以下の①②③④⑤については入選決定!
金曜日「優秀句」へのステップアップのためのヒントをご案内します。
---------------------------------
▼①【類想】
朝露を飛ばしてバーディショットなり
イーグル東山
露ひとつ君のごとしや影も消ゆ
小倉 穗
畦道や足を濡らして露光る
司 蓮風
青空や朝露ふみし田んぼ道
泉 恵風
畦道の露に濡れけるヅックかな
竹暖簾
露しとど朝日煌めく石仏
放浪者
ジジババ手取り散歩朝露キラリ
ひろちゃん
イモ畑キラキラ光る朝の露
はっぴー猫
朝帰り頬にとびつく露の玉
東門俊一朗
曙の月浴びたりし露光る
田頭西郷
野の露の消へ行く前の光かな
松尾 一司
朝採りの野菜の露や足におつ
雅月
トラ猫は露で濡れてる毛を舐める
斎藤コロンのママ
朝の露翠の穂先でキラキラに
曽我のシオカラ
朝露に光が差して日は昇る
亜山打門
老犬の時は愛しき光る露
加藤茉莉花
朝露に裾を濡らして宮参り
空 行人
風吹けば急かれて露の転び落つ
杉田ひらさこ
朝露に包まれ盆栽ダイヤ色
佐藤推敲子
たわむれて露に濡らす手草香る
赤城孔茲
レンズ越し露の雫に花ひとつ
やのゆずる
置き去りの朝露まとうスニーカー
星野りこ
サボテンの露星のごと輝いて
葡萄乃木
朝露や原入りて君は足濡らす
青野一太郎
暁の葉露蹴散らしペダル漕ぐ
阿左美 寒
朝露のころがり落ちる葉のくぼみ
あつみいちあまね
ダックスの鼻先に露散歩道
浅井夕顔
朝風に葉先の露の転げ落つ
八代葡萄
露降りて野菜果物ランランラ
斑鳩 廉
脱ぎ捨てられし庭下駄に夜露かな
数哩
手のひらに露を集めて孫見せる
みかん
山あいの朝日を浴びて露光る
葉月檸檬
露光りほろりと落ちて地に戻り
林 みぃゆうママ
季初めのしるしとなるや今朝の露
清博水
スピードにのってきたイヌ露まるけ
ヤギリワタル
露を蹴り馬の駆け出す牧の朝
江戸の八五郎
朝練やスパイク濡らす草の露
小田コミマル
万華鏡レンズの如き露の玉
ベル小町
自転車のサドルの上の露払う
加藤貴丸
葉の上で露もて遊ぶ朝の風
岡 萬美
朝露に軍手濡らしつ収穫す
秋月あさひ
朝露を手で拭いたるサドルかな
勝 翼龍
畑にて朝露今年も美味しなれ!
むじか
早朝に葉先に宿る露すくう
牧ヒロ
露踏みて朝練の子等駆けて行く
渡辺闇太郎
フェアウェイを外し二打目の露葎
蒲 公英
朝まだき露の光に急かされし
かめよかめ かめよかめ
徹夜明け葉先の露が眩しけれ
大山 久幸
晴れたあさ卸した靴に朝露や
田乃無骨池田
去りゆきて夜露と共に落つしずく
サルだんご
甘いつゆ飲みしや草の美声たち
ヤマウチシヅコ
「うわ冷た」吾子の出がけに露ぽたり
ウマーベラス
道の駅地物野菜に露の玉
都筑湖舟
草漕げば濡るるも露の裾模様
崇陀羅庵 酔睡
陽の昇る前抜く雑草に露光る
野比の天
露玉や表面張力現象
わすれ傘
ころころともて遊びしや露の玉
つついぐれちゃん
露の朝通学の子等足の音
佐伯良吉
学び道露を蹴散らし駆け抜ける
初老
我が庭の日差しさす中露光る
鬼塚樹童
仙人掌の棘先虹の露真珠
瀬戸薫風
朝風や跳ねて零るる芋の露
青井晴空
葉の露に逆さ絵のごと映り込む
四季
夜が明けて生まれたばかりの露の玉
涼風 蘭
芋の葉の露をあつめて墨をする
ピノのおばあさん
朝露で靴先濡れる犬散歩
小虎 くまこ
白露の一粒ごとの朝日かな
藤岡伊集
庭に出て足もと濡らす露の先
島村菫
撓む葉を滑り落つるは露の玉
ラッキー&クロ
露ひとつ光まとってこぼれおつ
あおい花子
草樹の鋭い葉先光る露一滴
