以下の①②については入選決定!
金曜日「優秀句」へのステップアップのためのヒントをご案内します。
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▼①【類想】
色鳥や迷彩哂うボヘミアン
井中蛙
落日に色鳥遊ぶ我が狭庭
放浪者
色鳥と葉の音楽しむ散歩道
ひらりん
色鳥やソプラノパート練習を
のんたん12才
色鳥やコーヒーの香の立つ朝餉
風間 爺句
平安の色目を模して色鳥は
呼幸
色鳥や雀見まごうシャッターきる
タカハシネコミサ
爺ちゃんに色鳥が来てピンクシャツ
あすか風
色鳥に負けずと今朝は紅をひく
横須賀うらが
色鳥に習うはぎれの色合わせ
秋乃涼
色鳥や私の服も弾んでる
齋藤コロンのママ
岩の上独り舞台の色鳥よ
黒瀬三保緑
色鳥や我も行きたし故郷へ
国崎 美栄
鳴き声に誘われたさき色鳥や
野の ねじ花
色鳥は一期一会と胸刻み
加藤茉莉花
色鳥とジェットトレイル何処から
久木 諷
わが庭に遊び来たりし色鳥か
境明穂
色鳥や若冲の絵を躍り出て
房州秋草
色鳥や何処まで行くの君の名は
かげろう
色鳥や渡り来りて豊潤に
萬充
ゴーギャンの絵画飛び出し色鳥来
淡海 なおあき
色鳥のいろとりどりに降り立ちぬ
松井龍髭
明けの水面に映る色鳥の帯
英子
鮮やかな飛ぶ宝石ぞ色鳥は
青木ひろくに
色鳥やまた来いやと父の声
夏野星一
葉の陰に花に見ゆるは色鳥の
槇 まこと
色鳥来隣の庭は荒れ果てて
朝日雫
色鳥や転入の日おしゃれして
ムーンさだこ
色鳥の色がこぼれる風の中
渡辺 あつし
立ちどまり色鳥の声さがす犬
岩見綾琴
色鳥が彩り豊かに馴染む空
柳原甲賀
登山道色鳥ちらりゆく樹冠
緑茶花
病室の開かない窓へ色鳥来
ピコリス
色鳥の姿目で追ふ窓の外
八代葡萄
早朝の色鳥つどふ過疎の町
家古谷 硯翠
色鳥の声聞きたくて山歩く
草堂Q幸
色鳥や御簾からのぞく衣のごと
阿波のコスモス
色見えぬ色鳥の声藪の中
青砥 転典
色鳥や声も賑やかウォッチング
小塚ちか丸
色鳥に亡き父母の思い馳す
涼風茜
色鳥の我も我もと飛びにけり
居 栄心
色鳥にウットリ心休めをり
桜井タケ女
色鳥や声なきままに庭に来
藤川雅子
色鳥やウキウキわくわく登校中
ウマーベラス
鮮やかに映える群れは色鳥か
船生伸一
色鳥の衣装華やか空を舞う
黒井 猫
葦の間に色鳥ちらり足止まる
二律胸張
色鳥の渡り来し里羽根休め
睡蓮 堤
色鳥や姿は見せぬ声はして
佐伯良吉
色鳥や枯山水に色を成し
石内宏明
豆画伯踊る筆先色鳥や
かごやまのじっちゃ
色鳥や今日一番のおしゃれ服
バーバラ
色鳥や今朝も訪ねる厨口
高木ひーちゃん
色鳥や心惑わし去って行く
高橋 基人
色鳥をそっと見守り朝散歩
かきのみなおき
狭庭に色鳥来たし名を知らず
春めだか
雨上がり色鳥遊ぶ朝の庭
愛笑桜
日毎来る色鳥の名は知らぬまま
キミネコちゃん樋口
狭き庭いろいろ色鳥かくれんぼ
山田桜
訪れぬシャッターチャンス色鳥や
浅井ひろ子
色鳥は美を高らかに宣言す
久生
望遠のカメラ狙うは色鳥よ
松原白士
色鳥や万国旗のもと駆ける吾子
堀江三拍子
聞かせてよ色鳥旅のダイアリー
秋桜清美
色鳥や病棟の窓たたきおり
可恵去
裏山の珍しき声色鳥来
吉野 可憐
色鳥で私のこころ元気になあれ
