【並選】
夏の海ガラガラヘビのやうな嘘
朝倉カグラ
三陸に連なる墓標夏の海
津軽ちゃう
夏の海キュポラの街は静かなり
哲庵
岩影は冷たし夏の海白し
桃園ユキチ
夏の海溺れ続くる炉心かな
てるきち
夏の海歓声を消すヘリコプター
二郷京子
夏海の他人行儀な足裏かな
日々拓人
バンザイクリフ哭いたあの夏の海
原島ちび助
凱旋のごとく乗り込む夏の海
睦 陽花
夏の海ざくりと今日の弧を描く
真喜王
夏の海ライフセーバーのみ硬し
木村となえーる
夏の海あゝ竣工のプロジェクト
夜音 友
紙コップ重たし夏の海に熔岩
夕虹くすん
青函のフェリーに呑まれ夏の海
落句言
チャリで来る島の駐在夏の海
竜胆
駅長の御国訛りや夏の海
KII
夏海や車椅子の祖母は軽し
いくたドロップ
この先はコンビニあらず夏の海
いつか
シーグラス墓前に三つ夏の海
おたまじゃくし
カーステレオのながすロックや夏の海
かぬまっこ@木ノ芽
地味な子に断られたり夏の海
キッカワテツヤ
夏の海見た三割は駆け出した
けーい〇
夏の海沿いをしばらく道なりです
げばげば
夏の海切り裂くやうな右フック
コンフィ
イシダイの子はサンバソウ夏の海
さとマル
スニーカー脱いでカリプソ夏の海
ススキノ獅子扉
見るだけの夏の海へまた来ている
そまり
つり船の気だるき浮力夏の海
ぞんぬ
ディズニーの山は偽物夏の海
ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部
七匹の痩せ猫懐く夏の海
ナサケモノ
ガルウィングの赤き車や夏の海
ピアニシモ@金カル
静かなれ老夫漕ぎ出づ夏の海
ひすい風香
レーダーの船影西へ夏の海
ひでやん
夏の海水平線を高く引き
ヤヒロ
算術の答えは一つ夏の海
よかわもりお
夏の海官地無番地の海堡
わかしま荒巻
夏の海一回生の足踏み入れる
亜桜みかり@金カル
夏海の噴き出だしたる赫き月
阿部猪子
ガススタのバイトや夏の海眩し
芦幸
ゴム匂う夏の海へのアスファルト
芦内矢想
潮の香へ棚田千枚夏の海
安藝 卯月
波裏のトンネル眩し夏の海
一寸雄町
あのブイを回ってゴール夏の海
一走人
逆光に君の輪郭夏の海
一日一笑
夏海を眠つてこぽこぽと語る
鰯山陽大
腿ぬるくつま先寒し夏の海
羽織茶屋
複雑な波の立ち位置夏の海
永想
夏の海爪先立ちのサンルーフ
永田千春
はじかれて子等ぱつと散る夏の海
奥 亜樹
夏の海頬にざらざら苦き砂
黄鶺鴒
夏の海コンビナートの灯煌々
岡山小鞠
佐渡を指す日時計の棒夏の海
岡塚 敬芳
軽トラに犬だけ乗せて夏の海
可笑式
国後の峰は畏し夏の海
会津西原
落ち着きのない波ばかり夏の海
楽花生
夏の海へ浮かべば空の迫り来る
笠山静香
夏の海小島は雲を放ちたり
岩橋春海
夏の海歪んだ空に白い月
希布
見えて手を振るバスの子ら夏の海
亀田荒太
夏の海車窓に垂れる錆のみづ
吉川拓真
夏の海遠くなりゆく露西亜かな
吉田わさび
南洋の戦址遠きや夏の海
吉田竹織
でたらめなシーツの皺や夏の海
久蔵久蔵
ひと月のオーバーホール夏の海
宮坂暢介
この松の向こうは瓦礫夏の海
よみちとせ
原色の鳥の切手や夏の海
宮武濱女
千年の知恵の輪外れ夏の海
京野さち
捜索を告げるヘリの音夏の海
玉響雷子
生物の先生もゐる夏の海
月石 幸
夏の海展示遺稿の青インク
剣橋こじ
地引網ひく震災の夏の海
原颯太
鑑真は二重であつた夏の海
光峯霏々
貝殻の真白き道や夏の海
高田杏
拉麵のなるとの先を夏の海
黒子
エウロパの海底はきっと夏の海
黒田
少年のプラ模軍艦夏の海
ぐずみ
知床のしほはね辛し夏の海
佐伯仙明
夏の海短波にヤベえヲロシヤ語
坐花酔月
タンカー船右へ五センチ夏の海
菜々の花畑
空罐の落つる大渦夏の海
榊昭広
夏海男波見る体魄40kg
榊裕江子
夏の海おのおのの青春に死ね
三浦にゃじろう
夏の海みづはどこから碧になる
三月兎
終着駅近し車窓を夏の海
山川腎茶
鍵スマホあとは現地ぞ夏の海
山本先生
青色は闇と繋がり夏の海
市橋正俊
