広木登一
綾瀬涼
大久保五兆
マキコのねこ
矢口知
山中陽子
大塚 幸
玉響雷子
カンガルーのしっぽ
小倉あんこ
朱夏A
眠兎
市橋正俊
工藤悠久
もりさわ
鷺沼くぬぎ
喜祝音
高山たーちゃん
速水渓雪
侍真満陽陰
岸来夢
鈴木直丁
小熊 利雄
ヤモリ
瓦すずめ
久美
木染湧水
諏訪ヤス子
田中舵郎
升 丁茶
高倉麻呂助
長ズボンおじさん
魔女のひすい
土方雪駄
高田翠穂
鱫水草央
空野千鶴
大庭慈温
野倉夕緋
ルイボス茶
主藤充子
小迫さこ
定吉
瀬尾白果
夢雨似夜
あなぐまはる
瀬尾白果
魔女のひすい
青色鳥子
石上あまね
高頼かづき
鵺駿明
桃香
アロイジオ
真井とうか
熊本 与志朗
鷹星
西川由野
西川由野
桔梗
玉響雷子
中村すじこ
葉るみ
鶴岡木の葉
柳生うっかり十兵衛
みくにく
駒水一生
雪音
熊本 与志朗
金野はるか
選者コメント
家藤正人選
金曜日掲載句は中級への昇級の目安。中でも特に目を惹く優秀句についてピックアップコメントをお届けします。
取り合わせの面白さでは「藝大遠く蛇の卵の丸きこと 大久保五兆」も佳句でした。憧れの「藝大」は遠い目標。デッサンに観察しているのは蛇の産み落とす「卵」。「丸きこと」は「なんと丸きことよ」という賛嘆の意味も含んでいます。細い蛇の身から産み落とされる卵の艶やかな生命。
「蛇搏ちしわれの心に暗き森 綾瀬涼」はおそろしい心の暗がりに惹きつけられます。その心象をもたらす原因になった上五「蛇搏ちし」は過去の出来事。手で打った蛇のぐにゃりと生きた肉の感触がいつまでも心を脅かします。
「残香をまさぐる蛇の舌あまし 広木登一」は「蛇の舌」だけに焦点を絞り、その動きの描写に徹しています。自分の眼球が捉えた映像に加え、作者ならではの感覚の溶かし込み方が魅力です。さっきまで獲物が存在した空間でしょうか。残り香のさぞあまそうで、蠱惑的な舌。
いずれもお見事でした。自信がついたら中級にもぜひ挑戦してみましょう!