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初級者結果発表

2022年2月20日週の兼題

百千鳥

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選までもう一歩】

選者コメント

家藤正人

みなさまこんにちは。初級の選者、家藤正人です。

月曜日は、入選にもう一歩という句をご紹介します。

・月曜日の「選者コメント」に掲載されている俳句については、作品検索はできません。

・月曜日の「ステップアップのためのヒント」に掲載された句、入選句、優秀句については作品検索が可能です。

月曜の「選者コメント」や「ステップアップのためのヒント」を参考に、目指せ金曜優秀句への道!!


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▼【季語なし&違う季語】

君を呼ぶ友呼ぶ鳥の声に負けじと  

晩夏 浮雲

相談しねぐらに帰る鳥たちよ

山田いね子

百舌鳥飛んで枝に残れる贄一つ

清正

庭掃除一声高く百舌鳥の声

ゆうちゃん

コロナ禍や部屋に聞こえる百舌鳥の声

ふみちゃん

囀りに今日は良き日と思うてか

佐原波

故郷の野山賑わう百舌鳥の声

梅尾幸雪

風に問う鶯か百舌鳥なのかと

かつしか幸

爽快に目覚まし要らず浜千鳥

翡翠

百舌鳥の声在宅明けの処刑台

佐藤誠溢

故郷の山を歩きて百舌鳥を知る  

かこちゃん

北限の百舌鳥はやにえの高々と

荒木鈍

魅せられてヘビーリスナー我は百舌鳥

藤れんぎょう

囀りの高き低きのせわしなさ

村井 美木

春の陽に啄む二羽の睦まじく

児島桃紅

柑橘を皿に置き待つ春の鳥

義仁

縁起良し悪し鳴く百舌鳥や中世を

シェル  ローズ

湖で百舌鳥のはやにえ鳥肌ぞ

三杏樹

百舌鳥コロナ跳ねのけ新年度

島田 志風

ウクライナに心よせて春日向

涼風

即席めん少し汗ばみ食む春か

禿泉

親鳥の空裂きて鳴く春の朝

三毛猫

青色の経費溜め込み百舌鳥の餌かな

さざなみのよう

忘れろよもう忘れろと百舌鳥唄う

流鏑馬

録音の校歌外には百舌鳥

大江鈴

春の風はなびらと共に数学散る

宮田輝

残像を櫻に見立てる彼の髪

みじんこたまこ

友達と四つ葉探して桜舞い散る

ぼらぼら

桜咲き桜思たら杏やん

もち もち かわしもち

FJK桜散れども友情散らず

しげる

春麗風切る音と鳥の声

NOMA

春の朝青空に映える杏色

吉見はる

桜木の空に見えるは青と桃

ハードボイルド三兄弟

陽光り夢見し未来に桜咲く

陽詩

暖かな陽射しであくびし百舌鳥涙

乃邑歳幸

囀りや胸の左右差に落胆

佳奈

春の風ぴーちくぱーちく下校の子ら

がこ ひーこ

百舌鳥が鳴く鼻腔ひくひく朝の風

真心素秋

猫の耳みぎにひだりに百舌鳥

小橋 光

枝先でおしゃべり上手い百舌鳥の声

平谷 河女

花弁落ち隠れてなくのはウグイスか

立春

春千鳥ひとりぼっちの三連休

花はな


●ピックアップコメント:

季語の入ってない句や違う季語が入ってしまっている句をピックアップ。

今回なんといっても多かったのが「百舌鳥(もず)」!

