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初級者結果発表

2023年1月20日週の兼題

鳥雲に入る

【曜日ごとに結果を公開中】

【入選までもう一歩】

選者コメント

家藤正人

みなさまこんにちは。初級の選者、家藤正人です。


月曜日は、入選にもう一歩という句をご紹介します。

・月曜日の「選者コメント」に掲載されている俳句については、作品検索はできません。

・月曜日の「ステップアップのためのヒント」に掲載された句、入選句、優秀句については作品検索が可能です。

月曜の「選者コメント」や「ステップアップのためのヒント」を参考に、目指せ金曜優秀句への道!!

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▼【季語なし&違う季語】

空仰ぐ侘しさ残し羽広げ

テディベア


天敵に襲われまいと雲の中

海原


郷の山にきのうまでいて雲にいる

高田 仁和加


白き鳩よりも綺麗な吾の彼女

子安一也


飛ぶ鳥は後を濁さず苦労する

翠善


振り向かず歩みし日鳥雲を行く

鷹岡翠豚


鳥は北去れど四方皆疾と役

鈍子


うずくまり飛び立つ羽音片目閉じ

白兎


孤高の鳶旦過見守り雲に入る

白猫 じゅん


渡り鳥季節に向かい翔ぶ姿

でえくのぼお


律儀なり雲隠れしも鳥帰る

のろのろ爺


節分やインフレ値上げ鬼も泣く

ヒロシ


河原鶸はじめの羽音に群れが追う

ふみちゃん


春鳶園児のむすび鷲づかみ

ロストボール明神


春風に乗りゆく鳥の水平線

阿利ありんこ


鳥空へ蜜柑の皮と空の蓋


寒い冬松山の春近いかな

寒い冬


北陸は仲春で寒い日々

菊川淳五郎


桜咲く災害起きて学ぶ声

吉田宏音


越冬のアサギマダラ渡る海

吉田裕美湖。


春近し思い出残し北の地へ

健都 雀


鳥雲を分ける鉄鳥に渡り人

秋田悠々斎


春温し病床の窓そっと開け

秋田鬱金香


仲春や雲いや高し受験済む

春日


再来を待ち鶫去りスタートに

小宮 康子


人生に似た険し道鳥帰る

上殿のおチイ(ウメの妹)


庭石の端にひとり移ろふ冬の石

森脇レイ


立春よ夢見た街のフォトマップ

水産丸 太郎


陽の下に「へへへ」と笑う雁の列

浅葱鴨葱


鳥曇にいり我ひとり酒をくむ

大空りんむ


神宿る島を遠くに鳥渡る

池ばーちゃま


送別の堅き握手鳥曇に入る

梅の木千恵美


今日よりや北へ飛び立つ野鶴かな

萩原 虚吟


立春の近し飛びゆく渡り鳥

萩原 弘道


浮かぶ鴨飛ぶ鴨遊ぶ鴨

博多 寅次郎


雲雀飛ぶイカロスの夢どこまでも

美田巌


にび色の湖畔にうつる鳥曇へ

百足野座無座


百千鳥まだ見ぬ恋に夢抱く

武蔵坊弁慶


笛を吹き川の上ゆく雁の群れ

望月幸人


渡り鳥またの逢う日を待ちわびる

麻座輝貞


鳥風よ届けよ祖父へ白煙を

雄江 久大


鳥暮れるつよい光に若芽萌え

和泉 与六


●ピックアップコメント:

季語の入ってない句や違う季語が入ってしまっている句をピックアップ。

季語「鳥雲に入る」について考えるあまり、鳥を描写しようとしたり鳥の気分になってみたりした結果、肝心の季語が消えてしまったりしております。

また、「雲雀」「河原鶸」「鴨」など具体的な鳥の名前が入ったケースもありました。特定の鳥を指した場合、むしろそちらにメインの季語の座を奪われてしまう恐れがあります。

