俳句ポスト365 ロゴ

中級者以上結果発表

2022年6月20日週の兼題

夏の海

【曜日ごとに結果を公開中】

【並選】

  • 夏の海ガラガラヘビのやうな嘘

    朝倉カグラ

  • 三陸に連なる墓標夏の海

    津軽ちゃう

  • 夏の海キュポラの街は静かなり

    哲庵

  • 岩影は冷たし夏の海白し

    桃園ユキチ

  • 夏の海溺れ続くる炉心かな

    てるきち

  • 夏の海歓声を消すヘリコプター

    二郷京子

  • 夏海の他人行儀な足裏かな

    日々拓人

  • バンザイクリフ哭いたあの夏の海

    原島ちび助

  • 凱旋のごとく乗り込む夏の海

    睦 陽花

  • 夏の海ざくりと今日の弧を描く

    真喜王

  • 夏の海ライフセーバーのみ硬し

    木村となえーる

  • 夏の海あゝ竣工のプロジェクト

    夜音 友

  • 紙コップ重たし夏の海に熔岩

    夕虹くすん

  • 青函のフェリーに呑まれ夏の海

    落句言

  • チャリで来る島の駐在夏の海

    竜胆

  • 駅長の御国訛りや夏の海

    KII

  • 夏海や車椅子の祖母は軽し

    いくたドロップ

  • この先はコンビニあらず夏の海

    いつか

  • シーグラス墓前に三つ夏の海

    おたまじゃくし

  • カーステレオのながすロックや夏の海

    かぬまっこ@木ノ芽

  • 地味な子に断られたり夏の海

    キッカワテツヤ

  • 夏の海見た三割は駆け出した

    けーい〇

  • 夏の海沿いをしばらく道なりです

    げばげば

  • 夏の海切り裂くやうな右フック

    コンフィ

  • イシダイの子はサンバソウ夏の海

    さとマル

  • スニーカー脱いでカリプソ夏の海

    ススキノ獅子扉

  • 見るだけの夏の海へまた来ている

    そまり

  • つり船の気だるき浮力夏の海

    ぞんぬ

  • ディズニーの山は偽物夏の海

    ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部

  • 七匹の痩せ猫懐く夏の海

    ナサケモノ

  • ガルウィングの赤き車や夏の海

    ピアニシモ@金カル

  • 静かなれ老夫漕ぎ出づ夏の海

    ひすい風香

  • レーダーの船影西へ夏の海

    ひでやん

  • 夏の海水平線を高く引き

    ヤヒロ

  • 算術の答えは一つ夏の海

    よかわもりお

  • 夏の海官地無番地の海堡

    わかしま荒巻

  • 夏の海一回生の足踏み入れる

    亜桜みかり@金カル

  • 夏海の噴き出だしたる赫き月

    阿部猪子

  • ガススタのバイトや夏の海眩し

    芦幸

  • ゴム匂う夏の海へのアスファルト

    芦内矢想

  • 潮の香へ棚田千枚夏の海

    安藝 卯月

  • 波裏のトンネル眩し夏の海

    一寸雄町

  • あのブイを回ってゴール夏の海

    一走人

  • 逆光に君の輪郭夏の海

    一日一笑

  • 夏海を眠つてこぽこぽと語る

    鰯山陽大

  • 腿ぬるくつま先寒し夏の海

    羽織茶屋

  • 複雑な波の立ち位置夏の海

    永想

  • 夏の海爪先立ちのサンルーフ

    永田千春

  • はじかれて子等ぱつと散る夏の海

    奥 亜樹

  • 夏の海頬にざらざら苦き砂

    黄鶺鴒

  • 夏の海コンビナートの灯煌々

    岡山小鞠

  • 佐渡を指す日時計の棒夏の海

    岡塚 敬芳

  • 軽トラに犬だけ乗せて夏の海

    可笑式

  • 国後の峰は畏し夏の海

    会津西原

  • 落ち着きのない波ばかり夏の海

    楽花生

  • 夏の海へ浮かべば空の迫り来る

    笠山静香

  • 夏の海小島は雲を放ちたり

    岩橋春海

  • 夏の海歪んだ空に白い月

    希布

  • 見えて手を振るバスの子ら夏の海

    亀田荒太

  • 夏の海車窓に垂れる錆のみづ

    吉川拓真

  • 夏の海遠くなりゆく露西亜かな

    吉田わさび

  • 南洋の戦址遠きや夏の海

    吉田竹織

  • でたらめなシーツの皺や夏の海

    久蔵久蔵

  • ひと月のオーバーホール夏の海

    宮坂暢介

  • この松の向こうは瓦礫夏の海

    よみちとせ

  • 原色の鳥の切手や夏の海

    宮武濱女

  • 千年の知恵の輪外れ夏の海

    京野さち

  • 捜索を告げるヘリの音夏の海

    玉響雷子

  • 生物の先生もゐる夏の海

    月石 幸

  • 夏の海展示遺稿の青インク

    剣橋こじ

  • 地引網ひく震災の夏の海

    原颯太

  • 鑑真は二重であつた夏の海

    光峯霏々

  • 貝殻の真白き道や夏の海

    高田杏

  • 拉麵のなるとの先を夏の海

    黒子

  • エウロパの海底はきっと夏の海

    黒田

  • 少年のプラ模軍艦夏の海

    ぐずみ

  • 知床のしほはね辛し夏の海

    佐伯仙明

  • 夏の海短波にヤベえヲロシヤ語

    坐花酔月

  • タンカー船右へ五センチ夏の海

    菜々の花畑

  • 空罐の落つる大渦夏の海

    榊昭広

  • 夏海男波見る体魄40kg

    榊裕江子

  • 夏の海おのおのの青春に死ね

    三浦にゃじろう

  • 夏の海みづはどこから碧になる

    三月兎

  • 終着駅近し車窓を夏の海

    山川腎茶

  • 鍵スマホあとは現地ぞ夏の海

    山本先生

