森上はな
昭谷
大成武子
小箱 守
渡辺はるべえ
東森あけば
貴田雄介
清見敏水子
野のあのん
村山久留里
喜祝音
松山まどけい
花咲春
高山玲徹楚々
中隔欠損
とうま10才
中山黒美
生田久孫子
むさし野まさこ
小川鯛背
らのほ
池野五月
岩田 てるお
初野一歩
キミネコちゃん樋口
佐々木さわら
令和の和子
瀬尾紗ま
明日ぱらこ
みくにく
くらきまあこ
へこりん
安田なみ江
矢口れんと
三谷あいこ
隅 なめこ
月待 小石
谷野なおなお
きざお
ラズリー
いちご一会
胡桃ぼたん
光野フウ子
月野風花
三國雪國
水口真奈
八ちゃん
大好 楽子
西宮ケイ
朽葉茶織
阿蘇海の鴨
章田

選者コメント
家藤正人選
初級コースの金曜日掲載は中級への昇級の目安。中でも特に目を惹く句についてピックアップコメントをお届けします。
「朝露や双眼鏡の調教師 昭谷」
上五で季語を詠嘆するスタンダードな取り合わせの型。最初に強く季語を打ち出すことによって、中七下五に続く光景を取り巻く朝の澄んだ涼気が鮮烈に伝わります。双眼鏡は馬の調教を見るのに欠かせない道具。物の名前と職業名によって表現したい内容、つまり競走馬の調教の場面であると伝える言葉の経済効率の良さも秀逸です。双眼鏡で遠くまで見通す馬場には一面の朝露。「露」という小さく近い季語を描きながらも奥行きのある空間が立ち上がってきます。
「まず露をはじき週番校旗揚ぐ 森上はな」
「校旗」の独特な手触りが記憶の中に甦ってきます。ざらついてるようでいて、水を弾くテカリもあって。週番で校旗掲揚の担当になった作者は一日の始めにお役目を果たそうと掲揚台に向かいます。秋も深まり、校旗にはしっとりと露が。その無数の露を手ではじくのか、それともバサッと打って払うのか。露の湿りとお別れした校旗はするすると朝陽の射す高みへと引き上げられていくのです。
「夜。ほし。露。なんど撫でても眠る犬 大成武子」
正直、金曜日に採って良いのかと自問自答するくらいの実験作で悩みました。が、その意気を買う&自分の感覚を信じてピックアップ! 句点を三度使うのは時間の変化の表現と理解しました。夜が訪れ、星は瞬きを移ろわせ、やがて朝近くなり地には露が降りる。一夜を断片的に捉えているのは作者の眼であり、眠っては起きる犬の眼なのでしょう。ひょっとしたら老衰して眠るばかりになった愛犬なのかもしれないなあ。露の儚さが弱りつつある命の儚さに似て切ない。
いずれもお見事でした。自信がついたら中級にもぜひ挑戦してみましょう!