夏海の夕暮れ死角の拉致現場
紫鋼
夏の海とぎれとぎれに届く歌
朱契
夏の海パーカーのまま三時間
小だいふく
着信ありサイドミラーの夏の海
小川さゆみ
むあっとする風の顔突く夏の海
瑠璃星
夏の海向きてトラック横並び
小池博美
散骨のボサノバ揺らぐ夏の海
小池令香
夏の海内地の子らと光る朝
松山めゐ
夏の海は光の雨を受ける皿
上市まさ
跨線橋渡れば広き夏の海
上津 嘉子
本土へは週一便や夏の海
常盤あけび
なつのうみみんないつかはしぬんだし
新蕎麦句会・凪太
夏の海掴んだ腕のまだあかく
新城典午
夏の海クレーンの唸る大埠頭
森爺
カデンツァのソまで出そうな夏の海
神山やすこ
松林もうにほひ立つ夏の海
水木合歓
陰鬱な樹のトンネルを夏の海
澄海まさと
学ランと千円干して夏の海
世良日守
ひずみなきラッパ君が代夏の海
晴田そわか
息継ぎを習ひて夏の海に立つ
清水明美
夏海や臍の辺りで揺れる波
誠馬ノマド
鋼製の馬跨つて夏の海
石上あまね
夏の海カセットテープのマイベスト
雪音
群青石砕いて溶いて夏の海
千暁
夏の浜安足角のやはらかに
千歳みち乃
南は満目夏の海室戸
川岡すえよし
ぎこちなくパレオほどいて夏の海
霜田あゆ美
夏の海愛犬やけにおとなしく
村上継鳥
一滴のカフカの毒と夏の海
村上優貴
夏の海いかだ浮かべてトムソーヤ
村瀬っち
その女の静かに溶けて夏の海
多事
ランタンとラジオとポテチ夏の海
大小田忍
足音のあとの足跡夏の海
大塚迷路
夏海や旅の終わりのカチャーシー
大庭慈温
バスを待つ夏海の青減らしつつ
大和田美信
埋まりゆく踵眺むや夏の海
暖井むゆき
日曜の夏の海より実習生
竹内一二
夏の海恋の墓場があるといふ
中島走吟
朗らかに人が主食の夏の海
中島隆
夏の浜しゅたつと決むる宙返り
中里 凛
夏の海リュツクの傾ぐポンポン船
仲 操
貝洗う波の静けき夏の海
朝ぼらけ
女らの稼ぐ北限夏の海
津軽わさお
マンガッタンライナーのドアボタン押す夏の海
椿 佳香
夏の海何を悩んでたんだっけ
天野倖雪
包帯の戦ぐ屋上なつの海
田中ミノル
ふりむける顔みな影や夏の海
田中木江
たこ焼きを全部落として夏の海
田畑 整
ざっくりと蹠は裂けて夏の浜
冬のおこじょ
気が重い私のノートに夏の海
桃まんじゅう
三日月も人も溺れる夏の海
藤鷹圓哉
夏の海ひざまでスラックス手繰る
藤田ゆきまち
少年のハモニカみたいな夏の海
藤田康子
夏の海僕の居場所はどこだろう
奈良の真
追試後の坂道下る夏の海
那須のお漬物
隧道の煉瓦を夏の海響む
内藤羊皐
釣宿の手書き看板夏の海
如月ドロップ
ささくれたオールと血豆夏の海
萩野つき
夏の海昼はおにぎり十六個
白薔薇
夏の海膨らませたる朝の雨
八幡風花
昼と夜のあはひを凪ぐや夏の海
比良田トルコ石
砂を掘る犬の巻き尾や夏の海
緋乃捨楽
この星のまるみのあらは夏の海
樋口滑瓢
カルピスのピス弾けだす夏の海
百瀬はな
浜に喪服身じろぎもせず夏の海
不ニ山不ニ
咆哮の龍ひるがえる夏の海
富佐野ほろよい
夏の海夕陽の糸ひく鳥礫
風の鳥
暗記シートの下に革命夏の海
風早みつほ
波待ちの少年渇く夏の海
福岡参山
夏の海他人のボールへ急ぐパグ
野口真砂輝
夏の海パッカー車からオルゴール
西村青夏@金カル
露天風呂呑み込まれさう夏の海
文月あつみ
夏の海火傷の腕で作る飯
平としまる
きしゅきしゅとレンタサイクル夏の海
碧西里
ぬつと出るダイブの一団夏の海
峰 乱里
守れない約束の痕夏の海
望月朔
総務部長のくるぶし白き夏の海
牧野冴
サンドイッチは三角四角夏の海
満る
豪雨果て死臭を放つ夏の海
眠 睡花
坂上り昏るるや夏の海たひら
無弦奏
子を持たぬ決断夏の海あとに
佐野 明世
夏の海惜別の円陣は皆と
柳浦総師
海割るる前に脱出夏の海
椋本望生
どどどうと灯台洗ふ夏の海
祐
この石はあの日のカケラ夏の海
陽光樹
白砂や汽笛の先に夏の海
蓮風
島の名を病む父に問ふ夏の海
蓼蟲
脳内の変わらない曲夏の海
毛利尚人
