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初級者結果発表

2022年11月20日週の兼題

落葉

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選】

アーカイブに掲載決定!


火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。作品検索での検索も可能です。

入選句の評価は火、水、木ともに同じランクです。順不同での掲載です。


初級者用投句欄は、俳句の基本的なルールや表記など、基礎をかためたい方におすすめな投句欄です。金曜日「優秀句」の俳句は初級者コース卒業の目安です。もちろん「まだ心配」という方は、初級者コースへの投句継続もOK です。


☆こんな方にオススメ☆

・初めての1句を作った。

・どの句がいいか分からない。

・俳句を初めたけれど、まだ自信がない。

・何回か投句したけれど、なかなか選に残ることができない。


投句は何度でもできますが、自選も学びの一つです。選者からのコメントをヒントに、「自選」のための知識を集めましょう。「多作多捨」の精神で、自分の作った俳句を見直し投句する句を選んでみてください。


  • 落葉をば我が子ブーケに集めたり

    乗芹 空見

  • 辞書を手に落葉の坂を登校す

    舘風香

  • 一面の黄に点々と赤落葉

    三毛福

  • 現世を未来へつなぐ落葉舞ふ

    小野 明泉

  • 大銀杏何百年の落葉掻

    一春

  • ポストまで落葉踏み行くジグザグと

    河島はるちゃん

  • 吹きだまり色とりどりの落葉なり

    山元ひかる

  • 落ち葉風どこまで香り届くやら

    佐竹草流

  • 落葉焚き絶えて久しき街暮らし

    季々諧々

  • 若人のクラリネットケースに落葉

    山埜白熊

  • 落葉笑うかすってんてんの影

    玉乃とらこ

  • 踏まれたる落葉の色の濃き朝

    柴田あやめ

  • 落葉掃き屈託捨てて空を見る

    高田むべ女(むべを変えて下さい)

