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初級者結果発表

2025年3月20日週の兼題

風光る

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選までもう一歩】

選者コメント

家藤正人

みなさまこんにちは。初級の選者、家藤正人です。

月曜日は、入選にもう一歩という句をご紹介します。


・月曜日の「選者コメント」に掲載されている俳句については、作品検索はできません。

・月曜日の「ステップアップのためのヒント」に掲載された句、入選句、優秀句については作品検索が可能です。


月曜の「選者コメント」や「ステップアップのためのヒント」を参考に、目指せ金曜優秀句への道!!


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▼【575の間は空けない】

風光る 初登校の 通学路

山我 閑


●ピックアップコメント:

俳句は五七五の間を空けず一行に縦書きするのが正しい表記です。インターネット俳壇の横書きは、縦書き表示が難しいためやむなく許容しております。強い芸術的主張がある場合、敢えて分かち書きしたり、多行書きしたりもしますが、初心の時期は基本を守っていきましょう。

俳句の修行の第一歩は、正しい表記から! 次回のご投句お待ちしております。


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▼【季語なし&違う季語】

風誘う櫻花散るか頃も良し

美和


さくら見ず鴨の親子が旅支度

栗田鴨介 


合掌の指先ただし春光る

桃橙


春の母の魔法の風は明るい

マナサ


あわてんぼふるえる啓蟄首すくめ

鶴城


ペダル押す滲む発汗拭う春風

麻座輝貞


花冷えや少し優しき人の手を

諏訪巫山


病む床や跳ね舞う犬春風ひかる

常笑 録人


時とまれ桜の中で何思う

レフォマ


頬にキス陽ざしウインク花弁舞う

にしおひさし


弾かれし光は還るビッグバン

櫻井かこ


かぜのこえこころにひびくひとのこえ

りゅうじ


●ピックアップコメント:

季語の入ってない句や違う季語が入ってしまっている句をピックアップ。

「風」だけや「光」だけが入っている例がちらほら。中には「春風ひかる」と惜しいものも。「春風」も独立した季語なのです。

兼題として季語が出題された場合は、その季語を一句に詠み込むのがルールです。

俳句ポスト365では各回の出題に全員が取り組むことで切磋琢磨を目指しております。

今募集中の兼題は、6月19日締切の「青田」です。ご投句お待ちしてます。


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▼【季重なり】

風光る伸びてチラ見え八重桜

櫻野まりりん


風光る水面にサラと雪柳

曽我のシオカラ


花粉と黄砂風光る理由

強欲王


ローズマリーの新芽の先に風光る

松井龍髭


風光る頭の上に初雷

藤川雅子


逝く父ぞ残る桜や風光る

建部得証


風光る燕舞い飛ぶ桜空

花空 舞


風光り根っこまで育つ白いカブ

Tome俳


風光る整然と並ぶチューリップ

望月美月


風光る池の堤のつくしんぼ

筒井 田造


諸の芽のもの言う如く風光る

津之浦町民


風光る川面に澱む花弁さえ

方寸


流水に芽吹く葦の芽風光る

大泉 竹芳


風光り若葉そよいで正午のオーロラ

茶ノ緑


風光る赤い新芽が深呼吸

雪谷ひすい


種芋掘り見上げる空よ風光る

白山


ヒマラヤを越す鶴の群れ風光る

松本マンボウ


沈丁花かほりに酔ふや風光る

料 善


風光る雨露まとうフリージア

向日葵


鹿の子がホップステップ風光る

わたなべ蘇芳


風光る野菜畑のあおむしへ

狭山茶娘


風光りペダル回せば汗軽く

スギモトトオル


花びらとゆるりゆらゆら風光る

りんざき 由香


風光る手袋脱いだ爪先に

すげがさ


風光る花舞い見えた空の道

ほぴ朗


鼬出て吾子の手のギュッ風光る

海老田 幣男


尻ふりて鴨の宴や風光る

四方谷斉加年


シロカキの準備を終えて風光る

山田雅子


風光る暖か陽を浴び山歩き

井上教


●ピックアップコメント:

