】

髪切って頸にそっと余寒かな

moto髪結


さようならそれぞれの道恋の余寒

Tar


余寒なほ拝むよ復興能登の街

アール ヤーマ


ポニテの娘首をすくめる余寒かな

アズとモノ


これ余寒雪隠ともに武者震い

いがらし、徒然躬行


掛け布団足したり引いたりの余寒なり

いちの


タートルはしまってみたがまだ余寒

いるの橙


父と犬二度寝をきめる余寒かな

うどんこつよし


飼い鳥も羽ふくらまし余寒かな

きくち鯉麻


隙間から布団入る君余寒かな

キャピタルエッジ


ポケットに手を忍ばせし余寒かな

ぐうにぃ


被災から三十九日能登の余寒

くつの した子


信号待ち余寒の風が首に染む

スギモトトオル


朝採れやゴム手の指に余寒なほ

つついぐれちゃん


庭仕事始めし首筋余寒かな

ところ啓泉


震災が殊更つらい余寒の候

のろのろ爺


はふはふとうどん餡かけ余寒かな

まきまき


先取りか余寒に惑ふお出かけ着

みつ子


余寒かな厚手の帽子がいいと言う

モンガラハギ


被災地にどちらもいらぬ余震余寒

ゆき丸


朝活の靴紐固し余寒かな

ランナーズ寅さん


信号待ちのボタンは固し余寒あり

安曇野くーみん


余寒なり我が身丸まり猫のごと

案山子の鹿か


ぶ厚めのパジャマ乾かぬ余寒かな

杏子


朝散歩一枚多く余寒かな

伊藤ゆめ安


余寒あり上衣手にして外出す

井上教


吾子と猫縁側並ぶ余寒かな

影山 明日香


余寒来た起きて身震い猫を抱く

悦郎


もう一衣かさねてはほる余寒あり

越野緩急車


足踏みし待つバス停は余寒かな

遠藤倫


駅ベンチ尻から伝わる余寒かな

夏野星一


気紛れに差し出す指先に恋の余寒

夏炉冬扇


余寒なお座布団狭し猫団子

海衣ももみ


夜明け前サドルに潜む余寒かな

楽翠


握る手や余寒解けて君笑う

梶原 菫


鶏の羽やや膨らみし今朝の余寒

叶真茶子


足首の五センチ上の余寒かな

岸 れん


起き抜けの素足に纏う余寒かな

岩下 桜花


出迎えに一枚重ねし余寒かな

喜与


パーカーを着たり脱いだり余寒かな

貴田雄介


降る雨に背中丸める余寒かな

輝雲彩


地を這いて余寒にちぢむ小さき虫

偽蕪村


余寒なり通勤の朝まだ辛く

菊池芳雲


自販機のホットのぼたん押す余寒

京デイズ


目が合って猫丸まって余寒かな

響楽境


焼きたてのパンの温もり余寒かな

空心菜


友の通夜帰路に突き刺す余寒かな

桂 歩


つきまとう余寒帰宅の歩を速め

月夜田 しー太


5時待ち合わせショウウィンドウ越しの余寒

謙堂未宜


強風に身も縮こまる余寒かな

原 南山


刈り上げの首筋摩る余寒かな

古寺 憲子


ドア開き背が丸くなる余寒かな

光顕


余寒にも蕾弾ける予感かな

公魚不二


初デートふれあう指先余寒さまさま

工藤ほたる


窓あけて走る余寒と恋の予感

高梁真亜子


猫殿の夜具に踏み入る余寒かな

黒猫はなこ


余寒からもうしばらくと期待背に

三島 行観


余寒なほ行列の先みそラーメン

山広裕果


散歩道両手擦る手余寒かな

山崎 光平


テレビ消すひとりの部屋の余寒かな

山崎三才


1枚脱ぎ二枚また着る余寒かな

山田 健蘭


余寒かな厚手の肌着まだ脱げず

山田はつみ


厚物を一枚足せり余寒かな

山猫宇一


微熱有り外で待つ身の余寒かな

詩小桃


バス待ちの列の寡黙よ余寒風

慈夢りん


起き抜けのトイレは階下余寒かな

七星麦穂


都心にも残る寒さよ頬撫でる

秋葉 翠


陽の当たるベンチを探す余寒かな

集 真藍


登校の黄旗持つ手に余寒かな

春めだか


余寒なり目覚めてもなお寝床おり