  • 感傷の欠片のような落葉掃く

    十津川ポロ

  • 母逝きし病院の帰り落ち葉踏む

    秋扇

  • あら落葉青菜のなかにひっそりと

    深山鳴兎

  • 落ち葉舞う生徒は丸く掃きにけり

    菅原ゆう

  • 縁台の囲碁三昧に落葉かな

    黒猫はなこ

  • 落葉踏むスタバのバイト不採用

    杉沢藍

  • 散歩道真っ赤な落葉に追い越され

    森の水車

  • 落ち葉舞うソナタの響く体育館

    景清華

  • 落ち葉掃く学生奉仕と担任と

    一条春枕

  • 幕営や落葉に埋まり里の山

    鯨野

  • 落葉ごと腐ってしまう吾の良心

    芽日火

  • 落葉風マスク外して駅五分

    永井きなこ

  • 落ち葉掻コロリモゾリニョロリぶるり

    羽織茶屋

  • からからり風の集まり落葉かな

    丸子あさひ

  • 落葉踏む各々の音確かめて

    岡孝秀

  • ぬれ落ち葉きみにはきみの役目あり

    高橋衣里子

  • ママは無料パパの落葉は百万円

    鶏胸肉太郎

  • 落葉ひとり甲を突っ込んでは散らす

    沼沢さとみ

  • ひっそりと時は落葉にかわりしや

    桜華姫

  • コンポスト返却テストと落葉入れ

    華生華名

  • 落葉一葉黄色に緑に青に赤

    古牡丹

  • 落葉掃く墓じまいのカウントダウン

    植木照美

  • 口開かば愚痴とため息落葉掃き

    英公蒲

  • 窓を打つ落ち葉に目覚む吾子を抱き

    裾野51

  • 路地裏に色の渦巻く宵落葉

    岩清水 星斗

  • たむろするコンビニ前の落葉かな

    香田ちり

  • 落葉し木の隙間から星のぞく

    神崎園子

  • 落葉持つこはさぬやうにそつともつ

    秋白ネリネ

  • 図書館の自動ドアより入る落葉

    森野栞

  • 比叡山手帳にはさむ落葉かな

    新城 三九

  • エサ箱の古傷あまた落葉掃く

    小塔みや

  • 片恋の本に挟みし落葉かな

    永井春蘭

  • 落葉ふる木喰仏は微笑みて

    空 ひろ

  • 落葉山宇宙や彼方の濡羽色

    黒棒大好

  • ほろんほろん落葉を連れて入店す

    清瀬朱磨

  • 下山後のリュックに絡む落葉かな

    鋼岳

  • 海に似た落葉同士の擦れる音

    芥茶古美

  • 濡れ落葉横隔膜の白き影

    水上ルイボス茶

  • 足音は前や後ろや落葉みち

    玉泉

  • 落葉踏む音聴き分けて山暮らし

    遠藤 千草

  • 落葉風やつと自由になれたのに

    山根祐子

  • 温泉の漂う落葉拾う吾子

    海原ようざん

  • 履歴書を複写し帰る落葉道

    久保田知案子

  • 表紙にはシナモンロール落葉散る

    森河夕

  • 意味深な落ち葉一葉封筒へ

    玉里かほる

  • 曇天に落葉震えて重なりぬ

    緩木あんず

  • 落葉道誰かが後ろを来るような

    寺崎ひあしんす

  • 落葉を踏みしめんとて旅に出る

    花咲めだ香

  • 落葉踏みコロナで一人山頂へ

    三本之矢

  • 三日目のカレーのコクや濡れ落葉

    侍真満陽陰

  • 落葉風今日は私の誕生日

    新山晶花

  • サクサクと落葉踏みしめ私をしまう

    桜井春草

  • 放課後のピアノ鳴りたる落葉かな

    山海和紀

  • 犬毛梳きはらりこぼるる落葉かな

    佐藤さらこ

  • 日は高い寄り道しよか落ち葉踏む

    小鳥乃鈴音

  • 聞こえない君のさよなら落葉踏む

    横須賀うらが

  • 誕生日落葉斜めに降りる様

    五十雀鷽

  • 旅先の落ち葉ひとひら新刊に

    蛍草飛田

  • 友話す家出の理由落葉道

    加田紗智

  • 溝の中どこへも行けぬ落葉あり

    篠咲洽

  • 降る雨に今を奏でる落葉かな

    甘 蕉

  • ガンジスの火葬落葉を焚く私

    清松藍

  • くすぐられ地球の笑ふ落葉掃き

    真心素秋

  • 落葉道ミケは上手に避けていき

    空小麦

  • 落葉霏々高尾山行く喜寿ふたり

    山野 のりこ

  • 正鵠の残響の尾の落葉かな

    清 桜人

  • 大海の碧濃くなりぬ落葉かな

    松本ひとみん

  • 落葉風M-1敗者復活戦

    新谷夏風

  • 流れ行く落葉眺めて心散る

    円銅 小五

  • 落葉掻き分けアスファルトコア採取

    佐藤茂之

  • 真夜中のコイン精米所に落葉

    水引草

  • 今朝もまた有難きかな落葉掃く

    佐藤夏みかんの亭主

  • 見守りの落葉降り積む通学路

    佐藤夏みかん

  • 靴底の落葉奏するわらべ唄

    夏 しのぶ

  • 月下の遠吠え落ち葉の匂い充つ

    渓 還素

  • 風の旋律に鳴る落葉の音符

    山口葵生

  • 詩を書いた落葉の栞まわす指

    吉岡幸一

  • 落葉や地の鼻と腹くすぐりて

    獣羅

  • おちば踏む幼な子青き靴はいて

    慶華