しゅまりあずき子
色鳥や雄は鮮やか赤い腹
岡田一竿
雨曇り紅一点の色鳥よ
紅のジーナ
色鳥の集う小径の端を往く
研亭
シャッター音気付く色鳥空高く
城扇尋
水面の一瞬カメラ射る色鳥
美佑紀まい
色鳥やすぐに見つかるかくれんぼ
草深みずほ
色鳥や廃墟の塀に羽休め
今乃武椪
枝うつりせわしき庭に色鳥来
飛島海道
色鳥の声につられる青空の
かたの遥琉
色鳥や乙女らの衣キラキラと
泉 葉月
色鳥やスタイリストの組み合わせ
山口直哉
一枚の羽根色鳥の忘れもの
藤原訓子
色鳥や望遠レンズの中に立つ
亀くみ
色鳥の色よこぼるる雲水面
田中みどり
通勤路色鳥戯る春木川
蓮田初老
色鳥や通りすぎずに側にいて
早朝おうか
風に乗り川面を滑る色鳥や
本田へのか
色鳥や双眼鏡手に森に入り
ローズ喜子
やはらかに色鳥動く草の上
白乃
色鳥やいろいろ色をはばたかせ
松和み
色鳥や山の小径に声を聞き
和
色鳥来土手に集くやカメラマン
ださんサン
色鳥来樹海にわかに華やげり
一谷いちにょ
シャガールの絵より出しか色鳥よ
山彦 てっせん
色鳥や次は私も連れてって
納平華帆
彩りし空に色鳥溶けにけり
井手白銀
色鳥や下校の子らの声近し
白川 錫鳴
森のキャンバス鮮やかに色鳥よ
今野喜良
色鳥の彩り絵巻ファインダー
山清
色鳥や枝から枝へ一っ飛び
古寺 憲子
色鳥の声を聴き分け足軽し
k幸女
色鳥にレンズを向ける日曜日
竹詩
色鳥やくちびるひとつ紅をさす
相沢雨
ほらあそこ老母ゆびさす色鳥や
墨染
色鳥やカメラ構える近き声
俳邦山
庭先に色鳥来たり猫も来たり
蔵豊政
色鳥の美しき色佇まい
夏川涼
色鳥やそろそろ来るあの川辺
久世わわ
色鳥に果実を幹に付けて待つ
田中亀子
色鳥も南や北へ紀行する
信行鈴起
色鳥や瞼に浮かぶ君の顔
泉 おじぎ
常盤木にワンポイントの色鳥来
長嶺阿蘇
色鳥の声を追いかけし祖父の目
十八番屋さつき
息止めてレンズの向こう色鳥よ
滝沢 樹里
色鳥のいろいろいろに里のかぜ
小島正見
色鳥の道分け進む朝散歩
四十 カラ
色鳥の仲良し姿ほほ笑まし
和気の住人
雨上がり軒の色鳥飛び立てり
野上紫功
色鳥や海峡渡り羽休め
新城 三九
色鳥が止まる木の葉の濃い緑
山崎鵜真
色鳥に見とれて我も装いて
春野桜草
高木に色鳥一羽一休み
太田桜
色鳥の声残りたる空は青
平原 碧子
色鳥のあるじのいない家にも来
南全星びぼ
色鳥や「しあわせ来たね」君が言う
海風ももみ
散歩道池に色鳥犬興奮
石川絵馬
色鳥や歩を止め見やる松葉杖
柴月冴
色鳥のあまた来るらむ裏の山
光顕
色鳥や枝描く筆止め眺む
松元春苑
色鳥が白黒世界に光射す
九条麗子
色鳥の色とりどりに来ては去る
青玄
坪庭に色鳥来たるテレワーク
村上熊子
色鳥や羽根休めする川浅し
水晶文旦
色鳥や天から宝石舞い降りき
野崎文明
園児らと色鳥の声時とまる
渡部かえる
ぱたぱたと駆ける幼子去る色鳥
泥砂礫
色鳥や陽を反射して鮮やかに
谷本真理子
色鳥よこのまま居てと君を待つ
千夜美笑夢
りんくうの色鳥とともに海を越え
播磨屋 明石
飛び去りし色鳥明日もまたおいで
河井 草臥
色鳥を図鑑に照らす孫の笑み
孤句狸翁
色鳥に挨拶される散歩道
藤中 雅
子が走る故郷の湖畔舞う色鳥
陽まま
都会に色鳥人は色取取