小森真理央


公園で犬とじゃれあう余寒かな

小塚ちか丸


湯治場の暗き厨に余寒なほ

小田嶋隅雀


白き影揺れる窓辺の余寒かな

小田芙蓉子


港街余寒と共に出勤す

小林衆馬


失敗に爪先見つめ余寒抱く

松下瑠璃


ウォーキング残る寒さが身にしみて

松本光由


襟足を少し刈り上げ余寒かな

上野蕗人


余寒きて熱が出てきて身ぶるいす

信行鈴起


窓際の猫もふるえる余寒かな

森脇レイ


荒れた手をさすりて朝の余寒かな

水口 梨々衣


青空に物干し竿の余寒かな

水谷未佳


余寒来て外に出てすぐ家帰る

水道の水グビグビ飲むよ


夜勤明け一人で帰宅余寒かな

水野 孝


マグカップ両手で包む余寒かな

水野 寿香


ふところに余寒は残るいつまでも

嵩山もなか


新快速通過、凄い風と余寒

晴矢


単線のホームの端に余寒あり

生田 大五郎


触れた手を離さず歩く余寒かな

西乃羊雲


ポケットにまた手を入れる余寒かな

西尾ひつじ


コーヒーのぬくもりを増す余寒かな

雪待月 田猫


長廊下足元浮かせ余寒かな

千 和葉


野良犬も風に震える余寒かな

川中英明


朝余寒猫の誘惑羽布団

泉おじぎ


夕暮れの街灯ともる余寒かな

浅野 涼願


校庭で余寒に負けず遊ぶ子ら

奏紗柊英


白銀の道は開けど余寒かな

想予


家揺れて心許なき余寒かな

早水の都人


日は長く空はどんより余寒かな

草刈明峰


散策の夜明けに残る余寒かな

草堂Q幸


「合格」に胸がふるえる余寒かな

蒼玉蘭


箱根山白く残れる余寒かな

村上知季


窓開けて余寒楽しむ昼の風呂

村田 うゐ


余寒あり日向の土もまだ固し

多摩川風子


懐は株価上がるもなほ余寒

大ちはる


被災して余寒厳しき朝が来る

大井ゆめか


しんしんと高野の余寒なお厳し

大家由美子


余寒なり襟の無い服悔いる帰路

大空晴子


おはようのくぐもる聲の余寒かな

大洲 悟朗


余寒ありヒートテックを手放せず

大刀川マコバァ


ホーム上スマホ持つ手に余寒かな

大南


枝の先余寒はりつき小休止

大野 町子


半袖で余寒かまわず鬼ごっこ

滝沢 樹里


モーニング両手でカップ余寒かな

卓球打子


田舎道余寒背負いしバスを待つ

谷 佳


余寒のジムレッグウォーマー履いたまま

谷﨑向日葵


雨が降る襟へと沁みる余寒かな

地白 吐素


水面には白き湯気立つ余寒かな

池田 春田花


指先をはぁーと包んで余寒かな

池田陽奈


来ぬバスに足踏む朝の余寒かな

竹東子


余寒の夜屋台ですする山ラーメン

茶子父


頬染まる弾む余寒のけんけんぱ

中井ゆそし


コロナ禍やいつまで余寒や続かむ

中町太郎晴臣


余寒なほ足踏みながらバスを待つ

中矢しる子


朝覆う余寒に灯油少し足し

町乃 磯鵯


通勤の靴音険し余寒かな

長野 雪客


明け方のトイレ躊躇う余寒かな

長嶺阿蘇


乗り換えの電車待つ間の余寒かな

鶴見ちい子


丸めた背庭はく母に余寒なお

鶴城


公園にまだ子のいない余寒かな

天海楓


早朝の触れるハンドル余寒なほ

田中えつこ


洗濯の干す手冷たき余寒かな

田中亀子


がま口を開く指先余寒かな

田辺ささのは


背筋伸び余寒漂ふ写経部屋

渡辺紫雨


鍬を置く緩めた襟から入る余寒

藤すみ


彼と手をつなぎたくなる余寒かな

藤原訓子


合格を願いし手摩る余寒かな

藤江南瑠


少しだけ石油が足りぬ余寒かな

藤田 わか


重ね着の襟綻んで余寒かな

陶豪


余寒まだ綿の寝間着はまだ先か

南全星びぼ


ありがたや余寒の夜更けにねこ同衾

猫塚れおん


ふて寝して丸める背中余寒なり

梅が枝餅