池ばーちゃま
裾濡らし幼き夢の露葎
野口トシ
白露やビルを逆さに閉じ込めり
歩帆
息凝らし白露濡れるティーショット
瀬戸 旅心
露の朝足元濡らすポチとぼく
にえ茉莉花
藪こぎも抜け道もして露しとど
泉川和子
石段の朝露よけて宮参り
ごんぞう
蔓伝い露輝いて土に消ゆ
低山 徘爺
おにさんや露跳ね駆けて通学路
中島はるな
露に濡れ一歩踏み出すや散歩道
藤田好山
朝露に濡れる雑草屈み込む
山田すずらん
朝露や黄金色の穂に隠れ
moto髪結
朝日さす葉っぱの先に光る露
こすもす
草を引く指先へ露朝仕事
永井うた女
愛犬はびしょ濡れなり露舐めて
那須乃静月
近道の登校露を薙ぎ払い
孝崎 有辺
ぐっしょりと露を纏いて猫帰る
谷岸香子
まんまるく天地封じ光る露
石田眞希子
窓ガラスハートをなぞる夜露かな
山口直哉
ひとり見る畦草光る露の玉
亀くみ
露受けて農作物が艷やかに
すずしず
露の玉朝日に光る散歩道
ややま
ジョギングのシューズを濡らす草の露
南風双十
外界を閉じ込め映す露の玉
一谷いちにょ
露あびし野菜出荷す午前四時
芝桜
光る露ポロリと落ちる水晶や
中川肱洲
早朝の山路露でズボン濡れ
北森にこん
早朝の畑やしとどの露の袖
西野和香
乾く土施しの露芝に降る
高田三毛
一葉に輝く一滴玉の露
トラマロ
早起きの吾にごほうび露光る
こうちゃんおくさん
幼子ら普天にはしゃぐ露の道
境界子
二千歳の睡蓮の葉に玉の露
スイッチババア
待ち侘びる草花たちも朝の露
のろ爺
露が降り今日は晴れかと期待する
夏川涼
散策の足元濡らす朝の露
黒住景雪
トタン屋根朽ちる空き家に露伝う
まさえ
露一つ二つ三つ四つ流れ落つ
加藤 凛華
露はねて摘みとる野菜そっと拭き
志瑞六実
山並みをまあるく映す芋の露
青峰
月光をいただき宝石の露よ
十八番屋さつき
朝さんぽ靴紐直し露に濡れ
四十 カラ
店毀ち草生い茂り露結ぶ
秋野 初音
白露を硯におとし筆おこす
前田よもぎ
爪先に朝露踏んで洗濯干す
野々 りんどう
野良猫や露をひと舐め散歩道
野上紫功
物言ひて行きし畦道露散らす
あすなろ
新聞を取れば鼻緒を濡らす露
今井佳香
満天のテントの上は露にぬれ
熊谷子南
朝露をいそいそと踏む孫の足
松本鈴玲
母子して朝露発見小径かな
松原 そら
庭先の葉先の露や光落つ
松下節子
朝露を散らし仔犬はじゃれあえり
松岡さつき
朝露や足元濡らす朝帰り
正山四季暇
儚くも想ひ集めて露の玉
さかい癒香
風の子が露を蹴散らす通学路
写雅句
森の葉に露の滴で季節行く
森乃涼風
コロコロと集まった露地に帰る
稲垣はあと
草の露きらり連なり数珠の玉
藤山容
早朝の露乗るラフにミスショット
詠野孔球
芋の露触るると転び大粒に
太田桜
朝露で濡れたくないとイヌ牛歩
Sみーすけ
朝練や露玉散らす靴の先
海永ももみ
露に濡れ無言にて行く朝の原
海神 瑠珂
庭先の草の朝露手で払う
草刈明峰
神おわす名も無き草に露の玉
みさ
待ちわびる夜露に足元あぁ冷やし
鶴城
芋の葉の露を集めし遊ぶ吾子
森茉那
こぼれぬようコロコロ転ぶ芋の露
宮井ニゲラ
露キラリ宝石まとう草や花
広島 れおん
色褪せし枝に光るや露の花
野中 游
露降りん天恵嬉々と庭木かな
河国老保忠
露踏みて四季の移ろひ気付きけり
はしもと紫雲英
芋の露二粒ほろり落ちにけり
清実
露おりて旭待つ身の庭草履
撫子
露降りて潤いし葉が生き生きと
小宮 美也子
朝露に季節をみし我歳老いたり
宇曽荒神
朝露を集めて書いた習い字を
末有秀
鉢植えの葉上に露のひとしずく
未生 漣