字面が似ているため間違える人が多発したのですが、兼題は「百千鳥(ももちどり)」なのであります。

俳句ポスト365では毎週「兼題」と呼ばれるお題を出していますが、季語が出題された場合はその季語(あるいは、その季語の傍題)を必ず詠み込む、というのがたった一つのルール。

各回の出題に全員が取り組むことで切磋琢磨を目指しております。

今募集中の兼題は、5月19日〆切の「薔薇」です。ご投句お待ちしてます。


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▼【季重なり】

病める春都会の空に百千鳥

十六夜月

新入生歓迎稽古百千鳥

青に桃々@いつき組俳句迷子の会

百千鳥ヒヤシンスにも目白はきたり

牧野 かすみ

百千鳥庭の賑わい春が来る

時間餅

さざんかに雪をふるいし百千鳥

山ざくら

百千鳥仲間探せし目白かな

蕭蕭

百千鳥菜花の道を飾る朝

稲庭花子

百千鳥小遣い減らす春休み

西洋山 薄荷

百千鳥囀り淋し子の巣立ち

髙田 佳歌

キャンパスに七色の虹百千鳥

平本文

百千鳥卒業の輪へ飛び渡る

宮沢寿風

田起こしも自動運転百千鳥

ななかまど

春うらら眠気を誘う百千鳥

石井蓮花

百千鳥春呼ぶ声は背中押す

夏井 みつき

百千鳥バンズに挟んで春バーガー

真工藤 成堂

春の道離れる仲間と百千鳥

二十日目の人参の芽や百千鳥

真林


●ピックアップコメント:

一句の中に複数の季語が入っている状態を季重なりと呼びます。

百千鳥は春の季語なわけですが、ストレートに「春」の実感が入ってきたり、様々な声のうちの一つが「目白」だと気づき、それが実は季重なりであったり……。季語との出会いは同時に、その周辺に存在する他の季語との同時遭遇にもなってしまう場合があるのでしょう。

季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ! というわけではありませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。まずは、一句一季語からコツコツ練習です。