  • 青色は闇と繋がり夏の海

    市橋正俊

  • 夏海の夕暮れ死角の拉致現場

    紫鋼

  • 夏の海とぎれとぎれに届く歌

    朱契

  • 夏の海パーカーのまま三時間

    小だいふく

  • 着信ありサイドミラーの夏の海

    小川さゆみ

  • むあっとする風の顔突く夏の海

    瑠璃星

  • 夏の海向きてトラック横並び

    小池博美

  • 散骨のボサノバ揺らぐ夏の海

    小池令香

  • 夏の海内地の子らと光る朝

    松山めゐ

  • 夏の海は光の雨を受ける皿

    上市まさ

  • 跨線橋渡れば広き夏の海

    上津 嘉子

  • 本土へは週一便や夏の海

    常盤あけび

  • なつのうみみんないつかはしぬんだし

    新蕎麦句会・凪太

  • 夏の海掴んだ腕のまだあかく

    新城典午

  • 夏の海クレーンの唸る大埠頭

    森爺

  • カデンツァのソまで出そうな夏の海

    神山やすこ

  • 松林もうにほひ立つ夏の海

    水木合歓

  • 陰鬱な樹のトンネルを夏の海

    澄海まさと

  • 学ランと千円干して夏の海

    世良日守

  • ひずみなきラッパ君が代夏の海

    晴田そわか

  • 息継ぎを習ひて夏の海に立つ

    清水明美

  • 夏海や臍の辺りで揺れる波

    誠馬ノマド

  • 鋼製の馬跨つて夏の海

    石上あまね

  • 夏の海カセットテープのマイベスト

    雪音

  • 群青石砕いて溶いて夏の海

    千暁

  • 夏の浜安足角のやはらかに

    千歳みち乃

  • 南は満目夏の海室戸

    川岡すえよし

  • ぎこちなくパレオほどいて夏の海

    霜田あゆ美

  • 夏の海愛犬やけにおとなしく

    村上継鳥

  • 一滴のカフカの毒と夏の海

    村上優貴

  • 夏の海いかだ浮かべてトムソーヤ

    村瀬っち

  • その女の静かに溶けて夏の海

    多事

  • ランタンとラジオとポテチ夏の海

    大小田忍

  • 足音のあとの足跡夏の海

    大塚迷路

  • 夏海や旅の終わりのカチャーシー

    大庭慈温

  • バスを待つ夏海の青減らしつつ

    大和田美信

  • 埋まりゆく踵眺むや夏の海

    暖井むゆき

  • 日曜の夏の海より実習生

    竹内一二

  • 夏の海恋の墓場があるといふ

    中島走吟

  • 朗らかに人が主食の夏の海

    中島隆

  • 夏の浜しゅたつと決むる宙返り

    中里 凛

  • 夏の海リュツクの傾ぐポンポン船

    仲 操

  • 貝洗う波の静けき夏の海

    朝ぼらけ

  • 女らの稼ぐ北限夏の海

    津軽わさお

  • マンガッタンライナーのドアボタン押す夏の海

    椿 佳香

  • 夏の海何を悩んでたんだっけ

    天野倖雪

  • 包帯の戦ぐ屋上なつの海

    田中ミノル

  • ふりむける顔みな影や夏の海

    田中木江

  • たこ焼きを全部落として夏の海

    田畑 整

  • ざっくりと蹠は裂けて夏の浜

    冬のおこじょ

  • 気が重い私のノートに夏の海

    桃まんじゅう

  • 三日月も人も溺れる夏の海

    藤鷹圓哉

  • 夏の海ひざまでスラックス手繰る

    藤田ゆきまち

  • 少年のハモニカみたいな夏の海

    藤田康子

  • 夏の海僕の居場所はどこだろう

    奈良の真

  • 追試後の坂道下る夏の海

    那須のお漬物

  • 隧道の煉瓦を夏の海響む

    内藤羊皐

  • 釣宿の手書き看板夏の海

    如月ドロップ

  • ささくれたオールと血豆夏の海

    萩野つき

  • 夏の海昼はおにぎり十六個

    白薔薇

  • 夏の海膨らませたる朝の雨

    八幡風花

  • 昼と夜のあはひを凪ぐや夏の海

    比良田トルコ石

  • 砂を掘る犬の巻き尾や夏の海

    緋乃捨楽

  • この星のまるみのあらは夏の海

    樋口滑瓢

  • カルピスのピス弾けだす夏の海

    百瀬はな

  • 浜に喪服身じろぎもせず夏の海

    不ニ山不ニ

  • 咆哮の龍ひるがえる夏の海

    富佐野ほろよい

  • 夏の海夕陽の糸ひく鳥礫

    風の鳥

  • 暗記シートの下に革命夏の海

    風早みつほ

  • 波待ちの少年渇く夏の海

    福岡参山

  • 夏の海他人のボールへ急ぐパグ

    野口真砂輝

  • 夏の海パッカー車からオルゴール

    西村青夏@金カル

  • 露天風呂呑み込まれさう夏の海

    文月あつみ

  • 夏の海火傷の腕で作る飯

    平としまる

  • きしゅきしゅとレンタサイクル夏の海

    碧西里

  • ぬつと出るダイブの一団夏の海

    峰 乱里

  • 守れない約束の痕夏の海

    望月朔

  • 総務部長のくるぶし白き夏の海

    牧野冴

  • サンドイッチは三角四角夏の海

    満る

  • 豪雨果て死臭を放つ夏の海

    眠 睡花

  • 坂上り昏るるや夏の海たひら

    無弦奏

  • 子を持たぬ決断夏の海あとに

    佐野 明世

  • 夏の海惜別の円陣は皆と

    柳浦総師

  • 海割るる前に脱出夏の海

    椋本望生

  • どどどうと灯台洗ふ夏の海

  • この石はあの日のカケラ夏の海

    陽光樹

  • 白砂や汽笛の先に夏の海

    蓮風

  • 島の名を病む父に問ふ夏の海

    蓼蟲

  • 脳内の変わらない曲夏の海

