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初級者結果発表

2022年11月20日週の兼題

落葉

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選までもう一歩】

選者コメント

家藤正人

みなさまこんにちは。初級の選者、家藤正人です。

月曜日は、入選にもう一歩という句をご紹介します。

・月曜日の「選者コメント」に掲載されている俳句については、作品検索はできません。

・月曜日の「ステップアップのためのヒント」に掲載された句、入選句、優秀句については作品検索が可能です。

月曜の「選者コメント」や「ステップアップのためのヒント」を参考に、目指せ金曜優秀句への道!!


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▼【季語なし&違う季語】

イチョウ踏み上野行く人歩や軽く

おじさんまーくん


歩くことイエローカーペット我主役

ながりん


待ち合わせ珈琲彩る朽葉色

黄昏草太郎


言の葉も操縦不能ディスタンス

上野いずみ


素晴らしき色付け葉落とす見えぬ力よ

星月夜英彩


歩みだす道すがらの葉がないている

石井洋


火を保つ葉を焼き時間枝探す

落葉風


銀座並木一流品と恋い焦がれ

立香


冬の暮烏の群れと紅き玉

佐々木 霜竜


赤が無し賀正飾り南天実

bond


醸さるる銀杏落葉よ社屋前

さおきち


手拾いす庭一面の朴落葉

つたば海蘭


冬銀河街頭ビジョンを背に歩く

ナムルの和え物


枯葉舞ふ母を乗せたる車椅子

一の介


銀杏落葉足音とあそぶ幼き子

英 凡水


ピザ釜に焼き芋香る冬ぬくし

岩坪 一空


ふかふかと庭いっぱいに柿落葉

桜和百喜子


小雪降る出会ってごめん山兎

山野かさご


晴れ舞台過ぎ去った日々枯葉散る

小野 路歌


山肌に残り火程の紅葉かな

森脇レイ


日だまりに重なりあって竹落葉

大塚鴨鷺


秋の雨朽葉溶かして地に還す

谷口 黎音


運命とも風に諍う柿紅葉

池上転石


ハイビーム銀杏落葉をサーチ中

鳥瑛 羽乃


柿落葉掃く頃に減る庭仕事

湯 華名


庭掃除紅葉の赤さあざやかに。

馬越丹色(ウマコシニイロ)


銀杏落葉イルミネーション点灯

平野佳音


皇帝ダリア空にそびえるふゆじたく

麻座輝貞


ヒラヒラと舞い落ちたりて桜紅葉

末村ピロキ


萌えた葉も色褪せ落ちぬ鯉の池


冬うらら堆肥作りて笑顔咲く

薫風子


●ピックアップコメント:

季語の入ってない句や違う季語が入ってしまっている句をピックアップ。

「柿落葉」「銀杏落葉」「朴落葉」など、具体的な木の名前が入った場合、それ単体で独自の季語となっている場合があります。そうなると今回の兼題「落葉」からは離れてしまうというわけです。

「竹落葉」の例もありますが、こちらは夏の季語。

その他、似て非なる季語「枯葉」での投句も見受けられました。

各回の出題に全員が取り組むことで切磋琢磨を目指しております。

今募集中の兼題は、2月19日締切の「鳥雲に入る」です。ご投句お待ちしてます。


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▼【季重なり】

ふかふかの落葉にシャラシャラ初雪や

GGG


秋終わり落ち葉ヒラヒラ落ちてゆく

アーニャ


落葉見て冬の足音探してる

カッティング山田


厳冬の落葉散って山眠る

雲隠


落葉に裸木枝諦めた秋茜

外 海


冬の風こたつに入り落葉ちる

七海


寒さ来て落ち葉山見て散りにけり

清水春風


田は広し白鳥一羽落葉舞う

石巻のふみちゃん


落葉の緞帳下りて冬来たる

石出雅英


●ピックアップコメント:

一句の中に複数の季語が入っている状態を季重なりと呼びます。

落葉が降ってくる、あるいは積もっている様をみて「秋も終わりだなあ」「冬が来るなあ」と感じる。それ自体はまさに季語によって季節を感じることそのものなのですが……「秋」「冬」などを十七音に同居させてしまうと季重なりなのであります。

季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ! というわけではありませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。

ここに紹介した以外にも季重なりの句はあり、火曜日以降に紹介される場合もありますが、比較的許容しやすい季重なりとして受け止めています。

やはりまずは、一句一季語からコツコツ練習して参りましょう。


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※今回の兼題「落葉」初級者投句欄へのご投句は、投句数4535句、投句人数1808人となりました。


以下の句は入選決定!