夏の海水を入れては狙い撃つ
木下常和
行列の丼物三つ夏の海
野山遊
前蹴りや飛沫あげたる夏の海
野中泰風
親友の自殺願望夏の海
髙田祥聖
父の足やけに白くて夏の海
ひなた和佳
夏の海母はくろしほ父はおやしほ
矢嶋博士
隠岐近しとほし夏の海まっすぐ
のつり
畏まる長野ナンバー夏の海
花屋英利
夏の海兄早カレー食べ終へて
西川由野
オレンジの花と駅舎と夏の海
薮久美子
大盛の焼そば十個夏の海
岩本夏柿
真鶴は箱根の尻尾夏の海
星埜黴円
ざらついた影は重なり夏の海
城内幸江
夏の海居心地悪い鴎鳴く
紅紫あやめ
生きている人皆帰る夏の海
工藤雨読
鳥海の影は真青の夏の海
ぶうびい
水槽のマンボウのあくび夏の海
龍 桔花
夏の海売られる貝の異国もの
絵夢衷子
夏海や畳の香る助産院
下條ちりり
土踏まずから埋めてゆく夏の海
結壱隆月
夏の海へばる犬かの甲板手
種種番外
先生の分厚き手紙夏の海
由づる
スタンピードの如く光の夏の海
canopus.v
夏の海紺碧だけを吐き出して
石浜西夏
徒歩五分臨時停車場夏の海
広島 しずか80歳
ローカル線の縁取ってゆく夏の海
山内彩月
夏海の遠音に友の誰も寝ず
風慈音
夏の海子を抱く父は迷彩服
白鬚
駐車場わかりづらいし夏海青いし
北川颯
リアス線再開夏の海閑か
香依蒼
島影も船影も濃く夏の海
柚木みゆき
ブルキニの爪先ひたす夏の海
露草うづら
半島の工業地帯夏の海
二重格子
自転車の三角乗りや夏の海
上村風知草
夏の浜きみのかたちのくぼみかな
はぐれ杤餅
大いなるもの夏の海へと還りたり
前田麺
タンカーに軍艦マーチ夏の海
まんぷく
夏の海暮れて屋台にある余熱
恵勇
レッカー車の助手席高し夏の海
百瀬一兎
孤独だと夏の海にはばれてゐて
卓鐘
発電機の低音軋む夏の浜
白プロキオン
フルーツの挿さるストロー夏の海
俳句王
金山の剛き鉱夫や夏の海
どくだみ茶
カクテルに小さきパラソル夏の海
陽光
天気図はあっけらかんと夏の海
瀬尾白果
肉を焼く男以外は夏の海
北大路京介
パトカーの巡回二度目夏の海
山中 揚
咆哮も怒濤もなくて夏の海
あずさ ゆみ
よく知らぬ果実をもらふ夏の海
すりいぴい
この一歩波の起点や夏の海
宥光
ランナーの正しき呼吸夏の海
叶田屋
夏海やテトラポットの隙に渦
稲畑とりこ
とりあえずはしゃいでみなよ夏の海
梅井さきこ
夏の海ボリューム上げろ窓開けろ
洒落神戸
夜勤明けハンドル握り夏の海
菊池克己
小雨降るテラリウム越しの夏海
茂平次
夏の海ヒトは一枚皮である
雷紋
夏の海焦げて塩気のガードマン
和泉与六
夏の海どうせ届かぬ声ならば
灰田兵庫
遺骨なき小さき骨壺夏の海
立ち漕ぎブランコじゅん
手繰り寄せるアンカーロープ夏の海
としなり
夏海の乳の濃度にひかりけり
ぐでたまご
厨房の窓や暮れゆく夏の海
ノアノア
夏の海青き衝動果実熟る
青田奈央
蛸を刺す銛高くあげ夏の海
矢野貴子@金カル
夏の海砂山の砂2トン分
紫小寿々
夏の海午後四時半の駐車場
縁穐律
カセットが三周したね夏の海
えりいも
ぬめぬめと夜の絡めり夏の海
富山の露玉
夏の海犬をおまえと呼ぶ少女
ラガマフィン
カーナビの沈黙長し夏の海
きなこもち
丸刈のゐて夏の海完成す
弘友於泥
搭乗機の影くつきりと夏の海
みつれしづく
すつぴんにかつと日の射す夏の海
中根由起子
けだるきを砂軋むなり夏の海
武井かま猫
雲抜くやセスナ左舷を夏の海
池之端モルト
日輪を受諾し夏の海受胎
羊似妃
シュミーズの裾をしぼって夏の海
くぼたみどらー
ただしづか辞す桑年へ夏の海
透史
転校と言えず夏の海は午後へ
井原冴
夏の海渡島の船上へ飛沫
大津美
岩場では無垢で奇声の夏の海
中島京子
こそだてかふぇ窓いちめんの夏の海
緑の手
ぎりぎりを楽しむ二人夏の海
うに子
新弟子の走る階段夏の海
山城道霞
のびそうな浦島太郎夏の海
ツユマメ末っ子10歳@いつき組広ブロ俳句部
ゼスチュアにゼスチュア返す夏の海
霞山旅
夏海やシナーラの帆の夕映えて
sakur a.