    毛利尚人

  • 夏の海水を入れては狙い撃つ

    木下常和

  • 行列の丼物三つ夏の海

    野山遊

  • 前蹴りや飛沫あげたる夏の海

    野中泰風

  • 親友の自殺願望夏の海

    髙田祥聖

  • 父の足やけに白くて夏の海

    ひなた和佳

  • 夏の海母はくろしほ父はおやしほ

    矢嶋博士

  • 隠岐近しとほし夏の海まっすぐ

    のつり

  • 畏まる長野ナンバー夏の海

    花屋英利

  • 夏の海兄早カレー食べ終へて

    西川由野

  • オレンジの花と駅舎と夏の海

    薮久美子

  • 大盛の焼そば十個夏の海

    岩本夏柿

  • 真鶴は箱根の尻尾夏の海

    星埜黴円

  • ざらついた影は重なり夏の海

    城内幸江

  • 夏の海居心地悪い鴎鳴く

    紅紫あやめ

  • 生きている人皆帰る夏の海

    工藤雨読

  • 鳥海の影は真青の夏の海

    ぶうびい

  • 水槽のマンボウのあくび夏の海

    龍 桔花

  • 夏の海売られる貝の異国もの

    絵夢衷子

  • 夏海や畳の香る助産院

    下條ちりり

  • 土踏まずから埋めてゆく夏の海

    結壱隆月

  • 夏の海へばる犬かの甲板手

    種種番外

  • 先生の分厚き手紙夏の海

    由づる

  • スタンピードの如く光の夏の海

    canopus.v

  • 夏の海紺碧だけを吐き出して

    石浜西夏

  • 徒歩五分臨時停車場夏の海

    広島 しずか80歳

  • ローカル線の縁取ってゆく夏の海

    山内彩月

  • 夏海の遠音に友の誰も寝ず

    風慈音

  • 夏の海子を抱く父は迷彩服

    白鬚

  • 駐車場わかりづらいし夏海青いし

    北川颯

  • リアス線再開夏の海閑か

    香依蒼

  • 島影も船影も濃く夏の海

    柚木みゆき

  • ブルキニの爪先ひたす夏の海

    露草うづら

  • 半島の工業地帯夏の海

    二重格子

  • 自転車の三角乗りや夏の海

    上村風知草

  • 夏の浜きみのかたちのくぼみかな

    はぐれ杤餅

  • 大いなるもの夏の海へと還りたり

    前田麺

  • タンカーに軍艦マーチ夏の海

    まんぷく

  • 夏の海暮れて屋台にある余熱

    恵勇

  • レッカー車の助手席高し夏の海

    百瀬一兎

  • 孤独だと夏の海にはばれてゐて

    卓鐘

  • 発電機の低音軋む夏の浜

    白プロキオン

  • フルーツの挿さるストロー夏の海

    俳句王

  • 金山の剛き鉱夫や夏の海

    どくだみ茶

  • カクテルに小さきパラソル夏の海

    陽光

  • 天気図はあっけらかんと夏の海

    瀬尾白果

  • 肉を焼く男以外は夏の海

    北大路京介

  • パトカーの巡回二度目夏の海

    山中 揚

  • 咆哮も怒濤もなくて夏の海

    あずさ ゆみ

  • よく知らぬ果実をもらふ夏の海

    すりいぴい

  • この一歩波の起点や夏の海

    宥光

  • ランナーの正しき呼吸夏の海

    叶田屋

  • 夏海やテトラポットの隙に渦

    稲畑とりこ

  • とりあえずはしゃいでみなよ夏の海

    梅井さきこ

  • 夏の海ボリューム上げろ窓開けろ

    洒落神戸

  • 夜勤明けハンドル握り夏の海

    菊池克己

  • 小雨降るテラリウム越しの夏海

    茂平次

  • 夏の海ヒトは一枚皮である

    雷紋

  • 夏の海焦げて塩気のガードマン

    和泉与六

  • 夏の海どうせ届かぬ声ならば

    灰田兵庫

  • 遺骨なき小さき骨壺夏の海

    立ち漕ぎブランコじゅん

  • 手繰り寄せるアンカーロープ夏の海

    としなり

  • 夏海の乳の濃度にひかりけり

    ぐでたまご

  • 厨房の窓や暮れゆく夏の海

    ノアノア

  • 夏の海青き衝動果実熟る

    青田奈央

  • 蛸を刺す銛高くあげ夏の海

    矢野貴子@金カル

  • 夏の海砂山の砂2トン分

    紫小寿々

  • 夏の海午後四時半の駐車場

    縁穐律

  • カセットが三周したね夏の海

    えりいも

  • ぬめぬめと夜の絡めり夏の海

    富山の露玉

  • 夏の海犬をおまえと呼ぶ少女

    ラガマフィン

  • カーナビの沈黙長し夏の海

    きなこもち

  • 丸刈のゐて夏の海完成す

    弘友於泥

  • 搭乗機の影くつきりと夏の海

    みつれしづく

  • すつぴんにかつと日の射す夏の海

    中根由起子

  • けだるきを砂軋むなり夏の海

    武井かま猫

  • 雲抜くやセスナ左舷を夏の海

    池之端モルト

  • 日輪を受諾し夏の海受胎

    羊似妃

  • シュミーズの裾をしぼって夏の海

    くぼたみどらー

  • ただしづか辞す桑年へ夏の海

    透史

  • 転校と言えず夏の海は午後へ

    井原冴

  • 夏の海渡島の船上へ飛沫

    大津美

  • 岩場では無垢で奇声の夏の海

    中島京子

  • こそだてかふぇ窓いちめんの夏の海

    緑の手

  • ぎりぎりを楽しむ二人夏の海

    うに子

  • 新弟子の走る階段夏の海

    山城道霞

  • のびそうな浦島太郎夏の海

    ツユマメ末っ子10歳@いつき組広ブロ俳句部

  • ゼスチュアにゼスチュア返す夏の海

    霞山旅

  • 夏海やシナーラの帆の夕映えて

    sakur a.

