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初級者結果発表

2025年8月20日週の兼題

【曜日ごとに結果を公開中】

【優秀句】

  • 朝露や双眼鏡の調教師

    昭谷

  • 夜。ほし。露。なんど撫でても眠る犬

    大成武子

  • まず露をはじき週番校旗揚ぐ

    森上はな

選者コメント

家藤正人

初級コースの金曜日掲載は中級への昇級の目安。中でも特に目を惹く句についてピックアップコメントをお届けします。



「朝露や双眼鏡の調教師   昭谷」

上五で季語を詠嘆するスタンダードな取り合わせの型。最初に強く季語を打ち出すことによって、中七下五に続く光景を取り巻く朝の澄んだ涼気が鮮烈に伝わります。双眼鏡は馬の調教を見るのに欠かせない道具。物の名前と職業名によって表現したい内容、つまり競走馬の調教の場面であると伝える言葉の経済効率の良さも秀逸です。双眼鏡で遠くまで見通す馬場には一面の朝露。「露」という小さく近い季語を描きながらも奥行きのある空間が立ち上がってきます。



「まず露をはじき週番校旗揚ぐ   森上はな」

「校旗」の独特な手触りが記憶の中に甦ってきます。ざらついてるようでいて、水を弾くテカリもあって。週番で校旗掲揚の担当になった作者は一日の始めにお役目を果たそうと掲揚台に向かいます。秋も深まり、校旗にはしっとりと露が。その無数の露を手ではじくのか、それともバサッと打って払うのか。露の湿りとお別れした校旗はするすると朝陽の射す高みへと引き上げられていくのです。



「夜。ほし。露。なんど撫でても眠る犬   大成武子」

正直、金曜日に採って良いのかと自問自答するくらいの実験作で悩みました。が、その意気を買う&自分の感覚を信じてピックアップ! 句点を三度使うのは時間の変化の表現と理解しました。夜が訪れ、星は瞬きを移ろわせ、やがて朝近くなり地には露が降りる。一夜を断片的に捉えているのは作者の眼であり、眠っては起きる犬の眼なのでしょう。ひょっとしたら老衰して眠るばかりになった愛犬なのかもしれないなあ。露の儚さが弱りつつある命の儚さに似て切ない。



いずれもお見事でした。自信がついたら中級にもぜひ挑戦してみましょう!

  • 露踏んで喧嘩のあとの手負い猫

    キミネコちゃん樋口

  • 露葎ビブラフォーンの音の粒

    東森あけば

  • 朝露を踏みて叙勲の遣ひかな

    野のあのん

  • 露の染む軍手や化石採掘場

    村山久留里

  • 茸に置く露はふくよか山豊か

    くらきまあこ

  • 恋文の如き日記や露はらう

    松山まどけい

  • 露時雨看板の人錆びており

    中隔欠損

  • 月神の身を絞りたる露を授く

    光野フウ子

  • 朝のつゆ備ちく米さえ無くなった

    とうま10才

  • よい夢のつづき眩しき露の朝

    水口真奈

  • 斎場や夜露照らして車入る

    生田久孫子

  • 露ひとつ落つる速さよ恋の端

    谷野なおなお

  • 自転車は吾子のおさがり露光る

    きざお

  • 芋の露こぼれし先も芋の露

    初野一歩

  • 人口弁鼓動正確露の朝

    池野五月

  • 空っぽの実家露は膝を濡らし

    小箱 守

  • 朝練やホルンの色に露光る

    渡辺はるべえ

  • 露一つ潰えて天地傾きぬ

    清見敏水子

  • 露の玉まばたきほどの力瘤

    令和の和子

  • 朝露の仮設トイレへ人跨ぎ

    明日ぱらこ

  • 血リンパめく露に葉は病むさうな

    ラズリー

  • 青空は手を広げてる露の群れ

    中山黒美

  • 露の眼に賢治の銀河映りけり

    矢口れんと

  • 壊れかけの地球にも露は光り

    八ちゃん

  • 白露や一度も地球を出ずに死ぬ

    西宮ケイ

  • 良き夢の余韻ゆらゆら芋の露

    朽葉茶織

  • 立ったまま眠るユンボや露葎

    章田

  • 朝露や時折外す笛の音

    へこりん

  • 露けしやはや啼く牛の鼻緒ひく

    岩田 てるお

  • 青銅のたてがみ重き露の朝

    佐々木さわら

  • 露けしや父植えし実は大木に

    いちご一会

  • 癌に意思あるのか露をじつと見る

    貴田雄介

  • 生きるため飲む薬たち露の朝

    胡桃ぼたん

  • 露踏みて土足で上がる家終い

    瀬尾紗ま

  • 鬼ごつこの鬼の消えたり露葎

    みくにく

  • 礼拝へ白露を避け切れぬかな

    喜祝音

  • 露の玉けふも地藏は良いお顔

    花咲春

  • 讃美歌のさいご明るく露は葉に

    高山玲徹楚々

  • 故郷に頼る人なし露の宿

    阿蘇海の鴨

  • 露けしや弾かれるを待つトイピアノ

    月野風花

  • 仰向けの骸は雀露葎

    三國雪國

  • 朝露は夜明けの静かな押印

    三谷あいこ

  • 朝露にスロープの銀伸びにけり

    隅 なめこ

  • 大胆な嘘あさつゆの帰り道

    月待 小石

  • 一日を濾せば一粒露残る

    大好 楽子

  • 白露や狭庭に翅の散らばりぬ

    むさし野まさこ

  • コッヘルの露を拭いて飯を盛る

    小川鯛背

  • 葉の先を露や地球に似た惑星

    らのほ

  • 露しぐれ山羊食む朝の急斜面

    安田なみ江

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