オジサンが今日から家族夏の海
槌屋藤内
夏の海この煌めきは奇数です
東京堕天使
すらすらと仕留むフラッグ夏の浜
山河穂香
遠くがいいモヒート越しの夏の海
雪井苑生
火を囲むライフセーバー夏の海
清水 三雲
マンモスの化石を洗う夏の海
雨霧彦@木ノ芽
夏の海にぎはひ遠し昼の月
はまお
島影のふちまで青き夏の海
音羽凜
グレイヘアあおられるまま夏の海
絵十
塩レモンキャンディ夏の海眩し
広木登一
夏の海監視台の旗ばたた
中岡秀次
うつろひの止まったやうな夏の海
Dr.でぶ@いつき組広ブロ俳句部
ジュラルミンめく夏の海EEZ
克巳@夜のサングラス
歯は白きハレーションなり夏の海
黒麹 糀
求人誌すぐに閉ぢるや夏の海
へなけん
野次馬は崩れて夏の海がまた
古瀬まさあき
喉ごしの苦味のやうな夏の海
まどん
カルティエの指の元カノ夏の海
イエティ伊藤
大口を開けた夏の海へ落ちた
豆闌
ペグの穴埋めて終わりし夏の海
鳥羽南良
国道のゆるく曲がりて夏の海
ちかひか
遠浅の磯をめざすや夏の海
稲畑とりまる
夏の海上方からのソナー音
青柳修平
おひさまの絵具は油性夏の海
玉庭マサアキ
夏の海眩し五階の吾子微熱
栗田すずさん
バカンスの海豚来ている夏の海
釜眞手打ち蕎麦
夏の海くしゃとスタバの紙袋
アロイジオ
夏の海静かなるもの横たはる
久森ぎんう
夏海や砂漠の駱駝めくタンカー
堀口 房水
ほんとうのまっすぐを見た夏の海
かりかり久助
塩辛きトタンの家や夏の海
紫月 歪丸
恐れなき少女の脚よ夏の海
秋熊
夏の海同じ地層に貝と吾と
砂楽梨
太陽を横切る魚影夏の海
干しのいも子
ひと・ひとで・ひとでなしゐて夏の海
古賀
慶長のガレオン今朝の夏の海
森脩平
夏の海見ないふりする営業車
あみま
漫喫のダーツに飽きて夏の海
渡辺桃蓮
産卵や夏の海にもある孤独
富山湾
夏の海太陽近く岸遠く
銀紙
沖に立つ雲の観音夏の海
木寺 仙游
黒洞々粘るや夜の夏海は
しゃれこうべの妻
火葬終へ帰路の車窓の夏の海
石本コアラ
夏の海みやげはいつも鳩サブレ
古都 鈴
眩しくて千切る聖書よ夏の海
ほろろ。
夏の海テトラポッドの歩く音
畠山 悊央
バーガーの串抜く一気夏の海
いかちゃん
夏海を試す本日は晴天
西田月旦
流木で「翔べ」と落書き夏の海
みうら朱音
夏の海船首の犬は耳垂らし
千代 之人
たましひの轟音となる夏の海
文月
初めての無断欠勤夏の海
丹下京子
水上バイク軟派難破の夏の海
比良山
浮かぶもの浮かばざるもの夏の海
みどちゃん
夏の海広背筋の陰影よ
丸山隆子
夏の海忘れん坊のママだから
殿村則子
山塊の果てを果てなき夏の海
歩く鳥
ささくれし畳の匂ひ夏の海
ぱぷりかまめ
モーニング珈琲ぬるく気だるく夏の海
加藤尚茶
夏の海おかはり乞ふやうな舟屋
トウ甘藻
夏の海波越ゆる波に爆音
山田雅己
夏の海握り拳の隙間から
ぐりえぶらん
夏の海ひだりに眺め故郷へ
はごろも856
焼きそばよぎとぎと光れ夏の海
字土街海
はやる子を肩車せん夏の海
卯年のふみ
夏の海しどろもどろに鳴くかもめ
さくさく作物
歯車がどこかで狂う夏の海
神谷たくみ
布一枚隔つ乳房や夏の海
伊藤てまり
校章の異なるふたり夏の海
陽花天
夏の海テトラポットで姉2人
竜子@ノエル
夏の海父の通った焼き鳥屋
東原桜空
夏の海ひしゃげた標識と恋と
つきのひと
岬なる駄繰里の浜よ夏の海
京あられ
標識の矢印古び夏の海
公木正
夏海は戦争の色を知っている
村上右佐
はじき豆腰に結へて夏の海
大谷如水
こどもホスピスの大きな窓や夏の海
野ばら
休学の独り居夏の海を下車
石田将仁
夏の海ぐるぐる肩関節ふたつ
北野きのこ
きりきりと夏の海ふむ土ふまず
きのえのき
夏の海森の匂ひの雨がやみ
せり坊
夏の海叔父の自慢のご洋犬
ぽんぽこぴーな
ハイウェイ飛ばし明けゆく夏の海へ
太之方もり子
夏海やひとりっ子政策の国
藤白真語
先生に初めて会った夏の海
沙那夏
夏の海肩甲骨は飛ぶ形
妹のりこ
おもひでは遮光の箱の夏の海
主藤充子
この音は胎内の音なつの海
小山 晃
夏海やガパオライスにひかる匙
綾竹あんどれ
大亀の骸匂うや夏の海
恋瀬川三緒
ダブリンの古き灯台夏の海
朶美子(えみこ)
湿疹の脚をしづめて夏の海
池 閑茶
船窓に朝やまばゆき夏の海
内田こと
若者の肩甲骨や夏の海
石塚彩楓
夏の海がらがら声の監視員
てまり
分断とか言うな夏の海へ行け
糸川ラッコ
ぐいと蹴る底から浮上夏の海
三休
足裏より還る太古よ夏の海
伊藤 柚良
