外鴨南菊
きしん12才
麦のパパ
あおい結月
Karino
可秘跳
リコピン
胡桃ぼたん
野点さわ
せとみのこ
磯むつみ
松 山陽兵
みくにく
井仲めい
黒猫かずこ
さふぁい庵
高頼かづき
青木みかん
中平保志
彫刻刀
長月晴日
帝菜
蓮田忍
髙橋好美
岳 ゼン
ねうねうこ
金田由香
みっちゃん
藤井天晴
小川しめじ
唯果
風間 燈華
香田 野分
森嶋 理子
カバ先生
水野 寿香
十月小萩
千原 十吾
室井双月
でんきゅう
小田緑萌
篭山眺望
白月 かなで
神谷元紀
味噌山鱶
麦吉
亀亀子
樋口滑瓢
東歩
なつふじ
風虎
川魚鮎
キートスばんじょうし
せんだ ゆう
だがし菓子
ひな子桃青
音羽実 朱夏
喜祝音
南 楕円
八田昌代
望月 円
北欧小町
鈴木秋紫
阿波の安藝
藍創千悠子
蒼空蒼子
ギボウシ金森
あらせもんじ
中藤古希
ここあ10才
選者コメント
家藤正人選
初級コースの金曜日掲載は中級への昇級の目安。中でも特に目を惹く句についてピックアップコメントをお届けします。
「伴走のペース明るく落葉踏む あおい結月」
マラソンや自転車競技などで選手と共に走る「伴走」。この句の場合は下五から察してマラソンでしょう。重く引きずるような足音ではなく、そのペースは溌剌と明るく路面の落葉を踏んでいきます。「明るく」が音・状況・心理、全ての好調さを予感させて気持ち良い中七です。
「ブックオフに本がねぇじゃん落葉風 きしん12才」
聞き覚えのあるCMのセリフからの一句かもしれません。まず、日常の言葉へ12歳の作者がアンテナをはっていることを評価したいところ。乱暴気味な言葉遣いがつい出てきてしまう状況に共感するやら笑えるやら。中古の本屋に探しにきたものの、お目当ての本は見つからず。しかも道中は木から葉を落とすような寒々とした落葉風の一日です。なーんにも手に入らないままもう一度来た道を戻る侘しさといったら耐えがたいものがあります。嗚呼、やるせない落葉風。
「じゅじゃと踏む水の匂いの落葉かな 外鴨南菊」
「じゅじゃ」は濡れた落葉を踏んだ感触のオノマトペ。今回は誰もが体験した記憶のある季語だっただけに多くの擬音語・擬態語が寄せられましたが「じゅじゃ」は実にリアリティとオリジナリティがあります。まだ新しい落葉と古い落葉が共に足裏で潰れる感触。一歩ごとに足下から立ち上る匂いを捉える俳人センサーが秀逸です。
「一封の手紙へたぐひなき落葉 麦のパパ」
手紙や本と落葉の取り合わせは多数ありました。その中で掲句が抜きん出たのは要所での言葉の押さえ方。特別な「一封」だからこそ「たぐひなき」一枚を選び、同封しようとする。完璧な色と形を保った落葉と出会った高揚と、それを誰かに伝えようとする素朴な幸福。麦のパパさんからは「自選する能力をしっかりと付けなければ中級へ進めないと思い、今回から一句出しです!」とコメントも。自選眼、バッチリです!
いずれもお見事でした。自信がついたら中級にもぜひ挑戦してみましょう!