直休
色鳥や図鑑片手にズームイン
石黒なを子
色鳥やたゆたふ枝葉眺めおり
未生 蓮
日没の早まりしころ色鳥来
天鳥そら
色鳥の来て庭の吾子賑わし
加藤直瑶
色鳥が色とりどりに色めきて
三日余子・いつき組広ブロ俳句部
色鳥来赤や黄色がパスポート
桜島7号
息止めて色鳥迫るカメラマン
薩摩南風
色鳥や窓越し目見ゆ妻出逢う
森嶋ししく
色鳥の挨拶来たり父母の庭
春野ふう
朝告げる色鳥たちの名は知らず
高崎怪人
羽音の響く色鳥のかくれんぼ
西瓜頭
森閑の彩リ装う色鳥
ルピナス
赤い実を食べたか色鳥赤い腹
黒鶫
古里に戯れる色鳥羽休め
大塚鴨鷺
色鳥やシャガールの絵を飛び出して
澤木樹心
感性を磨け歌えよ色鳥よ
水引草
色鳥を望遠構え飛来待つ
ビッグネット
色鳥よ去り行く前にちぃと鳴き
日々黙々苺々
先駆けて色鳥染める野や山を
大泉竹芳
色鳥と私の犬とかけ足と
ライム
色鳥や空より青し羽根模様
空素
色鳥や初のスマホで盛る写真
坊平あきら
電線にポツンと実りし色鳥
月夜野釦
色鳥が寂しき岸辺賑わいを
日向 まお
色鳥を籠に入れたや浅はかに
陶豪
色鳥や野外フェスの推しカラー
花岡貝鈴
色鳥や望遠レンズでとらえたり
中川 鉄庵
色鳥や高空高く彩色来
大和キートン
図鑑広げ答え合わせの色鳥
嗣子孫々
色鳥の鳴き声尋ぬ集いかな
仁左衛門
色鳥やおかえりなさい待つ母へ
O’Hare 鹿互
色鳥や吾子の笑顔輝きて
小林れい
色鳥来夫婦ぐらしのわが庭や
矢澤 かなえ
色鳥や枝に映える衣着る
伊藤 ゆめ安
色鳥のこの空に合う色取りよ
季川詩音
無人駅色鳥一羽その青さ
朝日きりん
色鳥やビルの谷間に迷い来る
なにわのたらこ
色鳥や八分音符か電線に
藤つばき
色鳥の声に目覚める朝の庭
川中 英明
色鳥や早朝樹間忙しなく
佐藤根 雪華
色鳥の彩り空に舞い踊る
泉 早希子
病院に今日も行く我色鳥や
藤すみ
公園に色鳥の来てなつっこい
春の新々
見つけたよ里の色鳥吾子元気
泉北の石ヤン
色鳥も木の香草の香とりどりに
好陽晃
色鳥を数えて一人行く小沼
一春
色鳥のとりどりの声木のベンチ
長田秋華
色鳥が賑わう里の黄金色
いとう小枝
色鳥の羽根美しき虹のやう
流れ星
色鳥や待合室から見える庭
吉田かのこ
山路来て色鳥鳴くや渓深し
さふじわよ
木々の中色鳥がきてみえかくれ
翠善
見え隠れ立ち木に花かと色鳥よ
憂喜はるか
狭庭にも遊びにくるよ色鳥も
松原なぎさ
色鳥や今日という日を鮮やかに
優音
色鳥や子魚くわえ見えをきり
不来方杜声
色鳥が揺れて細枝次の枝
雨水 二三乃
色鳥来モリスの絵より抜け出して
松浦 姫りんご
色鳥に魅せられて家路忘るる
小田芙蓉子
色鳥やパリコレのよな水辺かな
吉河好
色鳥を双眼鏡で迎撃し
横井あらか
色鳥や羽は誰から貰うたか
ぴょんばぁ
色鳥やビルの隙間に見つけたり
小暮修
朝ぼらけ色鳥つどいかしましや
龍哉
雨上がり逼塞の庭色鳥来
花てまり
色鳥の声かまびすし葉隠れに
佐々木光風
色鳥の彩り雨後の空へ映ゆ
天海楓
色彩が心を包む色鳥の羽
てーや
色鳥に負けじと我も老木も
寺ゆた
色鳥やかの戦地にも渡ったか
吉成小骨
色鳥は一年振りに塀の上
中山十七庵
色鳥来楽しきことぞ一つふへ
tokisan
色鳥の影見ゆる樹よ葉のさやぐ
野の菫