夏の海きれいガマから這い出して
平良嘉列乙
夏のうみ休業中の造船所
田辺ふみ
夏の海・水ほかほかと耳を出る
大紀直家
民謡の流るるナポリ夏の海
卯月紫乃
まりっぺのピアス眩しや夏の海
三浦金物店
夏の海小さな町のフィルムフェス
亀山酔田
夏の海堤防に脛ぶら下げて
堀雅一
夏の海父と投げ合う石かなた
剣翔寺亜太琉
夏の海姉の消息まだ不明
ねむり猫
生まれしは黎明の朝夏の海
在在空空
ゆううつを浮力に任す夏の海
素空
夏の海風伯の手の忙しなく
富士桜花
知恵の輪のほどけてそこは夏の海
剛海
巫女バイト終へてまつすぐ夏の海
綱川羽音
ひりひりとひかり砕けて夏の海
でんでん琴女
渋滞の真下きらきら夏の海
夏湖乃
喪服身じろぎもせず立つ夏の海
犬山裕之
夏海のひかりとは画用紙の白
雨野理多
美術部の放課後つづく夏の海
花南天anne
シネコン抜け出し手ぶらの夏海へ
オキザリス
鎌倉の坂を駆け下り夏の海
ヒマラヤで平謝り
夏の海立ち漕ぎ五分の反抗期
めりっさ
宿の子の船の解説夏の海
鈴白菜実
夏の海少女の肩の銀の砂
ほしのあお
痴呆の祖母カカと笑いて夏の海
しゃま
夏の海たつた五人の合唱部
梵庸子
図書館のバイト始まり夏の海
み藻砂
空っぽの身を委ねるや夏の海
森 翠
夏の海まばゆし真砂女ゐるやうな
幸田柝の音
時刻表だけを鞄に夏の海
いもがらぼくと
夏の海勝手に開けていい扉
片岡六子
看護師の瞳に夏の海ひかる
あたしは斜楽
B面の準備万端夏の海
ろひさま
爪痕は甘くて痛き夏の海
抹茶子
どの窓も老女がひとり夏の海
おきいふ
復興道路一直線に夏の海
月見柑
どこまでも続く悲しみ夏の海
秋野茜
夏の海暮れていよいよ昂ぶりぬ
与志魚
夏の海新潮文庫の村上春樹
宮間ミヤマ
夏の海ソユーズからも多分青
鳥不驚
レモン色の水上飛行機夏の海
るびちゅ
乙女らや宗谷つめたき夏の海
北藤詩旦
夏の海観光課みな雨睨む
くさ
青旗の翻る朝夏の海
菫久
縄文の色めく夏の海まぶし
愛燦燦
更衣所の戸の傾ぎたる夏の海
杜乃しずか
夏海の浜へ異邦の塵の波
藤咲大地
背を向けて波を待つ子や夏の海
くみくまマフラー
夏の海父と二人の甲子園
哲山 (山田 哲也)
どこからが空なの会議夏の海
玉野汐音
松葉杖横に眺むる夏の海
はまゆう
破戒僧遮二無二走る夏の海
山田怠洋
夏海に肉刺の足裏を剣道部
多々良海月
夏の海コインシャワーのひとしづく
石塚碧葉
夏の海見据え静かな監視員
火炎幸彦
夏の海スチール弦の撓む音
虎堂吟雅
せがまれて足だけ浸す夏の海
江藤薫
夏海やどさどさ放る道衣袋
足立智美
椰子並木車窓広がる夏の海
千葉睦女
帆を置いていよいよ夏の海となる
竹田むべ
夏の海国後島はそこにある
新濃 健
海保とし父は帰らず夏の海
田村利平
夏の海夜光で洗ふ砂の城
河本かおり
夏の海かの喫茶店更地なり
麗し
海峡を脈打つごとく夏の海
樹朋
干し魚に隙間とてなき夏の海
伊ナイトあさか
鎌倉高校前踏切や夏の海
明惟久里
ワグナーの第一幕を夏の海
ふじこ
夏の海鎮懐石は卵型
まりい@木ノ芽
エンジンの焼き付く匂い夏の海
ダック
夏の海弥彦の森は佐渡望む
ちびつぶぶどう
どぷどぷどぷっ夏の海製造機
まるかじり
「夏の海は好き」その三秒が好き
井上のなめ
夏の海かわたれ時の缶集め
宮川武久
顔長き犬は船首へ夏の海
天風月日
探偵マーロウ夏の浜まで来て読了
帯壱
はるさんが描きたる夏の海は赤
ことまと
ニノ糸の上ぐるじょんがら夏の海
まるちゃんにいさん
夏の海なんて聞かん気そうな雲
登盛満
海象の口笛遠き夏の海
紺乃ひつじ
夏の海ひとのくるぶしから描く
高遠見上
空中静止の女撮りたる夏の海
元喜@木ノ芽
夏の海青き車とゼミ仲間
石岡女依
迫り来る雲のゴジラや夏の海
くずもち鹿之助
護送車より見し夏の海黒なりや
林 和寿
恒河沙の光のつぶて夏の海
三重丸
索れば山ほどのカフェ夏の海
伊予吟会 宵嵐
二十五階の窓すべて夏の海
紗羅ささら
声割れる有線放送夏の海
辻野 花
夏の海夜の鼻腔に溜まる熱
立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部
きみの吸ってる煙草をもらう夏の海
Nakahara結月
夏の海浮くより沈むもの多し
葉村直
夏海は足下船渠に打鋲音
戸部紅屑
夏の海碧し烏賊焼くアルバイト
なしむらなし
生鮮品積む実習船夏の海
山羊座の千賀子
老人の錨のタトゥー夏の海
謙久
刺青の肌の晴れ晴れ夏の海
銀 次郎
島唄と牛車の軋み夏の海
国東町子