  • おにぎりに落葉命中抜ける空

    工藤ほたる

  • 天の声頭にこつん落葉かな

    杉浦貴子

  • 落葉道夫は十メートル先を

    春野鈴菜

  • 参道の落葉の音ファとラだけ

    花弘

  • 瑠璃の空祝福の如落葉浴び

    加藤みか

  • 落葉して武蔵一円静まりぬ

    一條冬青

  • 国境を知らずに降りる落葉かな

    茨木れん

  • 前向いてシルバーカーと落葉踏む

    屋島の昼行灯

  • 掃溜めの落葉にのぼる朝の湯気

    河豚ふく子

  • 落葉にも別れの悲しみあるだろうか

    花とわこ

  • 湧水の底の落ち葉のゆらゆらり

    花根ひろこ

  • 「だって」「のに」愚痴よ消え去れ落葉焚く

    花星壱和

  • 落葉焚き巽の空が焼けている

    蝦夷野ごうがしゃ

  • 落葉ふむ靴もタイヤも肉球も

    外町ユキ

  • 並木道小さき手つなぎ踏む落葉

    笠川香奈

  • 日の暮れて落葉は色を失せにけり

    月奈利

  • ワクチンの回転椅子に落葉おち

    原葱雄

  • 落葉踏み心も寒き老いの道

    戸越のだ

  • 校庭の落葉拾ふ子蹴飛ばす子

    宏楽

  • 落葉踏む音に深さのまばらあり

    江戸行爺

  • 落葉や陰謀論にはまる彼

    江南和波

  • ぽつねんと大木そして落葉かな

    高橋ひろみこ

  • 落葉ひらカサリと栗鼠のいく小路

    高崎怪人

  • 聖書読む小鳥が落葉唄う時

    高山玲徹楚々

  • 古校舎C判定と落ち葉の音

    高梁巴波

  • 碑の草書が読めぬ落葉霏霏

    根なし草

  • 跳ねる児ら池に落ち葉のトランポリン

    森初音

  • 風吹けば道路転がる落葉たち

    山ざくら

  • 夕星へ急ぐ人あり落葉山

    山姥和

  • 雨音に艶かに香る落葉かな

    山海動静

  • あたらしき落葉あかるく積もりゆく

    山海和紀

  • 鬼盛りに積みし落葉の軽さかな

    山月

  • ひとつ傘君に傾け落葉踏む

    山月 無辺

  • 落葉踏む路面電車に軋む音

    山治高

  • ブランコはいち枚落葉ふれて揺れ

    山蔦かえで

  • 帰国の子へ眩しかりし落葉かな

    山田どゞこ

  • 掃く人もおらず古城の落葉かな

    山田四十郎

  • 帰り道落葉に零す「フラれたの」

    糸瀬アルク

  • わが落葉となりの前にひとっ飛び

    紫水晶葉

  • 軽き音重たき音に落葉踏む

    児玉すず子

  • 宙を舞う落葉に表裏はなし

    橘向葵

  • 落葉風謝罪マニュアル諳んじる

    小川テル子

  • 落葉して吾の空昨日より広し

    小藤たみよ

  • 散る落葉股覗きする験担ぎ

    小暮修

  • 副反応抜けし山路に落葉呵々

    松岡海硝子

  • まだ降るか落葉いつ止むマスク越し

    松村 とん

  • 百年を重ねて落葉根は深く

    松田迷泉

  • 落葉のサントリーホール彩られ

    羽衣@ノエル

  • 落葉時音楽室のピアニシモ

    角田 球

  • 落葉風支えてほしい細い骨

    森島桔麗

  • 落ち葉手に何を話すか老夫婦

    森野もこ

  • 塀越しの落葉詫ぶ人声和し

    神宮寺るい

  • 玄関に父ただいまと落葉かな

    神興ひさし

  • 落葉貼る和紙のランプシェード軽し

    水晶文旦

  • 幾層もの落葉の下に森はある

    水無瀬りりー

  • 山を覆う落葉の眠りは深い

    水無瀬りりー

  • 落葉しき立身出世を夢に見る

    崇拝

  • 力ずく落葉集めて朝礼前

    神谷理風

  • 街路樹の競って散らす落ち葉かな

    是出童大

  • 五右衛門の湯加減いかが落葉舞う

    星のお爺ちゃま

  • 落葉舞い遥か汽車の音気も踊る

    正善

  • 空青し上昇気流に落ち葉乗る

    小野陽笑

  • 日に翳す太古の落葉琥珀色

    広ブロ&新蕎麦俳句部@摂田屋酵道

  • 落葉踏み積年の錆振り払い

    下村ヒジリ

  • 落葉舞う試験通知の掲示板

    高田 仁和加

  • 童心にかへる落葉の宙の舞ひ

    延邨佳直

  • 年取って落ち葉集めも風任せ 

    暇親爺

  • 落ち葉降るベンチ独り開くハイネ

    栗花落カナヲ

  • 石段や重き一歩の落葉かな

    神津草茶

  • 落葉踏みレギュラー目指し走り込む

    清瀬ハイジ

  • 庭の木の今年は一人で掃く落葉

    寺岡緑茶

  • 古き良きシネマのように降る落葉

    加藤水玉

  • 落葉踏む道に有り我が志望校

    住田 赤鈴

  • 落葉を踏まじと跳ねるスニーカー

    杉原久美香

  • 清掃車落ち葉拾いの今流か

    久木田紀子

  • 落葉舞う目立つ息切れ上り坂

    下田あらた

  • 靖国の大門くぐりて落葉ふむ

    章@ノエル

  • 落葉焚くとり巻く子らの頬は紅

    玉照

  • 落葉焚き秘かに加えし手紙二通