色鳥や葉に見え隠れ山の中
中村止一
色鳥の羽舞う森の朝ぼらけ
野の花ぶんたん
色鳥やしばし小枝で小休止
虹野彼方
色鳥の空に溶けゆく青さかな
藤原涼
色鳥や青空笑い高く飛ぶ
宇都宮千瑞子
色鳥や一期一会に切り撮りて
渡部三星
色鳥や集う公園園児たち
桐山榮壽
季節には色鳥姿また追う目
高崎孝雄
母世話し花木小庭の色鳥
氷室東沙
どこからか色鳥の声散歩道
神 和幸
色鳥の好む枝あり庭の隅
佐藤史緒
我が庭に色鳥飛来福来る
雲井草舟
色鳥や見分けはつくが名は知らぬ
やしたあきら
色鳥や川面に写すその姿
玉治美
かくれんぼ街の色鳥声探し
山笑み
鍬置きて見上げる空に色鳥かな
古谷芳明
色鳥の吾と競うや後先に
よひら
枝ゆれた色鳥参上耳すます
未知女
色鳥や姿捉えぬ双眼鏡
杉山うつぎ
色鳥を窓越しに見る朝餉かな
k陽一郎
色鳥や青い空へと融けてゆく
由凛
色鳥や声のみ残し飛び去りぬ
陽介山
色鳥が飛び立つ川面シブキ立つ
舞子よしよし
新天地名前も知らぬ色鳥や
華楓
色鳥の名を問う眼キラキラと
桐山 野花
独り居の庭に色鳥ひと鳴きす
大家由美子
灰色の学校につと色鳥来
HeyHo
色鳥来歌へ遊べよ樹木葬
みっちゃん
嵐去り色鳥遊ぶ森の中
雪風静眠
色鳥の飛来の度にスマホかな
藤沢・マグネット
廃屋の庭賑やかや色鳥来
長澤創次郎
●ピックアップコメント:
初級・中級に関わらず、類想は似通ったものが集まります。
多くの種類の鳥が季語になっていますが、「色鳥」と他の鳥との一番の違いは「色」の字が持つ効果。この一字によって華やいだ光景、あるいは華やかなイメージを連想した人が多かったようです。
同時に、鳥類に対しての「飛ぶ」や「空」といった類想もたくさん。
たくさんの類想を見ることによって、自分の中に類想のデータベースが構築されていきます。今回見かけた発想のおかげで、陥りがちな類想も避けられるようになるかもしれません。
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▼②【文法の問題/つながる活用・切れる活用/助動詞と接続の要件】
丸多し英語のテスト色鳥来
デイジーキャンディー
山歩き汗目に沁みり色鳥来
小林抹茶
●ピックアップコメント:
頻出の文法チェックポイントをピックアップ。
デイジーキャンディーさんの句意としては「丸の多い英語のテスト」と言いたいのだろうと推察します。ですが「多し」は形容詞の終止形ですから、この部分で意味が切れてしまいます。「テスト」に意味を続けていきたいのであれば、連体形「多き」となります。
小林抹茶さんは「汗」と「色鳥」の季重なりという話はさておき……「沁みり」に文法上の問題を抱えています。動詞「沁む」に助動詞「り」が接続しているのですが、連用形「沁み」のままだと接続条件を満たせず「り」には接続できません。正しくは「沁めり」となります。
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明日から火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。入選句の評価は火、水、木(ステップアップのためのヒントに掲載分も含む)ともに同じランクです。順不同での掲載です。