ゴミ捨てる子ら拾う子ら夏の海
Q&A
絶望に効く錠剤や夏の海
広瀬 康
船底のカーブ緩やか夏の海
空木眠兎
ケータイとパソコン持ちて夏の海
嶋田奈緒
五メートル手前で燥ぐ夏の海
瑠璃風ルリ子
コイーバを捨てては吸った夏の海
早計層
海底にボトル千本夏の海
瀬央ありさ
四万の植樹の松や夏の海
葉るみ
夏の海テトラポッドを積む角度
木ぼこやしき
パズルめくテトラポッドや夏の海
もりたきみ
負けは負けです悔いはあります夏の海
花紋
教科書に載らないふたり夏の海
みづちみわ
夏の海託宣に一つ合わぬ島
むらぴ
神島は潮騒の島夏の海
空木花風
終点はサンタモニカの夏の海
28あずきち
夏の海風意図的に不平等
来ヶ谷雪
夏海にとけるエゴンシーレの指
入口弘徳
ジーパンと同じ色なる夏の海
海峯企鵝
遠ざかるディーゼルの音夏の海
暇禍
少年ら進撃夏の海こうこう
鷹星
追悼のロッククライム夏の海
原神 かたな
砂粒も鮮やぎたるや夏の海
大久保加州
招霊花手向く娑婆や夏の海
晴 aloha
決めている、別れ話は夏の海
ラーラ・K
原付のふくらむシャツや夏の海
笹間明明
夏の海二十歳のわれとすれちがふ
和泉穣
担任も笑うと知った夏の海
万葉剣
夏の海乳を含ませ女立つ
夏の町子
白杖や足裏で観る夏の海
佐藤烏有
夏の海ちかしきものに死と光
渋谷晶
防風林途切れひらけた夏の海
空流峰山
客船はゆったり消える夏の海
鳳凰美蓮
臨時便そこの島まで夏の海
いちご一会
迫りくる砂・泡・太陽夏の海
直
夏の海さっきまで風だった君
ウカイケンタロウ
第三幕のアリアのやうに夏の海
野村起葉
城壁はいま崩された夏の海
あなぐまはる
渓流や百キロ先は夏の海
木染湧水
ウォーリーを探せスパーク夏の海
蜥蜴の尻尾
夏海や砂丘に朽ちる縄梯子
南方日午
旅宿の窓の高さや夏の海
土屋ひこぼし
夏の海にひたひたに浸かる正午
伊予吟会 心嵐
夏の海マイル表示の速度計
渡部 あつし
男らと櫂のしぶきや夏の海
瞳子
曳かれ行く乗馬の二三夏の海
君島笑夢
海峡の橋桁白し夏の海
もふ美
錆びかけの四駆の轍夏の海
いなだはまち
知床は未だ冷たき夏の海
雅王
嫌いだった父の好きだった夏の海
西田武
巻貝の奥の振り子や夏の海
リーガル海苔助
内腿の蝶々のタトゥー夏の海
小笹いのり
ライフセーバー瞬き少な夏の海
クロまま
垂直な日差し健やか夏の海
岸来夢
事故数年柵の向こうの夏の海
井田みち
早番は夏の海付きだから好き
ほしの有紀
孤高の背岩場の翳の夏の海
桂葉子
夏海や四万キロメートル先へ
旺上林加
何もかも画布はみ出すや夏の海
和泉攷
夏の海ウエットスーツ干す苫屋
加和志真
夏海剥がれボロボロの靴でゐる
小緑ふぇい
夏の海去年とちがふカレー煮る
梓弓
ニライカナイの光はまろし夏の海
東田 一鮎@金カル
夏の海造影剤の光る白
あいのるみ
ご神火の絶えぬ孤島や夏の海
妄児
夏の海みなとみらいの温きスパ
安寿
祝砲や微かに乾く夏の海
ふくじん
夏の海工事は弾むあと三日
出来筆樹
手のひらに貝殻の熱夏の海
定吉
むくむくと生えてくる島夏の海
関津祐花
青春てしょっぱいのバカ夏の海
水蜜桃
入射角0度藍より青き夏の海
あなうさぎ
垂直にもぐる島の子夏の海
天陽ゆう
百五段駆け下り飛び込む夏の海
楽和音
シュノーケルの円き息吸ふ夏の海
福良ちどり
死者の匂い夏の海に堕ちてゆく
伊藤辰弥
夏の海まで3キロのサークルK
矢橋
夏海の空へケトルのホイッスル
野瀬藻石子
今日からはマリコと呼んで夏の海
さとう菓子
ピンと張る犬のリードは夏海へ
加藤栗庵
丸めたるオレを吐き出す夏の海
中島真珠
ナポレオンフィッシュぬうつと夏の海
このみ杏仁
夏の海見んと飛び乗る総武線
ひだ岩魚
父の背に絡みつく子や夏の海
吉川花ほっぺ
サイパンの鸚鵡の記憶夏の海
蒼鳩 薫
息荒きライフセーバー夏の海
うぢ一樹
夏の海あの日のあをと今日のあを
青空まる
蒼穹の欠片しづかに夏の海
やまさきゆみ
夏海へ砂を掃き出す車掌かな
ま猿
島の子に案内されし夏の海
一富士リリー
八重山の島島どこも夏の海
晴好 雨独
夏の海バドワイザーの噴き出して
る・こんと
リア充は爆発しろよ夏の海
瑞鬼羅
夏の海朽ちたる船の水溜まり
蘂六
夏の海天壇青と印度藍
パーネ・メローネ
夏海や肉厚レタスの不調和
橋本こはく
カッペリーニ軽やかに茹で夏の海
梅鶏
底のなき鈴のあかるさ夏の海
五月闇
夏の海溶け熱く照る盤陀かな
夏目十貫
砲弾を祀る境内夏の海
はれまふよう
聖堂より島影はるか夏の海