出勤の車に朝の露降りぬ
西尾翠峰
光る露連なり溜まり水滴に
高山 碧翠
銀粉を散りばめた様な露光る
林一芳
露きらり一番乗りの得意顔
樺 みず穂
芋の葉にまとまる雫銀の露
いちの
露に濡れ足音もせぬ小径かな
阿部英雄
ジョギングのジャージの裾が露を吸う
藍時 湘
庭に露日課となりぬウォーキング
於河吏玖
朝の葉に清々し露ひかり散る
清川あき
朝一に玄関出たらキラリ露
大江戸小紋
名も知らぬこの野草にも露ひかる
小野一箭
光る露試合へ向かう勇む足
温州みかん
朝の露儚く消えしビルの陰
小澤五月
主なき畑には今朝も露時雨
山彦 てっせん
三叉路の地蔵の頭玉の露
蓮花
朝露の子供の笑顔はじけ飛ぶ
じゅんまる
朝日浴び今日の始まり露光る
たがわぱてい
朝露にキラッと恋して弾けたり
大富 孝子 都忘れ
ばあば見て!弾く指先露跳ねる
ちあき あこ
指先に青空映す露ありて
柑たちばな
紫の花にも露が二つ三つ
中川 鉄庵
朝の露葉先に垂れしご挨拶
越中 万葉
土だけの植木鉢にも露光る
日向幸朗
露の玉映る朝は小さな宇宙
岩瀬梨香
柴犬の尻尾にキラリ露の玉
あいまい もこ
朝の露すずりにおいて短冊に
安好
生まれては転がり落ちぬ露の玉
かじやのタケ
午前五時露は生まれてすべり落つ
月夜のふく
朝露や草木に宿る水の精
松岡才二
散歩道ポトンと落ちた露一つ
藤つばき
朝日浴び葉の滑り台落つる露
京都さくら
朝練は露に濡れつつ球拾い
日和さお璃
露あつめ硯にこぼす朝かな
西山哲彦
朝露や子らを見送り揺れ落ちる
久保朝採りレタス
幾夜ぶり夜露に濡れてねこ戻る
木佐翠都
ひょっこりと顔出す猫のヒゲに露
松戸 新
露消えて陽射し戻りて腕まくり
夕暮派れもんさわー
葉の上の露オパールの如き色
藤すみ
穂の先の金銀の色露の妙
泉北の石ヤン
露に濡れ草のかけらを運ぶ靴
ポムポム茶碗蒸し
朝露や軌跡をなぞりワンパット
不動進太
露ぬれて早起き吾子と野にあそぶ
ワーママゆきこ
出勤のサドルの露を拭いさる
藤瑪瑙
露の草踏んで始まる朝練が
野田良雅
星屑のそほ降り成りぬ露の玉
木々梶取
朝露やぽわんと景色映り込む
宇東創一郎
日が昇り草木の露が踊り出す
右立日嵐
膝濡らし分け入る裏庭露深し
小林ざくろ
早番にサドルの露を手で拭う
佐藤友喜
菜園の露を踏みつつ収穫す
翠善
露濡れてダイアモンドの葉は光る
やのかよこ
多摩の道朝露光る靴の先
二見歌蓮
露集め首飾りのごと連にして
薔薇紫
朝露に頬がゆるんで足を踏む
シロクマ太郎
透明の糸の巣光り玉の露
いるの 橙
露しとど香りにぬれる野の小径
伝説の晴れ女
分け入りて露に濡れたる脛痒し
ぴょんばぁ
露集め硯に向かいて星気取る
坊賢 富吉
朝露や熊笹わけて登りたり
だだちゃ豆
露宿す里の菜畑や父母偲び
上田りゅうちゃん
露に座す嵯峨野の地蔵笑みこぼれ
玉照
蔓草は露得て伸びて通せんぼ
川瀬怜人
朝露の宝石触れてまた落ちし
遠藤倫
碧き空コロコロきらり草の露
チョコの母
六地蔵赤い頭巾に露二つ
上野 鈴女
きらめきの我が目に映し消える露
tokisan
抜け道の露に濡れ来し子らの靴
紫炎
足元が気になる時節露に濡れ
たった
露降りて裾上げ歩く畦道を
平谷河女
風吹いて玉となる露見つめけり
沖優
婆笑ふ露にしとどのむく毛犬
青山鷗來
里芋の露を捜して墨をすり
野の菫
雑草の露を蹴散らし登校す
田中長兵衛
雑草の小さき花や露の玉
月奈利
暁露の路自転車を漕ぐ受験生
間之口葵一
足元を露にぬらして田を巡る
夢 バーバ
ワンと吠え駆けては光る朝露や
もふもふ