※今回の兼題「百千鳥」初級者投句欄へのご投句は、投句数3678句、投句人数1470人となりました。

以下の句は入選決定!
金曜日「優秀句」へのステップアップのためのヒントをご案内します。


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▼【類想】

コロナ禍に羨む賑わい百千鳥

光 伎和

百千鳥コロナの明けの握手会

生もみじ

百千鳥まだ見ぬ恋に夢抱く

武蔵坊弁慶

一斉に枝蹴って行く百千鳥

オリゼ

百千鳥今日も聞かせてあの歌を

夏川涼

女子高生心揺れしや百千鳥

佐野聖光

百千鳥携う赤きランドセル

和子

寝床から早く出でよと百千鳥

夏野星一

百千鳥楽しく唄い人のよう

石波リサ

百千鳥ヒヨヒヨうるさ旅の朝

ドキドク

ほっこりと百千鳥たち日向ぼこ

えちご散ざん

百千鳥お日様弾むランドセル

赤星光

高き声競ひ合ひしや百千鳥

倒福

百千鳥恋の季節の声艶や

大江戸小紋

百千鳥嘴戯れ花散らす

田中 和山

コロナ禍にのびのび唄う百千鳥

白取 幸明

休日の目覚し代わりの百千鳥

高田はっち

里山は恋を語ろふ百千鳥

ニッシャン

想う人いるかの如し百千鳥

良馬

百千鳥探し見上げて脚止まる

内橋円陶

百千鳥撒き餌に彼方此方其方此方に

三橋くおん

黄色帽寄っては離れ百千鳥

水野 寿香

合格に喜び響く百千鳥

森脇レイ

合格を祝うがごとき百千鳥

小川 一雄

百千鳥ドッジボールの子等の声

免疫力UP

里山であなたと聞いた百千鳥

東里夢未

黄色帽よろけて歩く百千鳥

蓮実子ばあば

百千鳥恋しく呼ぶや木々の枝

かなこ

始業ベル一斉に鳴き止む百千鳥

オイラー

昼三時うつらうつらに百千鳥

松根トンビ

百千鳥かまびすしきや樹々にむれ

柚木 啓

百千鳥在りし日想う老夫かな

古都酔仙

あっちかないやいやここよ百千鳥

福心棒

朝練の声に負けじと百千鳥

英 凡水

夜が明けて生命の讃歌百千鳥

瑠璃 翼

百千鳥朝の合唱竹藪で

高田 女

明けぬ世の代わりに歌え百千鳥

二三四五六

世界中反戦唱う百千鳥

上本 小手鞠

母眠る寝床に届け百千鳥

和光子

百千鳥僕はただただ片思い

豊國華徳

枝揺らし楽しげに鳴く百千鳥

まさえ

百千鳥音頭を取るはあの鴉

松井作楽丸

テレビから爆撃の音百千鳥

すずき鈴花

百千鳥風と流れるハーモニー

吠句川龍

百千鳥山のふもとの保育園

清水 了観

窓の外悦び満ちた百千鳥

青木茂治

音楽会園児らの歌百千鳥

古井彩湖

通学の子らとももちどりの競演

松山女

川土手の草むら遊ぶ百千鳥

池ばーちゃま

里山に恋の季節か百千鳥

西倉美紗子

百千鳥朝っぱらからラヴソング

鞠突男

百千鳥井戸端会議の女達

小花風美子

軽やかにランドセルの歩百千鳥

山清

木々の中鳴き競い合う百千鳥

花水木士

百千鳥ランドセル弾む小さな背

ぺんぺんの母

百千鳥ちまたは恋の季節なり

kikuti-aya

合唱の誰が指揮者や百千鳥

康寿

永遠に世に平和の声を百千鳥

藤野れんげ

散歩人行き交う水辺百千鳥

鈴木 一春

百千鳥影追う朝の散歩かな

高橋昂昉

ランニングイヤホン外し百千鳥

いわつよ8

百千鳥磯鵯のこえもして

かずよばぁば

百千鳥平和を祈る三線の日

山田 正山

百千鳥高校生の笛響く

永田みゆき

まっさらの制服の列百千鳥

ははろ

百千鳥マスク小声の世を笑ひ

桐島 初奈

百千鳥マスク小声の世を笑ふ

初奈

揺らぐ木々姿隠すか百千鳥

山野 のりこ

深呼吸目と耳すまし百千鳥

球子

百千鳥大樹の影でタクト振る

古寺 憲子

百千鳥身まもられゆく学童帽

大塚鴨鷺

園庭で跳ねまわる子ら百千鳥

とき流る

百千鳥吾子鳴き真似てジャンプして

西野桃果

百千鳥テレビには銃声の街

ガーランド那智蔵

夢うつつ門出寿ぐ百千鳥

津田 愛光

明日も聴くスヌーズ無しの百千鳥

方寸

百千鳥墓前で吾と唱和せり

ビッグネット

歌声は子供の声か百千鳥

たけ丸

さよならと君の鳴き声百千鳥

夢見頃ヘルパー。モンヌ組

給食はいまだ黙食百千鳥

カバ先生

百千鳥呼ぶ声泣く声笑う声