たけぐち遊子
わがままそうな足ばっかりの夏の海
アントワネット@ノエル
ディンギーや右往左往の夏の海
やっせん坊 池上
祖母の脈凪ぐやうに逝く夏の海
云々 美雲
沿線を途切れ途切れに夏の海
松本裕子
夏の海のびしろはまだきっとある
青木りんどう
過去形の交換日記夏の浜
明神おぼろ月
夏の海ひとつの瑕疵として私
龍田山門
みやげ屋の黄色い電話夏の海
海野碧
頬杖の家族席から夏の海
おんちゃん。
翼の痕見せて飛び込む夏の海
津島野イリス
灯台を波頭の洗ふ夏の海
塩野谷慎吾
蛸壺の欠片並べし夏の海
安春
夏の海輝く島に着く喪服
吉野川
夏海へ告解室の開き切る
オペラ座の俳人
夏の海潮目の分かつ青と碧
里山疎水
早退の二時限目夏の海無口だ
クラウド坂の上
原潜を孕みて昏き夏の海
きゆうもん@木の芽
波待ちの君待つ夜明け夏の海
神戸亜矢子
声枯らすためのウォッカや夏の海
吉行直人
はねあがるスーパーボール夏の海
スモールちもこ
老い人の沐浴に夏の海しずか
吽田のう
夏の海へ笛吹くライフジャケット
うた歌妙
夏海やチョークアートのサンセット
ぐりぐら京子
子規のパン噛じる城下の夏の海
卑弥呼
鵜潜りて碧濃くする夏の海
越智空子
夏の海黒々と星呑みこんで
遥風
紫電改覚む夏の海したたらせ
夏草はむ
はしゃぎ合ふ発泡性の夏の海
トポル
夏の海モササウルスの出産日
ときめき人
テトラポットに住む男有り夏の海
小倉あんこ
ヘイタクシー飛ばせ昭和の夏の海
酒井おかわり
夏の海木造二階建て校舎
モッツァレラえのくし
満天の星とらふ帆や夏の海
うはのそら
駆ける子の万有引力夏の海
柳春街
太陽も独りぼっちか夏の海
浜友輔
慰霊碑はパンダ舎裏や夏の海
立石神流
尿熱し蹼もなく夏の海
長谷川水素
山々は夏の海より生まれたり
中鉢矢的
夏海に主治医と釣りすきつね雨
あるる
のらくろのビニールバッグ夏の海
花咲明日香
雨降れば雨の色なす夏の海
中里 蛙星
夏の海ぐにゃりと意志を曲げてみる
茜むらさき
夏の海ボールとメンソレータムと
ほこ
夏海にどすんと落つる大夕日
森一平
月曜のナビは夏の海を指す
夏椿咲く
形なきもので溢るる夏の海
夏風かをる
降る星の激しき夏の海にゐた
植木 彩由
父曰くあの日と同じ夏の海
宮村土々
鞍外し馬の背に浴ぶ夏の海
杏是りゐ菜
夏の海小5男子のバカが咲く
斎藤さんけん
夏海のひかりへ人であったもの
久保田A
網膜に黒き太陽夏の海
どいつ薔芭
夏の海ボート部は漕ぐ松傾く
原水仙
父の首にすがりて出航夏の海
つづきののんき
赫々と饐ゆるアミエビ夏の海
染井つぐみ
夏の海一人ぼつちを味わう日
野口日記
遺跡めく砂の堤や夏の海
錆田水遊
朝まだき鳥山黒き夏の海
邦生
夏の海島の女の太き眉
秋沙美 洋
心療内科の待ち合い室を夏の海
コーヒー博士
遠浅の背びれに騒ぐ夏の海
余田酒梨
車椅子走り出しさう夏の海
服部 あや
うっそうと繁る道抜け夏の海
博さん
ドイツ語の名の犬呼ばる夏の海
山田菫舎
太陽は鋭角な棘夏の海
にゃん
また何か生みだしさうな夏の海
笑松
夏の海千の満帆追う鴎
まー坊
降車ボタン早め強めに夏の海
カオス
夏の海太陽融けてキャラメリゼ
カルファルニヤの檸檬
半島をスタンプラリー夏の海
高市青柘榴
夏の海ソロモンまでも翔べかもめ
まぐのりあ@蚊帳のなか
拡声器波連綿と夏の海
佐藤 位相朗
足をコンパスに円描く夏の浜
河島 勇人
精一杯もてなす落暉夏の海
天東あさじ
出できたる人みな夏の海かづき
遠山比々き
夏海も雲も臓器も拍動す
島田あんず
護衛艦の機首一列や夏の海
たこぼうず
なつうみを北へバイクは立てたまま
佐藤儒艮
焼きそばを焼く為に居る夏の海
季切少楽@いつき組広ブロ俳句部
夏の海テロに未来は有りません
理酔
夏海へまんまんと伸ぶ拡声器
三泊みなと
叔母ん家はない夏海へは行かない
たかみたかみ
寝ころんでなんでか笑う夏の海
さいとう歌月
海鳥の貌してからす夏の海
石井一草
波寄せて岩礁定か夏の海
上津 力
イヤホンを外して夏の海ゆらり
安溶二
明るくてすることなくて夏の海
ウロ
トンネルの先に故郷夏の海
荘司彩舟
早退の男女四人の夏の海
円美々
子ら迎え漸う開く夏の海
野々原ラピ
夏の海明しサウナの個室の灯
吟 梵
夏の海浮かぶと雲の流れけり
川上生煎
暗礁の露わになりて夏の海
塩風しーたん
夏の海水底朽つる丸木舟
村岡花風
夏の海鳶は百ノットの螺旋
橘鶫
黒という派手な色あり夏の海
西村小市
かたまりの自転車ひらく夏の海