  • オジサンが今日から家族夏の海

    槌屋藤内

  • 夏の海この煌めきは奇数です

    東京堕天使

  • すらすらと仕留むフラッグ夏の浜

    山河穂香

  • 遠くがいいモヒート越しの夏の海

    雪井苑生

  • 火を囲むライフセーバー夏の海

    清水 三雲

  • マンモスの化石を洗う夏の海

    雨霧彦@木ノ芽

  • 夏の海にぎはひ遠し昼の月

    はまお

  • 島影のふちまで青き夏の海

    音羽凜

  • グレイヘアあおられるまま夏の海

    絵十

  • 塩レモンキャンディ夏の海眩し

    広木登一

  • 夏の海監視台の旗ばたた

    中岡秀次

  • うつろひの止まったやうな夏の海

    Dr.でぶ@いつき組広ブロ俳句部

  • ジュラルミンめく夏の海EEZ

    克巳@夜のサングラス

  • 歯は白きハレーションなり夏の海

    黒麹 糀

  • 求人誌すぐに閉ぢるや夏の海

    へなけん

  • 野次馬は崩れて夏の海がまた

    古瀬まさあき

  • 喉ごしの苦味のやうな夏の海

    まどん

  • カルティエの指の元カノ夏の海

    イエティ伊藤

  • 大口を開けた夏の海へ落ちた

    豆闌

  • ペグの穴埋めて終わりし夏の海

    鳥羽南良

  • 国道のゆるく曲がりて夏の海

    ちかひか

  • 遠浅の磯をめざすや夏の海

    稲畑とりまる

  • 夏の海上方からのソナー音

    青柳修平

  • おひさまの絵具は油性夏の海

    玉庭マサアキ

  • 夏の海眩し五階の吾子微熱

    栗田すずさん

  • バカンスの海豚来ている夏の海

    釜眞手打ち蕎麦

  • 夏の海くしゃとスタバの紙袋

    アロイジオ

  • 夏の海静かなるもの横たはる

    久森ぎんう

  • 夏海や砂漠の駱駝めくタンカー

    堀口 房水

  • ほんとうのまっすぐを見た夏の海

    かりかり久助

  • 塩辛きトタンの家や夏の海

    紫月 歪丸

  • 恐れなき少女の脚よ夏の海

    秋熊

  • 夏の海同じ地層に貝と吾と

    砂楽梨

  • 太陽を横切る魚影夏の海

    干しのいも子

  • ひと・ひとで・ひとでなしゐて夏の海

    古賀

  • 慶長のガレオン今朝の夏の海

    森脩平

  • 夏の海見ないふりする営業車

    あみま

  • 漫喫のダーツに飽きて夏の海

    渡辺桃蓮

  • 産卵や夏の海にもある孤独

    富山湾

  • 夏の海太陽近く岸遠く

    銀紙

  • 沖に立つ雲の観音夏の海

    木寺 仙游

  • 黒洞々粘るや夜の夏海は

    しゃれこうべの妻

  • 火葬終へ帰路の車窓の夏の海

    石本コアラ

  • 夏の海みやげはいつも鳩サブレ

    古都 鈴

  • 眩しくて千切る聖書よ夏の海

    ほろろ。

  • 夏の海テトラポッドの歩く音

    畠山 悊央

  • バーガーの串抜く一気夏の海

    いかちゃん

  • 夏海を試す本日は晴天

    西田月旦

  • 流木で「翔べ」と落書き夏の海

    みうら朱音

  • 夏の海船首の犬は耳垂らし

    千代 之人

  • たましひの轟音となる夏の海

    文月

  • 初めての無断欠勤夏の海

    丹下京子

  • 水上バイク軟派難破の夏の海

    比良山

  • 浮かぶもの浮かばざるもの夏の海

    みどちゃん

  • 夏の海広背筋の陰影よ

    丸山隆子

  • 夏の海忘れん坊のママだから

    殿村則子

  • 山塊の果てを果てなき夏の海

    歩く鳥

  • ささくれし畳の匂ひ夏の海

    ぱぷりかまめ

  • モーニング珈琲ぬるく気だるく夏の海

    加藤尚茶

  • 夏の海おかはり乞ふやうな舟屋

    トウ甘藻

  • 夏の海波越ゆる波に爆音

    山田雅己

  • 夏の海握り拳の隙間から

    ぐりえぶらん

  • 夏の海ひだりに眺め故郷へ

    はごろも856

  • 焼きそばよぎとぎと光れ夏の海

    字土街海

  • はやる子を肩車せん夏の海

    卯年のふみ

  • 夏の海しどろもどろに鳴くかもめ

    さくさく作物

  • 歯車がどこかで狂う夏の海

    神谷たくみ

  • 布一枚隔つ乳房や夏の海

    伊藤てまり

  • 校章の異なるふたり夏の海

    陽花天

  • 夏の海テトラポットで姉2人

    竜子@ノエル

  • 夏の海父の通った焼き鳥屋

    東原桜空

  • 夏の海ひしゃげた標識と恋と

    つきのひと

  • 岬なる駄繰里の浜よ夏の海

    京あられ

  • 標識の矢印古び夏の海

    公木正

  • 夏海は戦争の色を知っている

    村上右佐

  • はじき豆腰に結へて夏の海

    大谷如水

  • こどもホスピスの大きな窓や夏の海

    野ばら

  • 休学の独り居夏の海を下車

    石田将仁

  • 夏の海ぐるぐる肩関節ふたつ

    北野きのこ

  • きりきりと夏の海ふむ土ふまず

    きのえのき

  • 夏の海森の匂ひの雨がやみ

    せり坊

  • 夏の海叔父の自慢のご洋犬

    ぽんぽこぴーな

  • ハイウェイ飛ばし明けゆく夏の海へ

    太之方もり子

  • 夏海やひとりっ子政策の国

    藤白真語

  • 先生に初めて会った夏の海

    沙那夏

  • 夏の海肩甲骨は飛ぶ形

    妹のりこ

  • おもひでは遮光の箱の夏の海

    主藤充子

  • この音は胎内の音なつの海

    小山 晃

  • 夏海やガパオライスにひかる匙

    綾竹あんどれ

  • 大亀の骸匂うや夏の海

    恋瀬川三緒

  • ダブリンの古き灯台夏の海

    朶美子(えみこ)