俳句ポスト365では各回の出題に全員が取り組むことで切磋琢磨を目指しております。

今募集中の兼題は、4月19日締切の「野遊」です。ご投句お待ちしてます。


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▼【季重なり】

鳥雲に入りて新芽の碧さかな

k幸女


立つ鳥と鳥雲に入る春休み

サーモンと佳紀


鳥雲に入るまだ湯たんぽをするつもり

さつきちひろ


鳥雲に椿は落ちて風の止む

シンガイ


鳥雲や海鵜はダイブ波しぶき

そぼろ


鳥雲に入りて草木の芽吹きかな

ランナーズ寅さん


鶴つがい病治して鳥雲に

栄音


賑賑し鳥雲に入るヒワの群れ

玉治美


一歩目はうららか鳥雲に入る

欣喜雀躍


萬羽鶴旋回風乗り鳥雲に入る

薩摩南風


空高き鳥雲に入る鶴の群れ

皐月 蓮


のんびりと鳥雲に入る梅ひとつ

松村 とん


ひと筋のナベ鶴クロ鶴鳥雲に

杉田ひらさこ


種蒔く人霞みて鳥雲に入る

大康


烏雲に入る春の足音

辻枝豆子


時は春雲に入る鳥世に溶ける

田村翡文


鳥雲に入る凍て鶴やどこへ去る

萩原 猫遊


大寒の鳥雲に入る鳩の群れ

萩原 緑蔭


鳥雲に入る雪下ろし日和かな

北野屋英雄


残雪を散らす道鳥雲に入る

万葉見


春の夕鳥雲に入る背を向けて

和遊


この庭の梅は嗅ぎしか鳥雲に

餃子大王


●ピックアップコメント:

一句の中に複数の季語が入っている状態を季重なりと呼びます。

季語が入っていないケースの解説でも少し触れましたが、「鶴」などの具体的な鳥の名前が入りつつ、同時に「鳥雲に入る」としっかり書かれている場合もあります。その鳥が渡りをするという内容が描きたいんだろうとわかりはするのですが……。

季語が複数入っている名句もあるので、「季重なり」は絶対にダメ! というわけではありませんが、複数の季語を作品として成立させるのは、上級者コースのウルトラ技。

ここに紹介した以外にも季重なりの句はあり、火曜日以降に紹介される場合もありますが、比較的許容しやすい季重なりとして受け止めています。

やはりまずは、一句一季語からコツコツ練習して参りましょう。


※今回の兼題「鳥雲に入る」初級者投句欄へのご投句は、投句数4146句、投句人数1828人となりました。

以下の①については入選決定!

