そら野なずな
相談 前走
久保朝採りレタス
ちょうちょう
熊になっちゃった
喜祝音
佐々木さわら
矢野葉月
眞由美
弥栄弐庫
小手拭エコ
柳十八公
安武絹紬
ラズリー
西神竜生
藻玖珠
一文字 根深
をいなり
大矢 香津
ねうねうこ
御簾紫音
ランナーズ寅さん
高山玲徹楚々
近江菫花
松山 風
かい みきまる
織波
浦野 米花瑠
花尾花ばば
大成武子
加田紗智
るりゆるり
月下檸檬
鬼石 祥子
山木新月
花咲春
月夜田しーた
千葉水路
門のり子
温州みかん
大盛茄子紺
浅井ねむり
のりこうし
吉成小骨
らのほ
井手白銀

選者コメント
家藤正人選
初級コースの金曜日掲載は中級への昇級の目安。中でも特に目を惹く句についてピックアップコメントをお届けします。
「終戦日撒いても撒いても水乾く そら野なずな」
あえての中八「撒いても撒いても」が心に微妙なしこりを残します。作者は何に向けて水を蒔いているのでしょう。作物や花を育てるため? 暑さをしのぐため? それとも工事の現場の光景? 「撒いても」のリフレインは繰り返す動作を描写すると共に、撒いた水がすぐに乾いてしまうという事実の無為さや空疎さを描くための助走でもあるのです。終戦以後の人の営みに対する、少し皮肉な描き方が「終戦記念日」の明暗入り混じる複雑な本意を捉えています。
「終戦日地球抱くよな子の寝相 久保朝採りレタス」
「終戦記念日」は「八月十五日」や「敗戦忌」など様々な傍題を持ちますが、「終戦日」は中でも比較的戦後の平和や喜びとの親和性を発揮しやすい傍題です。平和と愛すべきものの象徴のように描かれているのは我が子の寝姿。母の胎内で過ごした頃のようにぎゅっと手足を折り曲げているのか、はたまた地球を抱えそうなくらいでーん! と両手両足を広げているのか。「子の寝相」への描写に愛しむ親の目線を追体験させてくれるリアリティがあります。
「終戦記念日鳩の足環の英字かな 相談 前走」
上五に八音の季語を配して字余りとし、中七下五は定型を取り戻していく型です。平和の象徴ともいわれる「鳩」。その足下に焦点を絞って映像化しました。鳩の足をよく見ると「足環」が見えます。さらにぐーっと視点を近づけると、足環には「英字」が記されているのがわかります。あ、英字でなにか書いてある! と発見した作者の喜びを柔らかく投げかける「かな」も効果的でした。さて、この光景を平和と受け取るか、足環つきの縛られた平和と受け取るかは貴方次第……なんて投げかけて終わるのは皮肉が過ぎるかしら。
いずれもお見事でした。自信がついたら中級にもぜひ挑戦してみましょう!