  • 湿疹の脚をしづめて夏の海

    池 閑茶

  • 船窓に朝やまばゆき夏の海

    内田こと

  • 若者の肩甲骨や夏の海

    石塚彩楓

  • 夏の海がらがら声の監視員

    てまり

  • 分断とか言うな夏の海へ行け

    糸川ラッコ

  • ぐいと蹴る底から浮上夏の海

    三休

  • 足裏より還る太古よ夏の海

    伊藤 柚良

  • 夏の海きれいガマから這い出して

    平良嘉列乙

  • 夏のうみ休業中の造船所

    田辺ふみ

  • 夏の海・水ほかほかと耳を出る

    大紀直家

  • 民謡の流るるナポリ夏の海

    卯月紫乃

  • まりっぺのピアス眩しや夏の海

    三浦金物店

  • 夏の海小さな町のフィルムフェス

    亀山酔田

  • 夏の海堤防に脛ぶら下げて

    堀雅一

  • 夏の海父と投げ合う石かなた

    剣翔寺亜太琉

  • 夏の海姉の消息まだ不明

    ねむり猫

  • 生まれしは黎明の朝夏の海

    在在空空

  • ゆううつを浮力に任す夏の海

    素空

  • 夏の海風伯の手の忙しなく

    富士桜花

  • 知恵の輪のほどけてそこは夏の海

    剛海

  • 巫女バイト終へてまつすぐ夏の海

    綱川羽音

  • ひりひりとひかり砕けて夏の海

    でんでん琴女

  • 渋滞の真下きらきら夏の海

    夏湖乃

  • 喪服身じろぎもせず立つ夏の海

    犬山裕之

  • 夏海のひかりとは画用紙の白

    雨野理多

  • 美術部の放課後つづく夏の海

    花南天anne

  • シネコン抜け出し手ぶらの夏海へ

    オキザリス

  • 鎌倉の坂を駆け下り夏の海

    ヒマラヤで平謝り

  • 夏の海立ち漕ぎ五分の反抗期

    めりっさ

  • 宿の子の船の解説夏の海

    鈴白菜実

  • 夏の海少女の肩の銀の砂

    ほしのあお

  • 痴呆の祖母カカと笑いて夏の海

    しゃま

  • 夏の海たつた五人の合唱部

    梵庸子

  • 図書館のバイト始まり夏の海

    み藻砂

  • 空っぽの身を委ねるや夏の海

    森 翠

  • 夏の海まばゆし真砂女ゐるやうな

    幸田柝の音

  • 時刻表だけを鞄に夏の海

    いもがらぼくと

  • 夏の海勝手に開けていい扉

    片岡六子

  • 看護師の瞳に夏の海ひかる

    あたしは斜楽

  • B面の準備万端夏の海

    ろひさま

  • 爪痕は甘くて痛き夏の海

    抹茶子

  • どの窓も老女がひとり夏の海

    おきいふ

  • 復興道路一直線に夏の海

    月見柑

  • どこまでも続く悲しみ夏の海

    秋野茜

  • 夏の海暮れていよいよ昂ぶりぬ

    与志魚

  • 夏の海新潮文庫の村上春樹

    宮間ミヤマ

  • 夏の海ソユーズからも多分青

    鳥不驚

  • レモン色の水上飛行機夏の海

    るびちゅ

  • 乙女らや宗谷つめたき夏の海

    北藤詩旦

  • 夏の海観光課みな雨睨む

    くさ

  • 青旗の翻る朝夏の海

    菫久

  • 縄文の色めく夏の海まぶし

    愛燦燦

  • 更衣所の戸の傾ぎたる夏の海

    杜乃しずか

  • 夏海の浜へ異邦の塵の波

    藤咲大地

  • 背を向けて波を待つ子や夏の海

    くみくまマフラー

  • 夏の海父と二人の甲子園

    哲山 (山田 哲也)