金曜日「優秀句」へのステップアップのためのヒントをご案内します。


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▼①【類想】

俳句づくりの上での思考や発想が似通ってしまう事を「類想(ルビ:るいそう)」と言います。


鳥雲に地図を描くか大移動

kimi


鳥雲に声高らかや我が上を

moto髪結


鳥雲に都離れる北斗星

seki@いつき組広ブロ俳句部


五島列島へ転勤鳥雲に

tokisan


鳥雲に入る年下の友が逝く

あいまい もこ


鳥雲にいりて息子の入社式

あすか風


青い富士川のせせらぎ鳥雲に

アボカドブロッコリー


想い乗せ鳥雲に入るさらば友

アリゲータ剣豪


四十九日鳥雲に入る母眠る

エマーシャばあば


鳥雲に入り恋の終はり確かめり

オッドアイ


鳥雲の鳴き声連ね北の道

かなこ


鳥雲に北に目指して季鳥や

キートン


鳥雲に入る雲の上は晴天

キイロイトリ


鳥雲に入る親友の送別会

きだゆふすけ


発車ベル高らかに鳥雲に入る

しろくま歌子


大空にVの字鳥雲に入る

タカハシネコミサ


鳥雲に入りふるさとに残る思い

テレシア


鳥雲に入る子はおんも出始むる

にいやのる


飛び立つ日知らせず鳥は雲に入る

にえ茉莉花


鳥雲に入る隊を成し逸れなく

ビッグネット


シャンシャンの返還近し鳥雲に

びぼん


孫職に地元はなるる鳥雲に

ファストペンギン


鳥雲に入る我も次の峰へと

ぺんぎん太郎の苺一技さん


鳥雲に入るや見送る母ひとり

マダム愛和


鳥雲に入るごとく去る空仰ぐ

まほろば菊池


消えながら鳥雲に入る未来へと     

みっちゃん


思い出と鳥雲に入るさようなら

めだか


故郷の山の方へと鳥雲に

ヤモリ


中国に帰る同僚鳥雲に

ヤン子


鳥雲に入り影鳥海の遥か

ゆうじい


日が射して仰げば鳥雲に入りし

よつ葉


教え子の旅立ちよ鳥雲に入る

リンク


振り返ることもなく鳥雲に入る

わかこ


見上げれば鳥雲に入る我虚し

愛生園風来坊


迷いなく鳥雲に入る新転地

愛知ミト


鳥雲に入る戦場の命散り

安田 風花


愛犬の命日鳥の雲に入る

安曇野たんたん


鳥雲に入るを見て我ここで励もう

安和詩幸葉樹


旧友と昔話や鳥雲に

伊東まる


鳥雲に妻の旅立ち黄泉の国

伊豆大黒


鳥雲に入る亡母もまた遥かなり

井口けろよん


鳥雲に妣の面影追いかけて

井上美月


鳥雲に入るや地図さえ知らずして

郁松 松ちゃん


鳥雲に我は不安の初赴任

一春


見送れば鳥雲に入る出会いまた

一歩千金


鳥雲に入る校庭は門出式

一條冬青


鳥雲に入りて寂しさ募らせる

右田俊郎


次々と飛び立ちて鳥雲に入る

浦中


Iターン決めた日や鳥雲にいる

浦野米花瑠


夢追し鳥雲に入る旅路かな

雲井草舟


鳥雲に入る父を施設に送る朝

影山 明日香


明日想ひ鳥雲に入る仰ぐ空

永井旅人


シャンシャンのいない上野や鳥雲に

永山シャンシャン


今日は明日鳥雲に入る別れの日

縁糸まどか


鳥雲に入る遅るる一羽残し

遠藤玲奈


諏訪のV字編隊鳥雲に入りて

岡 由紀阿希


紺碧に風舞いて鳥雲に入る

加藤水玉


河川敷夫婦寄り添う鳥雲に

加藤万理乃


義母送り顔を上げれば鳥雲に

加藤理恵子


鳥雲に入るや誠に淋しかり

夏川涼


鳥雲に入りて手を振る若きひと

家古谷 硯翠


病院の庭母と見送る鳥雲に

花衣高雪


鳥雲に入りて就活スーツ着る

花根ひろこ


鳥雲にあなたの訃報聞かされし

花水木


過ぎた日々鳥雲に入りお別れを

華灯あずき


鳥雲に入る又置いて行かれしか

海老 あまびゑ


弟とはぐれし記憶鳥雲に

舘風香


鳥雲に入る湖面に映る朝日

丸岡彩映


鳥雲に未だ戦禍ぞ北の国

岸 れん


鳥雲に入る同窓生よ又会おう

岩橋夕紀


泪目に鳥雲に入るひとり旅

希凛咲女


ホームに立つ娘や鳥雲に入る

吉見小鈴


娘は所詮離れゆくもの鳥雲に

久間 いたる


孫晴れて社会人鳥雲に

久世わわ


鳥雲へ甥子の門出祝ひけり

宮原麦酒


幾度見る鳥雲に入る旅すがら

宮本之真非不


鳥雲に入る君が去った滑走路

郷角 四葉


鳥雲に入る再会祈し合掌す

玉照


夢をのせ鳥雲に入る小鳥たち

栗朱奈


鳥雲に入りて農繁迫り来る

原颯太


君一人鳥雲に入る東京へ

古賀衝童


鳥雲に入る遥かなる少年期

光顕


雲に入る鳥よ伝へて「会ひたし」と

荒木ゆうな


出港の紙テープ切れ鳥雲に