そして金曜日は、初級者投句欄の優秀句発表です。
選者コメント
家藤正人選
みなさまこんにちは。初級の選者、家藤正人です。
月曜日は、入選にもう一歩という句をご紹介します。
・月曜日の「選者コメント」に掲載されている俳句については、作品検索はできません。
・月曜日の「ステップアップのためのヒント」に掲載された句、入選句、優秀句については作品検索が可能です。
月曜の「選者コメント」や「ステップアップのためのヒント」を参考に、目指せ金曜優秀句への道!!
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▼【季語なし&違う季語】
名月をカァーと切り裂き黒衣
大西百葵
星月夜足取り軽し君の留守
珊瑚樹茄子
ひつじ田にしらさぎの群れついばんで
すいふよう
夏茶房先ずは冷えたコーヒーを
工藤権
椋鳥に目覚め点滴が現実
樋口晴波
山路来て何のリズムかコゲラ居て
いちばほうすい
花鳥の尾一目見たしや首長く
越山静山
外野席に花鳥のありデーゲーム
ほなしゃあない
渡る鳥横たわる友の夢乗せて
君塚謙
赤とんぼ赤信号で舞い上がる
福田小さな花
身を任せ抗いながら秋水面
麻座輝貞
薄紅に秋の夕日が鷺を染め
晩楽
ジャズの音にふわりとアトリ夏じまい
吉野タガス子
彼岸花赤く染まるや夕鷺と
山川草木
2階窓電線目線小鳥来る
逢花菜子
コオロギの声にまぎれて煙まく
美音可憐
夕日差す花鶏の瞳に灯火
園田菜智
残暑にて夕暮早く気付けない
自知
椋鳥の集結ヒチコックの鳥
アクエリアスの水
連雀来ぬ不穏な空気の朝
乃奈
赤蜻蛉ふいっと避(よ)けるフロントガラス
楽生ばあば
明日また答えてカラス笛を吹く
南州 無雪
ギャギャと啼く青い鳥ともさがし
佐久間一茶
暦ずれひと月遅れや色の鳥
山田健蘭
●ピックアップコメント:
季語の入ってない句や違う季語が入ってしまっている句をピックアップ。
いろんな種類の鳥が登場しております。が、色鳥ではない鳥もたくさん紛れ込んでいるご様子。
兼題として季語が出題された場合は、その季語を一句に詠み込むのがルールです。
俳句ポスト365では各回の出題に全員が取り組むことで切磋琢磨を目指しております。
今募集中の兼題は、11月19日締切の「冬暖か」です。ご投句お待ちしてます。
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▼【季語の考え方/色鳥だけど色鳥じゃない】
背広の裏に色鳥のプリント。
谷 佳
色鳥を模して土産の笛になり
漆崎 明
手彫りの色鳥物産展で舞う
青い手まっちゃん
色鳥のお寿司華やぎ嬉しかり
たなか ゆきの
日暮れ時色鳥の如し空の色
きなこ
君という色鳥去っていき
あさき悠菜
色鳥のごとや走れる女童らの裾
栩々 万波
柄シャツで色鳥のごと初デート
ひとりこあら
色鳥の羽にも似たり父の服
花園 メイ
●ピックアップコメント:
「色鳥」の字は入っているものの、季語として扱って良いかビミョーな句をピックアップ。
色鳥の形を模した道具であったり、絵に描かれた色鳥であったり、あるいは色鳥のような○○と比喩に使っていた場合は季語としての力が限りなく薄くなります。