  • どこからが空なの会議夏の海

    玉野汐音

  • 松葉杖横に眺むる夏の海

    はまゆう

  • 破戒僧遮二無二走る夏の海

    山田怠洋

  • 夏海に肉刺の足裏を剣道部

    多々良海月

  • 夏の海コインシャワーのひとしづく

    石塚碧葉

  • 夏の海見据え静かな監視員

    火炎幸彦

  • 夏の海スチール弦の撓む音

    虎堂吟雅

  • せがまれて足だけ浸す夏の海

    江藤薫

  • 夏海やどさどさ放る道衣袋

    足立智美

  • 椰子並木車窓広がる夏の海

    千葉睦女

  • 帆を置いていよいよ夏の海となる

    竹田むべ

  • 夏の海国後島はそこにある

    新濃 健

  • 海保とし父は帰らず夏の海

    田村利平

  • 夏の海夜光で洗ふ砂の城

    河本かおり

  • 夏の海かの喫茶店更地なり

    麗し

  • 海峡を脈打つごとく夏の海

    樹朋

  • 干し魚に隙間とてなき夏の海

    伊ナイトあさか

  • 鎌倉高校前踏切や夏の海

    明惟久里

  • ワグナーの第一幕を夏の海

    ふじこ

  • 夏の海鎮懐石は卵型

    まりい@木ノ芽

  • エンジンの焼き付く匂い夏の海

    ダック

  • 夏の海弥彦の森は佐渡望む

    ちびつぶぶどう

  • どぷどぷどぷっ夏の海製造機

    まるかじり

  • 「夏の海は好き」その三秒が好き

    井上のなめ

  • 夏の海かわたれ時の缶集め

    宮川武久

  • 顔長き犬は船首へ夏の海

    天風月日

  • 探偵マーロウ夏の浜まで来て読了

    帯壱

  • はるさんが描きたる夏の海は赤

    ことまと

  • ニノ糸の上ぐるじょんがら夏の海

    まるちゃんにいさん

  • 夏の海なんて聞かん気そうな雲

    登盛満

  • 海象の口笛遠き夏の海

    紺乃ひつじ

  • 夏の海ひとのくるぶしから描く

    高遠見上

  • 空中静止の女撮りたる夏の海

    元喜@木ノ芽

  • 夏の海青き車とゼミ仲間

    石岡女依

  • 迫り来る雲のゴジラや夏の海

    くずもち鹿之助

  • 護送車より見し夏の海黒なりや

    林 和寿

  • 恒河沙の光のつぶて夏の海

    三重丸

  • 索れば山ほどのカフェ夏の海

    伊予吟会 宵嵐

  • 二十五階の窓すべて夏の海

    紗羅ささら

  • 声割れる有線放送夏の海

    辻野 花

  • 夏の海夜の鼻腔に溜まる熱

    立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部

  • きみの吸ってる煙草をもらう夏の海

    Nakahara結月

  • 夏の海浮くより沈むもの多し

    葉村直

  • 夏海は足下船渠に打鋲音

    戸部紅屑

  • 夏の海碧し烏賊焼くアルバイト

    なしむらなし

  • 生鮮品積む実習船夏の海

    山羊座の千賀子

  • 老人の錨のタトゥー夏の海

    謙久

  • 刺青の肌の晴れ晴れ夏の海

    銀 次郎

  • 島唄と牛車の軋み夏の海

    国東町子

  • ゴミ捨てる子ら拾う子ら夏の海

    Q&A

  • 絶望に効く錠剤や夏の海

    広瀬 康

  • 船底のカーブ緩やか夏の海

    空木眠兎

  • ケータイとパソコン持ちて夏の海

    嶋田奈緒

  • 五メートル手前で燥ぐ夏の海

    瑠璃風ルリ子

  • コイーバを捨てては吸った夏の海

    早計層

  • 海底にボトル千本夏の海

    瀬央ありさ

  • 四万の植樹の松や夏の海

    葉るみ

  • 夏の海テトラポッドを積む角度

    木ぼこやしき

  • パズルめくテトラポッドや夏の海

    もりたきみ

  • 負けは負けです悔いはあります夏の海

    花紋

  • 教科書に載らないふたり夏の海

    みづちみわ

  • 夏の海託宣に一つ合わぬ島

    むらぴ

  • 神島は潮騒の島夏の海

    空木花風

  • 終点はサンタモニカの夏の海

    28あずきち

  • 夏の海風意図的に不平等

    来ヶ谷雪

  • 夏海にとけるエゴンシーレの指

    入口弘徳

  • ジーパンと同じ色なる夏の海

    海峯企鵝

  • 遠ざかるディーゼルの音夏の海

    暇禍

  • 少年ら進撃夏の海こうこう

    鷹星

  • 追悼のロッククライム夏の海

    原神 かたな

  • 砂粒も鮮やぎたるや夏の海

    大久保加州

  • 招霊花手向く娑婆や夏の海

    晴 aloha

  • 決めている、別れ話は夏の海

    ラーラ・K

  • 原付のふくらむシャツや夏の海

    笹間明明

  • 夏の海二十歳のわれとすれちがふ

    和泉穣

  • 担任も笑うと知った夏の海

    万葉剣

  • 夏の海乳を含ませ女立つ

    夏の町子

  • 白杖や足裏で観る夏の海

    佐藤烏有

  • 夏の海ちかしきものに死と光

    渋谷晶

  • 防風林途切れひらけた夏の海

    空流峰山

  • 客船はゆったり消える夏の海

    鳳凰美蓮

  • 臨時便そこの島まで夏の海

    いちご一会

  • 迫りくる砂・泡・太陽夏の海

  • 夏の海さっきまで風だった君

    ウカイケンタロウ

  • 第三幕のアリアのやうに夏の海

    野村起葉

  • 城壁はいま崩された夏の海

    あなぐまはる

  • 渓流や百キロ先は夏の海

    木染湧水

  • ウォーリーを探せスパーク夏の海

    蜥蜴の尻尾

  • 夏海や砂丘に朽ちる縄梯子

    南方日午

  • 旅宿の窓の高さや夏の海

    土屋ひこぼし

  • 夏の海にひたひたに浸かる正午

    伊予吟会 心嵐

  • 夏の海マイル表示の速度計

    渡部 あつし

  • 男らと櫂のしぶきや夏の海

    瞳子

  • 曳かれ行く乗馬の二三夏の海

    君島笑夢

  • 海峡の橋桁白し夏の海

    もふ美

  • 錆びかけの四駆の轍夏の海

    いなだはまち

  • 知床は未だ冷たき夏の海

    雅王

  • 嫌いだった父の好きだった夏の海

    西田武

  • 巻貝の奥の振り子や夏の海

    リーガル海苔助

  • 内腿の蝶々のタトゥー夏の海

    小笹いのり

  • ライフセーバー瞬き少な夏の海

    クロまま

  • 垂直な日差し健やか夏の海

    岸来夢

  • 事故数年柵の向こうの夏の海

    井田みち

  • 早番は夏の海付きだから好き

    ほしの有紀

  • 孤高の背岩場の翳の夏の海

    桂葉子

  • 夏海や四万キロメートル先へ

    旺上林加

  • 何もかも画布はみ出すや夏の海

    和泉攷

  • 夏の海ウエットスーツ干す苫屋

    加和志真

  • 夏海剥がれボロボロの靴でゐる

    小緑ふぇい

  • 夏の海去年とちがふカレー煮る

    梓弓

  • ニライカナイの光はまろし夏の海

    東田 一鮎@金カル

  • 夏の海造影剤の光る白

    あいのるみ

  • ご神火の絶えぬ孤島や夏の海

    妄児

  • 夏の海みなとみらいの温きスパ

    安寿