金曜日「優秀句」へのステップアップのためのヒントをご案内します。

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▼【類想】

俳句づくりの上での思考や発想が似通ってしまう事を【類想(ルビ:るいそう)】と言います。


薄日さす参道落葉の重なりね

みしまちづる


舞う落葉これに似たりて孫の手のひら

橋本諒駿


落葉ふみ登る石段空青し

吾亦紅


落葉に地蔵埋もれし修験道

Q幸


吹き溜まる落葉掃除は日課かな

tokisan


無縁墓埋める落葉や山寂し

アガニョーク


カサコソと落ち葉を蹴って逢いにゆく

あすか風


風そよぎ時が止まりて落葉舞う

アボガドブロッコリー


法面に落ち葉はしゃぎて踏む子犬

あめをんな雪子


落ち葉掃く新しき芽を眺めつつ

あらきこころ


当番も尽きぬ落葉に箒杖

かつしか幸


落葉風黄ひと色の並木道

きさらぎ


舞い散し愛犬走る落葉道

きっちゃん


掌のおちば命の軽みかな

くにたち尋


通り道落葉を分けて風が行く

けんちゃんマン


やはらかく足にやさしく落葉径

こうちゃんおくさん


クンクンと落ち葉に鼻で挨拶す

ゴールデン文子


ふかふかの落葉の下でおやすみなさい

こひのむ


落葉はカサカサと風と戯れり

さややちゃん


帰り道強風の後落葉ジュータン

さよ寛基


舞う落ち葉深夜応援W杯

しげ爺


カラカラと転がる落葉私のよう

しろたくまこ


父の手を離して走る落葉道

スギ野桜子


落葉溜めプールのごとき遊ぶ子ら

たかくら尤敏


落葉や散りゆくさまに故人偲ぶ

たろー氏。。。


通学路落葉踏みしめ朝の風

のほほん


早朝の落葉蹴散らすドッグラン

はね花


風任せかさこそ集う落葉かな

ビッグネット


カサカサと落ち葉踏む音リズムかな

ますだきーとん


もう嫌だ落葉蹴散らし荒ぶる子

まほろば菊池


足止まる赤黄緑の落ち葉たち

みかん


恒例の夫婦作業の落ち葉かき

みさよ


朝の鳩車道をかさと踏む落葉

みしまはぐし


散りてなおカラカラと舞う落ち葉かな

みのり甘子


ゆつくりと踏みしめ落葉の礼拝堂

みらんだぶぅ


吾子二人落ち葉の池の平泳ぎ

むらのたんぽぽ


荒庭の落葉掃除は風任せ

やしたあきら


公園の落葉夕陽に輝けり

やまぶどう


水面揺る落葉の筏何処へ行く

らるご


落葉掃き振り返ればまた一枚

わかこ


落葉踏み学舎通う影二つ

愛生園風来坊


寂寥に身に降る落ち葉震える手

愛知ミト


足取りが弾む落葉の絨毯に

葵ゆき


落葉踏み一年生の帰り道

芦田 麩山


スニーカー落葉踏み締む心地良し

伊勢赤太郎


くるくると落葉が我を追い抜きぬ

伊代ちゃんの娘2


カラカラと落葉坂道転げゆく

伊藤どらやき


色絵の具そっと敷き積む落葉道

伊豆大黒


落葉や虫けら達の棲み処なる

井上ヘボ孔球


からころと風に吹かれて落ち葉舞う

井上教


バス停の父遠ざかり落ち葉まふ

井上美月


マイボール落葉の陰の隠れんぼ

詠野孔球


落葉や我の老化と重ね見る

岡 由紀阿希


落葉かき風に吹かれて舞いにけり

岡本 けい


小さき靴二列で踏みて落葉かな

音拍


人生は儚きものよ落葉焚

加藤光狗


碧空に落葉舞う夕駆ける吾子

加藤直瑶


落葉踏む子を追いかけて日も暮れて

加藤理恵子


落葉や出番待ってる竹ぼうき

可可夫豆


つむじ風吹きて落葉のダンスかな

夏川涼


陣取りや赤と黄色の舞う落葉

河野なお


園庭の濡れた落ち葉ではしゃぐ子ら

花水木


掃溜めの落葉被りてふざけをり

岸 れん


露天風呂三つ落ちける落葉かな

岩淵の地蔵


かしやかしやと落葉従へ急く仔犬

宮井そら


また今年空き家の落葉流れ着く

宮崎 茂雄


風に鳴る落葉と走る夕の刻

宮本 モンヌ


歳月で赤みを消した落葉風

牛被りのピンクポリス


落ち葉揺れ季節は巡る時夕暮れ

魚太郎


雨上がる落ち葉踏みしめ高山寺

京女


風の来て転がる落葉猫遊ぶ

京野ののか


風吹かれ落葉かなでるカルテット

橋口 恵


落葉踏む朝の歩道にバス待ちつ

桂田 和京


己が身の散り際を知る落葉かな

結城ユク


ちりとりを抜け出て舞うや落葉風

湖上蓮花


リズムあり小さき靴が踏む落葉

虎の尾


幼子が拾いし落葉は宝物

五角の正


ちぎり絵や赤黄茶色舞う落葉

吾亦紅也


通勤路軋む落葉のクレシェンド

光顕


急坂の落葉踏みしめまた一歩

孔裕


幼手に落葉の雨が舞う昼餉

工藤もこ


そろそろと忍猫でも鳴る落ち葉

康寿


幼き子落葉踏みしめママ覗き

高崎孝雄


落葉舞うおさんぽ隊の子ら跳ねる

高村かな


落葉のカサカサ子のスキップ

高田ちぐさ


散歩道落葉踏みたき遠廻り

高田翠穂


幼子の両手いっぱい落葉かな

黒瀬三保緑


落葉踏むGODZILLAの如く吾子二歳

佐野丸智之丞


踏みしめる音を楽しむ落葉かな

斎藤コロンのママ


ゴミ当番今年最後の落葉掃く

三角山子


並木道はらりと膝に落葉かな

三谷翠露


落葉掃く音におはよう通学路

三田光陰


窓越しの落ち葉動きてねこ突進

三毛保知


落葉籠いつぱい爺と運ぶ朝

山口絢子


渓流の落葉ながめる露天風呂

山口橋蔵


亀眠る落葉の布団暖かし

山口直哉


落葉掃く投げ合う笑顔校舎裏

山広裕果


学舎の落葉拾ひて栞刺す

山紗季茉悠海(緒方風鈴改めて)