一句の中に複数の季語が入っている状態を季重なりと呼びます。

「風光る」と植物の取り合わせは多かったのですが、その植物が実は季語だった……という例がいくつか見られます。「つくしんぼ」や「チューリップ」は時期的にも同じ春の季語ですね。また「花」=「桜」も頻出の季重なりでした。

季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ! というわけではありませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。

ここに紹介した以外にも季重なりの句はあり、火曜日以降に紹介される場合もありますが、比較的許容しやすい季重なりとして受け止めているものもあります。

やはりまずは、一句一季語からコツコツ練習して参りましょう。


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▼【来月もまた会おう!】

負けましたゐで越す波の風光る

春日 月秋


茨姫頬受け待つは光風

シャノワールさとる


風光る秒速5センチひらり掌に

上田 七重


色のないこの街風は光るびゅう

大島山羊魚


風光る白衣の声も透き通し

長井 フサコ


風光るアジフライにはオレ正油

沖優


●ピックアップコメント:

投句してくれてありがとう!

まずはしっかり「風光る」をいれた投句をしてくれてうれしゅうございます。これから一歩一歩学んでいきましょう。次回の兼題は、「青田」です。これからの投句も楽しみにしています。


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▼【表現しきれない句意】

風光る再会の恩師背中押す

渡鳥 風花


●ピックアップコメント:

作者の表現したかった内容が読者に伝わりきらないケースをピックアップ。

「こういうことが言いたかったのかな?」とある程度推測できるものの、読み切れない部分を抱えています。

その原因になっているのは助詞の不足です。見つけた恩師の背中に物理的に触れたのか、心理的な意味で背中を押したのか、あるいは恩師に背中を押されたのか? などなど。


作者は自分自身の作品への最大の理解者です。

ですが、時には「自分はわかる」に安心しすぎて、読者に伝わらない形で作品を世に送り出してしまう場合があります。

他人に句を見せてみた反応を糧にして、より自分の言いたかった内容が伝わる句に仕上げていきましょう。


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▼【仮名遣い】

風光る貝掘る子らの笑ゐ声

生田専修


覚へたての手話のあいさつ風光る

服部香悦


老ひた身もまた清々し風光る

は・な・み・ず・き


俳句を書く際には表記を自分で選ぶことができます。普段目にする書き方と同じ「現代仮名遣い」と、古典などに用いられる「歴史的仮名遣い」の二種類です。

生田専修さんの「笑ゐ」は、文語の歴史的仮名遣いで書いた場合はハ行の活用ですから「笑ひ」になります。

服部香悦さんの「覚へ」とは・な・み・ず・きさんの「老ひた」は、共にヤ行での活用ですから、それぞれ「覚え」「老いた」が正解となります。

仮名遣いはうっかりミスをしやすいポイントですので、念のため辞書で表記を確認しながら使っていきましょう。


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▼【文法の問題/つながる活用・切れる活用】

風光る読みづらし歌碑なぞりをり

中野むべ


風光るなんと愛おし産着かな

磯貝あさり


風光る極微の粒子流るとき

呂キを


●ピックアップコメント:

頻出の文法チェックポイントをピックアップ。

動詞や形容詞の活用には注意が必要です。

動詞や形容詞の終止形は意味の切れを生みます。

中野むべさんの「読みづらし」と磯貝あさりさんの「愛おし」は形容詞の終止形となっています。後ろの言葉に意味を続けたい場合は連体形の「読みづらき」「愛おしき」となります。「愛おし」を「愛おしき」へ修正した場合は一音増えた結果字余りになってしまいますから、五七五の韻律を保つためには「愛しき」と音数を調整することもできます。

呂キをさんの動詞「流る」も終止形になっているため、意味が切れてしまいます。連体形にすると「流るる」となります。



※今回の兼題「風光る」初級者投句欄へのご投句は、投句数4073句、投句人数1652人となりました。


以下については入選決定!