ベーグル
両足のあはひや夏の海まぶし
伊奈川富真乃
夏海原へ魚群探知機点滅す
黒蜜かりんとう
母国語で名前呼ばれる夏の海
GONZA
スナメリ語伝ことさら鹹い夏の海
羽沖
貝殻のここから先が夏の海
空豆魚
おばちゃんは人魚でしたか夏の海
佐藤香珠
無重力夏海を覆すなら
めいおう星
夏の海水の粘度のからみ付く
寺尾当卯
夏の海見て引退を決意
百鶏@ノエル
生臭き夜の窪みや夏の浜
高橋寅次
夏の海駆け出す子ら追う臨時バス
白井 佐登志
船酔いの散骨夏の海昏し
佐々木のはら
背景でした熟年の夏の海
司啓
夏の海駆けて飛び乗る踊り子号
中 兎波
染色体じみた焼きそば夏の海
瓦すずめ
ため息は群青夏の海は苦い
猫髭かほり
呼吸する波は爛れて夏の海
亀田かつおぶし
夏海やテトラポットに午後七時
虎八花乙
須磨駅は長い階段夏の海
谷町百合乃
夏の海ふかしタバコのハイライト
たま走哉
夏海へ航平丸や父の船
向原かは
筏映ゆ志摩はあまねく夏の海
柳絮
補講なぞ空に任せむ夏の海
あたなごっち
ギブスには小さなクジラ夏の海
森中ことり
失った分だけ夏の海にいる
大黒とむとむ
息つぎの口のおほぎやう夏の海
みやま千樹
青春の二百頁目夏の海
柿司
覚えたてハンドシグナル夏の海
石井瑩
なつうみのしんとしづまる戦来て
清白真冬
マイカーは廃車間近や夏の海
姫川ひすい
夏海へ急く若者は発光す
中原柊ニ
夏の海ざらつく胸の砂ひりり
まこ@いつき組広ブロ俳句部
合宿所の飲めぬ井戸水夏の海
野井みこ
夕照の帯は終章夏の海
若林雛げし
「死に至る病」読みかけ夏の海
くま鶉
緑青の巻ねじ拾う夏の海
閑々鶏
水牛のゆるる背中や夏の海
さいたま水夢
匂ひごとビーチバッグへ夏の海
向日葵姐@いつき組広ブロ俳句部
来客数グラフの高し夏の海
秋月真
夏の海傾け水牛海渡る
安井コスモス
夏海にはためく診断書は真白
仁山かえる
擦り剥いた膝とパズルと夏の海
月岡方円
危地を抜け的屋の皓歯夏の海
海音寺ジョー
夏海へ駆け込むみんな地球の子
はんばぁぐ
夏海を透かして淡きシーグラス
久留里61
鈍行の次のカーブで夏の海
飛来 英
知っているぬめりと思う夏の海
稗田鈴二郎
椰子の実の脳漿こぼす夏の海
濃厚エッグタルト
狙撃手の絶対いない夏の海
小木さん
漁船群しぶきを割って夏の海
小川都
夏海や草にふるびた物見台
対馬清波
合宿の激論青き夏の海
みやかわけい子
金色のアンクレットや夏の海
高木音弥
セールに風俯瞰図となる夏の海
真井とうか
夏の海落書きいっぱいのギブス
芍薬
夏の海教え子の髪叱る母
丹波らる
脱衣所の蟹はよろめく夏の海
快晴ノセカイ
夏の海きれいな砂はフラのため
七瀬ゆきこ
気がつけば腹へっていた夏の海
若井柳児
ニュースは苦し喧騒の夏の海
ダンサーU-KI
叫んでも谺にならず夏の海
戸口のふっこ
ぶっ壊したくて夏海へ突っ込む
高尾里甫
塾へ行く視界の端の夏の海
かゐみすず
日和佐浦結願途上ノ夏海
むったん@狐狸山会
夏の海じふじぶ愚痴る貝喰らふ
乙華散
抽斗に入っていた夏の海ひとつ
まなP
そこここに夜の燃えかす夏の海
どみ どみそ
爆音の機影は見えず夏の海
一港
夏の海胎動のごと波動来る
細木さちこ
潮光の総て尽せり夏の海
さぶり
夏海の暮れて浦島花子かな
シュリ
波の音鉛筆を折る夏の海
さくらんぼ
渋滞の右腕ひりり夏の海
はなぶさあきら
夏の海拾った瓶にHELPの字
ミモリ
夏の海錆し砲身草の中
むじーじ
夏の海屋台の影におばあちゃん
いちご大福
夏海や奇岩みな祈りのかたち
一斤染乃
転校生が飛びこんだ夏の海
あやっぺ
点灯のサルベージ船夏の海
吉武茂る
決断はいつも素早し夏の海
岡井風紋
突堤に座る踵を夏の海
居並小
対馬丸沈みし夏の海凪ぎて
後藤三梅
砂の坂走り登るや夏の海
高山佳風
求婚の手旗信号夏の海
山吹なお
ホテルパシフィックの威容や夏の海
狩谷わぐう
夏の海猫と小蟹と常夜灯
ひーたん@いつき組広ブロ俳句部
錆びついた町の明るさ夏の海
あつちやん
光芒がニライカナイへ夏の海
秋野木吾
夏の海馬島沖に巨大船
れんげ畑
立て膝のタトゥーの女夏の海
ふもふも
船影の沖をたゆたふ夏の海
新多
夏のうみ青とは貧しき言葉なり
真名女
波止の端のざらつき蹴りて夏の海
ペトロア
軽トラにウェットスーツ夏の海
大熊猫@四句八句
次回の兼題も
皆さまふるって投句してください。
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