野良猫もそっと寄り添う余寒かな

薄安


新聞を抜く手がいそぐ余寒かな

薄荷なごり


余寒なおつい足向かうラーメン屋

畑 里


炊き出しのカレー余寒の長い列

八九テン


からからと転がる風の余寒かな

八代葡萄


老いの身の古傷痛む余寒かな

斑鳩 廉


頬染めて子等は登校余寒かな

飯島寛堂


風を切り自転車通学の余寒

美んと


余寒との我慢くらべや布団にて

富士咲広海


余寒かな花の蕾も縮こまり

風花


早朝の余寒身に受けバス停へ

風来坊


日溜まりで猫丸くなる余寒かな

平香


行く人の背中の丸み余寒かな

平野佳音


朝一のキッチンキリリ余寒なほ

編狂人 鈴吉


かけ流しどっぷり浸かる余寒の湯

放蕩


余寒来る窓越しの陽の暖かさ

牧 ひろ


余寒あり順番待ちのつぼみかな

睦月うさぎ


雪隠へ向かう余寒や午前二時

本田 踊留


丸まりて眠る幼子余寒かな

凡吟山


コンクリの隙間豆一粒余寒

末広野暢一


余寒あり洗濯物と干し竿と

未生 蓮


疼くひざ耐えて過ごす余寒かな

未知女


雨上がり風が強まる余寒の夜

木曽三川


防寒着買わぬと決めど余寒染む

夜間ネムル


余寒なる朝の山道足早に

野山ノハナ


肩が凝り猫背も直らず余寒かな

野上さち


余寒の候まだまだ続く予感かな

野沢 菜摘


余寒かな行き交う人ら襟立てて

野々山アザミ


永平寺素足の回廊余寒なお

矢野游呆


ああ余寒蛇口の水の冷たさよ

柳原甲賀


足先をすぼめて歩く余寒かな

愉来理あゆむ


友逝きて早三月過ぎ余寒かな

優音


余寒の陽(ひ)膨るる小鳥と語り放く

憂喜はるか


余寒にも巡る季節の予感かな

陽介山


彼は来ず片想い中の余寒かな

立川夏子


背を丸め待ちわびる日々余寒かな

流れ星


退院の一歩踏み出し余寒かな

涼風 蘭


痩せ我慢余寒の朝に薄衣

涼風鈴音


待合室足もと冷えし余寒かな

鈴木雪


日暮れ時残る寒さや帰路急ぐ

蓮見玲


余寒みゆうどんの湯気の濃く白く

和脩志


初デート寄り添う肩にふと余寒

朧来春


草花に触れる指先余寒かな

珈琲俳人


露天から内湯へ滑り込む余寒

眞さ野


合格に巣立ち思ふ余寒の夜

薔薇紫


余寒でも湯冷め知らずや露天風呂

藪本ゆかり


晴天や薄着の散歩余寒かな

麒麟ぴあの


弦掛けし指に纏はる余寒かな

齊藤春芽


窓越しに五センチ積もる余寒かな

槇 まこと


鬼退散陽射し輝く余寒かな

濵乃すな


余寒して夕餉の匂い帰路急ぐ

髙田 佳歌


●ピックアップコメント:

初級・中級に関わらず、類想は似通ったものが集まります。

季重なりの項でも紹介した通り、寒さに関連する事物の連想は似通った物になりやすいようです。「寒いから○○だ」「寒いから△△する」。となると、類想の上流である「寒いから」を一度離れてみると違った糸口が見えてくるかもしれません。レッツチャレンジ!


たくさんの類想を見ることによって、自分の中に類想のデータベースが構築されていきます。今回見かけた発想のおかげで、陥りがちな類想も避けられるようになるかもしれません。


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明日から火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。入選句の評価は火、水、木(ステップアップのためのヒントに掲載分も含む)ともに同じランクです。順不同での掲載です。

そして金曜日は、初級者投句欄の優秀句発表です。


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