金曜日「優秀句」へのステップアップのためのヒントをご案内します。


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▼【類想】

風光る脱いだブレザーひらり舞う

紗津夢虹


風光る甘い香りのテラス席

野中 游


小魚の背鰭きらりと風光る

花屋もんた


珈琲香るテラス席風光る

直休


甲子園球児の闘志風光る

もる山 もる


風光る湖面の波もさんざめく

竹田濁泉水


風光る父と縁側はいポーズ

さなさな


風光る少女のうなじ輝けり

篠原 蝉秀


風光るUVケアして横浜散歩

高伊あいす


病床の前髪揺らし風光る

国崎 美栄


見送りし後ろ姿に風光る

野の ねじ花


空見上げ風光る方へ一歩一歩と

十市 涼音


新学期風光るのは君の声

熊野朝凪


風光る愛しい命に降り注げ

加藤茉莉花


風光る園庭かける自立の児

久木 諷


さらさらの少女の髪や風光る

杉田ひらさこ


風光るグランドゴルフはずむ声

有川句楽


ランドセルよたよた歩き風光る

夏野星一


風光る半袖シャツで窓開けて

大森真


日曜日空を感じて風光る

愛生園風来坊


風光る川の流れに口ずさむ

八代葡萄


初めてのランドセル負い風光る

草堂Q幸


風光るカットしたての髪サララ

みたらし だんご


風光る遠い記憶の無人駅

奥山 言成


瀬音聞き揃う足並み風光る

数哩


風光る友とスキップ帰り道

シマエナガちよちよ


草原を走る柴犬風光る

小塚ちか丸


かぜ光る小さな背中ランドセル

瀧本千舟


風光る芝生の木陰遊ぶ猫

露隠三十日


ドローン飛ばす風光る新天地

杏のやす


木々間より眩しき風の光るなり

ベル小町


風光る心弾ませランドセル

松島吟遊


風光る浮世を離れ夢心地

赤い羽根


再就職風光る道出勤の朝

真田丸クウ


風光る野にも山にも色をつけ

勝 翼龍


河川敷寝転ぶ吾に風光る

むじか


新品のシャツ干す土曜風光る

のなめ


風光る弾むよ鞄吾子の声

川辺祈風


いざ行かん旅立ちの朝風光る

渡辺闇太郎


手を繋ぎ弾ける笑顔風光る

居 栄心


風光る何を学ぼうパンフ取る

西本花道


ボール蹴る声の響きて風光る

仁尾はにー


キャンパスの並木みどりよ風光る

空色文風


一歩二歩よちよち散歩に風光る

大山 久幸


風光る初乗りペダル弾みゆく

檸檬幸子


雨上がり坪庭の葉の風光る

山内志津子


風光る白き花びら踊る路

陸亀ジジイ


山息吹き山肌蒼く風光る

船生伸一


外堀に浮かぶ小舟や風光る

秋風冬海


花は咲き淡き青空風光る

小原ヒデボー


木々の葉も雨に洗われ風光る

佐波乃屋 あ季


風光るテラスで味わうジンソーダ

宮 由太


全速で土手駆けあがる風光る

太郎坊


木漏れ日に小魚キラリ風光る

初老俳人


風光る通院さえも軽やかに

白ばら椿


爽爽と草木そよがせ風光る

素人


風光るランドセルより音がなる

結慧 愛


風光るジャングルジムに子の笑い

やますみすみ


風光る窓全開のバスにいる

藤井 春


風光りペダル漕ぐ背踊るリュック

新一歩


風光る緑の中へ自転車で

涼風 蘭


風光るゴロンごろごろ芝の海

はっとりじいじ


山頂で汗をひとふき風光る

こーがはるちゃん


故郷が広がる胸に風光る

四葉 來次


深呼吸胸いっぱいに風光る

島村菫


年少さんネクタイ揺らし風光る

富山のひろやままん


いつの間に木々かがやきて風光る

あおい花子