    紗凡

  • 参道の真中空けたる落葉かな

    柑たちばな

  • 落葉掃くいつか終はると知りたれど

    蒲 公英

  • 風のない仮想空間落葉舞う

    讃岐田打桜

  • 落葉舞うバス停並ぶ人無口

    球子

  • 車椅子落葉踏締め気丈なり

    水戸定家

  • ちりとりにこぼれる程の落葉かな

    菅野望月

  • 時計見て佇む人と落葉と

    小柳ジョージ

  • 落葉踏む橋の彼方は観音堂

    奥田早苗

  • 憂きことを忘れ落葉となりにけり

    小林浦波

  • 子と歩く光る落ち葉は四拍子

    松 ひかり

  • ブロワーに吹かれてみたい落葉かな

    今井もと葉

  • 雨もよう傘も持たずに濡れ落ち葉

    松前 三月

  • 落葉って綺麗やねんな知らんけど

    山の上のさん

  • さまざまな落葉踏みて生きて行く

    横尾舞妓はん

  • 旅の本落葉栞にめぐる奈良

    松永恕淳

  • 落葉舞う生家跡地に見知らぬ家

    海老 あまびゑ

  • 境内の音も集めて落ち葉掃き

    四季

  • コロナとは無縁となりき落葉掻き

    手塚童好

  • 自転車の君を落葉と共に待ち

    永山シャンシャン

  • 落ち葉蹴る井の頭公園の道

    円谷琢人

  • 感受性どうにもできず落葉蹴る

    越智いと

  • 落葉掃く今日は線香買わないと

    高倉ちとさ

  • カリオカやリズムを刻む落ち葉かな

    玉 ゆこげん

  • ひとひらの落葉となりし思ひかな

    月城龍二

  • 落ち葉舞ふ風に見えて空仰ぐ

    黒白弦

  • あの時のたった一言落葉時

    志古女

  • メープルの落ち葉に一夜宿りけり

    山辺道児

  • 気配ある庭は落葉の舞うばかり

    華風ルナ

  • スケボー漕ぐ少女の声や落葉風

    小林昇

  • 空広し銀杏並木に敷く落葉

    佐伯良吉

  • 吹き寄せるポプラの落葉犬怯む

    奥の昼行燈

  • 散る落葉駅舎の屋根に途中下車

    上野蕗人

  • 落葉拾う一枚0.1ポイント

    酒井春棋

  • 一歩の幅を縮めける落葉かな

    宇野翔月

  • 戸を開き舞い込む落葉息一つ

    元梨 有

  • 乳母車はじめて通る落葉道

    坂本 節子

  • 落ち葉山つくりて子らの跳びくらべ

    久間 いたる

  • 落葉蹴るC判なんてくそ喰らえ

    芝音

  • ししおどし落葉がひとは音かわる

    松瀬章章

  • 仰ぎ見し友は還らぬ落葉かな

    亀 汲子

  • 山道の落葉あつめし老婆の背

    玉京子

  • 石庭の白波ふわり落葉かな

    松和み

  • 一枚づつめくる雨あがりの落葉

    紗千子

  • 吹く風に旅立つように落葉かな

    水谷豊海

  • 落葉や熊手使うも限界に

    金子恵

  • ドンと立つ仮面土偶や積む落葉

    三姉妹紅月

  • 落ち葉はく音に目覚めし六時半

    三日月桐子

  • 落葉深し段差を探る杖の先

    蝦夷やなぎ

  • 地下鉄の改札前の落葉かな

    小梅 町子

  • 寝付けない真夜中の憂い落ち葉の音

    成瀬ぽんぽこ

  • メタセコイア煉瓦色風(れんがいろかぜ)吹く落葉

    古谷芳明

  • 喋らぬも蹴飛ばしてみる落ち葉かな

    笹乃弓月

  • 電飾の落葉を歩く丸の内

    旺佳

  • 砂のごとメタセコイアの落葉かな

    小花風美子

  • 強風や弧を描きて落葉舞う

    海笑里

  • 夫戻る落ち葉の筵ザクザクと

    古庄 萬里

  • 落葉掃く丸い背中がちらほらと

    佐保 羽美

  • 紅落葉水に浮かびつきわだてり

    山薔薇

  • 降り続く落葉と戦う子供かな

    佐藤澄子

  • 落葉にあなたの言葉とどめたし

    夏空なみ

  • 朝ひかる落ち葉の上に野球帽

    山口ひろりん

  • シャンソンの楽譜は風の落ち葉かな

    久生

  • 土曜朝踵に落葉か夫の靴

    塾志

  • 蛇の目傘くるり舞わして落ち葉雨

    後藤 方丈

  • 陽と風にさされて揚々落ち葉掃き

    紗雪

  • カラオケを終え鼻唄の落葉みち

    山口隠元

  • 落葉踏み行く白きエアフォースワン

    玖良咲

  • 落葉落葉しばし命をあたためて

    一寸雄町

  • いろは坂のドリフト観客は落葉

    酒楽康庵

  • 砂利よりも落葉踏みたいはらみ馬

    歌笛喫茶

  • 唇の乾き落ち葉に埋もれをり

    鯨尺

  • 落ち葉掃く君たち何処から来たのかい

    岡崎梗舟

  • 駅前の虫の骸に落葉して

    三花りん

  • 追試終え落ち葉掃除のボランティア

    生もみじ

  • 徒然もきざはしかざる落ち葉風

    酔丑

  • 行員の箒落葉は始業まで

    傘子

  • きっと来る明日のために落葉焚く

    正雪

  • 来し方へ我を運べや落葉風

    岩清水 彩香