大空りんむ

百千鳥旅立ちの日に唄え飛べ

中島 穂華

百千鳥負けぬ生徒の笑ひ声

西垣純風

明け方の静粛の後の百千鳥

栗鼠

裏庭で朝のコーラス百千鳥

風花くるみ

百千鳥恋の音楽耳によし

石川明世

百千鳥ソプラノアルトのミュージカル

房州秋草

我ひとり都心の森の百千鳥

富吉

百千鳥光る鳴声など交はし

平松 ヨウコ

君思い百千鳥をと離れ観る

荒川おじ山水

はずむ会話跳ねて留って百千鳥

山田ほうきゅう

あぜ道や百千鳥響く校門の先

木ノ道 ミシェル

年頃の乙女の列や百千鳥

長嶺阿蘇

百千鳥恋の季節か杜の森

薩摩南風

百千鳥おいでおいでと吾子が呼ぶ

さざなみ葉

砲撃のテレビの画面百千鳥

空歩

楽しそうくよくよするなと百千鳥

重陽裕子

せせらぎの音かすかなり百千鳥

道真奈佳

神の山朝始まれり百千鳥

尺六寸

艶やかに求愛うたう百千鳥

渡辺 あつし

里の駅野地でぺちゃくちゃ百千鳥

梅木彩舟

朝ぼらけ入り乱れての百千鳥

笹野いと茶

通学路スキップ弾む百千鳥

北乃薫衣草

百千鳥賑々しきや恋話

知音亭呆庵

山に野に川に狭庭に百千鳥

夢実

参拝の清しき朝や百千鳥

揚雲雀

百千鳥アラーム代わりに朝起こす

山太平

われ先に行け百千鳥晴天へ

杼 けいこ

百千鳥アウフタクトのシンフォニー

粒野 餡子

河川敷木は生え繁り百千鳥

多摩川風子

公園ではしゃぐ子達と百千鳥

ポカン師匠

百千鳥木々の間に間にかくれんぼ

香月夕果

ソプラノもテノールもおり百千鳥

柑たちばな

立ち乗りの園児ら街へ百千鳥

永井うた女

庭園にほっとひと息百千鳥

谷枝 光女

猛禽の飛来や凍る百千鳥

欅山四十八景

保育所の子等の歌声百千鳥

桜木レイ

百千鳥かくも平和の証しとは

ハイビスカス竹内

百千鳥地上は井戸端会議なり

リコピン

眠き朝励まし声か百千鳥

髙山善裕

玉砂利の朝の参道百千鳥

秋月

窓外の登校の声百千鳥

如月エミ

ダブダブの制服凜々し百千鳥

篁 橙花

百千鳥足取り軽やか上り坂

小野陽笑

吾子ありて華やぐ一日百千鳥

坂本 節子

百千鳥いとなみ交わす恋の歌

涼風 蘭

百千鳥庭いじる手と足を止め

白山

子がまねる口笛まねる百千鳥

花野海

再会に歓呼するごと百千鳥

syuusyuu

砲弾の落ちるニュースに百千鳥

竹中寛人

せせらぎが瞼に光る百千鳥

東狼

百千鳥指揮者不在の合唱団

忍冬

枝渡る愛か戦か百千鳥

福兵衛

百千鳥声すれど異国は大砲

裾野51

公園の保育園児や百千鳥

菅野望月

友達とはしゃぐ放課後百千鳥

とら

君思ひ恋ぞつもりてももちどり

のってぃ

うらやまし密を気にせず百千鳥

待雪みほこ

百千鳥鳴き声聞いて鳥の名を

カドヤ定規

百千鳥樹上騒がし散歩道

富樫 幹

飛び去ったあとの静けさ百千鳥

与野小町

放たれて子等野を跳ねる百千鳥

竹内ダイアナ

百千鳥接種会場静かなり

中中

校庭の大樹にやすむ百千鳥

小藤たみよ

百千鳥恋の季だよと甲高く

河原の和の子

百千鳥朝の陽浴びてチチと鳴く

井上教

イヤホンを飛び越えてくる百千鳥

ところ啓泉

ママ友の弾むおしゃべり百千鳥

笹倉沙希 

一声を追い一斉に百千鳥

澤木樹心

晴れわたる大樹のてっぺん百千鳥

山桜昌子

百千鳥一年生の並びをり

平野佳音

白杖を止めて聞き入る百千鳥

林 己紀男

途切れなく森の音楽百千鳥

北の星

城堀に恋の鞘当て百千鳥

棠 紫花

八幡に足止め聞かし百千鳥

木下有木

叢に姿見えねど百千鳥

角田 球

登校の黄色い帽子百千鳥

近藤寧女

新天地不安掻き消す百千鳥

美羽烏子

制服に着られる子らと百千鳥

杉沢藍

百千鳥孫も見つけし恋人を

久世わわ

人っこひとり出会わぬ古道百千鳥

都乃あざみ

ウクライナニュース聞くより百千鳥

池の富士

陽射し照る廃墟の庭や百千鳥

十津川ポロ

廃村の空は百千鳥賑やか

原島ちび助

里山に入りて周の百千鳥

蘊竹伯 竹丸

餌を呉れ呉れ呉れ呉れと百千鳥

木村群々

初登校信号待ちに百千鳥

由川水生

園児らはカートで散歩百千鳥

植田 三八

障樹越へ恋の届くや百千鳥