白きシャツテニスコートに風光る

森田フー天いっき


咲き終えて風光る頃来たりけり

小林弥生


愛犬と風光る朝長散歩

太子道あやめ


校門の坂すそ乱す風やわらか

閑里院 鮮墨


風光るキーボード打つ音軽やか

霜月静岳


風光るいつもの散歩倍の距離

みなづき はるるん


風光るコーヒーふたつテラス席

岩岳太郎


風光る両手広げ深呼吸

伊藤仁斎


あなた見て香るこころ風光る

桜橙  真栄


風光る笑う幼児の歯の白し

山田円居


新学期高三生へ風光る

大咲 舞


来しかたの泣き笑いし日風光る

岡本みい


リズミカルに散歩する犬風光る

児玉すいか


風光る歩む道には花の園

佐渡碧


孫駆けて声残す道風光る

大岡夏生


風光るオープンテラスでカルパッチョ

大空晴子


ペダル漕ぐ君の背中や風光る

ところ啓泉


風光る園庭の子の頬光る

千明


風光る子らの眼差し妻の笑み

山口直哉


水面には魚(うお)飛び跳ねて風光る

屋敷 公園


公園に子らの声戻り風光る

蓮田初老


風光るキャリーワゴンを押す双子

岡崎梗舟


風光る仔犬むかえて駆け回り

ローズ喜子


山なみに心躍るよ風光る

佐藤コロン


風光る手を振る人の橋の上

一健


風光る千歩伸ばせりウォーキング

山彦 てっせん


シャッターに振り向く君に風光る

草野紫陽花


風光り途中下車して徒歩帰宅

七瀬 巧


ボート漕ぎ見上げる空に風光る

澤 六花


風光る窓全開のドライブに

冷水


「ほらあそこ」吾子の歓声風光る

きよえ


愛犬を追う吾子の背に風光る

のりこうし


枝揺れて花は散るとて風光る

可可夫豆


買い出しの車窓全開風光る

藤原明太子


セーラーの白線眩し風光る

峠の泉


薄化粧風光る朝新たな日

たいら はな


風光る午後の街路樹遠廻り

渋谷小石


風光る木陰に揺れる影三つ

こみくらむしに


天高く舞い上がる鳥風光る

夏川涼


風光る頬寄せ笑む愛らしや

栗田 久


公園の樹々の葉先に風光る

鈴木 京


風光る今朝はゆるりとペダル踏む

江梨子


凛とした笑顔のぐるり風光る

究果園ゆやま


ランドセル駆け出していく風光る

今日女


風光る花粉でくしゃみ鼻光る

遠澤人麻呂


児童の和飛ぶ鳴る跳ねる風光る

純全


補助輪を外しふらふら風光る

ナンプラー大好きママ


風光るドキドキの一年生よ

羅風音 井上


風光る走る幼子我愛し

チャロ


園バスの最後の迎えや風光る

戸路井道尾


風光るうきうきの君納車の日

おと のっ子


LINEくる孫かけまわり風光る

水野 寿香


思いきった我がチャレンジや風光る

沢松宏美


風光るお地蔵さまも微笑んで

四十 カラ


風光る画廊苑にて老夫婦

牡丹雪 春


川の土手草木ゆらめき風光る

福田創風


風光る寄り道増えた犬さんぽ

新城 三九


風光るはしゃぐこころにおどる筆

松 洋泉


ニューデスク待つ風光る新天地

青い手まっちゃん


教え子の響く歌声風光る

若山真弓


風光る新築窓の子の笑顔

山崎鵜真


飛び石を渡る水面に風光る

瀬尾紗ま


轟きの飛行機雲に風光る

森乃涼風


風光る制服光る初出勤

春野桜草


三月ぶり健診終わり風光る

中山雪うさぎ


風光る二人で歩くフェアウェイ

詠野孔球


幼子の靡く髪かな風光る

岩川三六九


風光るのはいつも外窓の外

齊藤春芽


朝起きの風光る行方草木にも

かねひまおさむ


風光る波のさざ波ひかりあび

みう