露光る草見て今日も歩を進め
阿部栄壱
朝露や草の葉先に光そふ
珈琲俳人
星ひとつ落ちて夜露となりにけり
渡邉志づ
落ちそうで落ちない露が光ってる
小藤向日葵
露の芝寝転ぶ犬よ草まみれ
小野たまお
道ならぬ恋や羽袖に露はらり
原城鯉一
露ひかり新たな命ひかりけり
宮本かんこ
校門を急ぐ子着衣露まみれ
髙橋雀
木漏れ日や命短し蕊の露
雲井草舟
朝露とともに目覚むる雑草か
峠 東利
朝市や露そのままに露地野菜
春野たんぽぽ
昼に気化夜に液化し朝に露
晴矢
間引菜の露の一滴指先に
丸山晴耕
朝露や指にあそばれ玉崩る
高坂いつき
朝露に太陽映り刹那かな
杉浦貴湖
枝の露ひとつひとつに暁けの空
隅のボレロ
野辺山のグリーンに露スリーパット
竹 奥瑚
繁茂する名も知らぬ草宵の露
雪ん子達磨
露しずくひとつひとつに命あり
樹里庵
キラキラと水滴香る白露かな
吉田始祖鳥
朝露を握る1番ダブルボギー
二ツ宮柚樹
朝散歩道端の草光る露
鈴木雪
露に濡れ水やりのパス一息す
茶葉
ゆれる葉やころがる露に花の精
松本なにわっこ
朝露にまみれしいぬの尻尾かな
なにわの花子
クロカンのシューズに踏まれ露跳ねる
狭山茶娘
遥か先逢瀬を待ちつ袖の露
御簾紫音
人知れず生まれ消えゆく夜露かな
大家由美子
腰ひやり芝は貯めけり露きらり
川石流
●ピックアップコメント:
初級・中級に関わらず、類想は似通ったものが集まります。
なんといっても多いのは流れる、転がる、といった露そのものへの描写です。日常で見かけるものであり、なおかつ観察しがいのある季語なだけに一物仕立てに近い作りの句も多くありました。
たくさんの類想を見ることによって、自分の中に類想のデータベースが構築されていきます。今回見かけた発想のおかげで、陥りがちな類想も避けられるようになるかもしれません。
---------------------------------
▼②【三段切れ】
青草や長靴は露刈機振る
かまっち
●ピックアップコメント:
俳句の世界で忌避されやすい手法に「三段切れ」があります。ぶつぶつと言葉が途切れてちぐはぐな印象を与える場合があり、扱いの難しいテクニックです。
かまっちさんの句は「青草や」、「長靴は露」、「刈機振る」と三箇所に切れがある形です。「長靴は露(に濡れている)」と表現したかったのではないかと推測します。さらに「草刈」だと季語になってしまうので「(草)刈機振る」と強引に五音に収めた形です。
三段切れは表現したい内容が多くなりすぎて十七音に無理矢理収めようとした場合によく起こります。そんな時には句を見直して、減らせる言葉がないか探してみましょう。たとえば動詞「振る」は絶対に外せないか? と検証すると解決策が見つかるかもしれません。
あるいは無理に一句にまとめず、ふたつの句に分けて作り直してみるのも一つの手です。
---------------------------------
▼③【二重切字】
露ぬれて秘めた釣り場やひとりかな
白井太刀魚
朝露や柏手二つ響きけり
檸檬まかろん
●ピックアップコメント:
俳句の世界でいわゆるタブーの一つに「二重切れ字」があります。「や」と「かな」、「や」と「けり」の重複ですね。
切れ字はスポットライトのようなもの。一句の中に複数のスポットライトが存在すると、どちらを主役にしたいのかわかりにくくなってしまいます。
季重なり同様、複数切れ字が入った名句もあるので、絶対にダメ! というわけではありませんが、上級者コースのウルトラ技と考えて良いでしょう。まずは、切れ字は一つから!