  • 祝砲や微かに乾く夏の海

    ふくじん

  • 夏の海工事は弾むあと三日

    出来筆樹

  • 手のひらに貝殻の熱夏の海

    定吉

  • むくむくと生えてくる島夏の海

    関津祐花

  • 青春てしょっぱいのバカ夏の海

    水蜜桃

  • 入射角0度藍より青き夏の海

    あなうさぎ

  • 垂直にもぐる島の子夏の海

    天陽ゆう

  • 百五段駆け下り飛び込む夏の海

    楽和音

  • シュノーケルの円き息吸ふ夏の海

    福良ちどり

  • 死者の匂い夏の海に堕ちてゆく

    伊藤辰弥

  • 夏の海まで3キロのサークルK

    矢橋

  • 夏海の空へケトルのホイッスル

    野瀬藻石子

  • 今日からはマリコと呼んで夏の海

    さとう菓子

  • ピンと張る犬のリードは夏海へ

    加藤栗庵

  • 丸めたるオレを吐き出す夏の海

    中島真珠

  • ナポレオンフィッシュぬうつと夏の海

    このみ杏仁

  • 夏の海見んと飛び乗る総武線

    ひだ岩魚

  • 父の背に絡みつく子や夏の海

    吉川花ほっぺ

  • サイパンの鸚鵡の記憶夏の海

    蒼鳩 薫

  • 息荒きライフセーバー夏の海

    うぢ一樹

  • 夏の海あの日のあをと今日のあを

    青空まる

  • 蒼穹の欠片しづかに夏の海

    やまさきゆみ

  • 夏海へ砂を掃き出す車掌かな

    ま猿

  • 島の子に案内されし夏の海

    一富士リリー

  • 八重山の島島どこも夏の海

    晴好 雨独     

  • 夏の海バドワイザーの噴き出して

    る・こんと

  • リア充は爆発しろよ夏の海

    瑞鬼羅

  • 夏の海朽ちたる船の水溜まり

    蘂六

  • 夏の海天壇青と印度藍

    パーネ・メローネ

  • 夏海や肉厚レタスの不調和

    橋本こはく

  • カッペリーニ軽やかに茹で夏の海

    梅鶏

  • 底のなき鈴のあかるさ夏の海

    五月闇

  • 夏の海溶け熱く照る盤陀かな

    夏目十貫

  • 砲弾を祀る境内夏の海

    はれまふよう

  • 聖堂より島影はるか夏の海

    たけぐち遊子

  • わがままそうな足ばっかりの夏の海

    アントワネット@ノエル

  • ディンギーや右往左往の夏の海

    やっせん坊 池上

  • 祖母の脈凪ぐやうに逝く夏の海

    云々 美雲

  • 沿線を途切れ途切れに夏の海

    松本裕子

  • 夏の海のびしろはまだきっとある

    青木りんどう

  • 過去形の交換日記夏の浜

    明神おぼろ月

  • 夏の海ひとつの瑕疵として私

    龍田山門

  • みやげ屋の黄色い電話夏の海

    海野碧

  • 頬杖の家族席から夏の海

    おんちゃん。

  • 翼の痕見せて飛び込む夏の海

    津島野イリス

  • 灯台を波頭の洗ふ夏の海

    塩野谷慎吾

  • 蛸壺の欠片並べし夏の海

    安春

  • 夏の海輝く島に着く喪服

    吉野川

  • 夏海へ告解室の開き切る

    オペラ座の俳人

  • 夏の海潮目の分かつ青と碧

    里山疎水

  • 早退の二時限目夏の海無口だ

    クラウド坂の上

  • 原潜を孕みて昏き夏の海

    きゆうもん@木の芽

  • 波待ちの君待つ夜明け夏の海

    神戸亜矢子

  • 声枯らすためのウォッカや夏の海

    吉行直人

  • はねあがるスーパーボール夏の海

    スモールちもこ

  • 老い人の沐浴に夏の海しずか

    吽田のう

  • 夏の海へ笛吹くライフジャケット

    うた歌妙

  • 夏海やチョークアートのサンセット

    ぐりぐら京子

  • 子規のパン噛じる城下の夏の海

    卑弥呼

  • 鵜潜りて碧濃くする夏の海

    越智空子

  • 夏の海黒々と星呑みこんで

    遥風

  • 紫電改覚む夏の海したたらせ

    夏草はむ

  • はしゃぎ合ふ発泡性の夏の海

    トポル

  • 夏の海モササウルスの出産日

    ときめき人

  • テトラポットに住む男有り夏の海

    小倉あんこ

  • ヘイタクシー飛ばせ昭和の夏の海

    酒井おかわり 

  • 夏の海木造二階建て校舎

    モッツァレラえのくし

  • 満天の星とらふ帆や夏の海

    うはのそら

  • 駆ける子の万有引力夏の海

    柳春街

  • 太陽も独りぼっちか夏の海

    浜友輔

  • 慰霊碑はパンダ舎裏や夏の海

    立石神流

  • 尿熱し蹼もなく夏の海

    長谷川水素

  • 山々は夏の海より生まれたり

    中鉢矢的

  • 夏海に主治医と釣りすきつね雨

    あるる

  • のらくろのビニールバッグ夏の海

    花咲明日香

  • 雨降れば雨の色なす夏の海

    中里 蛙星

  • 夏の海ぐにゃりと意志を曲げてみる

    茜むらさき

  • 夏の海ボールとメンソレータムと

    ほこ

  • 夏海にどすんと落つる大夕日

    森一平

  • 月曜のナビは夏の海を指す

    夏椿咲く

  • 形なきもので溢るる夏の海

    夏風かをる

  • 降る星の激しき夏の海にゐた

    植木 彩由

  • 父曰くあの日と同じ夏の海

    宮村土々

  • 鞍外し馬の背に浴ぶ夏の海

    杏是りゐ菜

  • 夏の海小5男子のバカが咲く

    斎藤さんけん

  • 夏海のひかりへ人であったもの

    久保田A

  • 網膜に黒き太陽夏の海

     どいつ薔芭

  • 夏の海ボート部は漕ぐ松傾く

    原水仙

  • 父の首にすがりて出航夏の海

    つづきののんき

  • 赫々と饐ゆるアミエビ夏の海

    染井つぐみ

  • 夏の海一人ぼつちを味わう日

    野口日記

  • 遺跡めく砂の堤や夏の海

    錆田水遊

  • 朝まだき鳥山黒き夏の海

    邦生

  • 夏の海島の女の太き眉

    秋沙美 洋

  • 心療内科の待ち合い室を夏の海

    コーヒー博士

  • 遠浅の背びれに騒ぐ夏の海

    余田酒梨

  • 車椅子走り出しさう夏の海

    服部 あや

  • うっそうと繁る道抜け夏の海

    博さん

  • ドイツ語の名の犬呼ばる夏の海

    山田菫舎

  • 太陽は鋭角な棘夏の海

    にゃん

  • また何か生みだしさうな夏の海

    笑松

  • 夏の海千の満帆追う鴎

    まー坊

  • 降車ボタン早め強めに夏の海

    カオス

  • 夏の海太陽融けてキャラメリゼ

    カルファルニヤの檸檬

  • 半島をスタンプラリー夏の海

    高市青柘榴

  • 夏の海ソロモンまでも翔べかもめ

    まぐのりあ@蚊帳のなか

  • 拡声器波連綿と夏の海

    佐藤 位相朗

  • 足をコンパスに円描く夏の浜

    河島 勇人

  • 精一杯もてなす落暉夏の海

    天東あさじ

  • 出できたる人みな夏の海かづき

    遠山比々き

  • 夏海も雲も臓器も拍動す

    島田あんず

  • 護衛艦の機首一列や夏の海

    たこぼうず

  • なつうみを北へバイクは立てたまま

    佐藤儒艮

  • 焼きそばを焼く為に居る夏の海