風光る土手行く犬と影ゆらり

ブラックプードル陸


爽快だ山頂こだま風光る

きゅうとさん


風光る園庭狭しと駆くる児ら

水城みずき


風光るハミングと共に髪なびく

九条麗子


手を放し走り出す吾子風光る

月夜田しー太


野良仕事土いじる手にも風光る

多田なごり雪


応援のアルプススタンド風光る

河村 呂便


風光る校門で鳥たわむれる

はっぴー猫


初出勤ペダル漕ぐ朝風光る

田口文子


風光るホームランどこ場外へ

山之池四歳児記


学び舎を旅立つ空に風光る

キャタレント三雲


ニューシューズ走って跳ねて風光る

越中之助


風光る窓辺よりそう猫と吾と

むっち


風光る去る先輩の背中かな

白秋大那奏


風光る犬と競走楽しみぬ

石川明世


曲がり角語らうふたり風光る

藤中 雅


風光る鼻歌交じり午後の道

未生 漣


学窓に幾代のさざめき風光る

鷹岡翠豚


公園の蛇口上向き風光る

ドキドク


女学生黒髪揺れて風光る

林一芳


風光る妻の笑顔に吾光る

森嶋ししく


自転車の追いぬく学生風光る

ゼップの夢


就活に挑む日々や風光る

Mat ひめりんご


風光る新人たちの通り道

中山長風


休日の窓開け放ち風光る

北乃大地


風光る野を埋め尽くす花花花

伊藤美詞


風光る友の笑顔を送る空

黒鶫


風光るいつもの通ひ路もう一年

小田拓


風光るブルーインパルスの五線

一木楓


風光る人は出歩き鳥は鳴く

織田 光


スカートの踊る物干し風光る

内田游夏


風光るパン工場から匂ひ来て

マーゴとレニー


道はさみ手を振る君や風光る

永山シャンシャン


風光る初ディズニーのエントランス

坊平あきら


風光る一気に駆けるのぼり坂

小澤五月


ぴかぴかのランドセルの子風光る

蓮花


風光る跳ねる小魚鱗舞い

関戸 小町


手を振った笑顔と涙や風光る

津々浦々


風光りピンクの香り風漂う

大和キートン


ランドセル揺れる小道に風光る

明日葉


軽やかに歩むリズムや風光る

青井彗星


竹林を抜けて青空風光る

矢澤 かなえ


風光る向かいの猫も外眺め

森脇レイ


風光る遠ざかる背に両手振る

もちのくも


風光る五老タワーに湾の船

逢花菜子


風光るデニッシュパンとレモンティー

葉詩美露子


風光るバスから手振る園児たち

あいまい もこ


風光る娘のメール来て嬉し

菜園ベジタベル


風光る足どり軽く広がる田

アボカドブロッコリー


風光る公園の木々騒ぎけり

秋野 明石


風光る踏み出す足の軽やかさ

花園 メイ


風光る立ちこぎでゆく通学路

西村一路


風光る一羽気ままに飛ぶ鴉

蛙亭けろり


幕が開き夢洲の空風光る

マダム愛和


風光る路面の野花生き生きと

川口あおい


なびく髮ペダルを漕ぐ息風光る

さくら沙月


風光る自転車をこぐ足が浮く

泉 早希子


風光る子らの滑りし滑り台

春の新々


風光る木洩れ日の射す向こうは青

笹本ミワコ


Newチャリや孫の初乗り風光る

泉北の石ヤン


風光る上ばきも光る一年生

奈良塔子


風光る背負い背負われランドセル

梅光


園児らの広げる両手風光る

あさぼらけ


風光るアイロンかけて初出勤

祥対無


うたた寝の吾子のひたいに風光る

著子民人


窓少し開けてハンドル風光る

山本英慈


風光る洗濯籠とベランダへ

藤瑪瑙


電車待つ制服姿風光る

いとう小枝


風光る明日こそ行ってみたい場所

太田 陽翠


しまなみの銀輪の列風光る

アツシ