---------------------------------
▼④【文法の問題】
草原を進めしシューズ滲む露
咲仁木
猗窩座絶つ落つ朝露は流転して
茶柱 杏
●ピックアップコメント:
このままでは文法上間違いのある句をピックアップ。
咲仁木さんの「進めし」は正しくは「進みし」となります。
茶柱 杏さんの「落つ」は終止形なのでここで意味が途切れてしまいます。後ろの「朝露」へと繋げたいのであれば連体形「落つる」となります。その場合、一音音数が増えてしまいますのでどこかで別途音数調整は必要になります。
---------------------------------
▼⑤【仮名遣い】
葉脈に沿ふて揺蕩ふ朝の露
英 凡水
朝露や残りの生を問ふてみる
泉世生
快晴の露の向こふに君を見る
河孝
●ピックアップコメント:
俳句を書く際には表記を自分で選ぶことができます。普段目にする書き方と同じ「現代仮名遣い」と、古典などに用いられる「歴史的仮名遣い」の二種類です。
英 凡水さんの「沿ふて」のウ音便化を「沿ひて」と誤表記した例です。この場合は「沿うて」が正解となります。泉世生さんも同様に「問うて」となります。
河孝さんの「向こふ」は実は「向かふ」が正解。日常的に使う表記になれているとなんでそうなるの!? と困惑しますよね。辞書を見ないと正しい仮名遣いに気づきにくい例かもしれません……。
仮名遣いはうっかりミスをしやすいポイントですので、念のため辞書で表記を確認しながら使っていきましょう。
---------------------------------
明日から火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。入選句の評価は火、水、木(ステップアップのためのヒントに掲載分も含む)ともに同じランクです。順不同での掲載です。
そして金曜日は、初級者投句欄の優秀句発表です。

選者コメント
家藤正人選
みなさまこんにちは。初級の選者、家藤正人です。
月曜日は、入選にもう一歩という句をご紹介します。
・月曜日の「選者コメント」に掲載されている俳句については、作品検索はできません。
・月曜日の「ステップアップのためのヒント」に掲載された句、入選句、優秀句については作品検索が可能です。
月曜の「選者コメント」や「ステップアップのためのヒント」を参考に、目指せ金曜優秀句への道!!
---------------------------------
▼【575の間空き】
白露の夜/うどんのつゆは/風邪の味
水田洋弓
●ピックアップコメント:
五七五の間に/(スラッシュ)が入っています。空白または改行をイメージしてのものでしょうか。
俳句は五七五の間を空けず一行に縦書きするのが正しい表記です。インターネット俳壇の横書きは、縦書き表示が難しいためやむなく許容しております。強い芸術的主張がある場合、敢えて分かち書きしたり、多行書きしたりもしますが、初心の時期は基本を守っていきましょう。
俳句の修行の第一歩は、正しい表記から! 次回のご投句お待ちしております。
---------------------------------
▼【季語なし&違う季語】
月さえもマレッジブルーか霧の宿
ルピナス
霧たちやお腹がすいてはありがとう
杉乃井 杉郎
霧深し可燃と不燃の日間違えて
橘 フォレスト
霧深しテールランプの命綱
大ちはる
山粧う風に流され無音の時
徒然
紅葉待つ襟足冷やか嵐山
井上健二
霧晴るる木の実頬張る親子猿
ゆめの月舟
露草を踏み飛び回る散歩道
寺尾銀次
秋の朝肌をさすれば目覚めけり
浅井風蘭津
葉の向こう覗きこんだら霜柱
麻座輝貞
霧晴れて悪事すべてはつまびらか
いもがらぼくと
霧晴れて始発の電車現るる
林 洋海
霧見上ぐ峰に光芒鳥一羽
大康
尾をふって駆け出す相棒霜の朝
未知女
新緑の萌ゆる見上げる露天の湯
朝野貴風