中には「色鳥の羽にも似たり父の服」など判断のビミョーなものもあります。色鳥を比喩に使いつつ、ひょっとしたらその場に本物の色鳥も同時に存在し得るかも……と、好意的に読みを拡充できなくもありませんが、原則としては色鳥そのものの句ではないと考えることになるかと思います。
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▼【季重なり】
色鳥が福運招く宵の月
永井瑞雲
季のうつり発つ色鳥は蝉と鳴く
中野達治
色鳥や囲む大鍋いも煮会
はね花
秋風に葉をば散らす色鳥の舞
棕蘇露鉄
エサ求め色鳥達が稲の上
JUN
夕焼けや一子乱れず色鳥の舞い
北野順
色鳥が夏の終わりのから騒ぎ
ゆう
天高く秋の訪れ色鳥の声
寺尾銀次
湖の水面色鳥朝寒し
南行
色鳥を囀りより見付く我もカーキ色
星野みゆみさき母
色鳥や9月初めのランドセル
春田あかね
色鳥が来ない町にも赤とんぼ
南とまと
雷鳴に咲き急ぐ傘色鳥や
橘高れんこん
色鳥の休む手賀沼夕焼け空
手賀沼亭ロン山人
色鳥の澄んだ音色や空高し
橋本志津
九月の廃校鉄棒に停まる色鳥
池田江狛
色鳥にも想像だにしない蒸し暑さ
若 勇林
色鳥の揺らした梢木の実落つ
梅街 はるき
色鳥来まだ行列のかき氷
チョコの母
色鳥は色無き風にのりて来と
夢野
色鳥の弾むさえずりパステル画
田中 ゆきの
枯れ木に花よ色鳥集い鈴緒引く
榛葉 静李
色鳥という兼題でむしろ秋を知り
若勇林
色鳥の玉虫遊ぶ機の下
葦の丸屋
白秋のこどもの園や色鳥来
大関 邦友
●ピックアップコメント:
一句の中に複数の季語が入っている状態を季重なりと呼びます。
なかには「白秋のこどもの園や色鳥来」のように悩ましいものもあります。秋の時候の季語「白秋」なのか、それとも歌人の「北原白秋」か? 句の内容的に前者だろうとは思いつつ、嗚呼そうなると季重なりになってしまうのよ~(泣)。
季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ! というわけではありませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。
ここに紹介した以外にも季重なりの句はあり、火曜日以降に紹介される場合もありますが、比較的許容しやすい季重なりとして受け止めているものもあります。
やはりまずは、一句一季語からコツコツ練習して参りましょう。
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▼【来月もまた会おう!】
バーチャルの時空飛び交う色鳥や
月の光子
『色鳥や』空書きの文字風に舞う
高田コブシ
色鳥の庭木に笑い灯しけり
英判子
木々止まる色鳥一羽華やかに
かなこ
色鳥のうた電線からのぞく月
池上 枝葉
色鳥や畑耕す空かなた
斑鳩 廉
乾電池捨てに色鳥支所の前
太田怒忘
色鳥や手球空振る初デート
フルスイングトモライザー
ハレの日や色鳥の羽重ね衿
たむらままこ
色鳥に一索待つや国士無双
鯨之
星を読む空に色鳥海に船
小谷青葉
骨の背を流すシャボンの色鳥か
鈴木百雀
色鳥や木立の中で恋話
宝松苑
色鳥や渡り来たりし翼の華奢
閑里院 鮮墨
色鳥の羽添えた文頬染める
中野京美
色鳥や鮮しゆるるドアのベル