産みし吾子重きを抱く風光る

林うんべらーた


風光る仲良く歩く老夫婦

さふじわよ


ならび漕ぐペダルにあそぶ風光る

小仲翠太


追いつけぬ列車見送り風光る

ルック鷹丘


幼子の大地に一歩風光る

松原なぎさ


新しき鞄背負いて風光る

大木一


風光るぴかぴかぴかのランドセル

のろ爺


風光る川面さざ波立ちにけり

田頭西郷


木洩れ日が眩しさ増して風光る

谷  佳


風光る鍬の喘ぎか土埃

寺ゆた


山の木も緑になって風光る

濱田てるてる


扉開け旅立ちの背に風光る

浜風佐羽古


新調のスパイクかける風光る

藤富うに


ぶかぶかの学生服や風光る

上野 鈴女


風光る緑濃き日々北の国

たった


風光る縁側の猫顔あらう

富山文香


ランドセル二列行進風光る

松山 桜子


つうえんじアヒルの行進風光る

よろこび一句


風光るマスクとめがね増える街

中村止一


風光る銀輪飛ばし頬眩し

浅羽ただし


早朝の膨らむパンに風光る

的場白梛


風光る色とりどりのランドセル

小巻小梅


風光るスキップしながら畦道を

聖仙秀事


風光るオーシャンビューのレストラン

松本光由


庭に咲く花色とりどり風光る

津軽 りんご


風光るスイングする君眩しくて

阿部栄壱


肩寄せて語らう髪に風光る

鬼石 祥瑞


すくすくと孫の姿よ風光る

わきのっぽ


風光る朝に見上げる新任地

氷室東沙


風光る私の夢はここにあり

701らっこ


風光るグラウンド弾む打球音

和龍


風光るスカート揺れる通学路

風の母


友と笑う吾子の背遠く風光る

小箱 守


老犬のゆるゆる散歩風光る

晴山喜作


風光る川面に流るるピンクかな

加藤耀月


風光る異国の街で深呼吸

風ひかる


風光る筏の上にトンビ舞う

横尾寂心


風光る木漏れ日透す鳥の声

青空


風光る別れの日あり出逢いあり

藤田 圭


リュック背負い山頂間近風光る

樹里庵


学童の声包み込み風光る

k陽一郎


風光る散歩のルート変えてみる

裕安


風光る一期一会のこんにちは

和中彩葉


風光る久しぶりの外の鉢植え

ゆかいなさっくす


ぶかぶかの制服の児に風光る

外町よしのり


風光る新幹線の鼻先に

悠雲憂季


「また明日」手を振る君に風光る

大家由美子


風光るサギの見つめる川面揺る

永田みゆき


風光る子らの笑いと波音と

ザック


●ピックアップコメント:

初級・中級に関わらず、類想は似通ったものが集まります。

屋外の光景の中でも、強く風を感じる場面との取り合わせが多かったようです。特に自転車をはじめとした走るものとの相性はよかった分、類想でもあるようです。

また「光る」から心理的な喜びや明るさを感じられる場面を思い描いた人も多数。


たくさんの類想を見ることによって、自分の中に類想のデータベースが構築されていきます。今回見かけた発想のおかげで、陥りがちな類想も避けられるようになるかもしれません。



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明日から火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。入選句の評価は火、水、木(ステップアップのためのヒントに掲載分も含む)ともに同じランクです。順不同での掲載です。

そして金曜日は、初級者投句欄の優秀句発表です。


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