ゐのかたゆきを

百千鳥音合わせおりコーラス部

大石 真水

百千鳥ひとり歩くや里の尾根

樹矢沙汰

百千鳥クレッシェンドの子らの声

春日京丸

ひとむらの樹(き)に群れ遊び鳴く百千鳥

もりのおか万歩計

百千鳥キエフの夜明け運び来よ

冬菊

廃村の島に響ける百千鳥

こたま

一斉に鳴き出す合図百千鳥

槇まこと

目覚ましを止めて百千鳥の窓を

藍時 湘

ゆらゆらと風に揺られて百千鳥

齋陽花

孫の声踊る木漏れ日百千鳥

知依

せせらぎを散歩する朝百千鳥

三葉のクローバー

夕暮れのチャイム鳴るなり百千鳥

晴海南風@「木の芽」

百千鳥遠くの戦禍ラヂヲから

衣笠 野波

地平線百千鳥呼ぶ季節風

稗島塗小太郎

朝日射す休校の庭百千鳥

房代ちゃん@いつき組広ブロ俳句部

ひとつ聞き分ける耳もて百千鳥

カラビンカ

百千鳥花咲く季節耳で知る

宮澤博


●ピックアップコメント:

今回も種々の類想が集ってまいりました。

なかには「百千鳥マスク小声の世を笑ひ 桐島 初奈」と「百千鳥マスク小声の世を笑ふ 初奈」のようにわずか一音違いの句があったりも。類想類句は短詩系文学の宿命とはいえ、せっかく自分の句を作るなら避けたいもの。

たくさんの類想を見ることによって、自分の中に類想のデータベースが構築されていきます。今回見かけた発想のおかげで、陥りがちな類想も避けられるようになるかもしれません。


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▼【仮名遣い】

幸わへる烏国の沃土百千鳥 聴 雪

百千鳥昼餉はゆるりいただかふ 大嶋メデ

天心へむかふて鳴くや百千鳥 本山喜喜


●ピックアップコメント:

歴史的仮名遣いを採用する際は表記にご注意。

それぞれの句の表記の気になる部分を辞書で調べてみましょう。

広辞苑で「幸わう」を引くと「さき‐わ・う〔‐はふ〕」と表記されています。現代仮名遣いと歴史的仮名遣いで表記が違う場合は〔 〕で括られた部分が歴史的仮名遣いの書き方。

ですので、正しい表記は「幸はへる烏国の沃土百千鳥 聴 雪」となります。

「百千鳥昼餉はゆるりいただかふ 大嶋メデ」での注意ポイントは「いただかふ」。これは動詞「いただく」に助動詞「う」がくっついた形です。助動詞「う」は歴史的仮名遣いでも「う」で表記されますので、正しい表記は「百千鳥昼餉はゆるりいただかう 大嶋メデ」となります。歴史的仮名遣いで「う」を「ふ」と書くケースは多いため(例:「祝う(いはふ)」など)、うっかり陥りがちな間違いです。要チェック!

「天心へむかふて鳴くや百千鳥 本山喜喜」は「むかふて」が注意ポイント。動詞「向かう」は歴史的仮名遣いで書くと「向かふ」です。連用形は「向かひ」となり、そこに助詞「て」がくっついて「向かひて」が本来の形。

この句ではウ音便を発生させています。それならば、正しい表記は「むかうて」が正解。「う」を歴史的仮名遣いに直して「むかふて」にしなきゃ! と思ってしまいがちですが、音便が発生した場合は「う」のままでOKです。これもだれもが間違えるポイント。この学びの記録がきっと誰かの役に立つ!


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▼【文法】

羽ばたけし螺旋状に百千鳥 猫辻みいにゃん


●ピックアップコメント:

チェックポイントは「羽ばたけし」。

内容からおそらく「羽ばたいた」といったニュアンスで使っているのではないかと推測しました。

であれば助動詞「し」の直前の音が変わります。助動詞「し」は動詞の連用形に接続するため、正しくは「羽ばたきし」となります。


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明日から火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。入選句の評価は火、水、木(ステップアップのためのヒントに掲載分も含む)ともに同じランクです。順不同での掲載です。
そして金曜日は、初級者投句欄の優秀句発表です。

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