  • 落葉群れ道路を走る角回る

    山本語句樂

  • 寝ころびて落ち葉の匂い濃くなりぬ

    戸村友美

  • 外を見る最後の落葉共に落ちる

    紅蠍炎鬼

  • 落葉のひと山超えて処方薬

    上中未明

  • 一歩づつ音をたがへて落葉かな

    工藤遊子

  • 幼子の手のひら溢る落葉かな

    成瀬桃うさぎ

  • 落葉散るスタンドバーは戸閉せり

    家古谷 硯翠

  • 落葉ほど生きる覚悟のありやなし

    三笠木 草

  • 落葉掃く頭上は青く広い空

    真咲よしの

  • 落葉や全ての嵐越えてこそ

    水谷阿紀子

  • 雨降りの夜の公園落葉の香

    小塚ちか丸

  • 落葉鳴く半額弁当故郷の味噌

    山田心一

  • 夕間暮れ今日は一人で踏む落葉

    森田まなみ

  • 自転車の重たきカゴへ落葉かな

    九重かずら

  • 落葉よ活きた証は年輪へ

    原貼女

  • 水鏡映るいろはの落葉か

    皐月 蓮

  • 装いを解きて散りゆく落葉かな

    十四志

  • 落葉掃く雲水の背に吾子重ね

    佐藤誠溢

  • 兄の歳越えて侘しき落葉かな

    高本蒼岑

  • 落葉して未完の手紙出せぬまま

    岡 里詩

  • 元興寺の甍地にかへる落葉

    杉崎拙訓

  • 落葉匂うイヤホンからピアノソナタ

    紫檀豆蔵

  • 踏まぬよに擦れぬやうにと落葉かな

    三上 栞

  • 雨上がり踏みし落葉のやはらかき

    姉あね猫

  • 立ち話落葉目で追う赤子かな

    紫月歪丸

  • 自転車の籠の落葉よ風の跡

    紙谷杳子

  • 落葉風逆光の中へ只見線

    影山 明日香

  • 最終出社エントランスには落葉

    郷角 四葉

  • 散りぬれど土に帰れぬ落葉かな

    宍戸もくれん

  • 落葉を指でたどりし十二秒

    暁馬

  • 落葉風独りが好きと言えなくて

    玉水

  • 大の字の落葉布団や鐘の鳴る

    仮名鶫

  • 落葉踏む午前三時の救急車

    秋野しら露

  • 考えを忘れてしまう落葉掃き

    仁成

  • 去りし山移りし街にも落葉降る

    小川織音

  • 落葉かなひらひら羽ばたき蝶と化す

    七草睦月

  • 落ち葉掃く冷えた風の悪戯よ

    月森 流星

  • 裏山は足元ふかふか落葉よし

    久世越仙

  • 黄のトンネル落葉絨毯青山に

    松山 なお

  • 落葉時松はすくりと立つけれど

    江沢京子

  • ベンガラ道重なる落葉木々の影

    夏野星一

  • 夫婦銀杏樹齢千年の落葉舞う

    薩摩南風

  • 落葉舞う人事異動の初日なり

    寺尾向日葵

  • 落ち葉舞う隔離の無聊笑うかや

    久喜門須多

  • 夕落葉祖父は曾孫に会えず逝く

    古野真珠

  • 小説の挟む落葉の犯人か

    山尾政弘

  • フードから落葉がひらり衣紋掛け

    羽加羽生

  • 友去りて後ろ座席の落葉かな

    卯之町 空

  • くっついた落ち葉とるたび笑う子ら

    卯波まり

  • 落ち葉してドリップ音はこぽこぽぽ

    鵜飼ままり

  • つかもうとすれば速度を増す落ち葉

    浦見 若菜

  • 落葉降る教へ子だけの野辺送り

    永井うた女

  • 街路樹の落葉踏みしめ一万歩

    玉井令子

  • 側溝に落葉張り付き色の褪せ

    玉治美

  • キャンパスの落葉蹴飛ばし概論A

    近江菫花

  • 虫食いの派手な落葉を見つけたり

    金目銀目猫中西

  • 自動ドア入る落ち葉に心見る

    九塚光星

  • 赤、茶、黄落葉にもある個性かな

    栗原智那

  • 飛び込むはハイジの如く落葉山

    月山 蓮

  • 落葉踏むパグが見送る通学路

    紅三季

  • モノ言わず池のほとりに住む落葉

    佐久間 itsusa

  • 道幅が細くなりゆく落葉かな

    佐々木だるま  

  • じっと見る落ち葉に雨と太陽と

    佐々木六花

  • 妻の手を取りて踏み出す落葉かな

    佐藤恒治

  • 落葉の雨の中行く峠越え

    佐藤香子

  • 街燈の灯りさえぎり落ち葉かな

    佐野聖光

  • 落葉掻片手を挙げて猫止まる

    寺島ルーイ

  • 風ふきて信号待ちの落葉かな

    七星麦穂

  • 落葉降り頻る日友の訃報届く

    芝G

  • 落葉や僕がやっても良いのだよ

    朱久瑠

  • 庭先の亡父のベンチ落葉積む

    種月 いつか

  • 落葉踏む実習の首尾話しつつ

    周防の兎

  • すべりだいパパを待ち伏せ落葉シャワー

    衆土売尽

  • 友はお喋り御堂筋は落葉

    春蘭素心

  • 落葉踏む音は獣か人間か

    勝本熊童子

  • 親置いて逝くな馬鹿垂れ落葉降る

    小室雅俊

  • 投函する灰色たより落葉踏む

    三杏樹

  • 不思議どこへいくのか都会の落葉

    神戸 美優

  • 風の道寄らぬ落葉が二三枚