公園の落葉のベッドふざけ合う

山太平


落葉踏む音ゆつたりと老夫婦

山田由紀子


首かしげ落ち葉拾いし幼子や

山路ゆか


北の角かさこそ集う落ち葉かな

寺ゆた


石段に吹き寄せらるる落葉かな

寺嶋杳杳


落葉から這い出す虫の黒き背

実本礼


庭先の落葉掻き寄せ吾子遊ぶ

柴田絵里奈


落葉やしっぽふりふり駆けまわれ

手毬まりこ


一面の落ち葉やわらか登山道

酒井香静


落葉載せ微笑む地蔵に手を合わせ

出島 蘭


小さき足落葉選んで踊る音

春の新々


落葉踏む音だけが連れ日暮れ道

小原かおる


落葉散り見上ぐれば巣の二つ三つ

小田 凛空


ひとひらに想いを映す落葉かな

小幡 宗滋


落葉ぬれなほ輝けり通学路

小野小マーチ


庭先の日暮れ早まり落ち葉増す

松崎浩成


落葉にちらりと見えるかぎしっぽ

松山プネウマ


落葉やサクサク踏みて散歩道

松本なにわっこ


はらはらと落葉の雨の御堂筋

松本り久


今日もまた落葉掃く人通勤路

松本光世


落葉を踏む音たのし旅の宿

松本千春


がれ場尽き落葉踏み分け登山靴

上原まり


落葉ふむ音軽やかにスニーカー

上山凡仁


木漏れ日に落ち葉踏みしめ子と歩く

上村 いま


ドッグラン落葉の山にダイビング

森里綾里


小さき手で落葉拾いて駆け寄りぬ

真林


朝陽うけ落葉散りゆく水面にも

須藤 松栄


苔の地に落葉ふり積む緋や黄色

水佳


落葉とて終は土へと還りたき

水琴子


二人行く散歩の途中落葉かな

水谷未佳


鼻黒の君落葉の山にロックオン

瑞々


日の暮れに落ち葉時雨が通り過ぎ

杉田ひらさこ


落ち葉舞い散る散歩道絶品

星ガラス


竹箒さがす五分に舞う落葉

晴菜ひろ


落葉ハラハラと細い葉クルクルと

晴矢


夕ぐれの水面に遊ぶ落葉かな

正丘式


掃けど掃けど終わりが見えぬ落葉掃き

清正


何もかも嫌になって蹴る落葉

西 雨音


朝景色自転車かごに落葉二枚

青那 音


掃いてまた庭に舞い込む落葉かな

石塚としこ


落葉舞ういつもの道も別世界

赤羽ナナ


さらさらと大地に還る落葉かな

川崎雪駄


箕から木枠へ落葉は土へ還る

川端芙弥


落ち葉踏む犬軽妙にシャクシャクと

浅ノ翆


落葉踏む静寂やぶる靴の音

早風


フカフカに重なる落ち葉土に帰す

増田楽子


息切れて落葉の匂う登山靴

大河そら


坂道にカサコソ響く落葉かな

大西奈余子


昔見るあなたを追慕踏むおちば

大幡 鷲


落葉掃く掃けど掃けどもまた落葉

大薮薫子


落葉舞う懐かしきかな女学校

滝口心


あたたかく山の布団なり落葉

池田幸久


落葉霏々滑って転ぶ孫たちよ

津嶋 有明


吹き溜まる落葉表情さまざまに

辻 青花


カサカサと落ち葉を鳴らす登山靴

田口千尋


「みてみて」と両手に落葉さしだせり

田村 宗貞


黙し行く落ち葉踏む音風の音

田中歩々々


落ち葉踏み帰りし背中見送りぬ

杜 悠豪


潔く断捨離始む落葉かな

杜野 ほたる


ご近所と朝の語らい落ち葉掃き

渡辺 あつし