春日 月秋
色鳥や箪笥開ければ母に似て
鈴木秋紫
試合の日色鳥に負けぬユニフォーム達
生姜茗荷
色鳥一斉ぷかぷか湖面に浮くお尻
深草 くう
デコポンの木々に色鳥二羽三羽
亀谷17
バトゥカーダノって色鳥サンバ・ノ・ペ
前田八一九
色鳥でマイグレーションピリオドべき訪ねる
まなさ
色鳥と呼べぬ捨て場のカラスかな
水タマリ
騒がしく夕空色鳥トンボかな
夜ツ星シズク
迷言やメッキ剥がれし色鳥よ
森本 悪夢
赤黄の羽ステージの色鳥よ
越佳
孫生に色鳥群れてたわむれる
静御前
どんぶりに「のりたま」振って色鳥の
桃の海
病室の千の色鳥日焼けして
華生華名
恋慕したミニスカートは色鳥や
三杏樹
色鳥に問ふ「?」色鳥答ふ「!」
くちなしの香
孫来た部屋三羽の色鳥たちよ
神戸 美優
色鳥の残せし羽根をブローチに
五色園 豊美
マツエクとカラコンで色鳥ビーム
ガーランド那智蔵
吾子との散歩澄んだ空と色鳥
治爺
求愛の呼応はやまず色鳥や
いちの
チェキをせがむアイドル色鳥や
をいなり
色鳥と見間違うたび瞬きす
小川ゆう
色鳥に託す頼りや伊良湖崎
松本マンボウ
色鳥や一足に空染めて
萩野梅雨
色鳥や人を恋ひする瞳もち
しみず楽土
色鳥の切手に託す茶封筒
佐々木さわら
色鳥の池に散らばる恋模様
くらきまあこ
ハイビーム色鳥の黒目帰り道
始蛙
色鳥の渡り散らかり銃の音
馬牛
色鳥と遊ぶ夢みや青いソラ
稲江戸一
色鳥やブランコを漕ぐ子どもたち
沖優
色鳥や求愛激しブレイキン
新居浜西・かたじん
養鶏場スイミーの目の色鳥よ
尾曲古鳥
タイシルク纏てみれば色鳥や
柳狗愛
色鳥にすかした君に目を奪われ
初瀬 咲乃
たがやせば色鳥降りる共仕事
竹内 喜和
色鳥の波紋暮るる鏡池
高山 夕灯
色鳥の着物帯揚げ青よ
ただのごろちゃん
色鳥の嘴わづか穂高岳
小林脱太郎
色鳥に聞くや父魂の在る場所を
恕寂寥
還暦は人生多岐の色鳥か
福田碩風
色鳥やハロウィン競う羽飾り
はまゆう紬
●ピックアップコメント:
投句してくれてありがとう!
まずはしっかり「色鳥」をいれた投句をしてくれてうれしい。これから一歩一歩学んでいきましょう。今募集中の兼題は、11月19日締切の「冬暖か」です。これからの投句も楽しみにしています。
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▼【入力にはお気を付けて】
彩鳥来群飛の形恐竜似
六甲桜
色鳥やいつも眠ている不眠症
かめよかめ
色鳥と走る我が子とは音かな
来年就職男
●ピックアップコメント:
入力や変換が気がかりな句をピックアップ。
六甲桜さんの句は「彩鳥」となっています。「色鳥」のはずが「彩(いろどり)」になっちゃった?
かめよかめさんは「眠ている」。「眠っている」の「っ」が抜け落ちたか、あるいは「寝ている」の変換に失敗した?
来年就職男さんの「は音」は意図的なもので、解釈は任せます、と注釈がありました。色鳥の「羽音」、あるいは子が緑をかきわけて走る「葉音」でしょうか。直前に助詞「と」があるため、「我が子とは音」である、という詩的定義だと読めなくもないのがさらに悩みを深くさせます。
※今回の兼題「色鳥」初級者投句欄へのご投句は、投句数3810句、投句人数1554人となりました。