    神酒猫

  • 平和な日不条理楽し掃く落葉

    神無月笑子 

  • 逢引の落葉を払い如何にせん

    古舘粋狂

  • 落葉舞いスマホの先に乙女像

    数哩

  • 雨止んでベスパ落葉を舞い散らす

    雀浪乱

  • ガンツウや水面煌めく落葉掃く

    瀬戸 岬

  • 落ち葉踏み立つ香あの日の残り香か

    後藤 もこと

  • 豆柴の吠えて落葉の降りしきる

    森器

  • 四年ぶり墓参のみちの落葉かな

    松山女

  • 落葉踏むウォークラリーや老四人

    松本マンボウ

  • 空の青見もせず落葉踏み帰る

    云々 美雲

  • 風神の落葉さらいて木の揺るる

    音生みちこ

  • カピバラの長湯っこして落葉かな

    小田嶋隅雀

  • 夕暮れの落葉風聴き歌う子ら

    久志fromJAPAN

  • 子らが手に落葉遊びの帰り道

    加藤 暖

  • 落葉踏み小さき老母の音高く

    寒雷

  • キャンパスに傷も残せず落葉踏む

    吉岡ポチ

  • 抱きしめるやうに丸まる落葉かな

    織部なつめ

  • ワッショイ未来を望み騒ぐ落葉

    奥野恕宣

  • 保育所の違法駐輪落葉降る

    佐藤志祐

  • 湯気そろり五右衛門風呂は木と落ち葉

    治爺

  • もう降らぬ銀鈍色の沙羅落葉

    夏陽 きらら

  • 落ち葉踏み靴底で聞くひとり言

    原 橙花

  • 降りしきる杜の都の落葉かな

    広島立葵

  • 水のない小川は一色黄の落葉

    月見里ふく

  • だるまさんが転んだ落葉もぢつと動かずに

    塩の司厨長

  • 引力に負けて落葉となりにけり

    霞すみれ

  • 落葉焼く祖父と手を比べる日暮れ

    黒玉子

  • 頬染めし銀婚の妻恋う落葉

    新古まき

  • 瑞々しい落葉で人形作った日

    松井 檸檬

  • 落葉して呼鐘の音の響きけり

    宇野聞明

  • 赤い靴履いた吾子踏む落葉かな

    稲城蒼海

  • 落葉道一枚選りてはさむ本

    佐藤けい

  • 母死して今日も落葉を掃きしむる

    岡 草紅葉

  • かけ足で孫抱き上げし落葉踏む

    荒井まあたん

  • 独り言返事求めず落葉踏む

    珠桜女絢未来

  • 香の残る落葉踏み行く影長し

    松川 里甫

  • 落葉掃く老婦うどん屋は廃業

    小迫さこ

  • 落葉踏む音のみ温し街の暮れ

    吹田よしよし

  • 落葉山米糠牛糞水撒きぬ

    七国独楽男

  • 落葉掃く熊手の音に老いを知る

    小林乏硯

  • 降る落葉さくさくと踏む悩み消ゆ

    松元春苑

  • チケットはハズレ転がる落葉踏む

    加藤恋入

  • 一斉に歯向かう落葉低気圧

    遠きいち

  • 落ちし実を抱きて輪廻の落葉かな

    城山 英

  • 早朝の境内脇に積む落葉

    河一子

  • 落ち葉舞うショパン響くや野外フェス

    三富みつ葉

  • テニスコートボールに挑む落葉かな

    山口 笑骨

  • 落葉にキャラメルひとつ混りけり

    丘小町

  • 一茶点て一息つくや落ち葉時

    久保田茶魚

  • 大欅隣の落葉手加減なし

    久木 諷

  • 落葉焚き胸の言の葉つかえたり

    今井章魚芋

  • 落葉は一年分の陽の力

    春野びおら

  • 忽ちに水面すべって去る落葉

    高重安眠

  • 落葉一枚わが部屋に辿り着く

    佐藤俊

  • それぞれの色で過ごして落葉に

    昌江

  • 落葉見て我は落ちぬと思いけり

    梶村賢大朗

  • 落葉風一枠競う漫才師

    山下秋月

  • 落葉や閉店告げるA3紙

    山口雪絵

  • 登る龍背の落葉

    笹川等

  • 公園のブランコ揺れる落葉かな

    一歩千金

  • 門瓦落葉とらえし黄格子

    佐藤 蜩

  • 街路樹のイルミネーション落葉時

    朱康君

  • 落ち葉掃く猫背の人よ我が母よ

    秋山らいさく

  • 風強く心の中に落葉飛ぶ

    岩本夢想

  • 徒然に徒然草読む落葉風

    加藤 万理乃

  • 転車台を離れぬ子あり落葉降る

    古池之糸歩

  • 落葉掃く手を止め道を教えけり

    金子あや女

  • 「カシャクシャ」の音聴きたくて落葉踏む

    高保ちこ

  • 陽のあたるベンチでビール落葉霏霏

    此詩 いちじく

  • はらり落葉どこからとなく托鉢僧

    月待 小石

  • 湯上がりの君のうしろを落葉かな

    笠谷タカコ

  • ラインありすぐに開かず落ち葉きく

    新井聡太

  • ジョギングの父子の掛け合い落葉舞う

    永田みゆき

  • 落ち葉またあの日とこの日つなげてる

    神ヤ飛ビ魚

  • 濡れ落葉熊手かからぬ二、三枚

    四季風吹子

  • 落葉舞い足元渋の波に揺れ

    小鳥遊 檀

  • 烏鳴く行き場失う落葉かな

    貴田雄介

  • 前を行くかむろに揺れる落葉かな