鋼岳


惜別の朝見たる鳥雲に入る

高崎怪人


鳥雲に入る故郷の空遠く

高崎孝雄


鳥雲に郷はいくさばとも知らず

高頼かづき


あれがシベリアの方鳥雲に入る

黒瀬三保緑


鳥雲に入り残りたるもの猶わびし

黒猫はなこ


留まる吾に目も呉れず鳥雲に入る

佐竹紫円


故郷は何処や鳥は雲に入る

佐竹草流


大群の鳥雲に入るまたおいで

菜園ベジタベル


古里の家手放す報せ鳥雲に

桜よし榮


さびしさと鳥雲に入るランドセル

桜華


眺めしやVの群れ鳥雲に入る

桜華姫


鳥雲に入る並列の後を追う

三粂 二乙


鳥雲に入る仰ぐやスカイツリー

三富みつ葉


孫の夢届け今鳥雲に入る

山ざくら


まだ慣れぬ一人の旅や鳥雲に

山下こけ女


何処からか鳥雲に入る何処かへと

山口直哉


鳥雲に入る我が心一新す

山太平


群れの一羽外れて鳥雲に入る

山田独墨


ふるさとの山超えて鳥雲に入る

四季風吹子


私もか鳥雲に入るふるさとへ

四栗淳介


ふるさとの海渡り鳥雲に入る

寺岡はる


親離れ子離れも鳥雲に入る

寺崎ひあしんす


空高く鳥雲に入り北へ帰る

時間餅


想うとて雲間に入る古稀の夢

自演馬琴


御空ゆく鳥雲に入り暮れ泥む

室井双月


隊列の鳥雲に入る空割いて

実本礼


見上げると鳥雲に入る筑波山

柴のぶちゃん


鳥雲に第二ボタンは手の中に

柴田翠花


鳥雲に一期一会の旅路かな

秋谷 忍


風止みて鳥雲に入る空かなた

渋谷桐峰


空の青鳥雲にいる我も飛ぶ

春川花空


雲に入る鳥見送りつ畑仕事

小西えみり


国境をゆうゆうと鳥雲に入る

小田ビオラ


鳥雲に入りまたひとつ訃報受く

小林万花


雲に入る鳥川面に残りし二羽

照三平六


廃校となりし母校鳥雲に入る

植田 三八


鳥雲に入る級友と振る手と手

森上  準一


国境を越え白き鳥雲に入る

神谷理風


父母思う鳥雲に入る仲間たち

水野公於


鳥雲に入りたり我は我思う

菅原ゆう


おはよう今日初出勤鳥雲に入る

菅野望月


夢追いて鳥雲に入り一人酔ふ

瀬戸内しずか


「また来いよ」鳥雲に入るじいじの忌

成瀬ぽんぽこ


鳥雲に入る飛行機雲へ向かう

成瀬桃うさぎ


宇宙を問うて見上げれば鳥雲に

星のお爺ちゃま


赤子泣く鳥雲に入る空の広さよ

青梅高水


鳥雲に入りて選手の引退す

石川潤子


手を振りぬ鳥雲に入るすがたへと

石川明世


鳥雲に入る背中を見守る母

石田明日


どこ行くの鳥雲に入る旅人よ

赤羽ナナ


学び舎を背にした空は鳥雲に

千夜美笑夢


部屋を出て鳥雲に入り空目指す

川上香織


荷造りて子ども部屋広し鳥雲に

泉水あやめ


薄紅のつぼみ起こして鳥雲に入る

泉谷 梅子


見送ろう鳥雲に入る手を振って

草道Q幸


鳥雲に入る迷いなき遠き地へ

増田楽子


惜別の鳥雲に入る無事祈る

大薮薫子


鳥雲に人り高空は蒼天や

大和キートン


幾何学に鳥雲に入り点と消ゆ

知無須園


独り立ち我が子に重ね鳥雲に

竹前みさこ


鳥雲にランドセル光る群れし子等

竹内 喜和


鳥雲に入るピッカピカのランドセル

茶子父


ランドセル鳥雲に入る真新し

中川肱洲


三周忌鳥雲に入る別れかな

猪飼篤彦


鳥雲に亡き祖父似の影誰そ彼

朝日花月


定年前の辞令鳥雲に入る

朝日雫


合格や鳥雲に入り親寂し

朝乃 珈琲


チャイム鳴る鳥雲に入る夕暮れに

町乃 磯鵯


鳥雲にあの日の姿母思ふ

長洲雪華


鳥雲に入るや下りの発車ベル

長野 雪客


雲に入る鳥に声掛けまた来いよ

鳥羽蒼香


鳥雲に入る飛行機雲連れて

津嶋 有明


曇天の雲に入る鳥隊列で

帝慧青希


枝間より鳥雲に入る蒼い空

田中 ゆき


鳥雲に入る実家を更地にする

田中ピロミン


鳥雲に我も出張海外に

渡部かえる


鳥雲に入る妻に伝えて元気だよ

島田  志風


鳥雲に入りて向かうは故郷の地

島田 モンブラン


一斉に鳥雲に入る北の空

東野出流


鳥雲に「朝のリレー」を北の地へ

藤 れい


行く先に夢あるか鳥雲に入る

藤原明星


ありのまま鳥雲に入る空広い

藤川雅子


鳥雲に雲を掻き分け北へ北

陶豪


鳥雲に並んで帰るランドセル

道隆


鳥雲に入りて煌めく相模湾

栃錦


北帰行鳥雲に入る羽根一片

楠十瀬子


鳥雲に入る遅れ二羽大急ぎ

難波幸夫


鳥雲に入る我も今飛び立とう

二宮ひまり


鳥雲に入る荒天を生き抜けよ

如月十日


鳥雲に入る我一人残されて

葱坊主 (柴山)