夏の海ぷかぷか浮けばクラゲいる
中腰ひなの
一夜づけ試験終われば露と消え
草堂Q幸
はかなさを纏いて闇に抱かれる
享子
●ピックアップコメント:
季語の入ってない句や違う季語が入ってしまっている句をピックアップ。
字の形が似ているためか「霧」や「霜」と間違えた例がちらほら。
兼題として季語が出題された場合は、その季語を一句に詠み込むのがルールです。
俳句ポスト365では各回の出題に全員が取り組むことで切磋琢磨を目指しております。
今募集中の兼題は、11月19日締切の「牡蠣」です。ご投句お待ちしてます。
---------------------------------
▼【五七五七七】
梅雨明けに露と消えゆく君の髪言の葉選び呼吸を置いて
不破折紙
●ピックアップコメント:
五七五の俳句としてはいささか音数が多すぎます。数えてみると三十一音。ずばり五七五七七の短歌のリズムを取っております。
俳句ポスト365では短歌の良し悪しは判断できませんので、短歌を取り扱う投稿先をお探しの上、そちらへの応募をおすすめします。
「専門は短歌だけど、俳句も始めてみたい」という場合はもちろん俳句ポスト365への俳句の投句は歓迎であります。
まずは基本の五七五・有季定型から一緒に始めて参りましょう。
---------------------------------
▼【季重なり】
朝露や長茄子ふたつポキと折る
あすか風
えんがわの涼風うたたね露と白夢
千国庵浩史
洗ひ髪肩に冷たし白露の夜
松乃美伊那
枯れ木かな露を垂らして石に恋
深山森 左馴鹿
温暖化白露待ちわび冬来たる
peace.K
露いづこ日焼けた顔を目で追って
フラ晶湖
露の丸見える世界は秋の色
矢田山ツツジ
夕窓に蜻蛉遊びし露跳ねて
原口竹九
早朝の露滴りて夏かすむ
出島廬
露消えて稲豆刈りと小麦撒き
中野京美
初露で寒気を感じ上着着る
立川夏子
朝露に光る青栗針優し
宮﨑かっさん
露雫バケツのトマト汗をかき
水草夏太郎
飲むはずの露に飲まれて藻掻く蟻
安武絹紬
朝焼けに露舐める猫愛でる風
三宮香棆
蜘蛛の囲の露を纏ひてふわり揺れ
みろちゃま
露を待つ日照なすびにジョーロジョロ
靭風
露の玉クモの巣飾るネックレス
野口 暉歩
露むすび喉を鳴らすや缶ビール
天歩ルカ
蜘蛛の巣の織りなす銀膜朝の露
三家端
朝露が滴り光る蜘蛛の巣や
笹本ミワコ
欄干や蜘蛛の巣に露宿る朝
池ほろり
日も流れ虹の行く先露晴れり
正岡マサシ
朝露に靴先濡れて蝶を追う
はるみ
ゲリラ去りくもの巣に露ダイヤかな
ほっほひまわり
露と露むすびし蜘蛛の糸電話
和古々
朝露に濡れた落ち葉の美しさ
大川四季
払暁も暑熱は去らず露見えず
高志
露ゆるる生き抜くための芋虫に
和泉明月子
走り根に落葉かさねて露を置く
保田佳子
当節は露ひとつなき遍路道
オイラー
エアコンを使わぬ夜明け露光る
緑星福馬
露の屋根子猫ら鼻でたしかめつ
京野ののか
介護風呂窓の屋守の腹の露
金尚詩
露ためらう落ちる先に蟻一匹
泉谷 梅子
露も良し仰向けの俺汗に負け
桃の海
赤き薔薇歪めて露の崩れたる
髙橋好泉
終わりなき暑さも尽きて今朝の露
なお
干乾びし蚯蚓の無念情け露
晩楽
朝の露きつね戯れつく六地蔵
天真爛漫
朝日さすさやか御草の露の彩
雲乗リュウカン
朝露を飛ばしつ振るる草刈り機
高井紅巳
月あかり草木を照らす露の跡
雨読人
庭先の露垂れて虫声のやむ
三宅翔丞
たるむ頬菊の露までこすりつけ
木公山鳥 言周
命継ぐ若魚映すミソハギの露
立葵
冷たさに気づく素足に露がのる
小田拓
●ピックアップコメント:
一句の中に複数の季語が入っている状態を季重なりと呼びます。
季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ! というわけではありませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。