    季切少楽@いつき組広ブロ俳句部

  • 夏の海テロに未来は有りません

    理酔

  • 夏海へまんまんと伸ぶ拡声器

    三泊みなと

  • 叔母ん家はない夏海へは行かない

    たかみたかみ

  • 寝ころんでなんでか笑う夏の海

    さいとう歌月

  • 海鳥の貌してからす夏の海

    石井一草

  • 波寄せて岩礁定か夏の海

    上津 力

  • イヤホンを外して夏の海ゆらり

    安溶二

  • 明るくてすることなくて夏の海

    ウロ

  • トンネルの先に故郷夏の海

    荘司彩舟

  • 早退の男女四人の夏の海

    円美々

  • 子ら迎え漸う開く夏の海

    野々原ラピ

  • 夏の海明しサウナの個室の灯

    吟  梵

  • 夏の海浮かぶと雲の流れけり

    川上生煎

  • 暗礁の露わになりて夏の海

    塩風しーたん

  • 夏の海水底朽つる丸木舟

    村岡花風

  • 夏の海鳶は百ノットの螺旋

    橘鶫

  • 黒という派手な色あり夏の海

    西村小市

  • かたまりの自転車ひらく夏の海

    ベーグル

  • 両足のあはひや夏の海まぶし

    伊奈川富真乃

  • 夏海原へ魚群探知機点滅す

    黒蜜かりんとう

  • 母国語で名前呼ばれる夏の海

    GONZA

  • スナメリ語伝ことさら鹹い夏の海

    羽沖

  • 貝殻のここから先が夏の海

    空豆魚

  • おばちゃんは人魚でしたか夏の海

    佐藤香珠

  • 無重力夏海を覆すなら

    めいおう星

  • 夏の海水の粘度のからみ付く

    寺尾当卯

  • 夏の海見て引退を決意

    百鶏@ノエル

  • 生臭き夜の窪みや夏の浜

    高橋寅次

  • 夏の海駆け出す子ら追う臨時バス

    白井 佐登志

  • 船酔いの散骨夏の海昏し

    佐々木のはら

  • 背景でした熟年の夏の海

    司啓

  • 夏の海駆けて飛び乗る踊り子号

    中 兎波

  • 染色体じみた焼きそば夏の海

    瓦すずめ

  • ため息は群青夏の海は苦い

    猫髭かほり

  • 呼吸する波は爛れて夏の海

    亀田かつおぶし

  • 夏海やテトラポットに午後七時

    虎八花乙

  • 須磨駅は長い階段夏の海

    谷町百合乃 

  • 夏の海ふかしタバコのハイライト

    たま走哉

  • 夏海へ航平丸や父の船

    向原かは

  • 筏映ゆ志摩はあまねく夏の海

    柳絮

  • 補講なぞ空に任せむ夏の海

    あたなごっち

  • ギブスには小さなクジラ夏の海

    森中ことり

  • 失った分だけ夏の海にいる

    大黒とむとむ

  • 息つぎの口のおほぎやう夏の海

    みやま千樹

  • 青春の二百頁目夏の海

    柿司

  • 覚えたてハンドシグナル夏の海

    石井瑩

  • なつうみのしんとしづまる戦来て

    清白真冬

  • マイカーは廃車間近や夏の海

    姫川ひすい

  • 夏海へ急く若者は発光す

    中原柊ニ

  • 夏の海ざらつく胸の砂ひりり

    まこ@いつき組広ブロ俳句部

  • 合宿所の飲めぬ井戸水夏の海

    野井みこ

  • 夕照の帯は終章夏の海

    若林雛げし

  • 「死に至る病」読みかけ夏の海

    くま鶉

  • 緑青の巻ねじ拾う夏の海

    閑々鶏

  • 水牛のゆるる背中や夏の海

    さいたま水夢

  • 匂ひごとビーチバッグへ夏の海

    向日葵姐@いつき組広ブロ俳句部

  • 来客数グラフの高し夏の海

    秋月真

  • 夏の海傾け水牛海渡る

    安井コスモス

  • 夏海にはためく診断書は真白

    仁山かえる

  • 擦り剥いた膝とパズルと夏の海

    月岡方円

  • 危地を抜け的屋の皓歯夏の海

    海音寺ジョー

  • 夏海へ駆け込むみんな地球の子

    はんばぁぐ

  • 夏海を透かして淡きシーグラス

    久留里61

  • 鈍行の次のカーブで夏の海

    飛来 英

  • 知っているぬめりと思う夏の海

    稗田鈴二郎

  • 椰子の実の脳漿こぼす夏の海

    濃厚エッグタルト

  • 狙撃手の絶対いない夏の海

    小木さん

  • 漁船群しぶきを割って夏の海

    小川都

  • 夏海や草にふるびた物見台

    対馬清波

  • 合宿の激論青き夏の海

    みやかわけい子

  • 金色のアンクレットや夏の海

    高木音弥

  • セールに風俯瞰図となる夏の海

    真井とうか

  • 夏の海落書きいっぱいのギブス

    芍薬

  • 夏の海教え子の髪叱る母

    丹波らる

  • 脱衣所の蟹はよろめく夏の海

    快晴ノセカイ

  • 夏の海きれいな砂はフラのため

    七瀬ゆきこ

  • 気がつけば腹へっていた夏の海

    若井柳児

  • ニュースは苦し喧騒の夏の海

    ダンサーU-KI

  • 叫んでも谺にならず夏の海

    戸口のふっこ

  • ぶっ壊したくて夏海へ突っ込む

    高尾里甫

  • 塾へ行く視界の端の夏の海

    かゐみすず

  • 日和佐浦結願途上ノ夏海

    むったん@狐狸山会

  • 夏の海じふじぶ愚痴る貝喰らふ

    乙華散

  • 抽斗に入っていた夏の海ひとつ

    まなP

  • そこここに夜の燃えかす夏の海

    どみ どみそ

  • 爆音の機影は見えず夏の海

    一港

  • 夏の海胎動のごと波動来る

    細木さちこ

  • 潮光の総て尽せり夏の海

    さぶり

  • 夏海の暮れて浦島花子かな

    シュリ

  • 波の音鉛筆を折る夏の海

    さくらんぼ

  • 渋滞の右腕ひりり夏の海

    はなぶさあきら

  • 夏の海拾った瓶にHELPの字

    ミモリ

  • 夏の海錆し砲身草の中

    むじーじ

  • 夏の海屋台の影におばあちゃん

    いちご大福

  • 夏海や奇岩みな祈りのかたち

    一斤染乃

  • 転校生が飛びこんだ夏の海

    あやっぺ

  • 点灯のサルベージ船夏の海

    吉武茂る

  • 決断はいつも素早し夏の海

    岡井風紋

  • 突堤に座る踵を夏の海

    居並小

  • 対馬丸沈みし夏の海凪ぎて

    後藤三梅

  • 砂の坂走り登るや夏の海

    高山佳風

  • 求婚の手旗信号夏の海

    山吹なお

  • ホテルパシフィックの威容や夏の海

    狩谷わぐう

  • 夏の海猫と小蟹と常夜灯

    ひーたん@いつき組広ブロ俳句部

  • 錆びついた町の明るさ夏の海

    あつちやん

  • 光芒がニライカナイへ夏の海

    秋野木吾

  • 夏の海馬島沖に巨大船

    れんげ畑

  • 立て膝のタトゥーの女夏の海

    ふもふも

  • 船影の沖をたゆたふ夏の海

    新多

  • 夏のうみ青とは貧しき言葉なり

    真名女

  • 波止の端のざらつき蹴りて夏の海

    ペトロア

  • 軽トラにウェットスーツ夏の海

    大熊猫@四句八句

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