甥っ子のランドセル鳥雲に入る

白石夏葉


鳥雲に入る母想い父想う

畑 明庵


鳥雲に入る告げられし赴任先

畑 律庵


ふるさとはあの山あたり鳥雲に

畑中真土


鳥雲に入る旅立つ私と交差して

八迷琴柊


雲に入る鳥追いかけて吾子走る

八木獺八


くの字列一羽遅れて鳥雲に

飯島寛堂


鳥雲に入るまでを追へば汽笛過ぐ

比企野朋詠


家移りて鳥雲に入る夜明けかな

尾崎ダリア


眺め遣る鳥雲に入る窓辺かな

尾﨑 弐風


戦塵まい鳥雲に入る西遠し

美乃


住む人の絶えて荒れ鳥雲に入る

美濃紫


鳥雲に入るひかり号トンネルへ

浜風牧子


過ぎし日や空の教室鳥雲に

富士崎大海


鳥雲に入りて末子も家離れ

武田鳥渡人


ふるさとの安寧想ふ鳥雲に

風間 爺句


鳥雲に入りて我が子もついに小学生

風天子


来年もこの地に戻りし鳥雲に入る

福田もふもふたん


眺めても届かぬ鳥雲に入る

兵庫太郎


鳥雲に入る再決意の定年

平山千鶴


彼方に鳥雲に入る心地離れ

平本文


鳥雲に入りてあなたを思いけり

平良小夏


つばさよ鳥雲に入る先に平和

米米


風変わり鳥雲に入る季節の第2ボタン

宝井可憐


残り鳥一鳴き高く鳥雲に

放蕩


羽音立ち鳥雲に入る阿賀の里

放浪者


父へ届かん涙鳥雲に入る

方寸


あの人の面影いづこ鳥雲に

望月美希


鳥雲に入るきみの空や何処

北乃薫衣草


晴れ渡る鳥雲に入りふる里へ


納骨終えて鳥雲に入る

本山喜喜


またいつかどこかであなたと鳥雲に

本田啓


出立だ鳥雲に入るふるさとへ

夢 未知女


流るごと鳥雲に入る北帰行

夢野ユメ


伝へ聞く友の訃報や鳥雲に

茂木りん


鳥雲に入るべきまさに別れじや

木村珠光


帰らざるひと在りて鳥雲に入る

目黒ゆきんこ


湖面叩き鳥雲に入る辿り着け

野の ねじ花


鳥雲に入るまた来年会おうね

野原   美野


鳥雲にまた会えるかなグッドバイ

矢野游呆


鳥雲に学生各自新天地

優音


汽笛行き鳥雲に入り磯香る

優純bow


鳥雲に手を振る吾子のぎこちなし

有馬やまめ


独り居の息子遠しや鳥雲に

柚木 啓


永年の棲家離れし鳥雲に

葉月千蓉


鳥雲に十五の青き背よ行け

陽乃葵紫


夕暮れに鳥雲に入る白き群れ

羅風音


夜明け前鳥雲に入るをしかと見た

落合ペコ


鳥雲に入りて始発のベルが追う

藍田落星


鳥雲に入る飛べない吾残される

里山コナラ


釧路原消えゆく汽笛鳥雲に

立町力二


鳥雲に故郷離れ大学へ

涼風 蘭


鳥雲に入る命削ってふるさとへ

鈴木由花子


鳥雲に入りて祈らん旅の無事

蓮花


鳥雲に入る幼子は笑み浮かべ

蓮見玲


「また来いよ」手振りし祖父母鳥雲に

和田まさやん


鳥雲に故郷遠くなりにけり

檸檬幸子


転勤を告げるケイタイ鳥雲に

櫻十茶


面影と思い出残し鳥雲に入る

濱のメンドーサ


鳥雲に入る国境も戦もなく

齋藤鉄模写


儚げに手を振る空へ鳥雲に

齋藤桃福


子を連れて鳥雲に入る新天地

綺野たえ


第二ボタン空に投げ鳥雲に入る

髙橋好泉


ひとりきり鳥雲に入るターミナル

髙山善裕


●ピックアップコメント:

渡りという移動の性質から発想した句がとても多かった「鳥雲に入る」。同時に、残された側の視点に立つ発想も多くみられました。また、それらの発想は様々な別離ともイメージが繋がっていきます。故郷を離れたり、新たな人生のステージへ進んだり、時には死別であったりと。

たくさんの類想を見ることによって、自分の中に類想のデータベースが構築されていきます。今回見かけた発想のおかげで、陥りがちな類想も避けられるようになるかもしれません。


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明日から火曜日、水曜日、木曜日、と入選句を発表します。入選句の評価は火、水、木(ステップアップのためのヒントに掲載分も含む)ともに同じランクです。順不同での掲載です。

そして金曜日は、初級者投句欄の優秀句発表です。

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