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2014年12月18日週の兼題
寒蜆
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しみじみとお世話になろう寒蜆
春爺
選者コメント
夏井いつき
選
今週の兼題「寒蜆」の難しさは、「浅蜊」でもただの「蜆」でもいいんじゃないの?といわれる句になりがち……ということでしょう。そういう意味で選句もさんざん迷ったのですが、最初は何気なく選んでいたこの一句の滋味が、じわじわとしみ込んできました。「しみじみ~蜆」と言葉遊びのような句なので、うっかり油断していたのかもしれません。 春の季語「蛤」「浅蜊」「蜆」を詠み分けるのも難しいのですが、冬の季語「寒蜆」の場合は「薬効があるとされている」という特徴が一つのポイントになりますね。そのイメージが一句にうまく入ってくると良いのだろうなあと思います。 さて、掲出句にもどりましょう。「しみじみとお世話になろう」は、まるで小津安二郎の映画のお父さんが呟くような台詞です。この言葉に「寒蜆」という季語が取り合わせられるだけで、まさに映画のワンシーンのような光景が立ち上がってきます。 厨の桶の中で砂抜きをしている「寒蜆」を眺めているのでしょうか、一椀の蜆汁の温かみを両手に感じているのかもしれません。滋養に満ちた「寒蜆」の汁を一口啜ると、身体中にしみ渡る心地良い熱さ。一人暮らしを続けると強情に言い張ってきたけれど、もうそろそろ考え直してもよい頃かもしれない。「しみじみとお世話になろう」という気持ちがゆっくりと広がってくる、そんな場面。 この季節の「寒蜆」は身体によいから「お世話になろう」という浅い意味から始まり、人生のささやかな決断の場面まで、一句はしみじみと深まっていきます。心して正座していただく「寒蜆」の味は、作者の心に忘れ難く広がっていきます。
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