    柴 のぶちゃん

  • ドア押せば新聞までの落葉道

    三日月なな子

  • ユモレスク鼻歌交じり落葉焼く

    高田コブシ

  • 灰空に青ひとかけら落葉かな

    坂本羊雲

  • カサカサと落ち葉踏みつつ鬼迫る

    京都さくら

  • 落葉して水輪ひろごる鯉の池

    月野うさぎ

  • 目標を予定に変えて落葉降る

    時小町

  • 早足で落ち葉踏み締め振込に

    栄音

  • あどけない学者わらわら落葉採る

    空地ヶ有

  • つむじ風落葉抱へて左巻き

    小手毬

  • いそげいそげ明日は雨の落葉かな

    上田痔瘻

  • 起きしなを触れた気配は落葉か

    高山夕灯

  • 落葉踏む踏む買い物のためだけに

    新田 ダミアナ

  • 落葉坂白線たどる盲犬

    山下こけ女

  • 落葉やまた髪薄く闘病者

    佐々木四郎

  • いさぎよし腕大空に落葉舞う

    春野桜草

  • 寄り添いて連れと踏みしむ落ち葉道

    高橋せり花

  • 百段を今日も無心の落葉掃き

    瀬戸内しずか

  • 雨上がり落葉に滑るハイヒール

    加茂イクコ

  • 掃き寄せて所を得たる落葉かな

    小林土璃

  • 振り払わずに落葉連れて帰ろう

    慈夢りん

  • ぴんと張る池に重なる落葉かな

    御茶請みなみ

  • 亡くなりて帰し隣人よ追ふ落葉

    渋谷富士好爺

  • 何処行った歯欠の熊手落葉降る

    三家端

  • 側溝の落葉子らが運ぶ道や

    山川 真誠

  • 音もせずかさなりぬれた落葉かな

    吉河好

  • 外苑の散りし落葉もまた楽し

    山桜昌子

  • 翼なき吾に落葉の散華かな

    鷺沼くぬぎ

  • 吹き溜まる落葉跳ね上げバイク便

    笹原あゆみ

  • 大好きを落葉にのせて娘ら遊ぶ

    春風京桜

  • 武蔵野や落葉の雨の音静か

    横ちゃん

  • 山覆う落葉ふかふか獣道

    寺岡はる

  • 押手負け土埃あげ舞う落ち葉

    苅桜守

  • 落葉を回覧板に挟む母

    高崎 碧

  • 落葉の景色に描く風の文字

    嵯峨乃世一

  • 掻落葉踏みしだく子の一輪車

    紅さやか

  • 道歩く落ち葉が笑う靴の下

    遠藤倫

  • 束の間の探偵ごつこ落葉踏む

    山樫梢

  • 歳重ね杖が頼りの落葉かな

    古寺 憲子

  • 落葉踏む音を聞いている靴の裏

    時間餅

  • 池に波浮かびし落葉離れ寄り

    小西えみり

  • 落葉の黄金の栞わが宝

    久世わわ

  • 落葉の江津湖湧き水の透ける鯉

    吉見小鈴

  • ハンドルを切り返しては轢く落葉

    喜多丘一路

  • 毎朝の勤行がわりに落葉掃く

    浦中

  • 落葉掃き隣地に分譲のぼり立つ

    樹木のんのん

  • 落葉し枝ぶりあらは見上げしや

    漆崎 明

  • 雨浴びて路面の落葉も生き返り

    深雪

  • 並木道夕日に映える落葉かな

    雲井草舟

  • 靴紐を結び落葉の軋む音

    越後 雪女

  • 天下布武積る落葉の黄なる意志

    遠藤玲奈

  • 踏みしだく青い地球の落葉かな

    沖 若永

  • 落葉分け孫を引き連れ古里の寺

    下田せつちゃん

  • しかるべく落葉の水路に並びおり

    加奈出ゆうきょう

  • リハビリに落葉かたづけ一休み

    夏つばめ

  • かくれんぼ見つかりたくて落葉踏む

    夏目あかり

  • 迷彩を施す落葉雀おり

    梶正

  • 溢れ出る落葉の音や車椅子

    間野マナコ

  • パフォーマー落葉蹴散らしタップ踏む

    岩橋夕紀

  • 読みかけの本にひらりと落葉かな

    喜楽里 恵

  • サッカーの踊るステップ落葉かな

    鬼塚樹童

  • 軍拡の世論多数や落葉舞ふ

    宮田 明垂

  • カサと鳴る落葉夫かと振り返り

    宮里 すみ子

  • 旅行はB案レールにぬれ落葉

    弓原トーヤ

  • パンプスに落葉貼り付く月曜日

    郷舞道

  • 息ひそめ落ち葉に埋もれ鬼を待つ

    江戸茶 番傘

  • 目の前に落葉ひゆーつと風を見ゆ

    砂月みれい

  • 老いないぞ落葉見ながらスクワット

    菜園 ベジタベル

  • 昨夜から風止まず落葉の日

    菜花

  • 落葉ふわりこれが風の姿なり

    坂 由美乃

  • こら待て待て逃げる落ち葉を掃き止めて

    桜ケイコ

  • 落葉焚く墓石横たふ一輪車

    桜よし榮

  • 落ち葉踏むかすかな音に孤独埋め

    笹倉沙希

  • 掃き集め落葉で描く枯山水

    薩克期風

  • 落葉焚く隣家の影の揺らめきへ

    三隅 涙

  • 今日最もきれいな紅き落葉手に

    三緒破小

  • 風の朝あと振り変えざりし落葉掃き

    三鷹の蒼涯

  • 落葉降るトロイメライのリフレイン

    山 ゆり

  • 爆撃の落葉の小道二十秒

    円錐角膜

