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DIARY

一句から様々な読みが生まれる

2024.12.26お便り

選者・家藤正人さんのピックアップコメントを読んだ方から、素敵な感想をいただきました。
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●色鳥の、初級者、月曜日の解説で大関邦友さんの句「白秋のこどもの園や色鳥来」が、季重なりとして紹介されていましたが、これは北原白秋ではないでしょうか? 「白秋」という季語をご存じの方が、季重なりを分からない、ということは考えられないですし、色・鳥・子供ときたら、先ず連想されるのは北原白秋です。「あかいとりことり なぜなぜあかい あかいみをたべた(2番はしろ、3番はあお)」という大変有名な童謡がありますが、この作詞者は北原白秋です。この詩は、大正7年10月の『赤い鳥』に発表され、2年後に成田為三による曲が付きました。白秋は、この詩について、のちに「私の童謡の本源となるべき…たとへば、正風に於ける芭蕉の『古池』の吟の……」と述べています。白秋は、鈴木三重吉の『赤い鳥』に創刊号より参加し、「からたちの花」「あわて床屋」などの創作童謡を発表し、新作を募集し、新人童謡作家を育てました。また、わらべ歌の収集、マザーグースの初翻訳などの功績もあり、歌人のみならず、近代の子供文化に大きな足跡を残した人です。これらを思うと、前出の句は……北原白秋の作った子供たちの園に色鳥がやってくる……と解釈でき、広い世界と深い思いが感じられます。「白秋」を、一般の季語ととらえると……秋の子供公園に色鳥が来る……となり、ただの風景にしかなりません。「白秋は固有名詞ですよ」との説明があったならばと残念に思う次第です。/斉藤百女
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作者、読者、選者の先生方、三方の俳句を通した交流の場になることができて嬉しいです。
※たくさんのお便りをありがとうございました。皆で楽しく読ませていただいています。

写真タイトル:道後温泉本館 坊っちゃん団子・浴衣
写真参照元:https://dogo.jp/download

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