小さき靴落葉鳴る鳴る日が暮れる

東美節子


帰り道落葉踏む音いと虚し

東野出流


落葉赤黄だいだいに天は青

桃井モイ


落葉の足音楽し通学路

藤村 一寿


落葉を踏みしめフワリ風がいく

南欧


落葉手に「ウーアーバブー」肩車

如月 エミ


舞う落葉じゃれてはしゃぎし吾と犬

馬睡 栩瑠美


「もっともっと!」子等に浴びせる落葉かな

馬凛


落葉焚く広場に集う子らの声

梅が枝餅


落葉がつめたい雨で色すすむ

梅雨まち子


雨あとに落葉の色の深まりぬ

梅尾幸雪


落葉舞う掃く人横目に車窓にて

畑 未素粕


落葉や一千万の微生物

八木獺八


地面には落葉われには掛布団

蛤ぼっけ


幼虫に自然の恵み落葉かな

美羽烏子


川くだり諸行無常の落葉かな

浜のじじい


掃く落葉共にダンゴムシコロコロ

風路観徒 宮崎


母引かれ柴犬走る落葉道

福の坊


落葉の行き先訊く子の手の温み

福屋丸富


落葉を箒で集め絵を描いて

兵庫太郎


落葉道カシャカシャカシャのふたり乗り

碧いほし(訂正前:海乃葉葉)


グラウンド追い風使い落葉掻き

房総たまちゃん


渦を巻く風に乗り落葉の輪舞曲

名前のあるネコ


ひとの道に絨毯をひく落葉かな

木三山


舗道のワルツ落葉とマキシスカートの

野口雅也


受け止めて本に挟みし落葉かな

野本 ゆな


落葉風揺る葉に合わせ歌い出す

優音


舞い上がる落ち葉の中に去し友

葉月緑正


雨上がり落葉掃く音参道に

涼風 蘭


「ただいま!」の肩からはらり落葉かな

瑠飛凪洲


ひとはらり川面に浮かぶ落葉かな

鈴木 楽雨


車追ふごとく舞ひ飛ぶ落葉かな

鈴木 桂香


落ち葉かき宙に投げる子飛び込む子

鈴木すゞ


ご近所と落葉掃く音響き合い

和野みつ


落葉が飾り立てるはボンネット

屁屎葛


乱舞する落ち葉命のあるごとし

濱本典々


落葉舞うダンシングヒーローの如く

齋藤桃福


●ピックアップコメント:

「落葉」への類想で最も気をつけたいのは動詞の選択。

空中の落葉に対しては「舞う」「散る」「踊る」などが。地上の落葉に対しては「踏む」「掃く」「鳴る」などの動詞が特に多く寄せられました。そういった頻出動詞を避けるだけでも類想に陥る可能性をぐっと減らせます。同じことは「雪」や「桜」などの落下するタイプの季語にも言えるかもしれませんね。

たくさんの類想を見ることによって、自分の中に類想のデータベースが構築されていきます。今回見かけた発想のおかげで、陥りがちな類想も避けられるようになるかもしれません。


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明日から火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。入選句の評価は火、水、木(ステップアップのためのヒントに掲載分も含む)ともに同じランクです。順不同での掲載です。

そして金曜日は、初級者投句欄の優秀句発表です。

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