ここに紹介した以外にも季重なりの句はあり、火曜日以降に紹介される場合もありますが、比較的許容しやすい季重なりとして受け止めているものもあります。
やはりまずは、一句一季語からコツコツ練習して参りましょう。
---------------------------------
▼【季語の考え方】
好きだけじゃやっていけない露水夫妻
まみむめ
露と書きあきらとも読む名付けポン
水火元例名
人生百年露の如し異な
久木 諷
同窓の…友、逝きに逝き…露と消ゆ
居 栄心
夢枕君が現れ露と消え
必殺筆紙
ならぬ恋あふれる想い露と落ち
氷室東沙
露の様な神に仕ふる若き友
藤原明太子
亡き妻の胸に我が露許されし
蒲田麗
露落ちるやうな静けさよ療養病棟
猫雪すあま
反省の露ほどもなし二日酔
喇叭鳥
「んでもってね!」露はグラスを落ち果てた
末広野暢一
テレワークコップの露の置くの悩む
むらたみなもと
雨あがり蓮の葉揺れて露光る
ほとけの平蔵
病室のガリガリ君や露を食む
星乃瞳
足あとのプロムナードや露知らず
くわい
如露の露葉っぱを転げ土に落つ
村尾日々草
露しらず庭園照らすアフタヌーン
丹羽 しらつかつ
待ち人の滲んだ色や窓の露
コリン
このまちも露ときえゆくものばかり
柳川迷蟻
娘乞う露になりたし震え声
小林復旧
傘ふたつバス待つ孫と露数え
川崎安二郎
恥じらいの真珠婚旅白露かな
山笑み
朝露に曇る鏡や合宿所
小沼天道
白露かなエアコン設定29度
津嶋有明
世界陸上露の命が火を走る
チョコミン
●ピックアップコメント:
「露」が季語として機能しているかあやしい句をピックアップ。
露を比喩に使った場合や、慣用句の一部として使った場合には季語としての力は限りなく失われてしまいます。
また、露は天文の季語であり、水蒸気が地表近くの冷たいものの表面に凝結して水滴となったものをいいます。句の内容から判断して、コップやガラスなどについた水滴や結露のことを表現していたり、雨粒のことを表現していると思われるものも「露」の句とは考え難くなります。
さらに、読み方によって季語の判定が変わるケースもあります。「白露」は「白露(しらつゆ)」と読めば露の傍題になりますが、「白露(はくろ)」と読んだ場合は二十四節気のひとつとなり、秋の時候の季語となります。山笑みさんのケースは音数的には「白露(はくろ)かな」の可能性が高いでしょうか。
---------------------------------
▼【入力にはお気を付けて】
草の梅雨思い溢れて溢れけり
千の百代
夜露寝れ体冷やさぬか妻の肩
森嶋ししく
●ピックアップコメント:
入力や変換が気がかりな句をピックアップ。
千の百代さんは文字変換が間違ったのか「露」が「梅雨」になってしまっています。
森嶋ししくさんは「寝れ」が不思議。「濡れ」と入力したはずがうっかり打ち間違えて寝れになってしまったのでしょうか……?
自分が表現したい内容が正確に伝わるよう、送信の前には今一度文字の見直しをおすすめします。
---------------------------------
▼【来月もまた会おう!】
気に入りの箸折れるだけで露の玉
浅丘乃詞
露待ちつつ四倍のリゾートバイト
バーバラ
露欠片現金不可のパスタ店
前孤独
朝露に妻のいびきに四時水掛
ほにゃ
夕露に一粒蒔けど月に負け
岩崎 嶺壽
露のかげ日にさしかゝる露からに
モモザウルス
承認は眼を見て会話落ちる露
手塚童好
一抹の海触れた指先露により
昼はリンゴと一緒
●ピックアップコメント:
投句してくれてありがとう!
まずはしっかり「露」をいれた投句をしてくれてうれしゅうございます。これから一歩一歩学んでいきましょう。今募集中の兼題は、11月19日締切の「牡蠣」です。これからの投句も楽しみにしています。
※今回の兼題「露」初級者投句欄へのご投句は、投句数3487句、投句人数1530人となりました。