  • 蔵王権現の憤怒削ぎ取る落ち葉かな

    笑田まき

  • 夕暮れや落葉積もる寺寂し

    上殿のおチイ

  • 夕刻の鐘に落葉は幕を閉じ

    上野 鈴女

  • 飲みづらき紙ストローや落葉風

    新井初夢

  • 落葉時白煙のぼる彼方の山

    新一歩

  • 今朝の晴れイヤホン外し落葉踏む

    森 毬子

  • ピンヒール落葉を連れて終着駅

    森下 紙魚

  • 影ひとつ落葉に寂し御堂筋

    森下真棹

  • 首元の落ち葉をそっとつまむ君

    森上 準一

  • 慣れた道ひとり歩きで踏む落葉

    清水猿虎

  • 外苑の落葉二十歳の恋心

    清澄麻子

  • また一葉欠礼状あり落ち葉時

    清瀬潤筆

  • 落葉掃く村が滅んでいく予感

    清川鮎太

  • 落葉もっさり隣りの森すっきり

    花岡貝鈴

  • 開店待つパン屋の前の落葉かな

    縞子勾苑

  • 廃れたる道の枕木落葉飛ぶ

    菊地 璃芭風

  • ラジオから演歌朝の落葉掻

    真似真似子

  • 落葉山僧ひとり撞く朝の鐘

    山野あんず

  • 落葉や掃き残りたる赤一つ

    山猫宇一

  • 縞重ね七万年の落葉見え

    永井旅人

  • 雨上がり点字ブロック落葉掻き

    海風ももみ

  • 日を浴びて木々の落ち葉が耳に舞う

    散歩雲

  • 外灯を離れて消ゆる落葉かな

    浦野米花瑠

  • 松江道トンネル明けの舞い落葉

    紅塩猫子

  • 青空へ腰伸ばしつつ掃く落葉

    河地草芝

  • 落葉や友逝き響くクラクション

    吉 哉郎

  • 雨上がる地にしがみつく落葉かな

    朱胡江

  • 植えし木の家族となりし落葉掃く

    金治宜子

  • 雀来て落ち葉掃く音とハーモニー

    黒田美月

  • 煩悩の数の多さよ落葉踏む

    岸 小広

  • 雨に濡れやわくかさなる落葉かな

    小園夢子

  • 関山の落葉は蝦夷の赤か

    黒ぶち眼鏡

  • 山道や落葉が誘ふけもの道

    月最中 松本

  • 歩荷の荷貼りついてゐる落葉かな

    沼宮内 かほる

  • 踏みしむと落葉の香気鮮やかに

    古都酔仙

  • 八咫烏案内どおりは落葉径

    榎風子

  • 出張の土産袋に入る落葉

    研亭

  • 作業着の社長掃き集める落葉

    神島六男

  • 想い出を落葉とともに焼いた朝

    丸岡彩映

  • 伊予の城天守目指して落葉踏む

    高橋昂昉

  • 落葉掃く心の垢も掃き清め

    秋谷 忍

  • ガサガサと吾子転がりし落葉かな

    月下美人

  • ビルの街跫音響く落葉風

    水野公子

  • 尋ね来し山里の道落葉埋め

    山﨑風花

  • 落葉風紙飛行機が視界没

    紙飛行機

  • 落ち葉掃く今年も無事に生き延びた

    荒星笑石

  • 永久の恋拾いし落葉絵手紙に

    山清

  • 落葉踏み公園清掃人案ず

    小椋チル

  • 一円と同じ浮力の落葉浮く

    四葉の苦労婆

  • しっぽ振り落葉に隠れ顔を出す

    華花開く

  • 落葉蹴散らしサムライブルー登校す

    柴田翠花

  • 落葉掃く義母は施設に入居しぬ

    海葡萄

  • 落葉踏む音小脇にリルケ詩集

    岡田瑛琳

  • 鳴る落葉せめて夢でと君を待つ

    匠羅漢

  • 落葉掃く母に行ってきますとだけ

    松山ピノ

  • たが掃くかうらめし濡れた落葉かな

    清水 木瓜

  • 落葉掃く音のみ聴こゆ研究棟

    細野めろん

  • 熱外来並ぶテントに落葉寄す

    山田幸玉

  • 吾の前で落ち葉を拾うあの娘の手

    水澤 大秋

  • 大木の落葉積もりて夜の底

    水浜義友

  • 落葉道おそろいの靴妻と買う

    松田真一

  • 朽ちたなら落ち葉は土に吾は風に

    笑姫天臼

  • 落葉踏みアイアン一つ練習場

    吉田 寛

  • 手風琴音色の滑る落ち葉路

    守田jj

  • 手に取ると見せたくなるよね落葉色

    加藤志麻

  • 人恋しつまんで回す落葉かな

    山川 一露

  • 古ガラス落葉の色の滲みをり

    周防の鼠

  • 珈琲を片手に覗く落葉かな

    菊川寝ん猫

  • 落葉船お城を堀で守るごと

    渓翠@青東高

  • 吹き上がる落葉契約破綻せり

    菜活

  • 落葉道見上げる明日は風まかせ

    渋谷桐峰

  • 落葉や踏めば儚い四重奏

    黒咲 圭

  • ポイントは虫食い加減落葉描く

    菜予実

  • 皺ふえて落ち葉も増えてのらの来る

    坂田雪華

  • 落葉踏む子達の和音(わのみ)ドミファソシ

    正 山

  • 狭山湖の落葉や返納する免許

    山田はち

  • 交番の前に集合落葉かな

    今井佳香

  • 老いの身に丁度良きかな落葉掃き

    駿河堪忍

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